褥瘡マネジメント加算とは?算定要件・単位数・LIFE提出様式とDESIGN-R2020【(Ⅰ)(Ⅱ)の違い】

褥瘡マネジメント加算とは?算定要件・単位数・LIFE提出様式とDESIGN-R2020【(Ⅰ)(Ⅱ)の違い】
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褥瘡マネジメント加算とは、入所者・利用者ごとの褥瘡の有無の確認と発生リスクの評価、多職種による褥瘡ケア計画の作成・実施・記録、LIFEへのデータ提出とフィードバック活用といった所定の要件を満たしたうえで、入所者・利用者ごとに毎月算定する加算です。区分は(Ⅰ)3単位/月と(Ⅱ)13単位/月の2つで、(Ⅱ)は「褥瘡を発生させない・治癒させた」というアウトカム(成果)を入所者ごとに評価する構造になっています。

この記事では、対象サービスと単位数、(Ⅰ)(Ⅱ)それぞれの算定要件、LIFEに提出する評価様式(危険因子評価・DESIGN-R2020)、褥瘡ケア計画の作成ポイントまで、現場で算定を始める順番で解説します。

褥瘡マネジメント加算の対象サービスと単位数

区分単位数対象サービス
褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)3単位/月介護老人福祉施設(特養)・地域密着型介護老人福祉施設・介護老人保健施設(老健)・看護小規模多機能型居宅介護
褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)13単位/月

ポイントは、褥瘡がない方や発生リスクが低い方も含めて全員が評価・LIFE提出の対象になることです。要件を満たせば入所者・利用者ごとに毎月算定でき、(Ⅱ)は入所者ごとのアウトカム判定が必要です。(Ⅰ)と(Ⅱ)は同一人について同一月に併算定できず、どちらか一方を算定します。なお、介護医療院では「褥瘡対策指導管理」という別の加算体系になります。通所介護などの通所系サービスには本加算はありません。

各施設の単位数全体は以下の一覧をご参照ください。

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褥瘡マネジメント加算の算定要件

褥瘡マネジメント加算の算定要件

褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)の算定要件

  • ①褥瘡の有無の確認・リスク評価とLIFE提出

    入所者ごとに褥瘡の有無を確認するとともに、褥瘡の発生と関連のあるリスクを施設入所時(利用開始時)に評価し、その後少なくとも3月に1回評価する。評価結果等をLIFEへ提出し、フィードバックその他の情報を褥瘡管理に活用する。
  • ②多職種での褥瘡ケア計画の作成

    ①の確認・評価の結果、褥瘡が認められた入所者、または褥瘡発生リスクがあるとされた入所者ごとに、医師・看護師・管理栄養士・介護職員・介護支援専門員などの多職種が共同して、褥瘡管理に関する褥瘡ケア計画を作成する。
  • ③実施・記録・見直し

    褥瘡ケア計画に従って褥瘡管理を実施し、管理の内容や入所者の状態を定期的に記録する。また、少なくとも3月に1回、入所者ごとに褥瘡ケア計画を見直す。

実務の要点は、「褥瘡の有無と発生リスクの評価は全員、褥瘡ケア計画は褥瘡が認められた人または発生リスクがある人」という切り分けです。全入所者・利用者への評価とLIFE提出を土台に、その中から褥瘡がある方または発生リスクがある方について、多職種で褥瘡ケア計画を作成・実施していく2段構えになっています。

褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)の算定要件【アウトカム評価】

(Ⅱ)は、(Ⅰ)の要件をすべて満たしたうえで、入所者ごとに次のアウトカムを満たす場合に算定できます。

  • 施設入所時等の評価で褥瘡発生リスクがあるとされた入所者については、褥瘡の発生がないこと
  • 施設入所時等に褥瘡が認められた入所者については、当該褥瘡が治癒していること(令和6年度改定で追加された評価項目)

