オンコールとは?看護師の勤務対応や待機手当なしは違法?

 

看護師のオンコール勤務は、緊急時に備えて常に待機している状態を指します。このような勤務形態は、患者の急な容態変化に迅速に対応するために不可欠ですが、看護師にとっては大きな負担となることも少なくありません。また、待機手当が支給されない場合、その対応は法的に問題がある可能性があります。本記事では、オンコール勤務の詳細や法的な側面、そして看護師が受け取るべき手当について詳しく解説します。

オンコールとは?

オンコール勤務とは、看護師が自宅など職場外で緊急時の呼び出しや相談に対応するために待機することです。介護施設や訪問看護ステーションなどで働く看護師にとって重要な業務形態です。

オンコールの対応内容

看護師や准看護師がオンコール対応をする場合、一般的には以下のような体制になっていることが多いです。

項目 内容
待機場所 自宅または職場の近くで待機し、すぐに対応できるようにします。外出や飲酒は控えます。
連絡手段 常に携帯電話やスマホを持ち歩き、迅速に応答できる状態を保ちます。
対応準備 必要に応じて医療機器や薬品を準備し、緊急事態に備えておくことが求められます。
時間管理 オンコールの時間帯は明確に定められており、その間は常に待機状態を維持します。

オンコール対応をする看護師は、このような状況で待機していなければならないので、安心して休息できず、プライベートにも影響が出るので課題のある体制です。

オンコール手当について

看護職員のオンコール対応には手当が支給されることが一般的です。介護施設では1,000円~3,000円程度の手当がつくことが多く、訪問看護師の場合、緊急訪問手当としてさらに支給されることがあります。

オンコール手当をもらってもストレスは大きい

アンコール体制を作ることは介護施設で働く夜勤の介護職員や入居しているご利用者などにとっては安心感のあるものです。しかし、一方では、「こんなことでオンコール担当の看護師さんに連絡してよいかな・・・?」「オンコールすれば看護師さんすぐ来てくれるのかな?」「オンコールって気軽にしていいのかな?」と夜勤スタッフも気を使いモヤモヤしますし、オンコール担当になっている看護師もあまりゆっくりと休む気持ちになれずストレスが溜まってしまいます。

オンコール待機、対応内容を明確化、マニュアル化することが重要

オンコールタイ体制を作る場合には、経営者や管理者の人は「手当てを出してるんだからあとは看護師よろしくね!」という投げやりの形でなく、どんな場合にどんな対応までするのかというのを具体的にマニュアル化しておくことが大切です。

オンコールが必要とされる施設や老人ホームの条件

看護師のオンコール体制が必要となるのは、介護施設などで人員配置条件としては看護師を夜間置く必要がない場合です。看護師を配置する義務はなくても、医療的な管理が必要な利用者や緊急時などに介護職員が相談先として看護職員に連絡をできることでご利用者にとっても働く職員にとっても安心な状態を提供することができます。

看護職員のオンコール体制をとっている介護施設や老人ホームには以下のようなものがあります。

24時間対応が必要な施設

特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、施設基準上は看護師が夜間にいなくても問題はないですが、入居者や職員の安心材料として夜勤介護職員から看護師へのオンコール体制をとるケースが多いです。

急変の可能性が高い患者がいる施設

緊急対応が必要な場合が多い施設では、オンコール体制を整えています。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションでは、緊急時訪問看護加算を算定するなど、24時間常時対応できる体制を作っている場合には利用者からの相談や緊急対応が求められるため、オンコール体制にしていることが一般的です。

オンコール手当なしは違法?

オンコール待機中の時間が労働時間として賃金が発生しないことに違法性はないとされています。ただし、施設内で待機する場合は「手待ち時間」として労働時間と見なされます。また、職場に出勤した場合には確実に労働時間なので勤務した時間に応じて手当が支給される形にするか、労働基準監督署や社会保険労務士などと十分に相談・確認した上で一定時間をあらかじめ給与に組み込むなど、何かしらの対策が必要です。

オンコール勤務のメリット・デメリット

メリット デメリット
夜勤の看護師を配置する人件費が浮く 勤務時間外でも行動に制限がある
緊急時に患者を助けることでやりがいを感じることもある 呼び出しに対応する負担・ストレスが大きい
自宅で待機しながら手当を受け取れる オンコールありでは求人に応募がこない

夜間オンコール代行サービスのメリットは大きい

オンコール代行とは、看護師の負担を軽減するために導入されているサービスです。オンコール代行サービスを利用すると、オンコール代行業者が、施設職員からの相談や、緊急時の緊急度を判断し、必要な対応を行い、記録などを作成してくれます。介護施設の中には、すでにこのオンコール代行サービスを導入しているところもあり、勤務している看護師のオンコールをなくし、代行に任せてしまうことで負担を軽減できているという事例も増えています。介護医療の経験豊富な所属の医師と看護師が適格な判断・アドバイスをしてくれたり、介護施設向けの教材やマニュアルの整備も充実しているので、夜間オンコール代行サービスの「ドクターメイト」などを利用しているケースが多いです。

まとめ

オンコール勤務は看護師にとって重要な業務形態であり、正しい理解と準備が必要です。オンコール手当が支給されることが一般的ですが、手当なしの場合は労働時間と見なされない場合が多いです。オンコール勤務に強いストレスを感じる場合は、早めに上長に相談することが重要です。