老健入所「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」の算定要件

老健入所「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」の算定要件

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介護老人保健施設(老健)に入所する場合、認知症で必要性があると判断される場合、過去3か月以内に認知症短期集中リハビリテーション実施加算を算定していなければ、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の対象になる場合があります。通常の短期集中リハビリテーション実施加算も合わせて算定するケースなど、色々なケースがありますが、条件や実施する頻度、どのようなケースで算定できて、どのようなケースでは算定できないのかなどの詳しい情報は把握しきれていない人も多いのではないでしょうか?

この記事では介護老人保健施設(老健)の入所の場合の認知症短期集中リハビリテーション実施加算について、単位数や算定要件、厚生労働省のQ&Aなどをまとめて紹介します。

介護老人保健施設とは?(老健:ろうけん)

介護老人保健施設とは(ろうけん) リハビリを行う介護保険施設

介護老人保健施設とは、通称「老健施設(ろうけんしせつ)」と呼ばれる介護保険施設です。介護老人保健施設は、以下のような役割を持っています。

  • 在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設
  • リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設

参考:介護老人保健施設とは?費用や入所条件をわかりやすく解説!

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介護老人保健施設(入所)の短期集中リハビリテーション実施加算の単位数

介護保険の介護保健施設サービス費(老健)の単位数について、2024年4月(令和6年4月)からの介護報酬改定内容を紹介します。

短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)1日につき+258単位
※特別介護保健施設サービス費算定の場合を除く
短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)1日につき+200単位
※特別介護保健施設サービス費算定の場合を除く
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)1日につき+240単位
(週3日を限度)
※特別介護保健施設サービス費算定の場合を除く
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)1日につき+120単位
(週3日を限度)
※特別介護保健施設サービス費算定の場合を除く
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介護老人保健施設(入所)の短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件

介護老人保健施設(入所)の短期集中リハビリテーション実施加算 対象者

対象となるのは、介護老人保健施設の入所者のうち、

  • 認知症であること
  • 在宅復帰を目的として生活機能の改善が見込まれると医師が判断した者
  • MMSEまたはHDS-Rで概ね5点~25点に相当する者

です。

MMSEやHDS-Rが5点未満の場合は重度で効果が期待しにくく、25点超の場合は軽度で対象外となるのが実務上の目安です。

提供すること(求められるリハビリ内容)

認知症短期集中リハビリテーションとは、

  • 記憶の訓練
  • 日常生活活動(ADL)の訓練

などを組み合わせた認知症に効果が期待できるプログラムを実施することを指します。

実施頻度は、週3日実施を標準とするとされています。

また、算定要件として、個別に20分以上実施することが必要です。20分未満の場合は算定できません。

実施体制の条件

算定には、実施者および医師要件があります。

医師要件

次のいずれかの医師が関与することが必要です。

  • 精神科医師
  • 神経内科医師
  • 認知症リハビリテーションに関する専門研修を修了した医師

※精神科医師・神経内科医師以外の医師は、認知症リハビリ研修修了が必須です。

実施者要件

実施は、

  • 医師
  • 医師の指示を受けた理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

が行います。

さらに重要なのは、1人の医師または理学療法士等が、1人の利用者に対して個別に実施した場合のみ算定可能という点です。

リセット条件(算定期間の考え方)

認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、過去3か月以内に認知症短期集中リハビリテーション実施加算を算定していない場合に限り算定可能です。

つまり、

  • 認知症短期集中リハビリを終了してから3か月間は再算定不可
  • 3か月経過後に再度必要性が認められれば算定可能

というルールになります。

認知症とついていない通常の短期集中リハビリテーション実施加算は、「過去3か月以内に介護老人保健施設への入所歴がないこと」が条件となっているので、異なっている点、覚えておきましょう!

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介護老人保健施設(入所)の短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件についての原文

第二 居宅サービス単位数表(短期入所生活介護費から特定施設入居者生活介護費に係る部分に限る。)及び施設サービス単位数表

6 介護保健施設サービス

(9) 認知症短期集中リハビリテーション実施加算について

① 認知症短期集中リハビリテーションは、認知症入所者の在宅復帰を目的として行うものであり、記憶の訓練、日常生活活動の訓練等を組み合わせたプログラムを週三日、実施することを標準とする。

② 当該リハビリテーション加算は、精神科医師若しくは神経内科医師又は認知症に対するリハビリテーションに関する専門的な研修を修了した医師により、認知症の入所者であって生活機能の改善が見込まれると判断された者に対して、在宅復帰に向けた生活機能の改善を目的として、リハビリテーション実施計画に基づき、医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士(以下⑥において「理学療法士等」という。)が記憶の訓練、日常生活活動の訓練等を組み合わせたプログラムを実施した場合に算定できるものである。なお、記憶の訓練、日常生活活動の訓練等を組み合わせたプログラムは認知症に対して効果の期待できるものであること。

③ 当該リハビリテーションに関わる医師は精神科医師又は神経内科医師を除き、認知症に対するリハビリテーションに関する研修を修了していること。なお、認知症に対するリハビリテーションに関する研修は、認知症の概念、認知症の診断、及び記憶の訓練、日常生活活動の訓練等の効果的なリハビリテーションのプログラム等から構成されており、認知症に対するリハビリテーションを実施するためにふさわしいと認められるものであること。

④ 当該リハビリテーションにあっては、一人の医師又は理学療法士等が一人の利用者に対して行った場合にのみ算定する。

⑤ 当該リハビリテーション加算は、利用者に対して個別に二〇分以上当該リハビリテーションを実施した場合に算定するものであり、時間が二〇分に満たない場合は、介護保健施設サービス費に含まれる。

