【全事業所対象】介護報酬0.1%上乗せ 計算・請求方法 2021年9月30日まで

 
 2021年9月30日までは介護報酬に0.1%上乗せする形での支援が行われていましたが、2021年10月1日からは感染症対策についてそのかかり増し経費を直接支援する補助金により、介護上限6万円、障害上限3万円補助される支援が行われる方針が決まりました。介護報酬0.1%上乗せについて、2021年9月30日までの期限が延長される可能性も話し合われていましたが、結果的に介護報酬0.1%上乗せは2021年9月30日で終了となりました。介護保険サービス・障害福祉サービスにおいての2021年10月1日から12月31日までのかかり増し費用の支給については、新型コロナウイルス感染予防のために使った「経費」に対しての補助となるため、各サービス事業所等においては、感染防止対策の継続のために購入した物品などについて領収書を保存しておくことが必要です。ご注意ください。

2021年9月30日までは、基本報酬(加算・減算を含む基本報酬のサービスコードの場合にはそのコード)に0.1%を掛けた金額が「2021年9月30日までの上乗せ分」となります。これは新型コロナウイルス感染症の対応を評価するものとしての措置なのですが、2021年4月1日から2021年9月30日までの間の介護報酬の請求時には、全ての事業所、全ての利用者に対してこの処理が必要となっているので注意が必要です。

2021年4月21日に厚生労働省から発出された「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A (Vol.7)」では、「2021年9月30日までの上乗せ分」について、請求の際には上乗せ分のコードを合わせて入力することが必要とされており、上乗せ分のコードを入力しないで国保連請求を行った場合には審査で返戻となると述べられています。

処理が大変だからといって「2021年9月30日までの上乗せ分」を請求しないと言う選択肢はないということです。介護請求ソフトの会社や介護事業者は、たった6か月の0.1%のために非常に難解な処理をさせようとしています。計算が複雑化してソフト屋さん泣かせですし、重要事項説明も難しくなるので事業所も面倒ですね。。

最近の厚生労働省は、介護の生産性を上げる、効率化する、新型コロナウイルス対策をしながら日々業務に当たっている従業者を労うと口先では言いながら、実際には全く逆方向の手間のかかる事ばかり求めてますね・・・。

厚生労働省も「2021年9月30日までの上乗せ分」の算定にあたり、1月あたりの算定単位数として合計する基本報酬と加減算等はサービスごとに異なりますので、計算方法や請求方法を紹介します。

令和3年9月 30 日までの上乗せ分について
問2 令和3年9月 30 日までの上乗せ分については、どのように算定するのか。
(答)
令和3年9月 30 日までの間は、各サービスの月の基本報酬に、0.1%上乗せすることとしているが、請求に当たっては、上乗せ分のコードをあわせて入力することが必要であり、行われない場合返戻となることから、「介護保険事務処理システム変更に係る参考資料の送付について(確定版)」(令和3年3月 31 日付厚生労働省老健局介護保険計画課ほか連名事務連絡)「Ⅲ-資料3_介護給付費明細書及び給付管理票記載例」の記載方法を参考に対応されたい。

このページの目次

2021年9月30日までの0.1%上乗せ分の計算・請求方法の例

2021年9月30日までの0.1%上乗せ分の介護給付費明細書の記載例

訪問介護費の請求の例で、2021年9月30日までの0.1%上乗せ分を含む介護給付費明細書の記載例を紹介します。

記載例のサービス内容・サービスコード

  • 訪問介護費 サービスコード11-6839 身体01・2人介助・Ⅰ
  • 訪問介護 令和3年9月 30 日までの上乗せ分 サービスコード11-8300
  • 訪問介護共生型サービス居宅介護1 サービスコード11-6361 ←減算
  • 訪問介護処遇改善加算Ⅱ サービスコード11-6274

本体報酬を含むサービスコード(訪問介護11-6839:身体01・2人介助)の計算の例

本体報酬を含むサービスコード(訪問介護費 11-6839:身体01・2人介助)の計算方法の例

サービスコード(訪問介護費 11-6839:身体01・2人介助・Ⅰ)のサービス単位数は401単位

本体報酬を含むサービスコードの単位数計算方法の例

本体報酬を含むサービスコード(11-6839:身体01・2人介助・Ⅰ)のサービス単位数は401単位を10回提供した場合、サービスコード(11-6839:身体01・2人介助・Ⅰ)の単位数は「401」単位、回数は「10」回、サービス単位数は「4,010」単位になります。

