栄養マネジメント強化加算とは?算定要件・管理栄養士の配置基準・ミールラウンドとLIFE提出【11単位/日】

栄養マネジメント強化加算とは?算定要件・管理栄養士の配置基準・ミールラウンドとLIFE提出【11単位/日】
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栄養マネジメント強化加算とは、管理栄養士の手厚い配置のもと、入所者全員への丁寧な栄養ケアを行う加算です。中・高リスク者には異なる日に週3回以上の食事の観察(ミールラウンド)を行うとともに、退所・退院時には相談支援または栄養情報の提供を実施します。さらに、全入所者についてLIFEへのデータ提出とフィードバック活用等の要件を満たすことで、入所者ごとに1日11単位を算定します。日額の加算のため、施設の収益インパクトはLIFE関連加算の中でも最大級です。

この記事では、対象サービスと単位数、前提となる栄養ケア・マネジメントとの関係、算定要件(管理栄養士の配置基準・ミールラウンド・低リスク者への対応)、LIFEへの提出様式と期限まで、現場で算定を始める順番で解説します。

栄養マネジメント強化加算の対象サービスと単位数

加算単位数対象サービス
栄養マネジメント強化加算11単位/日介護老人福祉施設(特養)・地域密着型介護老人福祉施設・介護老人保健施設(老健)・介護医療院

対象は施設系サービスです。通所介護などの通所系には本加算はなく、栄養アセスメント加算・栄養改善加算という別の加算体系になります。施設として体制・実施・LIFE提出の要件を満たしたうえで、入所者ごとに毎日算定します。

1日11単位の日額加算のため収益規模が大きく、1単位10円・100床が年間を通じて満床と仮定すると、11単位×10円×100人×365日で年間約401万円になります(実際の収入は地域区分・稼働率・入退所等により変動します)。管理栄養士の増員コストと比較して検討する性質の加算です。

各施設の単位数全体は以下の一覧をご参照ください。

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栄養ケア・マネジメントとの関係

令和3年度改定で、それまでの「栄養マネジメント加算」は廃止され、栄養ケア・マネジメントの実施は施設の基本サービスに組み込まれました(未実施の場合は減算の対象)。栄養マネジメント強化加算は、その基本の上に「より手厚い体制と丁寧なケア」を上乗せで評価する構造です。

つまり、①栄養ケア・マネジメント(全施設の基本) → ②栄養マネジメント強化加算(手厚い体制の上乗せ評価)という2階建てで理解すると、要件が整理しやすくなります。

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栄養マネジメント強化加算の算定要件

栄養マネジメント強化加算の算定要件
  • ①管理栄養士の手厚い配置 管理栄養士を常勤換算で「入所者数÷50」以上配置する。給食管理を行う常勤の栄養士を1名以上配置している場合は「入所者数÷70」以上でよい(例:入所者100人なら50対1で2.0人以上、70対1で約1.43人以上。入所者数は原則として前年度の平均入所者数を用いる)
  • ②中・高リスク者への丁寧な栄養ケア 低栄養状態のリスクが中リスク・高リスクの入所者に対し、多職種が共同して作成した栄養ケア計画に基づき、週3回以上、異なる日に食事の観察(ミールラウンド)を行う。食事の観察は管理栄養士が行うことを基本とし、必要に応じて関連職種と連携する(やむを得ず他職種が行った場合は、その結果を管理栄養士へ報告する)。観察結果に基づき、食事の調整や食事環境の整備、計画変更の要否の判断等を行う
  • ③低リスク者への対応 低栄養状態のリスクが低い入所者についても、中・高リスク者に対する食事観察の際などに、あわせて食事の状況を適宜把握する。問題点がみられた場合は速やかに関連職種と情報共有し、栄養ケア計画の変更の要否を判断する
  • ④LIFEへの提出と活用 入所者ごとの栄養状態等の情報をLIFEへ提出し、フィードバックその他の情報を栄養管理の実施に活用する(PDCAサイクルの推進)
  • ⑤退所・退院時の支援と情報連携 低栄養状態のリスクが中・高リスクの入所者が居宅へ移行する場合は、管理栄養士が本人または家族に退所後の食事に関する相談支援を行う。他の介護保険施設や医療機関へ移行する場合は、必要栄養量・食事摂取量・嚥下調整食の必要性・食事上の留意事項等の栄養管理情報を移行先に提供する

実施した栄養ケアの内容や入所者の状態は記録に残します。ミールラウンドは「実施したこと」だけでなく「観察した内容と、それを受けた対応」が記録されていることが運営指導での確認ポイントになります。

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低栄養リスクの評価とミールラウンドの実務

低栄養状態のリスク評価

要件の起点は、低栄養状態のリスクレベル(低・中・高)の評価です。BMI・体重減少率・血清アルブミン値(測定している場合)・食事摂取量・栄養補給法・褥瘡の有無などの項目をもとに、様式上の基準に沿って総合的に判定します。判定方法の詳細は以下の記事で解説しています。

なお、リスク判定項目に「褥瘡の有無」が含まれているとおり、低栄養と褥瘡は密接に関連します。褥瘡マネジメント加算の危険因子評価とも情報が重なるため、栄養と褥瘡の委員会・カンファレンスを連動させると効率的です。

ミールラウンド(食事の観察)で見るポイント

週3回以上の食事の観察では、摂取量だけでなく、食事の形態が合っているか(むせ・口腔内のため込み・食べこぼし)、姿勢は適切か(足底接地・頸部前屈位)、嗜好に合っているか、義歯や口腔の問題はないか、といった多面的な観察を行い、気づいた問題への対応(食形態の変更、姿勢調整、歯科への連絡など)につなげます。

