社会福祉法人等による利用者負担軽減制度とは?対象者・4分の1軽減の中身と負担限度額認定・高額介護サービス費との併用

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度とは?対象者・4分の1軽減の中身と負担限度額認定・高額介護サービス費との併用
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「社会福祉法人の特養は安い」「負担限度額認定を使えば食費と居住費が下がる」——ここまでは比較的知られています。ですがその先に、訪問介護やデイサービス、ショートステイなど対象サービスの利用者負担や食費・居住費等を、原則4分の1軽減する制度があることは、あまり知られていません。それが「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度」です。

この記事では、対象になる人と軽減額、そしてケアマネジャーが最もつまずきやすい「負担限度額認定や高額介護サービス費と併用できるのか」「どういう順番で計算されるのか」を、具体的な数字とともに整理します。

3行でわかる社福軽減

・住民税非課税世帯で収入・預貯金などの要件を満たす方は、対象となる利用者負担・食費・居住費等が4分の1軽減(老齢福祉年金受給者は2分の1)

・訪問介護、デイサービス、ショートステイ、特養、小規模多機能など13種類前後のサービスが対象。訪問看護や通所リハ、グループホーム、老健は原則対象外

軽減実施を申し出た社会福祉法人等の対象事業所でしか使えない。事業所を変えると軽減が消えることがある

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度とは

低所得で特に生計が困難な方について、介護保険サービスを提供する社会福祉法人等が、その社会的な役割の一環として利用者負担を軽減する制度です。正式には「社会福祉法人等による生計困難者等に対する介護保険サービスに係る利用者負担額軽減制度事業」といい、現場では「社福軽減」「社福減免」と略されます。

社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的に設立される法人で、公益法人等として、収益事業から生じた所得を除いて法人税が課されないなど、税制上の優遇措置が講じられています。こうした公共性や優遇措置を踏まえ、低所得者の負担軽減を担うことが期待されている——というのがこの制度の考え方です。

最大の特徴は「法人の申出制」であること

ここが他の軽減制度と決定的に違う点です。この制度は、市区町村が事業を実施し、かつ都道府県・市区町村に軽減実施を申し出た社会福祉法人等の対象事業所で適用されます。制度の実施状況や独自の拡大は市区町村によって異なります。

高額介護サービス費や負担限度額認定は、対象要件と対象サービスを満たせば、事業者による軽減申出の有無にかかわらず適用される介護保険給付です。一方、社福軽減は法人の任意の取り組みであり、軽減した額の一部を国・都道府県・市町村が助成する仕組みになっています。同じ社会福祉法人でも申出をしていなければ軽減されませんし、法人によって実施しているサービス種別が違うこともあります。また、市区町村が事業を実施していなければ、そもそも適用されません。

なお「社会福祉法人」の「等」には、市町村が直接運営する事業所などが含まれます。自治体によっては、社会福祉法人以外の事業者にも対象を広げている場合があります。

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いくら軽減されるのか

対象者軽減割合軽減される費用
生計困難者
(住民税非課税で要件を満たす方)
4分の1(25%)サービス費の利用者負担額、食費、居住費(滞在費)、宿泊費
※サービス種別により対象が異なります
そのうち老齢福祉年金の受給者2分の1(50%)
生活保護受給者
中国残留邦人等支援給付受給者
全額(100%)特養・地域密着型特養・ショートステイの個室の居住費(滞在費)のみ

生活保護受給者は「全額軽減」と書かれることが多く、すべての費用がタダになると誤解されがちですが、対象は個室の居住費(滞在費)だけです。サービス費の1割負担や食費は対象外です。詳しくは後の章で説明します。

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対象になるサービスと、軽減される費用

対象サービスは自治体により細部が異なりますが、おおむね次のとおりです。

なお介護サービス費については、1割相当分のみを軽減対象とする自治体と、2割・3割負担分も対象とする自治体があります。本記事の計算例はいずれも1割負担の場合で説明しています。

サービスサービス費の
利用者負担
食費居住費
滞在費・宿泊費
訪問介護/夜間対応型訪問介護
第1号訪問事業のうち介護予防訪問介護に相当する事業
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
通所介護/地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護(介護予防を含む)
第1号通所事業のうち介護予防通所介護に相当する事業
小規模多機能型居宅介護(介護予防を含む)
看護小規模多機能型居宅介護
○(宿泊費)
短期入所生活介護(ショートステイ)
介護予防短期入所生活介護
▲(滞在費)
介護老人福祉施設(特養)
地域密着型介護老人福祉施設
  • ○=軽減対象 —=そもそも費用が発生しない
  • △=高額介護サービス費の利用者負担第2段階では、サービス費が原則対象外。ただし介護予防小規模多機能など、自治体要綱により取扱いが異なります(後述)
  • ▲=特定入所者介護(予防)サービス費(補足給付)が支給されている場合に限る