令和3年9月30日までの上乗せ分の単位数計算方法の例

令和3年9月30日までの上乗せ分は、サービス単位数の4,010単位に、+(4,010×0.1%)=4.01単位で、小数点以下四捨五入なので4単位となります。

令和3年9月30日までの上乗せ分の単位数は「4」単位、「回数」は「1」回、サービス単位数は「4」と記載します。

※令和3年9月30日までの上乗せ分の「回数」は必ず1回と記載します。

減算分の単位数計算方法の例

訪問介護共生型サービス居宅介護1(所定単位数の30%減算)など、「令和3年9月30日までの上乗せ分」の算定に合計しないサービスコードは、上乗せ分を含めて減算等を行います。

そのため、本体報酬を含むサービスコード(11-6839:身体01・2人介助・Ⅰ)のサービス単位数は「4,010」単位 + 令和3年9月30日までの上乗せ分「4」単位 =4,014単位 に対して、30%減算を行い、減算単位数は1,204単位となります。

介護職員処遇改善加算の計算方法の例

訪問介護処遇改善加算Ⅱ(所定単位数の10%加算)などは、本体報酬を含むサービスコードに令和3年9月30日までの上乗せ分も含めた4,014単位から減算単位数1,204単位を引いた単位数である2,810単位に10%を掛けて、281単位となります。

「令和3年9月30日までの上乗せ分」の算定に合計するサービスコード(一部のみ掲載)

「令和3年9月30日までの上乗せ分」の算定に合計するサービスコードについて、より詳しいサービスごとの計算方法は『「令和3年9月30日までの上乗せ分」の計算方法について(厚生労働省)』をご確認ください。

 弊サイトの情報は、資料を参考に簡潔に表すために編集したものであるため、実際のサービスコードや単位数の計算、請求等でトラブルが生じた場合も一切責任は負いません。厚生労働省等からの情報をご確認の上ご対応ください。

訪問介護 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 身体介護」~「ハ 通院等乗降介助」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 身体介護に引き続き生活援助を行った場合
  • 2人の訪問介護員等による場合
  • 夜間若しくは早朝の場合又は深夜の場合
  • 特定事業所加算Ⅰ~Ⅳ

訪問入浴介護 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 訪問入浴介護費」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 介護職員3人が行った場合
  • 全身入浴が困難で、清拭又は部分浴を実施した場合

訪問看護 対象となるサービスコード

  • 基本部分(「イ 指定訪問看護ステーションの場合」~「ハ 定期巡回・随時対応随時対応訪問介護看護事業所と連携する場合」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード
  • 准看護師の場合
  • 夜間又は早朝の場合、若しくは深夜の場合
  • 複数名訪問加算
  • 1時間30分以上の訪問看護を行う場合
  • 要介護5の者の場合

訪問リハビリテーション 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 訪問リハビリテーション費」)に係るサービスコード

居宅療養管理指導 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 医師が行う場合」~「ホ 歯科衛生士等が行う場合」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 特別な薬剤の投薬が行われている在宅の利用者又は居住系施設入居者等に対して、当該薬剤の使用に関する必要な薬学的管理指導を行った場合

通所介護 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 通常規模型通所介護費」~「ハ 大規模型通所介護費(Ⅱ)」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 利用者の数が利用定員を超える場合
  • 看護・介護職員の員数が基準に満たない場合
  • 2時間以上3時間未満の通所介護を行う場合

地域密着型通所介護 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 地域密着型通所介護費」、「ロ 療養通所介護費」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 利用者の数が利用定員を超える場合
  • 看護・介護職員の員数が基準に満たない場合
  • 入浴介助を行わない場合
  • 過少サービスに対する減算
  • 2時間以上3時間未満の地域密着型通所介護を行う場合

認知症対応型通所介護 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 認知症対応型通所介護費(Ⅰ)」、「ロ 認知症対応型通所介護費(Ⅱ)」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 利用者の数が利用定員を超える場合
  • 看護・介護職員の員数が基準に満たない場合
  • 2時間以上3時間未満の認知症対応型通所介護を行う場合

通所リハビリテーション 対象となるサービスコード

基本部分(イ通常規模の事業所の場合」~「ハ 大規模の事業所(Ⅱ)の場合」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 利用者の数が利用定員を超える場合
  • 医師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、看護・介護職員の員数が基準に満たない場合

短期入所生活介護 対象となるサービスコード

基本部分(「(1) Ⅰ型介護医療院短期入所療養介護費」~「(7)特定介護医療院短期入所療養介護費」及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 夜勤を行う職員の勤務条件基準を満たさない場合
  • 利用者の数及び入所者の数の合計数が入所定員を超える場合
  • 医師、薬剤師、看護職員、介護職員の員数が基準に満たない場合
  • 介護・看護職員の員数が基準に満たない場合
  • 常勤のユニットリーダーをユニット毎に配置していない等ユニットケアにおける体制が未整備である場合
  • 僻地の医師確保計画を届出たもので、医師の数が基準に定められた医師の員数に60/100を乗じて得た数未満である場合
  • 僻地の医師確保計画を届出たもの以外で、医師の数が基準に定められた医師の員数に60/100を乗じて得た数未満である場合

