介護保険負担限度額認定証とは 居住費と食費を4段階で減額

介護保険の入居・入所サービスを利用する際には、介護サービス費の自己負担のほかに、食費・居住費・日常生活費などがかかります。このうち、所得や資産が一定以下の方について、食費・居住費の負担を軽減する制度が「介護保険負担限度額認定」です。
負担限度額認定を受けると、介護保険施設やショートステイを利用する際の食費・居住費について、利用者負担段階に応じた上限額が定められます。低所得であることが条件となっており、判定には本人・配偶者・世帯の課税状況、年金収入、合計所得金額、預貯金などの資産状況が用いられます。
令和6年8月(2024年8月)、令和7年8月(2025年8月)に内容が一部変更され、さらに令和8年8月(2026年8月)からは、第3段階①・第3段階②の食費と、第3段階②の一部居住費が引き上げられます。この記事では、最新の変更点も含めて解説します。
- 介護保険負担限度額認定証とは
- 介護保険負担限度額認定証で減額対象となるサービス
- 介護保険施設を利用する場合の自己負担金とは
- 介護保険負担限度額認定証の申請手続き方法
- 2026年8月からの変更点(令和8年8月施行)
- 介護保険負担限度額認定証の4段階の認定区分(令和6年8月から令和7年7月まで)
- 介護保険負担限度額認定証の4段階の認定区分(令和7年8月から令和8年7月まで)
- 介護保険負担限度額認定証の4段階の認定区分(令和8年8月から)
- 介護施設に1か月入所した場合どれくらいの自己負担費用がかかるのか
- 覚えておこう!介護保険の費用を軽減するそのほかの制度
- 特別養護老人ホーム・介護施設・有料老人ホームなどの介護施設の探し方
介護保険負担限度額認定証とは
介護保険の特定入所者介護サービス費負担限度額認定証とは、特別養護老人ホーム(特養)、老健、介護医療院、ショートステイなどを利用する場合の居住費・食費の負担上限を示す認定証です。介護保険負担割合が1割・2割・3割のいずれかを示す「介護保険負担割合証」とは別の制度であり、原則として市区町村への申請が必要です。
介護保険の入所施設である特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、短期入所生活介護(ショートステイ)などを利用する方の居住費・食費は、原則として自己負担です。ただし、一定の低所得要件・資産要件を満たす方は、介護保険負担限度額認定証の交付を受けることで費用の軽減を受けられます。この仕組みを「特定入所者介護サービス費」または「補足給付」といいます。

特定入所者介護サービス費の利用者負担段階は、第1段階、第2段階、第3段階①、第3段階②、第4段階に分かれます。このうち、実際に食費・居住費の軽減対象となるのは、主に第1段階から第3段階②までの方です。判定では、本人の収入だけでなく、配偶者の所得・資産状況、同一世帯の課税状況なども確認されます。
介護保険負担限度額認定証で減額対象となるサービス
介護保険負担限度額認定を受け、食費・居住費の負担軽減を受けられる主なサービスは、介護保険施設への入所やショートステイなどです。
通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)、訪問介護、訪問看護、福祉用具貸与、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などは、原則としてこの制度の対象外です。
なお、介護療養型医療施設は2024年3月31日をもって廃止され、介護医療院などへの転換が進められました。
介護保険施設を利用する場合の自己負担金とは

介護保険施設サービスを利用する場合、介護保険サービス費の7〜9割は介護保険から給付され、利用者の自己負担は所得に応じて1〜3割となります。これに加えて、日常生活費、食費、居住費などがかかります。上の図のように、一定の条件に該当し、介護保険負担限度額認定証を交付された場合には、食費と居住費について利用者負担の上限額が定められ、施設利用にかかる費用を抑えられる場合があります。
介護保険負担限度額認定証の申請手続き方法
介護保険施設やショートステイを利用する場合、要介護認定を受けて介護保険被保険者証が手元にある方が多いですが、介護保険負担限度額認定証は別途申請が必要です。多くの場合、施設入所やショートステイの利用が決まったタイミングで、市区町村の介護保険担当窓口に申請します。
認定を受けられる可能性があるか不安な場合には、事前に市区町村の介護保険課などへ電話で相談し、所得・世帯・預貯金などの要件に該当しそうか確認してから申請する方法もあります。
居住費・食費の負担軽減を受けるためには「介護保険負担限度額認定証」が必要です。申請時には「介護保険負担限度額認定申請書」のほか、預貯金通帳、定期預金、有価証券、投資信託、現金、負債がある場合の借入金残高証明書など、資産状況を確認できる書類の提出を求められることがあります。本人だけでなく、配偶者がいる場合は、世帯が別であっても配偶者名義の資産確認が必要になることがあります。必要書類は自治体によって異なるため、申請前に市区町村へ確認しましょう。