国の標準的な制度では対象にならないサービス

次のサービスは、国の標準的な社福軽減の対象には含まれません。社会福祉法人が運営していても軽減されないため、「社福だから安いはず」と思い込まないよう注意が必要です。

  • 訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、特定施設入居者生活介護
  • 介護老人保健施設、介護医療院(別に「無料低額介護老人保健施設利用事業」等がある自治体もあります)
  • 福祉用具貸与・購入、住宅改修、居宅介護支援、特別な室料・特別な食事の費用、日常生活費

ただし、自治体が独自の軽減事業として対象を広げている場合があります。たとえば東京都・江東区の「生計困難者等に対する利用者負担額軽減」では、訪問看護や通所リハビリテーション等も対象に含め、実施主体も社会福祉法人以外の事業者へ拡大しています。お住まいの市区町村の実施要綱をご確認ください。

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対象になる人の要件

市町村民税が世帯全員非課税であって、次の要件をすべて満たす方のうち、収入・世帯状況・利用者負担などを総合的に見て生計が困難と市町村が認めた方が対象です。

要件基準
年間収入単身世帯で150万円以下
世帯員が1人増えるごとに50万円を加算
預貯金等の額単身世帯で350万円以下
世帯員が1人増えるごとに100万円を加算
資産日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと
扶養負担能力のある親族等に扶養されていないこと
保険料介護保険料を滞納していないこと

ここで注意したいのが、「年間収入」は課税所得でも合計所得金額でもなく、収入そのものだという点です。遺族年金・障害年金といった非課税年金も、仕送りも含めて申告します。世帯全員分が対象で、預貯金だけでなく有価証券・投資信託・金銀・現金まで含めて申告を求める自治体が多くみられます。ただし預貯金等に含める資産の範囲や、負債をどのように扱うかは自治体の実施要綱によって異なります

単身で年収150万円というのは、月あたり12万5千円です。国民年金だけで暮らしている方はもちろん、厚生年金があっても該当する方は珍しくありません。負担限度額認定の第2段階・第3段階①あたりの方は所得帯が重なるため対象候補になりますが、年間収入・資産・扶養状況などは別に審査されます。

自治体によっては「養護老人ホームに入所していないこと」などの要件を追加している場合があります。また、旧措置入所者(2000年3月までに特養へ措置入所し引き続き入所している方)で利用者負担割合が5%以下の方は原則対象外ですが、ユニット型個室の居住費については対象となる扱いがあります。

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生活保護受給者の場合は扱いが違う

生活保護を受けている方は、収入・預貯金の要件を満たすかどうかにかかわらず対象になりますが、軽減されるのは特養・地域密着型特養・ショートステイの「個室の居住費(滞在費)」だけで、その全額が軽減されます。中国残留邦人等支援給付の受給者も同様です。

なぜ個室の居住費だけなのか。生活保護受給者は補足給付の第1段階にあたるため、多床室であれば居住費の負担限度額が0円で、そもそも自己負担が発生しません。ところが個室になると、補足給付を受けても居住費の負担が残ります。

居室の種類(第1段階・特養)補足給付後の
居住費(日額)
社福軽減後
多床室0円0円(もともと負担なし)
従来型個室380円0円
ユニット型個室的多床室550円0円
ユニット型個室880円0円

ユニット型個室なら1日880円、月にすると約2万6千円です。この軽減があるかどうかが、生活保護を受けている方がユニット型の特養に入れるかどうかを左右することがあります。新設の特養はユニット型が中心ですから、生活保護受給者の入所調整では「その法人が社福軽減を実施しているか」が実質的な条件になる場面が出てきます。

なお、居室の種類によって対象範囲を「ユニット型個室のみ」としている自治体もあります。実際の取扱いは保険者にご確認ください。

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他の軽減制度と併用できるのか 優先順位と計算の順番

ここがこの制度でいちばん混乱しやすいところです。結論から言うとこれらの制度は併用できます。ただし、それぞれ対象となる費目が異なり、適用される順番も決まっています。食費・居住費は負担限度額認定後の額に社福軽減を適用し、介護サービス費は社福軽減後の額をもとに高額介護サービス費を計算します。

