科学的介護情報システム「LIFE」とは データ提出・利用方法を解説!

 

2021年2月19日厚生労働省老健局老人保健課は、「科学的介護情報システム(LIFE:旧CHASE/VISIT)」の活用等について厚生労働省へのデータ提出等が要件となる加算・LIFEの利用申請の方法等についての事務連絡を発行しました。令和3年度介護報酬改定において、科学的に効果が裏付けられた自立支援・重度化防止に資する質の高いサービス提供の推進を目的とし、LIFE を用いた厚生労働省へのデータ提出とフィードバックの活用による、PDCA サイクル・ケアの質の向上を図る取組を推進することとなりました。

このページの目次

科学的介護情報システム「LIFE」とは

科学的介護情報システム「LIFE」とは、利用者の情報や介護サービス提供に関する内容のデータを厚生労働省へ提出することと、データ解析によるフィードバックの活用によって、科学的に裏付けられた介護の実現を目指しサービスの質の向上を図る取り組みをするためのシステムです。

厚生労働省では、自立支援等の効果について科学的に裏付けられた介護を実現するために必要なデータ収集・分析するためのデータベースとして「CHASE」の構築を行い、令和2年5月より試験運用したいました。令和3年4月1日よりVISIT(通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集システム)と統合し、LIFE(科学的介護情報システム/Long-term care Information system For Evidence/ライフ)となります。

2024年8月からシステムが刷新され、新LIFEに移行となりました。(完全移行は2024年10月)

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科学的介護情報システム「LIFE」へのデータ提出・利用申請手続き方法

介護事業所においては、LIFE への利用申請手続き、データ入力及びフィードバック機能の利用が必要です。

新科学的介護情報システム(新LIFE)の利用方法(2024年8月以降)

電子請求受付システム(介護)のログイン ID、パスワードで新規登録 → 職員情報・利用者情報・様式情報等の登録

利用申請手続きについて

1科学的介護情報システム(LIFE)の利用申請・旧LIFEシステムからの移行作業

LIFE はWEBシステムであるため、インターネットに接続できる環境が必要です。電子請求受付システム(介護)のログイン ID、パスワードで利用登録します。旧LIFEを使っていた場合にはバックアップをとり新LIFEへの移行が必要です。(旧LIFEシステムは2024年8月1日に稼働停止)

2パスワード等が記載されたはがきの受領

利用申請後、事業所にパスワード等が記載された圧着はがきが、簡易書留で送付されます。時期については、通常、毎月 25 日までに利用申請があったものについて、翌月の上旬にはがきが発送されます。なお、介護報酬改定の前後の利用申請については、随時はがきの送付をする予定ですが、令和3年4月前半に LIFE の利用を開始する場合は、令和3年3月 25 日までに利用申請を行う必要がありますので、ご留意ください。

また、令和3年3月までに CHASE 又は VISIT のいずれかを利用している場合は、ご利用の ID・パスワードを4月以降、引き続き利用することができます。なお、CHASE 及びVISITの両方を利用している場合は、4月以降、CHASE の ID・パスワードを引き続き利用することができます(VISIT の ID・パスワードについては、CHASE の ID・パスワードに統一されます。)。両システムのデータ等は LIFE に引き継がれます。

3LIFEへの初回ログイン/IDの設定

LIFEの利用申請のURL

https://life-web.mhlw.go.jp/home

LIFEの操作マニュアル等のWEBサイト

https://life-web.mhlw.go.jp/help

旧科学的介護情報システム(LIFE)の利用方法(2024年8月で稼働停止

利用申請 → 厚生労働省から送付されるはがきの受領 → 初回ログイン/IDの設定 → 利用者情報・様式情報の登録

利用申請手続きについて

1科学的介護情報システム(LIFE)の利用申請

LIFE はWEBシステムであるため、インターネットに接続できる環境が必要です。また、利用するためには、以下のWEBサイトから利用申請を行い、ID・パスワードの発行を受けることが必要です。

2パスワード等が記載されたはがきの受領

利用申請後、事業所にパスワード等が記載された圧着はがきが、簡易書留で送付されます。時期については、通常、毎月 25 日までに利用申請があったものについて、翌月の上旬にはがきが発送されます。なお、介護報酬改定の前後の利用申請については、随時はがきの送付をする予定ですが、令和3年4月前半に LIFE の利用を開始する場合は、令和3年3月 25 日までに利用申請を行う必要がありますので、ご留意ください。

また、令和3年3月までに CHASE 又は VISIT のいずれかを利用している場合は、ご利用の ID・パスワードを4月以降、引き続き利用することができます。なお、CHASE 及びVISITの両方を利用している場合は、4月以降、CHASE の ID・パスワードを引き続き利用することができます(VISIT の ID・パスワードについては、CHASE の ID・パスワードに統一されます。)。両システムのデータ等は LIFE に引き継がれます。

