訪問介護の初回加算|200単位の算定要件と「過去2月間」の数え方

訪問介護の初回加算|200単位の算定要件と「過去2月間」の数え方
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訪問介護の初回加算は、1月につき200単位です。新規の利用者を受けたときにサービス提供責任者が関わったことを評価する加算で、要件そのものは複雑ではありません。

ただ、訪問介護の初回加算の事業所ベースの算定率は52.0%です。訪問介護を請求した事業所のうち、初回加算を算定したのは約半数という集計です。

そして令和9年度改定に向けて、この加算の要件を見直す対応案が出ています。「初回サービスへの同行」に限定せず、サービス提供責任者がアセスメントを実施した場合も評価対象とする、という内容です。

この記事では、告示の注と留意事項通知に沿って算定要件を整理したうえで、「過去2月間」の数え方、利用者への説明と同意、そして改定の対応案を確認します。後半に、現場の立場からの意見を書きます。

この記事は、指定居宅サービス介護給付費単位数表の訪問介護費の注、留意事項通知(平成12年老企第36号)、厚生労働省のQ&A、および介護給付費分科会の資料をもとに作成しています(2026年11月時点)。算定にあたっては、指定権者である都道府県・市町村の案内も必ず確認してください。

訪問介護の初回加算の単位数と算定要件

訪問介護の初回加算の単位数は1月につき200単位です。令和6年度改定でも変更はありません。

告示の注では、算定できる場合が次のように定められています。

新規に訪問介護計画を作成した利用者に対して、サービス提供責任者が初回若しくは初回の指定訪問介護を行った日の属する月に指定訪問介護を行った場合又は当該指定訪問介護事業所のその他の訪問介護員等が初回若しくは初回の指定訪問介護を行った日の属する月に指定訪問介護を行った際にサービス提供責任者が同行した場合

指定居宅サービス介護給付費単位数表 訪問介護費の注より

一文が長いので、パターンに分けて整理します。前提として、どのパターンでも「新規に訪問介護計画を作成した利用者」であることが必要です。

パターン内容
①サービス提供責任者が、初回の訪問介護を行った
②サービス提供責任者が、初回の訪問介護を行った日の属する月に訪問介護を行った
③その他の訪問介護員等が、初回の訪問介護を行った際、または初回の訪問介護を行った日の属する月に訪問介護を行った際に、サービス提供責任者が同行した

②があるのが大事なところです。初回の訪問にサービス提供責任者が入れなくても、同じ月にサービス提供責任者が訪問介護を提供すれば、ほかの要件を満たす場合に算定できます。
契約説明や状態確認のための訪問ではなく、サービス提供責任者による訪問介護の提供が必要です。

③の同行も、初回の訪問に限りません。初回の訪問を行った日の属する月のサービス提供に同行した場合も対象です。

サービス提供責任者が同行した場合は、同行訪問した旨を記録します。利用者の状況等を確認したうえで途中で離れることは可能で、サービス提供時間の全てに滞在する必要はありません。

訪問介護費の基本の単位数と、ほかの加算は、こちらで確認できます。

前提になる「訪問介護計画」

3つのパターンの前に、「新規に訪問介護計画を作成した利用者」という条件があります。この訪問介護計画は、告示で「指定居宅サービス等基準第24条第1項に規定する訪問介護計画」と定義されているものです。

つまり、運営基準で作成が義務づけられている訪問介護計画のことです。初回加算のために別の書類を作る必要はありませんが、計画を作らずにサービスだけ始めている状態では、そもそも要件を満たしません。訪問介護を提供する上では訪問介護計画は原則必須なので、計画を作らずに訪問介護に入るということは普通はないことではあります。

訪問介護の初回加算は、事前に届出は必要ない

特定事業所加算のように「都道府県知事に届け出た事業所が」という体制届が前提になる加算とは、この点が違います。

Q&Aでは、訪問介護の初回加算は「それぞれの要件に合致する指定訪問介護を行った場合に、当然に算定されるものである」とされています。事前の体制届は不要で、要件に当てはまればその月に算定します。