特定施設入居者生活介護 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 特定施設入居者生活介護費」~「ハ 短期利用特定施設入居者生活介護費」及び委託先である指定介護サービス事業者により行われる訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介 護、認知症対応型通所介護)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 看護・介護職員の員数が基準に満たない場合
  • 介護職員の員数が基準に満たない場合

居宅介護支援 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 居宅介護支援費」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 運営基準減算
  • 特別地域居宅介護支援加算
  • 中山間地域等における小規模事業所加算
  • 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算

介護福祉施設サービス 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 介護福祉施設サービス費」・「ロ ユニット型介護福祉施設サービス費」)及び以下の加減算に係る合成サービス コード

  • 夜勤を行う職員の勤務条件基準を満たさない場合
  • 入所者の数が入所定員を超える場合
  • 介護・看護職員又は介護支援専門員の員数が基準に満たない場合
  • 常勤のユニットリーダーをユニット毎に配置していない等ユニットケアにおける体制が未整備である場合

介護保健施設サービス 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 介護保健施設サービス費」、「ロ ユニット型介護保健施設サービス費」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 夜勤を行う職員の勤務条件基準を満たさない場合
  • 入所者の数が入所定員を超える場合
  • 医師、看護職員、介護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は介護支援専門員の員数が基準に満たない場合
  • 常勤のユニットリーダーをユニット毎に配置していない等ユニットケアにおける体制が未整備である場合

介護医療院サービス 対象となるサービスコード

基本部分(「イ Ⅰ型介護医療院サービス費」~「へ ユニット型特別介護医療院サービス費」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 夜勤を行う職員の勤務条件基準を満たさない場合
  • 入所者の数が入所者の定員を超える場合
  • 医師、薬剤師、看護職員、介護職員、介護支援専門員の員数が基準に満たない場合
  • 看護師が基準に定められた看護職員の員数に20/100を乗じて得た数未満の場合
  • 常勤のユニットリーダーをユニット毎に配置していない等ユニットケアにおける体制が未整備である場合

小規模多機能型居宅介護 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 小規模多機能型居宅介護費」、「ロ 短期利用居宅介護費」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 登録者数が登録定員を超える場合
  • 従業者の員数が基準に満たない場合
  • 過少サービスに対する減算

認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 対象となるサービスコード

基本部分(「イ 認知症対応型共同生活介護費」、「ロ 短期利用認知症対応型共同生活介護費」)及び以下の加減算に係る合成サービスコード

  • 夜勤を行う職員の勤務条件基準を満たさない場合
  • 利用者の数が利用定員を超える場合
  • 介護従業者の員数が基準に満たない場合

2021年9月30日までの介護報酬0.1%上乗せは利用者自己負担あり

新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価として、全サービスにおいて、令和3年4月から同年9月までの間、基本報酬に0.1%の上乗せがありますが、この上乗せ分も含め合計単位数の1〜3割は利用者負担となります。

2021年9月30日までの介護報酬0.1%上乗せも重要事項説明書・料金表に記載が必要

「令和3年9月30日までの上乗せ分」は、利用者負担に影響があるため、この上乗せ分を盛り込んだ重要事項説明書・料金表の作成が必要になります。ただし、この上乗せは期間限定であるため、各自治体から料金表に記載するときに事業所負担が少ない形での対応を示しているケースがあります。

料金表に記載するときに事業所負担が少ない形での対応を示している例

こちらは、滋賀県大津市の介護保険課が示した「9月30日までの上乗せ分」を料金表に載せる際の一例です。原則料金表に記載し、料金が変更になる際には再度同意を得るということが必要ですが、省略する方法を提示しているケースもあるため、各自治体にご確認ください

2 料金表を作成する上の留意点について
新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価として、全サービスにおいて、令和3年4月から同年9月までの間、基本報酬に0.1%上乗せされます。利用者負担に影響があるため、当該評価を盛り込んだ料金表の作成が必要になります。しかしながら、対象期間が9月までと短期間であることを鑑み、事業者の事務負担軽減の観点から、次の方法も可能とします。
【対応の例】
今般の報酬改定よる単位に基づいた料金表(10月から適用される金額による料金表)を作成の上、注意書きとして「令和3年4月から9月までの間、基本報酬に0.1%上乗せされます。」等を記載すること。
(この例にて、4月に利用者の同意を得た場合は、10月に改めて同意を得る必要はありません。)

2021年4月介護報酬改定 介護保険サービス運営面のポイント

2021年4月介護報酬改定は、特例や運営面の変更も多いため、以下に注意点をまとめましたのでご参考にどうぞ。

区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)

2021年報酬改定対応時の事務手続きのポイント

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