令和6年度改定で「入所時に既に褥瘡を有していた方の治癒」が評価対象に加わったことで、褥瘡がある方を受け入れてケアで治した施設が報われる設計になりました。予防だけでなく治癒のプロセスも算定につながる点は、現場のモチベーション設計として重要な変更です。

なお、入所後に褥瘡が発生した方については、褥瘡がある間は(Ⅱ)を算定できませんが、治癒した後に再発がなければ(Ⅱ)を算定できる取り扱いが厚労省Q&A(令和3年度介護報酬改定Q&A vol.3 問104)で示されています。

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褥瘡リスクの評価方法【LIFE様式と評価スケール】

危険因子の評価(全員に実施)

LIFEに提出する別紙様式5「褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書」では、次のような危険因子を評価します。

危険因子見るポイントの例
基本的動作能力ベッド上での自力体位変換、イス上での座位姿勢の保持・除圧ができるか
病的骨突出るい痩による仙骨部などの骨突出の有無
関節拘縮拘縮による同一部位への圧迫・皮膚同士の接触
栄養状態低下低栄養のリスク(体重減少・食事摂取量・血清アルブミン値など)
皮膚湿潤多汗、尿失禁、便失禁による皮膚の浸軟
浮腫浮腫(局所的・全身性)の有無
皮膚の脆弱性スキン-テアの保有・既往

栄養状態の評価はLIFEの低栄養リスク評価と重なる部分が多いため、栄養マネジメント関連の取り組みと情報を共有すると効率的です。

スキン-テアとは?

スキン-テアとは、日本創傷・オストミー・失禁管理学会が定めた概念で、摩擦やずれによって皮膚が裂けてしまう外傷(皮膚裂傷)のことです。

褥瘡の状態評価はDESIGN-R2020で行う

褥瘡がある方の状態評価は、別紙様式5のうえで改定DESIGN-R2020を用いて行います。深さ・滲出液・大きさ・炎症/感染・肉芽組織・壊死組織・ポケットの7項目で褥瘡の重症度と治癒過程を数量化するスケールです。採点方法は以下の記事で詳しく解説しています。

なお、発生リスクのアセスメントには、施設によってブレーデンスケールOHスケールを併用しているところも多くあります。LIFEへの提出項目は様式の危険因子評価ですが、日々のリスク把握にこれらのスケールを使うことは矛盾しません。それぞれの特徴は以下をご参照ください。

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褥瘡ケア計画の作成と実施のポイント

褥瘡ケア計画は、褥瘡が認められた方または発生リスクがあると判定された方について、関連職種が共同で作成します。盛り込む内容は、体位変換・ポジショニングの頻度と方法、座位時間と除圧、皮膚の観察と保清・保湿、栄養改善の取り組み、使用する体圧分散用具などです。

体位変換やポジショニングを計画に落とす際は、褥瘡好発部位を職種間で共有しておくことが出発点になります。仰臥位・側臥位それぞれの好発部位と良肢位のポイントは以下の記事が参考になります。

また、車椅子上の座位姿勢の崩れ(仙骨座り)は座位での褥瘡リスクに直結します。イス上の除圧・姿勢の評価も忘れずに計画へ含めましょう。

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LIFEへのデータ提出【頻度と注意点】

  • 提出する様式

    別紙様式5「褥瘡対策に関するスクリーニング・ケア計画書」。全員について「基本情報」「褥瘡の有無」「危険因子の評価」を提出し、褥瘡がある方については「褥瘡の状態の評価(DESIGN-R2020)」と「褥瘡ケア計画」の所定項目も提出します(自由記載欄は提出対象外)
  • 提出頻度・期限

    算定開始月または利用開始月の情報、その後は少なくとも3月に1回行う評価の情報を、それぞれ原則として評価等を行った月の翌月10日までにLIFEへ提出します。月末の利用開始などやむを得ない場合は翌々月10日まで提出できますが、その場合は利用開始月分の加算は算定できません。
  • 未提出時の影響