ただし、だからこそ算定漏れが起きます。届出をして「取っている加算」として管理する加算と違って、新規契約のたびに判断する加算です。

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訪問介護の初回加算での「新規」とは何か|過去2月間の数え方

訪問介護の初回加算での「新規」とは何か|過去2月間の数え方

訪問介護の初回加算を算定する上で、実務でいちばん迷うのが「利用者が過去2月間(暦月)に、当該指定訪問介護事業所から指定訪問介護の提供を受けていない場合に算定されるもの」という留意事項通知に定めがある点です。

本加算は、利用者が過去2月間(暦月)に、当該指定訪問介護事業所から指定訪問介護の提供を受けていない場合に算定されるものである。

平成12年老企第36号 第2の2(21)①より

「2月」は暦月です。厚生労働省のQ&Aに具体例が示されています。

4月15日に利用者に指定訪問介護を行った場合、初回加算が算定できるのは、同年の2月1日以降に当該事業所から指定訪問介護の提供を受けていない場合です(平成21年3月版Q&A Vol.69 問33)。

「月の初日から月の末日まで」で数えるので、直近2か月分の暦月をまるごと見ることになります。4月15日の提供であれば、2月1日から4月14日までの間に自事業所の訪問介護を受けていないかを確認します。

同じQ&Aに、もうひとつ押さえておきたい取扱いがあります。

初回加算は同一月内で複数の事業所が算定することも可能です。
利用者が複数の訪問介護事業所と新たに契約した場合、それぞれの事業所で算定できます

「2月間」の判定は当該事業所からの提供実績で見ます。ほかの事業所から訪問介護を受けていたかどうかは関係ありません。いったん終了して2か月以上空いた利用者が再開した場合も、要件を満たせば算定できます。

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あわせて確認したい生活機能向上連携加算(Ⅰ)

新規の利用者を受けたタイミングで、あわせて見ておきたいのが生活機能向上連携加算(Ⅰ)です。

留意事項通知では、この加算は訪問介護計画に基づき指定訪問介護を提供した初回の月に限り算定されるものとされています。訪問リハビリテーション事業所、通所リハビリテーション事業所、またはリハビリテーションを実施している医療提供施設の理学療法士等の助言に基づいて、生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成することが要件です。

理学療法士等が自宅を訪問せずに、利用者のADLおよびIADLの状況を把握したうえでサービス提供責任者に助言を行う形でも算定できます。把握の方法として、ICTを活用した動画やテレビ電話装置等を用いることも認められています。

この加算の「初回の月」は、訪問介護を初めて契約した月という意味ではありません。専門職の助言に基づいて作成・変更した計画によるサービス提供の初月を指します。既存の利用者の計画を見直した場合も対象になり得ます。

また、助言を受けて計画を作るだけでなく、計画作成から3月経過後に目標の達成度合いを利用者及び理学療法士等に報告することなども求められます。

初回加算が「サービス提供責任者が関わったこと」を見る加算なのに対して、こちらは「計画の中身」を見る加算です。新規のアセスメントをする段階で、リハビリ職の助言を受ける段取りを組んでおけば、両方の検討ができます。単位数と要件の詳細は、訪問介護費の単位数一覧で確認してください。

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訪問介護の初回加算について、利用者への説明と同意

訪問介護の初回加算を取れば、その分の利用者負担が増えます。説明のタイミングについて、Q&Aに整理があります。

緊急時訪問介護加算及び初回加算はいずれも、それぞれの要件に合致する指定訪問介護を行った場合に、当然に算定されるものである。したがって、その都度、利用者からの同意を必要とするものではないが、居宅サービス基準第8条に基づき、事前にそれぞれの加算の算定要件及び趣旨について、重要事項説明書等により利用者に説明し、同意を得ておく必要がある。

