在宅医療の制度・加算、医療連携の居宅介護支援の介護報酬【2026年最新】

ケアマネジャーがケアプランを作成時に役立つ、在宅医療の制度と加算、医療連携の介護報酬の単位(2026年最新)
地域包括ケアシステムの定着のために重要視されている在宅医療。
それらを橋渡しする居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)が、ケアプランを作成するときに知っておいた方がよい在宅医療制度、在宅医療サービス、退院や退所時の連携を評価する加算などについて概要をまとめました。
入院時情報連携加算・退院・退所加算・緊急時居宅カンファレンス加算は、2024年度(令和6年度)介護報酬改定で算定要件と単位数が大きく見直されました。本記事はこの改定内容を反映した最新版です。
入院時情報連携加算
利用者が入院した際に、医療機関の職員に必要な情報提供をした場合に算定できる加算です。情報提供を行った日時、場所、内容、手段などについて記録を残します。
2024年度介護報酬改定により、情報提供までの期間が見直され、入院当日中または入院後3日以内に情報提供した場合に算定できることになりました。従来の「7日以内」から大幅に短縮され、より迅速な情報連携が求められるようになっています。
入院時情報連携加算(Ⅰ)250単位
利用者が入院した日のうちに、医療機関に対して必要な情報を提供した場合に1月につき250単位を加算します。
入院時情報連携加算(Ⅱ)200単位
入院した日の翌日から3日以内に、医療機関に対して必要な情報を提供した場合に1月につき200単位を加算します。
情報提供の手段は、医療機関に出向く・出向かない(電話・FAX・メール等の通信手段)のいずれでも算定可能です。事業所の休業日等に関する解釈も明記されており、休業日の取扱いについては最新の運用通知を確認することをおすすめします。
必要な情報とは?
利用者の心身の状況、生活環境、社会的情報、居宅サービスの利用状況などです。居宅サービス計画書(ケアプラン)第1表〜第7表の内容を踏まえて提供することが基本になります。
退院・退所加算【2024年改定で区分が大きく変更】
病院・診療所に入院もしくは地域密着型介護老人福祉施設や介護保険施設に入所していた利用者が、退院・退所して居宅サービスや地域密着型サービスを利用する場合、介護支援専門員がそれぞれの職員と面談を行い、利用者に関する必要な情報を得たうえで居宅介護支援の調整を行った場合に算定できる加算です。
2024年度改定で、従来の「一律300単位×入院期間中3回まで」という単純な仕組みから、情報提供の回数・方法(カンファレンスか否か)によって5段階に区分される仕組みに変更されました。
| 区分 | 単位数 | 主な算定要件 |
|---|---|---|
| 退院・退所加算(Ⅰ)イ | 450単位 | 医療機関等の職員との面談を行い、情報提供を「カンファレンス以外の方法」で1回受けていること |
| 退院・退所加算(Ⅰ)ロ | 600単位 | 面談を行い、情報提供を「カンファレンス以外の方法」で2回以上受けていること |
| 退院・退所加算(Ⅱ)イ | 600単位 | 面談を行い、情報提供を「カンファレンス以外の方法」で2回以上受けていること(Ⅰロと同じ回数だが施設類型等で区分) |
| 退院・退所加算(Ⅱ)ロ | 750単位 | 面談を行い、情報提供を2回以上受け、そのうち1回以上はカンファレンスによること |
| 退院・退所加算(Ⅲ) | 900単位 | 面談を行い、情報提供を3回以上受け、そのうち1回以上はカンファレンスによること |
面談(医療機関等の職員との面談)は、対面だけでなくテレビ電話装置等を活用してもよいとされています。ただし利用者・家族が参加する面談でテレビ電話装置等を活用する場合は、その活用について利用者・家族の同意を得る必要があります。
原則としては退院・退所前に情報を得ることが望ましいとされていますが、退院後7日以内であれば算定可能です。同じ日に複数回の情報提供やカンファレンスがあった場合でも、1回としてカウントされる点に注意してください。
退院・退所加算の対象施設
なお、介護療養型医療施設は2024年3月31日をもって廃止されています。また、居宅介護支援において初回加算を算定する場合や、介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設において在宅・入所相互利用加算を算定する場合は、退院・退所加算の対象外となります。