介護保険負担限度額認定証(2022年版)
2022年に介護保険負担限度額認定証・免除等認定証が発行されると様式は以下のような形になっています。なお、令和8年8月(2026年8月)からは、補足給付の見直しに伴い、認定証の様式も変更され、多床室の区分がより細かく表示されることになっています。
介護保険最新情報vol.1058(令和4年3月31日厚生労働省老健局介護保険計画課長通知)
2026年8月からの変更点(令和8年8月施行)
令和8年8月(2026年8月)から、介護保険施設等における食費・居住費の負担限度額が一部変更されます。近年の食材料費の上昇や、食事の提供に要する平均的な費用と基準費用額との差が生じている状況などを踏まえ、令和9年度介護報酬改定を待たずに、食費の基準費用額が1日あたり100円引き上げられます。
食費の基準費用額は、2026年8月から1日あたり1,445円から1,545円になります。これに伴い、負担限度額についても、第3段階①と第3段階②の食費が引き上げられます。一方、第1段階と第2段階の食費は据え置きです。
| 利用者負担段階 | 2026年7月まで | 2026年8月から |
|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 300円(据え置き) |
| 第2段階 | 390円 | 390円(据え置き) |
| 第3段階① | 650円 | 680円(+30円) |
| 第3段階② | 1,360円 | 1,420円(+60円) |
ショートステイの場合も、第3段階①・第3段階②の食費が引き上げられます。第3段階①は1,000円から1,030円へ、第3段階②は1,300円から1,360円へ変更されます。
さらに、第3段階②の居住費についても、2026年8月から一部で1日あたり100円の引き上げが行われます。対象となるのは、特養等の多床室、室料を徴収する老健・介護医療院等の多床室、従来型個室、ユニット型個室的多床室、ユニット型個室などです。一方、老健・介護医療院等の多床室で室料を徴収しない場合は、居住費の負担限度額は430円のまま据え置きです。
また、2026年8月からは、第2段階と第3段階①を分ける所得基準も、年金額の動向を踏まえて80.9万円から82.65万円に見直されます。第1段階・第2段階については、食費・居住費ともに大きな負担増とならないよう配慮されています。
以下では、2024年8月から2025年7月まで、2025年8月から2026年7月まで、2026年8月以降の順に、介護保険負担限度額認定の内容を整理します。
介護保険負担限度額認定証の4段階の認定区分(令和6年8月から令和7年7月まで)
介護保険負担限度額認定の内容は、令和6年8月(2024年8月)から変更となりました。居住費の基準費用額や負担限度額が見直され、特養・老健・介護医療院などの居室類型ごとに金額が整理されました。
令和6年8月から令和7年7月までの主な対象者と預貯金額の基準は、以下のとおりです。年金収入等には、遺族年金・障害年金などの非課税年金も含めて判定されます。
| 利用者負担段階 | 主な対象者 | 預貯金額(夫婦の場合) | |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | ・生活保護受給者 | 要件なし | |
| ・世帯(世帯を分離している配偶者を含む)全員が市町村民税非課税である老齢福祉年金受給者 | 1,000万円(2,000万円)以下 | ||
| 第2段階 | ・世帯全員が市町村民税非課税 | 年金収入等+その他の合計所得金額が80万円以下 | 650万円(1,650万円)以下 |
| 第3段階① | 年金収入等+その他の合計所得金額が80万円超〜120万円以下 | 550万円(1,550万円)以下 | |
| 第3段階② | 年金収入等+その他の合計所得金額が120万円超 | 500万円(1,500万円)以下 | |
| 第4段階 | ・世帯に課税者がいる者 ・市町村民税本人課税者 ・預貯金等の資産要件を超える者 | 軽減対象外 | |
| 基準費用額 日額(月額) | 負担限度額(日額(月額))※短期入所生活介護等(日額) 【】はショートステイの場合 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② | ||||
| 食費 | 1,445円(4.4万円) | 300円(0.9万円)【300円】 | 390円(1.2万円)【600円(1.8万円)】 | 650円(2.0万円)【1,000円(3.0万円)】 | 1,360円(4.1万円)【1,300円(4.0万円)】 | ||
| 居住費 | 多床室 | 特養等 | 915円(2.8万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) |
| 老健・医療院等 | 437円(1.3万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | ||