平成21年3月版Q&A Vol.69 問34より

読み方は2つに分かれます。算定のたびに同意をもらう必要はありません。ただし、重要事項説明書等で事前に説明し、同意を得ておく必要があります。

200単位は、1単位の単価が10円から11.40円(訪問介護は人件費割合70%の区分)なので、2,000円から2,280円です。利用者負担が1割なら200円から228円程度。初回加算を算定する月の負担ですが、説明がないと問い合わせになります。

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訪問介護の初回加算の算定率は52.0%

第271回介護給付費分科会(令和8年10月19日)の資料1に、初回加算の算定率が示されています。令和7年3月サービス提供分の集計です。

集計項目事業所数
訪問介護の総請求事業所数35,376
初回加算の算定事業所数18,406
事業所ベースの算定率52.0%

分母は訪問介護を請求した全事業所です。新規利用者の受入れがあった事業所に限った集計ではありません。この数字だけで、算定漏れやサービス提供責任者の関与不足を判断することはできません。

資料では、初回加算について次のように整理されています。

  • 創設の目的は、サービス提供責任者の業務負担への評価と、サービス提供における利用者の適切なアセスメントの実施を評価すること
  • 現行要件は、サービス提供責任者が初回訪問または初回訪問を行った月にサービス提供を行った場合、または訪問介護員等による初回訪問もしくは初回訪問を行った月のサービス提供にサービス提供責任者が同行した場合
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令和9年度改定での訪問介護の初回加算に関する対応案

第271回の資料1では、論点①「地域の協働化による介護サービスの提供体制の構築」の中で、サービス提供責任者の負担軽減が取り上げられています。初回加算の見直しは、その一部です。

前提として示されている状況

資料では、サービス提供責任者について次のように書かれています。

訪問介護員の不足等により訪問業務に従事せざるを得ない状況にあるほか、記録や請求等の事務負担も大きく、本来求められる利用者・職員のマネジメントや訪問介護計画の作成・見直し等の業務に十分注力することが困難な状況となっている、という整理です。

同じ資料に載っている調査結果(令和8年度老人保健健康増進等事業/浜銀総合研究所の速報値、516事業所)では、サービス提供責任者が求められる役割を十分に果たすことが困難な状況として、「訪問介護員が不足しており、サービス提供責任者が訪問(サービス提供)に入らざるを得ない」が74.2%、次いで「記録・報告書の作成、請求事務等の事務作業の負担が大きい」が58.5%でした。

この調査は中山間・人口減少地域を対象としたもので、全国の事業所を代表するものではありません。

示されている2つの対応案

対応案内容
アセスメントの評価初回加算において、「初回サービスへの同行」に限定せず、「新たに訪問介護計画を作成するに当たりサービス提供責任者が利用者へ訪問し、アセスメントを実施した場合」についても評価対象とすることを検討してはどうか
ICTの活用訪問介護員が利用者宅を訪問している際に、サービス提供責任者がオンラインで利用者との面談や状況確認を実施した場合にも評価できる仕組みを検討してはどうか

資料では、サービス提供責任者が利用者の状態把握や訪問介護計画の作成・見直しを行うアセスメント機能は、訪問介護の質を確保する上で重要な役割を担っていることから、という理由が添えられています。訪問介護計画を作成するためにはその根拠となるアセスメントを、サービス提供責任者が行うというのは業務上も通常のことなので、訪問介護を利用するときの手続きの手間に対して初回加算をつけるという意味で、対応案の方向は、実態に合っていると思います。

また、中山間・人口減少地域では訪問サービスに伴う移動時間の負担が大きく、サービス提供責任者の他業務にも影響を及ぼしていることから、適切なアセスメントを担保しつつICTを活用した柔軟な運用に見直すことについてどのように考えるか、という問いも立てられています。

どちらも、現行の要件に評価の対象を加える方向で示されたものです。同行による算定をやめてアセスメントに一本化する、とは書かれていません。単位数をどう扱うかについても、資料には示されていません。