3LIFEへの初回ログイン/IDの設定

LIFEの利用申請のURL

https://life.mhlw.go.jp

LIFEの操作マニュアル等のWEBサイト

https://life.mhlw.go.jp/manual.html

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LIFEへ登録する項目・情報

LIFEへ登録する介護サービス利用者の情報は2種類あります。

利用者情報(介護サービス利用者の氏名等の基本的な情報)

介護サービス利用者の氏名等の基本的な情報をLIFEに提出することで、科学的介護推進加算を算定できる見通しです。

様式情報(計画書等の各種様式の情報)

個別機能訓練加算、リハビリテーションマネジメント加算、ADL維持等加算、褥瘡マネジメント加算、排せつ支援加算、口腔衛生管理加算、口腔機能向上加算などの計画や評価様式に記載する項目の情報をLIFEに提出することが加算の算定要件として求められている加算が、2021年介護報酬改定では新設されます。

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LIFEへのデータ提出方法(取り込み方法)

LIFEへ提出するデータの登録方法は2種類あります。

評価結果を直接LIFEに打ち込んで情報提出する場合介護ソフトからCSVファイルを出力してLIFEに情報提出する場合は、LIFEに対応している介護ソフトに入力してある提出しなければならない情報をダウンロードし、LIFEにログインしてファイルのアップロードを行い提出します。
評価結果を直接LIFEに打ち込んで情報提出する場合評価結果を直接LIFEに打ち込んで情報提出する場合は、評価した結果をLIFEにログインして一人一人の入力フォームに打ち込んだり、選択項目を選択したりしていきます。

1CSVファイルからの取り込み

介護記録ソフト等で記録している情報をCSVファイル形式で出力し、LIFEへの取り込みを行います。CSVファイル形式で取り込みする方法を利用する場合には、介護記録ソフトがLIFEのフォーマットでのCSVファイル出力に対応している必要があります。CSVファイルを取り込む時には規定の方法でないとエラーが発生します。

2LIFEのWEBシステムの入力フォームから登録

LIFE(CHASE)のWEBシステムの入力フォームから手入力を行います。WEBシステムの入力フォームから手入力をする方法は介護記録ソフトの対応の有無にかかわらずすべての人が利用できます。

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データ提出及びフィードバック機能の利用について

各加算の詳細な要件は、今後通知等で示しされる予定ですが、原則として、今回示された様式(現時点では仮)の項目についてデータ提出をする予定です。

なお、データの提出は、各加算の様式等における見直しの頻度等に応じたタイミングを予定(加算算定できる月とは必ずしも一致しない)としています。

LIFE へのデータの頻度

LIFE へのデータ入力の頻度は加算ごとに異なっています。

LIFEへのデータ提出の期日とフィードバックの方法

LIFEへのデータ提出は、サービス提供月の翌月の 10 日(4月サービス分は、5月 10 日)までに行うことになっており、そのデータの解析結果等のフィードバックについては、サービス提供月の翌月中に、LIFE のWEBサイトを通じて実施予定となっています(PDF 形式で出力されダウンロードできる予定)。詳しくは以下の記事で紹介しています。

介護事業所等においては、解析結果等のフィードバックの活用による、PDCA サイクルとケアの質の向上を図る取組を行っていただく必要があります。

LIFEへのデータ登録・フィードバックのマニュアル

LIFEへのデータ登録・フィードバックの活用を通じて、事業所・施設におけるケアの質向上に向けた取り組みを支援するために、データ精度の管理に資するようなガイドライン(手引き)があります。詳しくまとまっているのでこのマニュアルを一読することがオススメです。

ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き(令和6年度介護報酬改定対応版)[PDF]

ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き
(2021年3月 株式会社 三菱総合研究所 厚生労働省)

科学的介護情報システム(LIFE)フィードバック活用の手引き[zip]

ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き

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2024年介護報酬改定 LIFEの活用等が要件に含まれる加算

加算を算定するためには、LIFE へのデータ提出とフィードバック機能の活用による PDCA サイクルの推進・ケアの向上を図ることが求められます。

施設系

  • 科学的介護推進体制加算(Ⅰ)
  • 科学的介護推進体制加算(Ⅱ)
  • 個別機能訓練加算(Ⅱ)
  • ADL維持等加算(Ⅰ)
  • ADL維持等加算(Ⅱ)
  • リハビリテーションマネジメント計画書情報加算
  • 理学療法、作業療法及び言語聴覚療法に係る加算
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)
  • 褥瘡対策指導管理(Ⅱ)
  • 排せつ支援加算(Ⅰ)
  • 排せつ支援加算(Ⅱ)
  • 排せつ支援加算(Ⅲ)
  • 自立支援促進加算
  • かかりつけ医連携薬剤調整加算
  • 薬剤管理指導栄養マネジメント強化加算
  • 口腔衛生管理加算(Ⅱ)