適用の優先順位

① 負担限度額認定(補足給付)
↓ 食費・居住費を負担限度額まで下げる

② 社会福祉法人等による利用者負担軽減
↓ ①の後に残った額に対して4分の1(または2分の1)を軽減

③ 高額介護サービス費・高額医療合算介護サービス費
  ②の後の利用者負担額をもとに、上限超過分を払い戻す

食費・居住費については、まず負担限度額認定が優先されます。そのうえで、下がった後の負担限度額に対して社福軽減をかけます。逆に言えば、施設やショートステイの食費・居住費は、補足給付を受けていなければ社福軽減も受けられません(2015年度からの取扱い)。負担限度額認定の申請を忘れていると、社福軽減の効果まで失うことになります。

サービス費の1割負担については、社福軽減を先に適用し、軽減後の利用者負担額をもとに高額介護サービス費を計算します。

計算例1 デイサービス(高額介護サービス費の利用者負担第2段階)

軽減前後でいくら変わるか

その月のサービス費の利用者負担が24,000円、食費が6,000円、合計30,000円だったとします。

①社福軽減(4分の1)
サービス費 24,000円 → 18,000円(−6,000円)
食費 6,000円 → 4,500円(−1,500円)

②高額介護サービス費(第2段階=個人上限15,000円)
18,000円 − 15,000円 = 3,000円が後日払い戻し

最終的な負担
15,000円 + 4,500円 = 19,500円

見落とされがちな落とし穴 軽減後もなお上限以上なら効果が出ない

上の例で、もし社福軽減がなかったらどうなるかを計算してみます。

社福軽減なし社福軽減あり
サービス費24,000円18,000円
高額介護サービス費の払戻9,000円3,000円
サービス費の実質負担15,000円15,000円
食費6,000円4,500円
手元の負担合計21,000円19,500円

サービス費を6,000円軽減したのに、手元の負担は1,500円しか減っていません。減った1,500円は食費の軽減分です。サービス費のほうは、軽減してもしなくても高額介護サービス費の上限15,000円まで下がるため、軽減した分だけ払い戻しが減っただけだったのです。

つまり社福軽減後のサービス費負担額が、なお高額介護サービス費の個人上限額以上に残る場合は、サービス費部分の最終負担は上限額のままになります。その場合、軽減した額と同じだけ高額介護サービス費の払い戻しが減るため、サービス費部分については負担軽減の効果が生じません。

逆に、軽減後の額が上限額を下回れば、その分だけ手元の負担は下がります。たとえばサービス費が18,000円なら、軽減後は13,500円となって上限15,000円を下回るため、最終負担は15,000円から13,500円へ1,500円減ります。この制度が効いてくるのは、次のような場面です。

  • 食費・居住費の軽減 これらは高額介護サービス費の対象外なので、軽減分がそのまま手元に残ります。施設入所やショートステイでは効果が大きくなります
  • 軽減後の負担額が上限額を下回る人 在宅で週2〜3回程度の利用にとどまる方など。軽減分がそのまま負担減になります
  • 払い戻しを待たずに済むこと 高額介護サービス費は3〜5か月後の払い戻しですが、社福軽減は窓口で最初から差し引かれます。手元の現金が厳しい方には、この差は小さくありません

高額介護サービス費の「利用者負担第2段階」の例外

先ほど表で「△」とした例外規定も、この適用関係にかかわるものです。ここでいう第2段階は、高額介護サービス費の「利用者負担第2段階」を指します。負担限度額認定(補足給付)の第2段階と基準がよく似ているため混同されがちですが、別の制度の区分です。2026年8月からは高額介護サービス費側の基準額も82万6,500円に改定されています。

一般的には、利用者負担第2段階の方が、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、特別養護老人ホーム、地域密着型特別養護老人ホームを利用する場合、サービス費の1割負担部分は社福軽減の対象外とされています。これらのサービスについては、高額介護サービス費との適用関係を踏まえ、利用者負担第2段階の方のサービス費の1割負担部分が制度上の軽減対象から除かれています。食費・居住費・宿泊費は、所定の要件を満たせば引き続き軽減対象です。

ただし例外の対象サービスは自治体の実施要綱によって異なります。たとえば福岡市は介護予防小規模多機能型居宅介護を例外から除いていますが、松山市の一覧では含まれています。実際の取扱いは保険者にご確認ください。

計算例2 特別養護老人ホーム(高額介護サービス費・補足給付ともに第2段階)

3つの制度が重なる典型例

施設サービス費の1割が28,000円、負担限度額認定を受けて食費390円/日・居住費430円/日(30日)とすると、食費11,700円・居住費12,900円。合計52,600円です。

①負担限度額認定 食費・居住費はすでに限度額まで下がっています

②社福軽減
サービス費……第2段階×特養のため対象外
食費 11,700円 → 8,775円(−2,925円)
居住費 12,900円 → 9,675円(−3,225円)