食形態の調整では、学会分類のコードで多職種・厨房と共通言語を持つことが実務の要です。

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LIFEへのデータ提出【様式と期限】

  • 提出する様式

    LIFEの「栄養・摂食嚥下スクリーニング・アセスメント・モニタリング」様式(低栄養状態のリスクレベル、食生活状況、多職種による栄養ケアの課題、総合評価等の所定項目。自由記載欄は提出対象外)。なお、経口維持加算(Ⅰ)(Ⅱ)を算定している入所者については、「摂食・嚥下の課題」「食事の観察」「多職種会議」の情報も追加で提出します
  • 提出頻度・期限

    入所者ごとに、新たに栄養ケア計画を作成した月、栄養ケア計画を変更した月、これらの月以外でも少なくとも3月に1回、所定の情報をそれぞれ翌月10日までにLIFEへ提出します。なお、栄養ケア・マネジメント上のモニタリング頻度(高リスク者はおおむね2週間ごと、低リスク者はおおむね3月ごと、体重測定は原則1月ごと等)とLIFEへの提出頻度は別に整理して考えます
  • 未提出時の影響

    提出すべき情報を期限までに提出できなかった場合は、直ちに所定の届出を行う必要があります。原則として、提出できない事実が生じた月のサービス提供分から、情報を提出した月の前月まで、入所者全員について栄養マネジメント強化加算を算定できません。例えば、4月分の情報を5月10日までに提出できなかった場合は、4月サービス提供分から算定できなくなります。ただし、急激な状態悪化により体重を測定できなかった場合など、やむを得ない理由により一部の情報を提出できない場合は、算定が認められることがあります。その場合は、提出できなかった理由を介護記録等に明記しておく必要があります
  • 提出先

    2026年5月11日から国保中央会によるLIFEの運用が開始されています。移行手続きや現在利用すべきシステムを確認し、提出期限に遅れないよう対応してください

LIFEへのデータ提出が要件となる加算の様式・提出項目の全体像は、以下の一覧記事にまとめています。

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よくある質問

Q
低栄養リスクが低い入所者にも算定できますか?
A

できます。施設として要件を満たしていれば入所者ごとに毎日算定します。週3回以上の個別的な食事観察の対象は中・高リスク者で、低リスク者はその観察の際などにあわせて食事状況を適宜把握し、問題があれば速やかに対応する、という切り分けです。

Q
経口移行加算・経口維持加算と併算定できますか?
A

併算定できます。なお、経口維持加算に係る食事の観察は、栄養マネジメント強化加算の食事観察と兼ねることができます。経口維持加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定する入所者については、LIFEへ「摂食・嚥下の課題」「食事の観察」「多職種会議」の情報も追加で提出します。

Q
通所介護(デイサービス)でも算定できますか?
A

できません。栄養マネジメント強化加算は施設系サービス(特養・地域密着型特養・老健・介護医療院)の加算です。通所系では栄養アセスメント加算・栄養改善加算が対応する加算になります。

Q
管理栄養士が退職して配置基準を下回った月はどうなりますか?
A

常勤換算で50対1(給食管理を行う常勤栄養士がいる場合は70対1)の配置は算定の前提のため、満たせない期間は算定できません。人員変動があった場合は速やかに保険者へ相談し、体制届の変更等の手続きを確認してください。

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まとめ

栄養マネジメント強化加算は、管理栄養士を常勤換算で「入所者数÷50」以上(給食管理を行う常勤栄養士を1名以上配置している場合は「入所者数÷70」以上)配置し、入所者全員への丁寧な栄養ケアを行うことで、入所者ごとに1日11単位を算定する加算です。中・高リスク者には栄養ケア計画に基づき異なる日に週3回以上の食事観察を行って食事の調整や計画の見直しにつなげ、低リスク者もあわせて食事状況を把握します。中・高リスク者の退所・退院時には、居宅生活に向けた相談支援または移行先への栄養情報の提供が必要です。日額加算のため収益規模が大きい一方、配置基準という固定費を伴うため、施設規模と管理栄養士の採用計画をセットで検討しましょう。

要件として求められるミールラウンドと記録のサイクルは、誤嚥・窒息の予防や食支援の質の向上にそのままつながります。低栄養リスク評価・食形態の共通言語化とあわせて、算定とケアの質を両立させていきましょう。

【編集メモ(公開前に削除)】①介護医療院の単位数一覧(/202404-kaigoiryoin/)への内部リンクを必要に応じて追加してください。②褥瘡マネジメント加算記事が公開されたら「低栄養と褥瘡」の段落に相互リンクを追加してください。③内部リンクをpostcard化する場合はIDに置き換えてください。

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参考資料

厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

厚生労働省「LIFE関連加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例」

厚生労働省「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組について」

厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の概要(栄養関連)」

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科学的介護情報システム(LIFE)の情報

    科学的介護推進体制加算のLIFE提出

    個別機能訓練加算(Ⅱ)のLIFE提出

    LIFEの活用が条件のその他の加算

    LIFEとうまく付き合うために

     

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    2024年・2025年・2026年
    介護保険・介護報酬改定の情報

    令和8年度(2026年)障害福祉サービス等報酬改定の概要と変更点まとめ

    2026年(令和8年)介護報酬改定の全体像についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

    介護報酬改定2026年(令和8年度)まとめ|いつから・変更点・対象サービスをわかりやすく解説

    令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

    介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

    New! 令和8年(2026年)介護報酬改定

    New!令和8年(2026年)介護報酬改定介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

     介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)

    地域密着型サービスの単位数改定内容

    介護予防サービス(対象・要支援)

    介護予防・日常生活支援総合事業費(要支援・事業対象者)の改定内容

    施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

        2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度

        利用者負担軽減の仕組みの改定

        補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

        令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し

        令和7年8月1日施行 多床室の室料負担
        令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更

         

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