認知症行動障害尺度 DBD13とは 周辺症状(BPSD)の評価指標
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知症行動障害尺度 DBD13とは

認知症行動障害尺度 (Dementia Behavior Scale)DBD13は、認知症の周辺症状(行動・心理症状)を簡潔に感知できる評価指標です。

認知症の周辺症状(行動・心理症状)を鋭敏に感知できる評価尺度として28項目からなる認知症行動障害尺度「Dementia Behavior Disturbance scale(DBD)」が1990年に発表されました。

その後、町田綾子先生などの方々が、28項目あるDBDから因子分析をして、13項目を選び DBDの短縮版として発表したのが「DBD13」です。DBD13では、質問項目について5段階評価を行います。認知症の軽度から最重度に至るまでの行動異常が網羅されているといわれます。

町田綾子:Dementia Behavior Disturbance scale(DBD)短縮版の作成および信頼性、妥当性の検討―ケア感受性の高い行動障害スケールの作成を目指して―.日老医誌 49:463-467, 2012

平成25年度 厚生労働省老人保健健康増進等事業である「認知症の早期診断、早期対応につながる初期集中支援サービスモデルの開発に関する調査研究事業」などで、有用性が高くかつ簡潔な認知症の周辺症状(BPSD)のアセスメントツールとしてDBD13を採用されています。

また、2021年に本格的に運用が始まる厚生労働省の科学的介護情報システム「LIFE」でも、科学的介護推進体制加算の項目としてDBD13が採用されています

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DBD13の評価方法

DBD13は、すべての項目が常にあるときには4×13で52点となります。総合得点の変化をみると同時にどの項目に失点があり、それがどのように変化したかも重要です。

DBD13の点数

0:全くない
1:ほとんどない
2:ときどきある
3:よくある
4:常にある

DBD13の項目ごとの意味

DBD13の13種類の項目には、それぞれ認知症に伴う周辺症状(BPSD)の程度等との関係性があり、以下のような意味を示します。認知症の早期診断、早期対応につながる初期集中支援サービスモデルの開発に関する調査研究事業から引用した内容を掲載します。

1は記憶障害を反映しており、軽度から中等度の認知症で観察される。介護者を最も悩ませる行動障害のひとつである。
2は記憶障害と一部取り繕い反応を示している。
3はアパシー4および6は睡眠障害の存在を示す。
5 および 9は興奮や易怒性の現れであったり、自信のなさの裏返しであったりする。
7と8は多動で、背景には不安や常同行動の要素がみられる。
10は時間の見当識障害と同時に、実行遂行障害と自己評価の障害を反映している。
11 は病識のなさ自己評価の障害、12 は実行遂行障害、記憶障害と同時に潜在的な不安が観察されることがある。
13 は多動や実行遂行障害、時には興奮や易怒性が背景に存在することがある。

DBD13の評価項目・評価用紙

1  同じことを何度も何度も聞く 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
2 よく物をなくしたり、置場所を間違えたり、隠したりしている 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
3 日常的な物事に関心を示さない 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
4 特別な理由がないのに夜中起き出す 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
5 特別な根拠もないのに人に言いがかりをつける 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
6 昼間、寝てばかりいる 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
7 やたらに歩き回る 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
8 同じ動作をいつまでも繰り返す 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
9 口汚くののしる 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
10 場違いあるいは季節に合わない不適切な服装をする 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
11 世話されるのを拒否する 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
12 明らかな理由なしに物を貯め込む 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4
13 引き出しやたんすの中身を全部だしてしまう 0 ・ 1 ・ 2 ・ 3 ・ 4

DBD13は今後認知症の周辺症状(BPSD)の評価で活用されることが増える

認知症の症状の評価として臨床や介護分野でよく用いられる評価スケールには、「改定 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」や「Mini-Mental State Examination(MMSE)」などがありました。これらの認知機能の評価スケールは認知機能そのもののスクリーニング検査として用いられることが多いです。

HDS-Rは20点以下が認知症疑いのカットオフ値が設定されていることや、MMSEは23点以下が認知症疑い、27点以下は軽度認知障害(MCI)が疑われるというカットオフ値が設定されているなど、実用的なため広く使用されてきました。

DBDやDBD13も認知症の周辺症状の程度などを把握するツールとして研究で採用されてきていました。2021年4月から国全体で科学的介護を推進する中で科学的介護情報システムLIFEの項目として、意欲を評価するVitality Index(バイタリティインデックス)などとともに採用され、今後認知機能の程度と介護保険サービスの効果などを科学的に立証していく中で重要な評価スケールとなっていきそうです。

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