介護保険で「要介護2」の認定を受ける状態は、日常生活の一部で軽度の介護が必要な状態を指します。この記事では、要介護1の定義から利用できるサービス、支給限度額、訪問介護やデイサービスの利用回数目安まで詳しく解説します。要介護2の認定手続きや更新の流れについても触れ、介護を必要とする方やその家族が知っておくべき情報をまとめています。
このページの目次
要介護2とは
要介護2は、介護保険制度における最も軽度の介護認定です。日常生活の一部で介助が必要であり、身体的なサポートや生活援助を必要とします。例えば、歩行の支援や食事の介助、排泄や入浴の補助などが求められます。
要介護1と要介護2の違い
要介護1は主に自立支援が目的であり、軽度な支援を提供します。要介護2はこれよりも一歩進んだ支援が必要で、日常生活での介助が増える点で異なります。例えば、要介護1では軽い援助で済むのに対し、要介護2では身だしなみを整える整容や掃除など、身の回りのことに対してもより具体的な介護が求められることが多いです。
要介護1と要介護2には大きな違いはありませんが、要介護1までは福祉用具貸与で原則車椅子、特殊寝台(介護用ベッド)、床ずれ防止用具、体位変換機は介護保険で借りることができないことになっています。このことからも、要介護1までは比較的立ち上がりや移動も自分で何とか出来るという状態であるのに対し、要介護2となると立ち上がりや歩行に介護が必要になることが多いことがわかります。
要介護2と要介護3の違い
要介護2と要介護3は、必要とされる介護の程度に差があります。要介護2は、要介護3よりは介護度が軽い状態ですが、歩くことや立ち上がり、調理や買い物、掃除、お風呂などで介助が必要になってきます。要介護3は、要介護2よりもより進んだ状態であり、特別養護老人ホームに入居できる条件が原則要介護3以上となっていることからも、要介護3の状態は在宅での生活が難しくなるくらいに日常的に介護が必要になってくる介護度と言えます。
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要介護2で利用できる支給限度額(もらえるお金)
要介護認定を受けた場合に、その区分に応じて利用できる金額を「区分支給限度基準額」と言います。介護保険から給付される一か月あたりの上限額のことです。
「介護保険の要介護認定を受けた場合にもらえるお金」として紹介されることもありますが、介護保険サービスを利用した場合に支給される「現物給付」であり、自己負担もあるものなので、単純にそのままお金がもらえるという性質ではありません。
介護保険被保険者(ご利用者)は、ケアマネジャーが居宅サービス計画等を通して、必要な介護保険サービスを適正に取り入れ、要介護区分ごとに以下の単位数に相当する金額の給付を受けられます。
要介護2の支給限度額は月額約197,050円で、介護サービスの費用の一部をカバーします。この限度額の範囲内で、介護サービスを自己負担1割(所得に応じて2割または3割)で利用できます。
限度額を超えた場合、その差額は全額自己負担となります。
要介護・要支援の区分支給限度基準額(2024年現在)
要介護・要支援の区分支給限度基準額は、不定期に改定され、前回は2019年10月に改定されました。
要介護区分 | 2024年現在(2019年10月1日から) |
---|---|
要支援1 | 5,032単位 (約50,320円) |
要支援2 | 10,531単位 (約105,310円) |
要介護1 | 16,765単位 (約167,650円) |
要介護2 | 19,705単位 (約197,050円) |
要介護3 | 27,048単位 (約270,480円) |
要介護4 | 30,938単位 (約309,380円) |
要介護5 | 36,217単位 (約362,170円) |
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要介護2で受けられるサービスと受けられないサービスの例
要介護2で受けられる介護保険サービス
- 訪問介護: 自宅での日常生活援助や身体介護
- デイサービス: 日中の生活援助や食事、入浴、機能訓練、レクリエーション活動など
- 通所リハビリテーション: 理学療法士や作業療法士などによる通所でのリハビリテーション
- 訪問看護: 医療的ケアや健康管理
- 訪問リハビリテーション: 理学療法士や作業療法士などによる生活の場でのリハビリテーション
- 短期入所生活介護(ショートステイ): 短期間施設に宿泊して介護を受ける