| 従来型個室 | 特養等 | 1,231円(3.7万円) | 380円(1.2万円) | 480円(1.5万円) | 880円(2.7万円) | 880円(2.7万円) | |
| 老健・医療院等 | 1,728円(5.3万円) | 550円(1.7万円) | 550円(1.7万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,370円(4.2万円) | ||
| ユニット型個室的多床室 | 1,728円(5.3万円) | 550円(1.7万円) | 550円(1.7万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,370円(4.2万円) | ||
| ユニット型個室 | 2,066円(6.3万円) | 880円(2.6万円) | 880円(2.6万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,370円(4.2万円) | ||
介護保険負担限度額認定証の4段階の認定区分(令和7年8月から令和8年7月まで)
介護保険負担限度額認定の内容は、さらに令和7年8月(2025年8月)から変更となりました。
令和7年8月からは、第2段階と第3段階①を分ける所得基準が80万円から80.9万円に見直されました。また、老健・介護医療院等の多床室について、室料相当額を徴収するかどうかによって基準費用額が2区分に分かれました。室料を徴収する施設では、居住費の基準費用額が高くなっています。
第1段階、第2段階、第3段階①、第3段階②の方は、所得・資産要件を満たす場合に、食費・居住費の負担軽減の対象となります。
| 利用者負担段階 | 主な対象者 | 預貯金額(夫婦の場合) | |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | ・生活保護受給者 | 要件なし | |
| ・世帯全員が市町村民税非課税である老齢福祉年金受給者 | 1,000万円(2,000万円)以下 | ||
| 第2段階 | ・世帯全員が市町村民税非課税 | 年金収入等+その他の合計所得金額が80.9万円以下 | 650万円(1,650万円)以下 |
| 第3段階① | 年金収入等+その他の合計所得金額が80.9万円超〜120万円以下 | 550万円(1,550万円)以下 | |
| 第3段階② | 年金収入等+その他の合計所得金額が120万円超 | 500万円(1,500万円)以下 | |
| 第4段階 | ・世帯に課税者がいる者 ・市町村民税本人課税者 ・預貯金等の資産要件を超える者 | 軽減対象外 | |
| 基準費用額 日額(月額) | 負担限度額(日額(月額))※短期入所生活介護等(日額) 【】はショートステイの場合 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② | ||||
| 食費 | 1,445円(4.4万円) | 300円(0.9万円)【300円】 | 390円(1.2万円)【600円(1.8万円)】 | 650円(2.0万円)【1,000円(3.0万円)】 | 1,360円(4.1万円)【1,300円(4.0万円)】 | ||
| 居住費 | 多床室 | 特養等 | 915円(2.8万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) |
| 老健・医療院等 (室料を徴収する場合) | 697円(2.1万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | ||
| 老健・医療院等 (室料を徴収しない場合) | 437円(1.3万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | ||
| 従来型個室 | 特養等 | 1,231円(3.7万円) | 380円(1.2万円) | 480円(1.5万円) | 880円(2.7万円) | 880円(2.7万円) | |
| 老健・医療院等 | 1,728円(5.3万円) | 550円(1.7万円) | 550円(1.7万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,370円(4.2万円) | ||
| ユニット型個室的多床室 | 1,728円(5.3万円) | 550円(1.7万円) | 550円(1.7万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,370円(4.2万円) | ||
| ユニット型個室 | 2,066円(6.3万円) | 880円(2.6万円) | 880円(2.6万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,370円(4.2万円) | ||
介護保険負担限度額認定証の4段階の認定区分(令和8年8月から)
令和8年8月(2026年8月)からは、食費の基準費用額と第3段階①・第3段階②の食費、さらに第3段階②の一部居住費が変更されます。
