平成27年8月から、現役並み所得者に相当する方は介護保険自己負担分が2割になりました。更に平成30年8月からは高所得な方は3割という人も出てきます。
介護保険自己負担2割でも、自己負担額が一律に2倍、3倍になるわけではありません。
政治家や福祉業界の人間までも、「介護サービスの利用料が2倍、3倍になる」「福祉の切り捨てだ」などと狼狽して、さらに誤解を助長しています。

医療費などでもそうですが、高額にかかった場合は軽減する制度もあることを頭に置いておいて欲しいと思います。
再度介護保険2割負担の概要と、高額介護サービス費の軽減制度、施設入居・入所者の居住費・食費の負担限度額についてまとめておきます。
尚、ケースバイケースなので、具体的な相談は自治体の介護保険関係の窓口に問い合わせて確認する方が望ましいと思います。

各種軽減制度(高額介護サービス費・高額医療・高額介護合算制度

介護保険サービスを利用するにあたって、利用料の1割の負担が困難な方に対して、所得等に応じて下記の高額介護サービス費の軽減制度、高額医療・高額介護合算制度、4段階の居住費・食費の負担限度額制度があります。

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高額介護(介護予防)サービス費の補助制度

介護保険のサービスを利用した月の利用者負担合計額(同じ世帯内に複数の利用者がいる場合には世帯合計額)が一定の額を超えたときには、「高額介護(介護予防)サービス費」としてあとから支給されます。該当する方へは、区から申請書をお送りします。
利用者負担上限額は、所得等に応じて、次のとおりです。
平成27年8月の介護サービス利用分から、負担上限額の区分に「現役並み所得者(世帯 44,400円)」が新設されました。

高額療養費制度(高額医療・高額介護合算制度)

高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担が過度なものにならないよう、医療機関の窓口において医療費の自己負担を支払った後、月ごとの自己負担限度額を超える部分について、保険者から償還払いされる制度です。

平成30年8月からの高額療養費制度では、一般的な所得区分の人は、世帯当たり57,600円が限度額として設定されています。(一般の中でも細かな区分があり、詳しくは保険者に確認してみてください)

平成30年からの高額医療費制度

居住費・食費の自己負担限度額(特定入所者介護サービス費助成)

所得に応じて居住費・食費の負担限度額が設定されています。
低所得の方が施設の利用が困難とならないように、所得に応じて利用者負担段階を4段階に分け、居住費・食費の負担限度額を設定している。利用者負担段階の第1段階から第3段階の方については、負担を軽減しています。

介護保険課給付係に申請し、「負担限度額認定証」の交付を受けることが必要です。

負担限度額認定証

居住費・食費の自己負担限度額設定の対象施設

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設(老人保健施設)
  • 介護療養型医療施設(療養病床等)
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)※通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)等は対象になりません。

利用者負担段階区分(4段階)

  • 第1段階は、生活保護受給の方または世帯全員が区民税非課税で本人が老齢福祉年金受給の方
  • 第2段階は、世帯全員(1人世帯を含む)が区民税非課税で本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方
  • 第3段階は、世帯全員(1人世帯を含む)が区民税非課税で本人の合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円を超える方
  • 第4段階は、上記以外の方

食費(日額)

  • 第1段階は、300円
  • 第2段階は、390円
  • 第3段階は、650円
  • 第4段階は、1,380円から(施設との契約による金額)

居住費(日額)

第1段階

区分 居住費(日額)
多床室 0円
従来型個室(特養等) 320円
従来型個室(老健・療養等) 490円
ユニット型準個室 490円
ユニット型個室 820円

 

第2段階

区分 居住費(日額)
多床室 370円
従来型個室(特養等) 420円
従来型個室(老健・療養等) 490円
ユニット型準個室 490円
ユニット型個室 820円

 

第3段階

区分 居住費(日額)
多床室 370円
従来型個室(特養等) 820円
従来型個室(老健・療養等) 1,310円
ユニット型準個室 1,310円
ユニット型個室 1,310円

第4段階
居住費は施設との契約による金額になります。
※以下の項目に該当する場合には、給付の対象となりません。

  1. 住民税非課税でも、世帯分離している配偶者が住民税課税者である場合
  2. 住民税非課税世帯(世帯分離している配偶者が住民税非課税)でも、預貯金等が一定額(単身1,000万円、夫婦2,000万円)を超える場合

高額介護サービス費の軽減制度、施設利用者の居住費・食費の負担限度額のまとめ(私見)

介護保険の自己負担が2割・3割になっても、限度なく2倍・3倍の支払いになるというわけでなく、携帯のダブル定額プランのように上限があることを知っておくと相談されたときに役立つと思います。
これらは上限額を超えた場合には申請したり、負担限度額認定証を交付される必要があり、知らないとそのまま2割まるまる払ってしまうことになります。
日本の国は知らないとそのままになってしまいますが、生活保護をはじめとして様々な軽減制度、減免制度などのセーフティネットが機能しています。

この他にも自治体ごとなど軽減や補助があるかもしれません。

介護保険は、現在は本当に必要な介護サービスと、民間の食いぶちになっている保険で賄うほどのものじゃないサービスの両方にじゃんじゃん使ってしまっています。
本当に必要なサービスはちゃんと負担がある程度で収まるように今回も調整されています。
おそらくこの傾向は今後も続くのではないかと思います。

2割負担、そして極端な話5割負担になっても利用したい施設はどのくらいあるでしょうか?
今は1割だから喜んでみんな利用しますが、2割になったら行くのをやめるかもしれません。
おそらくショートステイや老健のような宿泊施設、特別養護老人ホームなどは介護者としても本人としても、状況によって本当に必要だと感じるサービスではないでしょうか?
そのような部分を考慮して調整したのが、この改定と見直しかと思っています。(私見です)

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