③高額介護サービス費
28,000円 − 15,000円 = 13,000円が後日払い戻し

最終的な負担
15,000円 + 8,775円 + 9,675円 = 33,450円(軽減がなければ39,600円)

月に約6,150円、年間で7万円以上の差になります。特養は長期の入所になりますから、この差は積み重なります。

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申請の流れと確認証

軽減を受けるには、原則として早めに市区町村へ申請し、「社会福祉法人等利用者負担軽減対象確認証」の交付を受けます。適用開始日は自治体によって異なり、申請月の初日に遡る場合もあります。確認証を事業所に提示すると、その有効期間に対応する利用者負担が軽減されます。

ステップやること
1利用予定の事業所が軽減を実施しているか確認する(都道府県・市町村が実施事業所一覧を公表しています)
2市区町村の介護保険担当窓口へ申請(申請書+収入等申告書)
3市区町村が審査し、「決定通知書」と「確認証」を交付
4確認証を事業所に提示。以後、請求時に軽減された額で請求される
5毎年更新申請(多くの自治体で確認証の有効期限は7月末)

申請に必要なもの

  • 社会福祉法人等利用者負担軽減対象確認申請書
  • 収入等申告書(世帯全員分の収入を記載。非課税年金や仕送りも含めます)
  • 介護保険被保険者証
  • 世帯全員の預貯金通帳の写し(直近の記帳が必要。入出金明細の提出を求める自治体もあります)、有価証券等の残高がわかる書類
  • 年金振込通知書・源泉徴収票・確定申告書の控えなど、収入がわかる書類

生活保護受給者の場合は収入・資産の申告が不要で、申請書と被保険者証だけで済むのが一般的です。近年はマイナポータルや自治体独自のシステムでの電子申請に対応するところも増えていますが、世帯人数や口座数が多い場合は窓口申請に限る、といった条件が付くこともあります。

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ケアマネジャーが押さえておきたい実務ポイント

事業所選びの段階で確認する

この制度は事業所によって使えたり使えなかったりします。ケアプランを立ててから「あの法人は軽減をやっていなかった」と気づくと、利用者にとっては数千円から1万円以上の差になります。低所得が疑われるケースでは、サービス担当者を決める前に都道府県のサイトで実施事業所一覧を確認しておくのが確実です。

「社会福祉法人等による利用者負担軽減 実施事業所」で検索すると、多くの都道府県がエクセルやPDFの一覧を公開しています。サービス種別ごとに分かれていることが多く、同じ法人でも特養は実施しているがデイは実施していないというケースもあります。

事業所を変えると軽減が消える

確認証は本人に交付されるものですが、実際に軽減されるかどうかは事業所側の実施状況で決まります。体調の変化やトラブルでデイを変更した結果、負担が急に増えるということが起こり得ます。変更を検討する際は、費用面の変化もあわせて説明しておきたいところです。

7月末の更新を落とさない

確認証の有効期限を毎年7月末としている自治体が多く、更新申請を忘れると8月から軽減が止まります。負担割合証の切り替えや負担限度額認定の更新と同じ時期ですから、担当ケースの7月・8月の確認事項としてセットで持っておくと漏れにくくなります。

申請のハードルは預貯金の証明

実務でいちばん手が止まるのがここです。世帯全員分の通帳の写しが必要で、記帳が古いと受け付けられないこともあります。認知症のある方や、家族が遠方にいるケースでは、通帳を集めるだけで数週間かかることも珍しくありません。申請を勧めるときは、必要書類を先に伝えて準備の時間を確保しておくのが現実的です。

住所地特例のケースは事前相談を

他市町村の施設に入所していて住所地特例が適用されている方は、申請先や取扱いが通常と異なる場合があります。保険者はもとの市町村ですが、事業所の申出先は施設所在地の都道府県になるため、確認が必要です。

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あわせて確認したい他の軽減制度

  • 介護保険負担限度額認定(補足給付) 施設・ショートステイの食費・居住費を下げる。これらの費用を社福軽減する際の前提にもなります
  • 高額介護サービス費 月々の利用者負担の上限。社福軽減の後に計算されます
  • 境界層措置 利用者負担や保険料を下げれば生活保護を受けずに済む方に、より低い基準を適用する仕組み
  • 無料低額介護老人保健施設利用事業・無料低額介護医療院利用事業 社福軽減の標準的な対象外である老健・介護医療院について、実施施設が無料または低額な料金で利用させる社会福祉法上の事業
  • 災害・失業等による利用者負担の減免 一時的に負担が困難になった場合に、期間を限って減免される制度
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よくある質問