これは対応案であって、決まったものではありません。報酬・基準に関する基本的な考え方のとりまとめは令和8年12月中、改定案の諮問・答申は令和9年1月頃の予定です。

令和9年度改定の全体像と施行日の見通しは、こちらでまとめています。

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サービス別の初回加算の単位数

初回加算は訪問介護だけの加算ではありません。単位数を並べたものが下の表です。

サービス単位数
訪問介護1月につき200単位
訪問看護初回加算(Ⅰ)1月につき350単位
初回加算(Ⅱ)1月につき300単位
介護予防訪問看護初回加算(Ⅰ)1月につき350単位
初回加算(Ⅱ)1月につき300単位
居宅介護支援1月につき300単位
介護予防支援1月につき300単位
居宅介護(障害福祉)1月につき200単位
重度訪問介護(障害福祉)1月につき200単位
計画相談支援(障害福祉)1月につき300単位
障害児相談支援(障害福祉)1月につき500単位

単位数が同じでも、算定要件はサービスごとに違います。この記事で扱っているのは訪問介護の要件です。ほかのサービスで算定する場合は、それぞれの告示の注と留意事項通知を確認してください。

訪問看護の初回加算は、令和6年度改定で区分が分かれました。初回加算(Ⅰ)は、新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対し、病院・診療所・介護保険施設から退院・退所した日に、看護師が初回の訪問看護を行った場合の評価です。(Ⅱ)は、新規に訪問看護計画書を作成して初回の訪問看護を行う場合の評価で、退院・退所を伴うケースに限りません。(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定できません。

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「初回加算」と「初期加算」は別の加算

名前が似ているので混同されますが、初回加算と初期加算は別の加算です。

 初回加算初期加算
主な対象サービス訪問介護、訪問看護、居宅介護支援など(在宅系)介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、認知症対応型共同生活介護など(施設・居住系)
算定の単位1月につき1日につき
対象期間の考え方サービスごとの要件を満たす利用開始時など。訪問介護では、初回サービスを提供した月入所・入居した日から一定期間内

介護老人保健施設の初期加算は、令和6年度改定で区分が分かれました。急性期医療を担う医療機関の一般病棟への入院後30日以内に退院して入所した者について、空床情報の共有等の要件を満たす場合が初期加算(Ⅰ)60単位/日、それ以外が初期加算(Ⅱ)30単位/日です。

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初回加算と令和9年度改定を、現場からどう見るか

ここまでは、告示・通知・Q&Aと資料で確認できることです。ここから先は、介護の現場にいる立場からの意見です。

初回加算の算定率52.0%という数字の読み取り

令和7年3月サービス提供分では、訪問介護を請求した35,376事業所のうち、初回加算を算定したのは18,406事業所で、算定率は52.0%でした。

これは新規利用者の受入れがあった事業所に限った集計ではありません。分母には、その月に初回加算の対象となる新規・再開の利用者がいなかった事業所も含まれます。この数字だけで、算定漏れやサービス提供責任者の関与不足を判断することはできません。

そのうえで、自分の事業所について確かめるなら、やることは決まっています。新規・再開の利用者ごとに、利用実績、訪問介護計画の作成、サービス提供責任者のサービス提供・同行記録と請求を照合することです。

要件が3パターンあるので、②や③で拾えていた月があるかもしれません。

訪問介護の初回加算の算定は、ケアマネへの準備も大切

あとは、ケアマネとの関係もあるかもしれません。予め利用者を紹介してもらった時に初回加算を算定することをケアマネに伝えておくことで、サービス提供票を作る段階で初回加算も含んだ単位数で計算してもらえます。後から加算を追加したいというよりもスムーズです。

対応案の方向は、実態に合っていると思います

「初回サービスへの同行」に限定せず、計画作成のために訪問して行うアセスメントも評価対象に加える、という対応案は、考え方としてまっとうだと思います。

そもそも、この加算の目的は資料にあるとおり、サービス提供責任者の業務負担への評価と、適切なアセスメントの実施を評価することです。アセスメントを評価したいのなら、アセスメントそのものを評価対象に加えるほうが筋が通っています。

