介護事業のICT導入補助金(ICT導入支援)【2021年(令和3年度)】

ICT導入補助金とは、介護事業所の業務効率化を通じて、訪問介護員等の負担軽減を図ることが目的の補助金です。厚生労働省のICT導入支援事業という地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)の予算で、都道府県が詳細要件を決めて申請のあった介護事業者に補助金を支給するものです。都道府県によって異なりますが、例年6月~7月ころに補助金の要綱が公表されて、受付締め切りが9月頃となるため、令和3年度も6月頃から各都道府県のホームページ等で要綱・受付詳細が公表されるのではないかと予想されます。

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ICT導入補助金ができた背景

介護業界では、従来の紙媒体での情報のやり取りを抜本的に見直し、ICTを介護現場のインフラとして導入していく動きが求められています。

ICT導入補助金をもらえる条件は、「事業所内のICT化により、 介護記録作成、職員の情報共有~請求業務までが一気通貫になること」となっており、介護現場の情報をICT化することにより、ビッグデータの蓄積が可能となり、エビデンスに基づく介護サービスの提供を促進することにも繋がります。

2021年から本格運用される厚生労働省の科学的介護情報システム「LIFE」への情報提出(科学的介護情報システム(LIFE)と介護ソフト間における CSV 連携の標準仕様に対応したソフト)も意識して事業所でのICT対応が望まれています。

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ICT導入補助金の補助対象

ICT導入補助金は、介護事業所内のICT化(タブレット導入等)により、 介護記録作成、職員の情報共有~請求業務までが一気通貫になることが条件で、介護の職場や他事業所との情報共有や記録、国保連請求業務などの負担軽減を図れるものが補助対象になります。

介護ソフトについては、「居宅介護支援事業所と訪問介護などのサービス提供事業所間における情報連携の標準仕様」と「請求業務まで一気通貫」に対応していることが条件です。

 

介護のICT導入補助金の補助対象のイメージ

ICT導入補助金の補助対象になるソフトや端末・システム等

  • 介護ソフト(居宅介護支援事業所と訪問介護などのサービス提供事業所間における情報連携の標準仕様に対応している)
  • タブレット端末
  • スマートフォン
  • インカム
  • クラウドサービス
  • 他事業者からの照会経費
  • Wi-Fi機器の購入設置
  • 業務効率化に資するバックオフィスソフト(勤怠管理、シフト管理等)

ICT導入補助金の補助対象の条件

  • 記録、情報共有、請求の各業務が一気通貫になる
  • ケアマネ事業所とのデータ連携に標準仕様の活用
  • LIFEによる情報収集に対応
  • 導入事業所による他事業者からの照会対応
  • 事業所による導入効果報告 等

ICT導入補助金の補助額・補助率・上限額

ICT導入補助金の補助率・補助額・上限は、事業所規模(職員数)に応じて設定されています。令和元年、令和2年、令和2年度補正で補助額が増加しているので、令和3年度においてもさらに補助額・補助率が高い内容となる可能性があります。なお、ICT導入支援事業は厚生労働省が方向性や予算を定めた上で、実際の補助額や上限額の設定は各都道府県が行う形式であるため、都道府県により異なる可能性があります。

  • 1~10人の事業所  100万円
  • 11~20人の事業所  160万円
  • 21~30人の事業所  200万円
  • 31人以上の事業所  260万円

ICT導入補助金の交付申請書の提出期限・支払い時期

ICT導入補助金の内容は各都道府県で異なります。

参考例として、令和2年度の東京都のICT導入補助金の交付申請書の提出期限は、令和2年9月下旬までで、補助金の支払いは令和3年5月となっていました。

参考:ICT機器活用による介護事業所の負担軽減支援事業(東京都)

ICT導入補助金を活用した成果報告・課題

厚生労働省は、令和元年度のICT導入支援事業の実施状況・導入効果で、「ICT導入における成果と課題」として以下のように振り返りをしています。

これからICT導入補助金を活用するにあたっては、以下のような観点で成果がでる改善であるかや、課題を解決できるかについて事業所内で検討していけると良いのではないかと思います。

ICT導入における成果と課題
○成果
【事業所運営・支援の質に関すること】
・事業所分析が充実した(サービス実態、実地指導用資料作成、収入や人数等の各種統計資料作成 等)
・業務が効率化された(事務遂行のための事務所立ち寄りの減、予定管理の効率化 等)
・勤務態勢が改善された(超過勤務の削減、動線の変更 等)
・業務上のミスが減った(転記ミスの減少 等)
・支援の質が上がった(家族への正確な情報提供 利用者支援に充てる時間の増 等)
・職員の心理的負担が減った(ストレス軽減 等)
【記録に関すること】
・記録が充実した(読みやすさ、誤字脱字の減少、内容の充実、管理しやすさ等、)
・記録に要する時間が削減された。
・文書量が削減された
・ケアプランが充実した(ケアマネジャーへの円滑な報告、各種計画・実績報告作成時間の短縮、内容の充実、作りやすさ向上等)
【情報連携・共有に関すること】
・事業所内の情報共有が円滑になった(話し合い時間の増、円滑な申し送り、リアルタイムな情報共有 等)
・事業所外との情報共有が円滑になった(ケアマネジャーとの連絡、家族との連絡 他事業所との連絡 等)

○課題
【事業所運営・業務に関すること】
・導入コストに課題がある(必要なPCの不足 等)
・職場内のルール、業務フローに課題がある
・かえって時間や文書量の負担が増えた
・事業所のセキュリティ体制に不安がある
【支援の質に関すること】
・かえって職員間・家族とのコミュニケーションや振り返りが不足した
・PCが得意でない方の入力内容が薄くなった
【職員のスキルに関すること】
・介護ソフトに関する研修が出来ていない
・職員のICTスキルが不十分(慣れていない、使いこなせない)
【機器・ソフトウェアに関すること】
・サービス内容と、機器やソフトの機能が合っていない
・機器やソフトウェアの性能やサポート体制に不安がある
・他システム等との連携が十分でない(一気通貫になっていない 等)
・外部との連携が不十分

介護施設・介護保険サービス事業所はICT導入補助金を有効活用しましょう

介護事業所における業務効率化を図るためには、紙による手渡しや、FAX等で連携されていた情報を、ICTを活用するデータ連携で省力化することが有効です。異なる介護ソフト間でもデータ連携が可能となるよう、居宅介護支援事業所と介護サービス提供事業所との間でケアプランのデータ連携を行うことが出来るよう、項目やフォーマット等の標準的な仕様を定められました。介護ソフトや介護事業所内の負担軽減の方法はいろいろありますし、介護ソフトも様々ですが、事業所の特徴や業務に合わせて適切なシステムを導入して働きやすく、スムーズに仕事を進められる職場・介護業界にできると良いですね!

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