    提出すべき情報を期限までに提出できなかった場合、原則として事実が生じた月から提出月の前月まで、利用者等全員について加算を算定できません(LIFE関連加算に共通の取り扱い)
  • 提出先

    2026年5月11日から国保中央会によるLIFEの運用が開始されています。移行手続きや現在利用すべきシステムを確認し、提出期限に遅れないよう対応してください。

LIFEへのデータ提出が要件となる加算の様式・提出項目の全体像は、以下の一覧記事にまとめています。

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よくある質問

Q
褥瘡リスクのない入所者にも算定できますか?
A

できます。要件を満たしていれば、リスクの有無にかかわらず入所者・利用者ごとに毎月算定します。褥瘡の有無の確認・リスク評価とLIFE提出は全員に行い、褥瘡ケア計画の作成は褥瘡が認められた方またはリスクありと判定された方に行う、という整理です。

Q
(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できますか?
A

同一人について同一月に併算定はできません。(Ⅱ)のアウトカム要件(リスクあり者の褥瘡発生なし、または入所時に認められた褥瘡の治癒)を満たさない場合でも、(Ⅰ)の要件を満たしていれば、その入所者・利用者について(Ⅰ)を算定できます。

Q
デイサービスやショートステイでも算定できますか?
A

どちらも算定できません。通所介護(デイサービス)のほか、短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)にも褥瘡マネジメント加算はありません。対象は特養・地域密着型特養・老健・看護小規模多機能型居宅介護です。介護医療院は「褥瘡対策指導管理」という別の加算になります。

Q
科学的介護推進体制加算と併算定できますか?
A

併算定できます。科学的介護推進体制加算は施設全体のLIFE活用を評価する加算、褥瘡マネジメント加算は褥瘡管理という個別領域を評価する加算で、役割が異なります。LIFEへの提出様式もそれぞれ別です。

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まとめ

褥瘡マネジメント加算は、全利用者の褥瘡の有無と発生リスクを評価して必要な情報をLIFEへ提出するとともに、褥瘡が認められた方または発生リスクがある方について多職種で褥瘡ケア計画を作成・実施し、管理内容と状態を定期的に記録、少なくとも3月に1回評価と計画の見直しを行う加算です。

これらのプロセス要件で(Ⅰ)3単位/月、さらに入所時等に認められた褥瘡の治癒、またはリスクあり者に褥瘡が発生していないというアウトカムで(Ⅱ)13単位/月を算定できます。単位数は小さく見えますが、入所者ごと×毎月の積み上げになるため、100床の施設で全員に(Ⅱ)を算定できれば年間15万円超の規模になります。

何より、要件として求められる評価・計画・見直しのサイクルは、そのまま褥瘡ケアの質の向上につながります。DESIGN-R2020やリスク評価の運用を整えて、算定とケアの質を両立させていきましょう。

【編集メモ(公開前に削除)】①単位数(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)13単位と対象サービスは令和6年度(2024年度)改定で定められた現行の内容です。令和8年6月施行の臨時改定(処遇改善中心)で本加算に変更がなかったか、貴サイトの「2026年6月からの単位数一覧」(特養・老健・看多機)と突き合わせて最終確認をお願いします。②看多機の内部リンク(単位数一覧)は必要に応じて追加してください。③内部リンクをpostcard化する場合はIDに置き換えてください。

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参考資料

厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

厚生労働省「LIFE関連加算に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例」

厚生労働省「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.3)」問104

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科学的介護情報システム(LIFE)の情報

    科学的介護推進体制加算のLIFE提出

    個別機能訓練加算(Ⅱ)のLIFE提出

    LIFEの活用が条件のその他の加算

    LIFEとうまく付き合うために

     

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    2026年(令和8年)介護報酬改定の全体像についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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    施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

        2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度

        利用者負担軽減の仕組みの改定

        補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

        令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し

        令和7年8月1日施行 多床室の室料負担
        令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更

         

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