- 居宅療養管理指導: 医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士などによる療養指導
- 福祉用具のレンタル: 一部の福祉用具(手すり、歩行器などに加え、車椅子、介護用ベッドなど)
- 居宅介護住宅改修: 生活環境を整えるための小規模な住宅改修に対して、要介護区分に関係なく上限20万円まで住宅改修費が支給されます(自己負担1割から3割)
- 介護老人保健施設: 在宅での生活に向けてリハビリテーション等を行う入所施設
- 特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム): 特別養護老人ホーム(特養)は入所基準が要介護3以上ですが、有料老人ホームは介護保険適用で入居して生活上の介護を受けることができます。
- グループホームとは(認知症対応型共同生活介護): 認知症の診断があり共同生活が適している場合、利用できます。
月額費用10万円以下、生活保護OK、認知症OKなど、条件でかんたんに探して空き状況の確認や資料請求ができます。
要介護1では利用できない介護保険サービス
- 特別養護老人ホーム(特養): 入所基準が要介護3以上が原則。ただし、要介護2でも状況により入所できる特例もあり。
介護保険サービスの一部を紹介しましたが、介護保険で利用できるサービス一覧については以下の記事で解説しています。
要介護2で訪問介護やデイサービスを利用する場合の回数目安
要介護2の認定を受けた場合には、支給限度額19,705単位(約197,050円)を上限として介護保険サービスを利用することができます。介護保険サービスにはそれぞれ提供する時間やサービス内容、要介護度などに応じて介護報酬が定められています。生活上のニーズやご利用者の希望に合わせて、ケアマネジャーを中心に望む生活にするには誰がどんな支援するかを整理して決めていきます。
要介護2で訪問介護を利用する場合の回数目安
訪問介護では、生活援助や身体介護を受けることができますが、要介護2の場合にはまだ自分でできることも多いので、生活上で困っているところだけヘルパーに支援してもらうことになります。訪問介護の料金は時間・内容で決まっているので、例えば身体面の介護20分少々と生活面の介護20分少々を1回提供された場合には1回あたり309単位(自己負担1割で310円程度)のなります。310単位を週4回利用すると、1月あたり約5,000単位となります。介護保険のサービスは生活上の必要性に応じてケアマネジャー等と相談して決めて提供されるのですが、まだ区分支給限度額は余っているので、必要があれば時間を延ばすことも回数を増やすこともできます。
要介護2で通所介護(デイサービス)を利用する場合の回数目安
通所介護(デイサービス)では、日中のケア、食事、入浴、機能訓練、レクリエーション活動などを受けることができます。通所介護(デイサービス)の料金も施設規模、介護度、利用時間、施設の体制などによって料金が決まっています。食事代は実費で介護保険の対象になりません。
例えば、要介護2で、6時間から7時間の利用時間の機能訓練ありのデイサービスを利用した場合、1回あたり700単位程度(自己負担1割で700円程度)となります。700単位で週4利用すると、1月当たり11,2000単位なので、まだ余裕はあります。仮に要介護2で、6時間から7時間の利用時間の機能訓練ありのデイサービスを毎日利用した場合12,000単位くらいになり、これでも限度額には少し余裕があります。ご本にが希望し、ケアマネジメントの結果に毎日デイサービスに行く必要があるという場合には、要介護2でも短時間のデイサービスなら、区分支給限度額内で毎日通うことも可能ということになります。
要介護2の申請手続きと認定の流れ
要介護2の申請は、市区町村の窓口で行います。申請は、要介護認定を受ける調査の申請であり、申請後、認定調査員が家庭を訪問し、介護の必要性を調査します。その後、医師の意見書や調査結果に基づいて介護認定審査会が判断し、要介護と認定されるとサービスの利用が可能になります。自ら要介護2になることを希望したりすることはできません。
要介護2の更新手続き
要介護2の初回の認定期間は6ヶ月から1年程度で、その後状態が変わらない場合には更新時に認定期間が延長されることもあります。更新手続きは、認定期間が終了する前に再度市区町村で行い、再認定のための調査が行われます。更新手続きを怠ると、サービスの利用が中断される可能性があるため、期限には注意が必要です。
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