⑥ 当該リハビリテーションの対象となる入所者はMMSE(Mini Mental State Examination)又はHDS―R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)において概ね五点~二五点に相当する者とする。

⑦ 当該リハビリテーションに関する記録(実施時間、訓練内容、訓練評価、担当者等)は利用者毎に保管されること。

⑧ 注5の短期集中リハビリテーション実施加算を算定している場合であっても、別途当該リハビリテーションを実施した場合は当該リハビリテーション加算を算定することができる。

⑨ 当該リハビリテーション加算は、当該入所者が過去三月の間に、当該リハビリテーション加算を算定していない場合に限り算定できることとする。

引用:○指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について

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介護老人保健施設(入所)の 認知症短期集中リハビリテーション実施加算 厚生労働省Q&A

Q
「短期集中リハビリテーション実施加算」と「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」は同日に重複して加算することは可能か。
A

別単位として、それぞれのリハビリテーションが行われているものであれば算定できる。

18.4.21 介護制度改革information vol.96 平成18年4月改定関係Q&A(vol.3) Q.13

Q
認知症短期集中リハビリテーション実施加算については、「過去三月の間に、当該リハビリテーション加算を算定していない場合に限り算定できる」とされているが、次の例の場合は算定可能か。
・例1:A老健にて3ヶ月入所し、認知症短期集中リハビリテーションを施行した後、B老健に入所した場合のB老健における算定の可否。
・例2:A老健にて3ヶ月入所し、認知症短期集中リハビリテーションを施行した後、退所し、B通所リハビリテーション事業所の利用を開始した場合のB通所リハビリテーション事業所における算定の可否。
A

例1の場合は算定できない。

例2の場合は算定可能であるが、A老健とB通所リハビリテーション事業所が同一法人である場合の扱いについては問104(次問)を参照されたい。

21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) Q.103

Q
一般の短期集中リハビリテーション実施加算は認定日が起算日となっているが、本加算制度の起算日を退院(所)日又は利用開始日とした理由如何。
A

認知症、特にアルツハイマー病等の変性疾患においては発症時期が明確ではないことが多く、今回改定において軽度の認知症だけではなく、中等度から重度の認知症も対象に含めたため、起算日を認定日ではなく、利用開始日とした。

21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) Q.106

Q
認知症短期集中リハビリテーション実施加算の要件である「認知症に対するリハビリテーションに関わる専門的な研修を終了した医師」の研修とは具体的に何か。
A

認知症に対するリハビリテーションに関する知識・技術を習得することを目的とし、認知症の診断、治療及び認知症に対するリハビリテーションの効果的な実践方法に関する一貫したプログラムを含む研修である必要がある。

例えば、全国老人保健施設協会が主催する「認知症短期集中リハビリテーション研修」、日本慢性期医療協会、日本リハビリテーション病院・施設協会及び全国老人デイ・ケア連絡協議会が主催する「認知症短期集中リハビリテーション医師研修会」が該当すると考えている。また、認知症診療に習熟し、かかりつけ医への助言、連携の推進等、地域の認知症医療体制構築を担う医師の養成を目的として、都道府県等が実施する「認知症サポート医養成研修」修了者も本加算の要件を満たすものと考えている。 ※ 各リハビリテーション関係サービスの加算に係る実施時間、内容等については別紙1のとおり整理したところであるので、ご参照されたい。

※ 別紙は省略。

21.3.23 介護保険最新情報vol.69 平成21年4月改定関係Q&A(vol.1) Q.108

Q
個別リハビテーションについて「入所者に対し、少なくとも週三回程度のリハビリテーション」とは、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が個別リハビリテーション20分程度を週3回以上行うことでよいか。また、当該個別リハビリテーションを実施するにあたり、短期集中リハビリテーション実施加算、認知症短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件に当てはまる場合については、これらの加算を算定してよいか。
A

いずれについても貴見のとおりである。

30.3.23 事務連絡 介護保険最新情報vol.629 「平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(平成30年3月23日)」の送付について Q.106

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まとめ

介護老人保健施設は、在宅復帰や在宅療養支援のための地域拠点となり、リハビリテーションを提供する機能を持った施設です。

その中でも、短期集中リハビリテーション実施加算や、認知症短期集中リハビリテーション実施加算はご利用者や家族からの希望が強いサービスの一つとなっています。認知症の方に対して効果的なリハビリテーションとは何かを考えることも大切ですが、まずは加算の対象となる期間や条件については、厚生労働省のQ&Aなどを理解しましょう。ケースバイケースになりますので、算定要件に迷う場合には自治体に確認や相談をしていきましょう。

また、介護老人保健施設の中で入所・通所・訪問がある場合、算定の要件や厚生労働省Q&Aの内容が少しずつ違っているので それぞれのサービス種別でどのような決まりになっているかしっかり確認していきましょう。

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2024年・2025年・2026年
介護保険・介護報酬改定の情報

 令和6年(2024年)障害福祉サービス報酬改定情報はこちら

令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)

介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

2024年介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数

令和6年度介護報酬改定では、4月に変更となる内容と、6月に変更になる内容があります。例えば、訪問介護費の場合、基本報酬部分は4月から、処遇改善加算等は6月から変更という2段階での変更が生じることがあります。詳細は各記事に添付している厚生労働省のサイトからご確認ください。

 介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)

地域密着型サービスの単位数改定内容

介護予防サービス(対象・要支援)

介護予防・日常生活支援総合事業費(要支援・事業対象者)の改定内容

施設サービス等介護給付費単位数の改定内容

      2024年(令和6年)介護報酬改定で特徴的な加算・制度

      利用者負担軽減の仕組みの改定

      補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。

      令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し

      令和7年8月1日施行  多床室の室料負担

       

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