現場の感覚でも、初回の訪問に同行することと、きちんとアセスメントをして訪問介護計画を立てることは、別の作業です。同行はできても計画が薄いことはありますし、逆に別の日にじっくり訪問してアセスメントしたほうが質が上がることもあります。

感覚的には、やはりアセスメントの段階に計画を作るサービス提供責任者が訪問していることを評価してもらった方が素直だと思います。もちろんケースによっては、アセスメントの上計画を立てた中でも、状態が変わりやすい人や、メンタル面に課題がありサービス提供責任者としても確認しておきたい利用者というのもおられると思います。その月のうちにサービス提供責任者が訪問介護に入った場合も初回加算を算定できる形は、残してほしいです。

オンラインの評価・別の職種がビデオをとるなどは、中身の設計が重要

もうひとつの対応案、訪問介護員が訪問している際にサービス提供責任者がオンラインで面談や状況確認を行った場合も評価する、という部分です。

移動時間の負担が大きい地域では、効くと思います。片道30分かけて同行するか、オンラインでつなぐかでは、1日に回れる件数が変わります。

一方で、初回のアセスメントは住環境を見る作業でもあります。段差、手すり、浴室、動線、台所の高さ、物の置き方。画面越しにどこまで見るのかは、やり方次第です。訪問しているヘルパーがカメラを動かす前提なら、ヘルパー側の負担にもなります。サービス種別は違いますが通所介護の個別機能訓練加算では、居宅を訪問した上で生活状況の確認をしてくるということが算定要件にも入っています。その時の職種は必ずしも機能訓練指導員でなければいけないという要件ではなく、職種が協働して計画を作るので他の職種が確認してきたものも認められるということになっています。通所介護の居宅訪問に関してはオンラインで代替してよいとは示されていないので、訪問介護だけオンラインを認めたりするとまた変な感じになってしまうと思います。

「多職種でもよい」「オンラインでもよい」と要件に書くだけでなく、何をどう確認すれば足りるのかまで示してほしいです。そこが曖昧なまま運用が始まると、運営指導で取扱いに差が出て、ローカルルールが生まれてしまいます。

評価の形を変えても、訪問介護の人材は不足

調査で「訪問介護員が不足しており、サービス提供責任者が訪問に入らざるを得ない」が74.2%でした。サービス提供責任者がマネジメントに注力できないのは、訪問介護員が足りないからです。

サービス提供や同行に加え、計画作成のために訪問して行うアセスメントも評価されるなら、算定できる場面が広がる可能性があります。それは助かります。ただ、この見直しだけで訪問介護員の不足まで解消するわけではありません。サービス提供責任者が訪問に入らざるを得ない状況そのものは、加算の要件を変えても動きません。

要件の緩和は、現場が回っていない事実への対応ではあります。でも、回らない原因に手を入れたことにはなりません。令和9年度改定では、基本報酬と人材確保のほうもあわせて見せてほしいところです。

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訪問介護の初回加算についてよくある質問

Q
初回の訪問にサービス提供責任者が入れませんでした。算定できませんか?
A

算定できる場合があります。告示の注では、サービス提供責任者が初回の訪問介護を行った場合のほか、初回の訪問介護を行った日の属する月に訪問介護を行った場合も対象です。また、その他の訪問介護員等が初回または初回の訪問介護を行った日の属する月に訪問介護を行った際に、サービス提供責任者が同行した場合も対象になります。

Q
以前に利用していた方が戻ってきました。算定できますか?
A

過去2月間(暦月)に自事業所から訪問介護の提供を受けていない場合で、新規に訪問介護計画を作成し、サービス提供責任者によるサービス提供または同行などの要件も満たせば算定できます。たとえば4月15日に訪問介護を行う場合、同年2月1日以降に自事業所の訪問介護を受けていなければ、「新規」の要件については対象になります(平成21年3月版Q&A Vol.69 問33)。