居宅系サービス

  • 科学的介護推進体制加算
  • 個別機能訓練加算(Ⅱ)
  • ADL維持等加算(Ⅰ)
  • ADL維持等加算(Ⅱ)
  • リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ
  • リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅰ)
  • 褥瘡マネジメント加算(Ⅱ)
  • 排せつ支援加算(Ⅰ)
  • 排せつ支援加算(Ⅱ)
  • 排せつ支援加算(Ⅲ)
  • 栄養アセスメント加算
  • 口腔機能向上加算(Ⅱ)

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介護ソフト導入やアップデート等にICT導入支援事業補助金が対象になる見通し

LIFEに対応した介護ソフト導入等に対する補助について様式の作成のために介護ソフトに入力したデータを、LIFE へのデータ連携により提出する場合は、介護ソフトの導入やアップデート等にあたり、ICT導入支援事業(地域医療介護総合確保基金)等の利用が可能な場合があります。令和3年度の介護報酬改定にあわせたICT導入補助金の積極的な活用について都道府県から追って公表がある見通しです。

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2024年8月以降のお問い合わせ受付体制について

2024年8月以降の新LIFEでは、LIFEヘルプデスク(厚生労働省)でお問い合わせに一元化されています。

2021年10月1日以降、LIFE の機能全般や新規利用申請に関するお問い合わせは、LIFEのWEBサイトの「お問い合わせフォーム」にて「LIFE ヘルプデスク」宛てにお問い合わせすることとされていました。LIFEは新しく始まった取り組みで、複雑なシステムなので不明点や疑問点もいろいろ出てきますよね。急を要する場合のみ、電話にてお問い合わせも可能で、厚生労働省老健局老人保健課が電話対応を行うとのことです。

LIFEのWEBサイトのヘルプデスク「お問い合わせフォーム」

「科学的介護情報システム(LIFE)のWEBサイト」内にLIFEヘルプデスクのページがあり、既存のQ&Aや説明書類などで解決できない場合には問い合わせフォームから問い合わせが可能です。(問い合わせ方法は後述します)

2021年10月1日から2021年10月31日までのLIFEヘルプデスクお問い合わせ先電話番号(厚生労働省老健局老人保健課)

・緊急時電話番号:042-340-8819
※上記番号(従来の利用申請ヘルプデスクと同じ電話番号)にお掛けいただくと厚生労働省老健局老人保健課に転送されます。
※受付時間:平日 10:00~16:00(年末年始を除く。)

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まだまだ本音を言うとLIFEはやばい問題点を含んでいる

なお、この記事では2021年から開始されたLIFEについて、肯定的な側面を中心に解説してきましたが、筆者個人としては厚生労働省が考えたLIFEの仕組みにはいろいろ課題・問題点が満載なような気がしているので、あまり介護の専門家や厚生労働省の官僚は語っていない闇の部分については以下の記事で語っています。

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今後も介護報酬改定でLIFEの利用が必須化されることはおそらく無い

2024年の介護報酬改定では、LIFEの利用が必須化されるのではないかという専門家の意見も散見されていましたが、あくまでもポジショントークであり、LIFEのシステムの進捗状況や、情報提出の仕組みに課題が多いこと、フィードバックの質が未熟である点などを踏まえると、まだまだ介護事業所にLIFEの活用を必須にするというところには程遠いと感じます。実際に、専門家やセミナー講師が「2024年の介護報酬改定ではLIFEの利用が必須になる!」と煽っていましたが、活用していなくても何らペナルティはありません。3年後になるとLIFEができてから6年ですし、人工知能などの進化もめまぐるしいのでさすがに科学的介護の形ができてきて活用を今以上に促進する動きもあるかもしれませんね。

 

科学的介護情報システム(LIFE)の情報

    科学的介護推進体制加算のLIFE提出

    個別機能訓練加算(Ⅱ)のLIFE提出

    LIFEとうまく付き合うために

     

     

    2024年(令和6年度)介護報酬改定の内容はこちら

    最新! 2024年4月・6月介護報酬改定の情報

    2021年4月介護報酬改定 介護保険サービス運営面のポイント

    区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

    2021年報酬改定対応時の事務手続きのポイント

    運営基準の変更点のポイント

    科学的介護情報システム「LIFE」について

    2021年4月介護報酬改定 単位数一覧

    2021年4月(令和3年度)の介護報酬改定後の基本報酬・加算・減算・サービスコードと単位数について紹介しています。

    指定居宅サービスの2021年4月からの介護報酬単位数一覧

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