Q
負担限度額認定や高額介護サービス費と同時に使えますか?
A

使えます。適用の順番は「①負担限度額認定 → ②社会福祉法人等による軽減 → ③高額介護サービス費」です。食費・居住費は負担限度額まで下げてから社福軽減をかけ、サービス費は社福軽減の後の額で高額介護サービス費を計算します。なお施設・ショートステイの食費・居住費は、負担限度額認定を受けていないと社福軽減の対象になりません。

Q
社会福祉法人の事業所なら、どこでも軽減されますか?
A

いいえ。この制度は法人が自主的に「軽減を実施します」と申し出て初めて適用されるものです。申出をしていない社会福祉法人では軽減されません。都道府県や市町村が実施事業所の一覧を公表していますので、利用前に確認してください。同じ法人でもサービス種別によって実施していない場合があります。

Q
生活保護を受けていれば全部タダになるのですか?
A

いいえ。生活保護受給者について全額軽減されるのは、特養・地域密着型特養・ショートステイの個室の居住費(滞在費)だけです。サービス費の1割負担や食費は社福軽減の対象外で、これらは介護扶助などで対応されます。多床室の場合は補足給付で居住費がもともと0円のため、この軽減の出番はありません。

Q
グループホームや老健は対象になりませんか?
A

国の標準的な社福軽減では、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、介護老人保健施設、介護医療院、特定施設入居者生活介護は対象外です。ただし、自治体が独自に対象を広げている場合は、その限りではありません。また、老健・介護医療院では、社会福祉法に基づく「無料低額介護老人保健施設利用事業」等を実施している施設もあります。実施状況は市区町村にご確認ください。

Q
世帯分離すれば対象になりますか?
A

結果として住民税非課税世帯になり要件を満たす場合はありますが、社福軽減には「負担能力のある親族等に扶養されていないこと」という要件があり、世帯を分けただけでは満たせないことがあります。世帯分離は生活の実態が別世帯であることが前提の届出です。判断の前に市区町村の窓口にご相談ください。

Q
さかのぼって軽減してもらえますか?
A

適用開始日は自治体によって異なります。江東区のように確認証の有効期間を「申請を受け付けた月の1日から」とし、申請月の初日まで遡って適用する自治体もありますが、申請前の月まで遡れないのが一般的です。対象になりそうな方には、利用開始前か、該当すると分かった時点で早めに申請を案内してください。

まとめ

社会福祉法人等による利用者負担軽減制度は、住民税非課税で収入150万円以下・預貯金350万円以下などの要件を満たす方について、訪問介護・デイサービス・ショートステイ・特養など対象サービスの利用者負担や食費・居住費等を、原則4分の1(老齢福祉年金受給者は2分の1)軽減する仕組みです。生活保護受給者は、特養・ショートステイの個室の居住費が全額軽減されます。

負担限度額認定・高額介護サービス費とは併用でき、「①負担限度額認定 → ②社福軽減 → ③高額介護サービス費」の順に適用されます。対象となる費目はそれぞれ異なり、効果が大きいのは高額介護サービス費の対象にならない食費・居住費の部分と、払い戻しを待たずに窓口の支払いが下がるという点です。

そして最大の注意点は、市区町村が事業を実施し、かつ軽減実施を申し出た社会福祉法人等の対象事業所でしか使えないこと。ケアマネジャーとしては、低所得が疑われるケースで事業所を選ぶ段階から実施事業所一覧を確認しておくこと、そして毎年7月末の更新を落とさないことが、そのまま利用者の負担軽減につながります。

制度の細部は自治体ごとの実施要綱で定められており、対象サービスや生活保護受給者の居室類型の扱いなどに違いがあります。実際の適用にあたっては、必ずお住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。

参照資料

2024年・2025年・2026年
介護保険・介護報酬改定の情報

令和8年度(2026年)障害福祉サービス等報酬改定の概要と変更点まとめ

2026年(令和8年)介護報酬改定の全体像についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

介護報酬改定2026年(令和8年度)まとめ|いつから・変更点・対象サービスをわかりやすく解説

令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

New! 令和8年(2026年)介護報酬改定

New!令和8年(2026年)介護報酬改定介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

 介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)

地域密着型サービスの単位数改定内容

介護予防サービス(対象・要支援)

介護予防・日常生活支援総合事業費(要支援・事業対象者)の改定内容

施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

      2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度

      利用者負担軽減の仕組みの改定

      補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

      令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し

      令和7年8月1日施行 多床室の室料負担
      令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更

       

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