所得基準については、第2段階と第3段階①を分ける基準が80.9万円から82.65万円に変更されます。これは、年金額の変動などを踏まえた見直しです。
| 利用者負担段階 | 主な対象者 | 預貯金額(夫婦の場合) | |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | ・生活保護受給者 | 要件なし | |
| ・世帯全員が市町村民税非課税である老齢福祉年金受給者 | 1,000万円(2,000万円)以下 | ||
| 第2段階 | ・世帯全員が市町村民税非課税 | 年金収入等+その他の合計所得金額が82.65万円以下 | 650万円(1,650万円)以下 |
| 第3段階① | 年金収入等+その他の合計所得金額が82.65万円超〜120万円以下 | 550万円(1,550万円)以下 | |
| 第3段階② | 年金収入等+その他の合計所得金額が120万円超 | 500万円(1,500万円)以下 | |
| 第4段階 | ・世帯に課税者がいる者 ・市町村民税本人課税者 ・預貯金等の資産要件を超える者 | 軽減対象外 | |
| 基準費用額 日額(月額) | 負担限度額(日額(月額))※短期入所生活介護等(日額) 【】はショートステイの場合 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② | ||||
| 食費 | 1,545円(4.6万円) | 300円(0.9万円)【300円】 | 390円(1.2万円)【600円(1.8万円)】 | 680円(2.1万円)【1,030円(3.1万円)】 | 1,420円(4.3万円)【1,360円(4.1万円)】 | ||
| 居住費 | 多床室 | 特養等 | 915円(2.8万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 530円(1.6万円) |
| 老健・医療院等 (室料を徴収する場合) | 697円(2.1万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 530円(1.6万円) | ||
| 老健・医療院等 (室料を徴収しない場合) | 437円(1.3万円) | 0円 | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | 430円(1.3万円) | ||
| 従来型個室 | 特養等 | 1,231円(3.7万円) | 380円(1.2万円) | 480円(1.5万円) | 880円(2.7万円) | 980円(3.0万円) | |
| 老健・医療院等 | 1,728円(5.3万円) | 550円(1.7万円) | 550円(1.7万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,470円(4.5万円) | ||
| ユニット型個室的多床室 | 1,728円(5.3万円) | 550円(1.7万円) | 550円(1.7万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,470円(4.5万円) | ||
| ユニット型個室 | 2,066円(6.3万円) | 880円(2.6万円) | 880円(2.6万円) | 1,370円(4.2万円) | 1,470円(4.5万円) | ||
介護施設に1か月入所した場合どれくらいの自己負担費用がかかるのか
負担限度額認定は、所得の少ない利用者にとって大きな費用軽減制度です。個室や多床室〔相部屋〕など住環境の違い、要介護度、施設の種類、加算、地域区分、日常生活費、医療費などによって、実際の自己負担額は変わります。
ここでは、特別養護老人ホームに1か月入所した場合の費用イメージを紹介します。以下は第4段階の方が、食費・居住費について基準費用額に近い金額を負担する場合の目安です。実際の金額は施設ごとに異なりますので、入所前に必ず見積もりを確認してください。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1か月の自己負担費用の目安
要介護5の人が多床室を利用した場合の費用
| 施設サービス費の1割 | 約25,000円〜30,000円 |
|---|---|
| 居住費 | 約27,450円(915円/日×30日) |
| 食費 | 約43,350円(1,445円/日×30日) ※2026年8月以降は約46,350円(1,545円/日×30日) |
| 日常生活費 | 約10,000円(施設により設定されます) |
| 合計 | 約105,800円〜110,800円程度 ※2026年8月以降は食費引き上げにより約3,000円増える場合があります。 |
要介護5の人がユニット型個室を利用した場合の費用
| 施設サービス費の1割 | 約27,000円〜33,000円 |
|---|---|
| 居住費 | 約61,980円(2,066円/日×30日) |
