業務継続計画(BCP)とは 介護保険事業で義務化の研修とひな形例
 

2021年介護報酬改定では、感染症や自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的・継続的に提供されることが重要であることから、介護施設・事業所における業務継続計画(BPC)の作成と研修が義務化されました。

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業務継続計画(BCP)とは

業務継続計画(BCP、ビー・シー・ピー)とは Business Continuity Plan の略称です。

新型コロナウイルス等感染症や大地震などの災害が発生すると、通常通りに業務を実施することが困難になります。業務を中断させないように準備するとともに、中断した場合でも早期に優先事項について再開するため、あらかじめ検討した方策を計画書としてまとめておくことが重要です。

BCPの特徴として、災害等が発生した後に速やかに復旧させることが重要ですが、その前に「重要な事業を中断させない」という点が挙げられます。

業務継続計画(BCP)の定義

大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことを事業継続計画(Business Continuity Plan、BCP)と呼ぶ。

内閣府「事業継続ガイドライン-あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-平成 25 年8月改定)」

業務継続計画(BCP)の簡単な説明

業務継続計画(BCP)を簡単に説明すると、以下のようなことです。

  • 各担当者を決めておくこと(誰が、何をするか)
  • 連絡先を整理しておくこと
  • 必要な物資を整理しておくこと
  • 上記を組織で共有すること
  • 定期的に見直し、必要に応じて研修・訓練を行うこと

業務継続計画(BCP)と介護保険事業

2021年介護報酬改定では、感染症や自然災害が発生した場合であっても、介護サービスが安定的・継続的に提供されることが重要であることから、介護施設・事業所における業務継続計画(BPC)の作成と研修が介護保険事業の運営基準で定められました。

介護サービス事業者に求められる役割

介護サービスの継続

介護事業者は、入所者・利用者の健康・身体・生命を守るための必要不可欠な責任を担っています。入所施設や訪問事業所においては新型コロナウイルス感染症の感染拡大時にも業務を継続できるよう事前の準備を入念に進めることが必要です。また通所事業所においても極力業務を継続できるよう努めるとともに、万一業務の縮小や事業所の閉鎖を余儀なくされる場合でも、利用者への影響を極力抑えるよう事前の検討を進めることが肝要です。

利用者の安全確保

介護保険のサービス利用者は、65 歳以上の高齢者及び 40 歳以上の特定疾病のある方です。これらの方々は抵抗力が弱く、感染すると重症化するリスクが高まります。いったん集団感染が発生した場合、深刻な人的被害が生じる危険性があるため、利用者の安全確保に向けた感染防止策をあらかじめ検討しておき、確実に実行する必要があります。

職員の安全確保

感染拡大時に業務継続を図ることは、職員の感染するリスクを高めるほか、長時間勤務や精神的打撃など職員の労働環境が過酷になることが懸念されます。したがって、労働契約法第 5 条(使用者の安全配慮義務)の観点からも、職員の感染防止対策とあわせて、職員の過重労働やメンタルヘルス対応への適切な措置を講じることが使用者の責務となります。

感染症に係る業務継続計画(BCP)作成のポイント

1施設・事業所内を含めた関係者との情報共有と役割分担、判断ができる体制の構築

感染(疑い)者発生時の迅速な対応には、平時と緊急時の情報収集・共有体制や、情報伝達フロー等の構築がポイントとなります。そのためには、全体の意思決定者を決めておくこと、各業務の担当者を決めておくこと(誰が、何をするか)、関係者の連絡先、連絡フローの整理(次ページ参照)が重要です。

2感染(疑い)者が発生した場合の対応

介護サービスは、入所者・利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものであり、感染(疑い)者が発生した場合でも、入所者・利用者に対して必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要です。そのため、感染(疑い)者発生時の対応について整理し、平時からシミュレーションを行うことが有用です。

3職員確保

新型コロナウイルス感染症では、職員が感染者や濃厚接触者となること等により職員が不足する場合があります。濃厚接触者とその他の入所者・利用者の介護等を行うに当たっては、可能な限り担当職員を分けることが望ましいですが、職員が不足した場合、こうした対応が困難となり交差感染のリスクが高まることから、適切なケアの提供だけではなく、感染対策の観点からも職員の確保は重要です。そのため、施設・事業所内・法人内における職員確保体制の検討、関係団体や都道府県等への早めの応援依頼を行うことが重要です。

4業務の優先順位の整理

職員が不足した場合は、感染防止対策を行いつつ、限られた職員でサービス提供を継続する必要があることも想定されます。そのため、可能な限り通常通りのサービス提供を行うことを念頭に、職員の出勤状況に応じて対応できるよう、業務の優先順位を整理しておくことが重要です。

5計画を実行できるよう普段からの周知・研修

訓練BCP は、作成するだけでは実効性があるとは言えません。危機発生時においても迅速に行動が出来るよう、関係者に周知し、平時から研修、訓練(シミュレーション)を行う必要があります。また、最新の知見等を踏まえ、定期的に見直すことも重要です。

業務継続計画(BCP)のガイドライン・研修動画・ひな形例

介護施設・事業所における業務継続ガイドラインやひな形については、厚生労働省のホームページにWordファイル(.doc)があります。ダウンロードしてください。

ひな形(入所系)、ひな形(通所系)、ひな形(訪問系)など、事業形態別に業務継続計画書のひな形や様式、ガイドライン、研修動画(Youtube動画)などが用意されていますので、以下のリンクから厚生労働省の業務継続計画(BCP)のページをご確認ください。

介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修【厚生労働省】

 

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