Q
同じ月に別の訪問介護事業所も算定していると、算定できませんか?
A

算定できます。Q&Aで「初回加算は同一月内で複数の事業所が算定することも可能であること」とされています。過去2月間の判定も、自事業所からの提供実績で見ます。

Q
算定するたびに利用者の同意が必要ですか?
A

その都度の同意は必要ありません。ただしQ&Aでは、居宅サービス基準第8条に基づき、事前に算定要件及び趣旨について重要事項説明書等により利用者に説明し、同意を得ておく必要があるとされています(平成21年3月版Q&A Vol.69 問34)。

Q
令和9年度改定で、初回加算は変わりますか?
A

2026年11月時点では、対応案が示されている段階です。第271回介護給付費分科会の資料1で、「初回サービスへの同行」に限定せず、新たに訪問介護計画を作成するに当たりサービス提供責任者が利用者へ訪問しアセスメントを実施した場合も評価対象とすることを検討してはどうか、訪問介護員が訪問している際にサービス提供責任者がオンラインで面談や状況確認を実施した場合にも評価できる仕組みを検討してはどうか、という2つの案が出ています。とりまとめは令和8年12月中、諮問・答申は令和9年1月頃の予定です。

Q
初回加算と初期加算は何が違うのですか?
A

別の加算です。初回加算は訪問介護・訪問看護・居宅介護支援などの在宅系サービスで、サービスごとの要件を満たす利用開始時などに1月につき算定します。訪問介護では、初回のサービスを提供した月が対象です。初期加算は介護老人福祉施設や介護老人保健施設などの施設・居住系サービスで、入所・入居した日から一定期間内に1日につき算定します。

まとめ

  • 訪問介護の初回加算は1月につき200単位です。令和6年度改定でも変更はありません
  • 前提は「新規に訪問介護計画を作成した利用者」であることです
  • 算定できるのは、①サービス提供責任者が初回の訪問介護を行った場合、②サービス提供責任者が初回の訪問介護を行った日の属する月に訪問介護を行った場合、③その他の訪問介護員等が初回または初回の月に訪問介護を行った際にサービス提供責任者が同行した場合です
  • 「新規」は、利用者が過去2月間(暦月)に当該事業所から訪問介護の提供を受けていない場合です。4月15日の提供なら、同年2月1日以降に自事業所の提供を受けていないことが条件になります
  • 同一月内で複数の事業所が算定することも可能です
  • 算定のたびの同意は不要ですが、事前に重要事項説明書等で説明し同意を得ておく必要があります
  • 事業所ベースの算定率は52.0%です(令和7年3月サービス提供分。訪問介護を請求した35,376事業所のうち18,406事業所)。新規利用者の受入れがあった事業所に限った集計ではありません
  • 令和9年度改定では、「初回サービスへの同行」に限定せずアセスメントの実施も評価対象に加える案と、サービス提供責任者がオンラインで面談・状況確認を行った場合も評価する案が示されています。いずれも検討段階です

初回訪問にサービス提供責任者が入れなくても、算定できる場合があります。新規・再開の利用者ごとに、計画の作成とサービス提供責任者の関与の記録、そして請求を照合してみる価値があります。

令和9年度改定で動きがあれば、この記事も更新します。

参考資料

介護保険・介護報酬改定の最新情報

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補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し
令和7年8月1日施行 多床室の室料負担
令和8年8月1日施行 食費基準費用額の1,445円→1,545円、低所得者の食費負担限度額の段階別変更

【現行】令和8年(2026年)介護報酬改定

令和8年度(2026年)障害福祉サービス等報酬改定の概要と変更点まとめ

2026年(令和8年)介護報酬改定の全体像についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

介護報酬改定2026年(令和8年度)まとめ|いつから・変更点・対象サービスをわかりやすく解説

令和8年(2026年)介護報酬改定介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

 介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)

地域密着型サービスの単位数改定内容

介護予防サービス(対象・要支援)

介護予防・日常生活支援総合事業費(要支援・事業対象者)の改定内容

施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

      2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度

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