必要書類としては、医療機関等の職員から情報提供を受けた記録(退院・退所情報記録書の項目を最低でも具備した記録)と、情報提供を受けた日時・場所などを詳細に記録した介護支援経過が必要です。
緊急時居宅カンファレンス加算 200単位
医療機関の求めにより病院や診療所の職員とともに利用者の居宅を訪問し、カンファレンスを行い、居宅サービス等の利用調整を行った場合に1月に2回を限度に1回あたり200単位を加算できます。
このカンファレンスは、利用者の病状が急変した場合や医療機関における診療方針の大幅な変更等の必要が生じた場合に実施されるものなので、必要に応じて速やかに居宅サービス計画を変更し、サービスの調整などの対応を行う必要があります。緊急時のカンファレンス開催記録や参加者リストなど、実施を証明する記録を残しておくことが重要です。
在宅医療の制度
在宅医療は、大きく分けると計画的に医師が居宅に訪問する訪問診療と、患者の要請で医師が訪問する往診があります。
在宅時医学的総合管理加算
包括的かつ計画的な医学的管理を継続的に提供することに対する医師への診療報酬です。これは医療保険(診療報酬)の枠組みで算定されるものであり、介護保険の居宅介護支援費とは別建てになります。
在宅療養支援診療所および在宅療養支援病院の加算
患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書で患家に提供している病院・診療所です。加算の算定には地方厚生局に届け出が必要です。
届け出の要件には、医療サービスと介護サービスの連携・調整をする介護支援専門員などと連携していることが明記されています。
引用:在宅療養支援診療所について - 厚生労働省
在宅療養支援診療所とは
在宅療養支援診療所とは、在宅療養をされる方のために、その地域で主たる責任をもって診療にあたる診療所のことです。地方厚生(支)局長に届出て認可される病院・医院の施設基準のひとつで、以下の項目を満たすこととなっています。
お住まいの地域の在宅療養支援診療所については、各都道府県・市区町村の医療機関検索ページや、地域の地域包括支援センターに相談することで紹介を受けられる場合があります。
居宅療養管理指導(介護保険)
居宅療養管理指導は、要介護状態の利用者が自宅で自立した生活を送れるよう支援するサービスです。医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士などが通院困難な利用者の自宅を訪れ、心身の状況や環境を把握し、療養管理や指導を行います。このサービスは介護保険が適用され、医療職が健康管理や薬剤指導を提供し、介護支援専門員に対しては介護計画の策定に必要な情報提供も行います。
詳しい対象者・職種ごとの内容・算定要件は居宅療養管理指導とは 対象者や各職種の内容、算定要件など、最新の単位数は居宅療養管理指導費 単位数一覧をご参照ください。
居宅介護支援費・特定事業所加算との関係
入院時情報連携加算・退院・退所加算・緊急時居宅カンファレンス加算は、いずれも居宅介護支援費に対する加算です。医療連携を積極的に行っている事業所は、特定事業所加算の算定要件である「医療と居宅介護支援の連携」の実績としても評価されることがあるため、日頃の情報連携の記録を整理しておくことが重要です。
在宅生活でのリスク管理や急変対応に医療との連携
従来、医療と生活はもっと離れた存在でした。病院にいる間は治療、家に帰ったら生活、という隔たりがありましたが、現在は変わってきています。
生活場面で療養をする、疾患を抱えながらもできるだけ安心した在宅生活を継続するというときに、医療との連携が必要になります。
特に、危険の予知や、疾病や機能の回復や悪化などの予後予測、薬や治療の内容、療養上の注意点、急変の対応など、根拠をもってプランニングを行っていくことでより現実的な目標設定や急な変化の時の対応設定ができてきます。
看取り期に近づいている利用者については、看取りとは 死と看取り介護の課題と厚労省ガイドラインもあわせてご参照ください。在宅での看取りを支える在宅療養支援診療所との連携が、特に重要になる場面です。
いざというときをリアルに想定すること、自分で考えても今後どうしてよいかわからないとき、いろいろな視点・立場の意見も参考にしながら利用者にとってよい支援が行えると良いですね!