| 食費 | 約43,350円(1,445円/日×30日) ※2026年8月以降は約46,350円(1,545円/日×30日) |
| 日常生活費 | 約10,000円(施設により設定されます) |
| 合計 | 約142,300円〜148,300円程度 ※2026年8月以降は食費引き上げにより約3,000円増える場合があります。 |
負担限度額認定を受けている方は、上記の食費・居住費が利用者負担段階ごとの限度額に置き換わります。たとえば、第2段階や第3段階①の方では、食費・居住費の負担が大きく抑えられるため、1か月あたりの総額が大きく変わることがあります。
覚えておこう!介護保険の費用を軽減するそのほかの制度
介護保険には、負担限度額認定以外にも、所得や利用額に応じて自己負担を軽減する制度があります。介護保険自体が生活を支えるセーフティーネットですが、施設入所や在宅介護では費用負担が大きくなることもあるため、使える制度を確認しておくことが大切です。
高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費
高額介護サービス費とは、1か月に支払った介護サービスの利用者負担額が、所得に応じて定められた上限額を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。対象となるのは主に介護保険サービス費の自己負担分であり、食費・居住費・日常生活費などは原則として対象外です。
また、同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険の両方に自己負担が生じた場合は、高額医療・高額介護合算制度により、年間の自己負担額が一定の限度額を超えた分について支給を受けられる場合があります。申請方法や対象期間は制度ごとに異なるため、市区町村や加入している医療保険者に確認しましょう。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療費の自己負担が過度に重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払った自己負担額が月ごとの上限額を超えた場合に、その超えた分が支給される制度です。介護保険の制度ではなく医療保険の制度ですが、介護施設に入所している方でも医療機関を受診する機会はあるため、あわせて知っておきたい制度です。
世帯分離で負担限度額の認定を受けやすくなる場合がある
介護保険負担限度額認定の判定には、本人だけでなく、配偶者の収入・資産状況も考慮されます。また、同一世帯に市町村民税課税者がいる場合は、原則として負担限度額認定の対象外になります。そのため、世帯分離を行うことで世帯の課税状況が変わり、認定の可否や段階が変わる場合があります。
ただし、世帯分離をすれば必ず負担限度額認定を受けられるわけではありません。配偶者については、世帯を分けていても所得や資産の確認対象になります。また、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料など、他の負担が変わることもあります。制度の趣旨や生活全体への影響を踏まえて、市区町村の窓口、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどに相談しながら判断しましょう。
また、生活保護を受給している方は、利用者負担段階では第1段階に該当します。ただし、実際に負担軽減を受けるための手続きや認定証の扱いについては、市区町村や施設に確認が必要です。
特別養護老人ホーム・介護施設・有料老人ホームなどの介護施設の探し方
介護施設を探す場合、まずは担当のケアマネジャーに相談する方法があります。ただし、居宅のケアマネジャーは在宅生活の支援を主な業務としているため、すべての施設の空き状況、費用、設備、医療対応、入所条件まで常に把握しているとは限りません。
そのため、施設探しでは、ケアマネジャーへの相談に加えて、市区町村の窓口、地域包括支援センター、施設紹介サービス、各施設への直接問い合わせなどを組み合わせるとよいでしょう。希望する地域、費用、医療対応、認知症対応、看取り対応、面会しやすさなどを整理しておくと、比較検討しやすくなります。
介護保険負担限度額認定を利用できる施設に限定して探す場合は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院など、補足給付の対象となる介護保険施設であるかを確認しましょう。費用の見積もりを取る際には、負担限度額認定証を利用できるか、食費・居住費がどのように計算されるかも確認しておくと安心です。
なお、住宅型有料老人ホーム・特定施設は、原則として負担限度額認定(補足給付)の対象外です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を検討する場合は、家賃、管理費、食費、介護サービス費、医療費、生活支援費などを含めた総額で比較することが大切です。
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