要介護認定のポイントをまとめました。要介護(要支援)認定の申請、要介護状態の定義、認定調査の内容や要介護認定等基準時間などによる一次判定、二次判定の内容、介護度認定確定後に不服の場合、認定確定前に介護保険サービス利用の場合にいつから給付対象になるかがこのページでわかります!
このページの目次
被保険者の資格要件
第1号被保険者
65歳以上の人のことを「第1号被保険者」といいます。
第2号被保険者
医療保険に加入している40~64歳の人のことを「第2号被保険者」といいます。40~64歳でも、特定疾病と呼ばれる疾病のどれかに罹患しており介護が必要な状態の場合には、介護保険の要介護(要支援)認定を受けることができます。
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要介護状態・要支援状態
介護保険の被保険者が介護給付予防給付などの介護保険の保険給付を受けるためには、被保険者が「要介護状態」もしくは「要支援状態」になっていると認定されることが必要です。
要介護状態とは
要介護状態の定義は、「心身上または精神上の障害があるために、入浴、排泄、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、6ヶ月にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態」です。
介護の必要度合いに応じて5段階に区分されています。
要支援状態とは
要支援状態の定義は、「心身上または精神上の障害があるために、入浴、排泄、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、6ヶ月にわたり継続して、常時介護を要する状態の軽減もしくは悪化防止に特に資する支援を要すると見込まれる状態、または、継続して日常生活を営むのに支障がある状態」です。
支援の必要度合いに応じて2段階に区分されています。
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要介護認定・要支援認定の申請
要介護認定は保険者である市区町村が、被保険者の介護の必要度を判断するものです。
被保険者は要介護・要支援の認定を受けようとする場合には、申請書に記入を行い介護保険被保険者証を添付して市区町村の窓口に申請します。申請先は、原則住民票のある市区町村です。(認定を受けてから介護施設などに入所したりした場合には、住民票を移したとしても転居前の市区町村が保険者となる「住所地特例」の制度もあります。)
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業者
- 地域密着型介護老人福祉施設
- 介護保険施設
- 社会保険労務士
- 民生委員
- 介護相談員(介護相談員とは市町村が授業の一種にふさわしい人格と熱意を持っていると認めた者)
介護保険資格者証(介護保険暫定被保険者証)
要介護・要支援の認定の申請の際には、介護保険被保険者証を提出し、それと引き換えに介護保険資格者証(暫定被保険者証)が発行されます。
要介護認定の申請?要支援認定の申請?
要介護認定も要支援認定も手順としては同じですが、介護保険法上は別々の手続きを規定しています。実際に認定された際に要介護の認定を受けたくて申請を行った場合に要支援に該当した場合などには、該当した認定の申請を行ったこととみなして取り扱われます。このことを「みなし申請」といいます。
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要介護認定に当たっての審査内容
要介護認定・要支援認定の申請を受けた市区町村は、審査を開始します。公平性・客観性を保つために、認定調査審査・介護度の判定基準(要介護認定基準)は、全国統一のものになっています。
認定調査
認定調査とは、要介護認定の申請者の居宅を訪問して、全国一律の認定調査票をもとに認定調査を行うことです。
- 市区町村職員(福祉事務所のケースワーカーや保健センターの保健師など)
- 指定市町村事務受託法人(都道府県知事から指定を受けた法人)
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業者
- 地域密着型介護老人福祉施設
- 介護保険施設
- 介護支援専門員
認定調査票
認定調査票では、以下のようなことについて基準に沿って調査が行われます。
- 身体機能・起居動作に関する項目(四肢の筋力低下、寝返り等についての項目)
- 生活機能に関する項目(移乗や移動、えん下ができるかどうかの項目)
- 認知機能に関する項目(意思の伝達や短期記憶等についての項目)
- 精神・行動障害に関する項目(作話やひどい物忘れ等の問題行動についての項目)
- 社会生活への適応に関する項目(薬の内服や買物についての項目)
- 特別な医療に関する項目(点滴、人工透析等についての項目)
- 日常生活自立度に関連する項目(障害高齢者の日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度)
主治医意見書
主治医意見書は、主治医に心身の状態や生活機能低下の原因になっている疾病、特別な医療などに対する医学的な意見を記載してもらう書類です。被保険者に主治医がいない場合には、市区町村が指定する医師が診断して、主治医意見書の記載を行います。被保険者が正当な理由なく指定する医師の診断を拒否した場合には、市区町村は認定申請を却下できます。主治医意見書は主に介護認定審査会での二次判定に用いられます。
審査・判定
要介護度の審査判定は、コンピューターによる一次判定と、介護認定審査会による二次判定の2段階で行われます。
コンピューターによる一次判定
認定調査の調査項目を、介護に係るを分野の行為に区分して、コンピューターにより要介護認定等基準時間を算定し、一次判定結果が示されます。
要介護認定等基準時間に含まれる5分野
直接生活介助 | 入浴、排泄、食事などの介護 |
間接生活介助 | 洗濯、掃除などの家事援助など |
認知症の行動、心理症状関連行為 | 徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末など |
機能訓練関連行為 | 歩行訓練、日常生活訓練などの機能訓練 |
医療関連行為 | 輸液の管理、褥瘡の処置などの診療の補助など |
要介護認定等基準時間は、介護の手間(介護の必要の程度)を判断する指標で、実際の介護サービスの提供時間や家庭での買い物時間を表すものではありません。
5分野の要介護認定等基準時間
要支援1 | 25分以上32分未満またはこれに相当する状態 |
要支援2 | 要支援状態の継続見込み期間にわたり、継続して常時介護を要する状態の軽減または悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、32分以上50分未満またはこれに相当する状態 |
要介護1 | 32分以上50分未満またはこれに相当する状態 |
要介護2 | 50分以上70分未満またはこれに相当する状態 |
要介護3 | 70分以上90分未満またはこれに相当する状態 |
要介護4 | 90分以上110時間未満またはこれに相当する状態 |
要介護5 | 110分以上またはこれに相当する状態 |
二次判定
一次判定結果、認定調査票の特記事項、主治医意見書をもとに認定審査会では以下の点について審査・判定が行われます。
- 要介護状態に該当するか否か
- 該当する場合の要介護度
- 第2号被保険者については要介護状態の原因である身体上・精神上の障害が特定疾病に起因するか否か
介護認定審査会から市区町村への意見
介護認定審査会は、審査判定結果を縮小そうに通知する際に意見を述べることができます。
- 要介護状態の軽減又は悪化防止のために必要な療養に関する事項
- サービスの適切かつ有効な利用などに関し、被保険者が留意すべき事項
- 認定の有効期間の短縮や延長に関する事項
療養に関する事項について意見が述べられている場合には市区町村はその被保険者が受けられるサービスの種類を指定することができます。(指定された以外のサービスについては保険給付が行われません)
留意すべき事項について意見が述べられている場合は、認定確定後のサービス計画などで配慮する必要があります。
サービスの種類が指定されている場合や、被保険者が留意すべき事項については介護保険被保険者証に記載されます。
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要介護認定・要支援認定 確定通知
市区町村は介護認定審査会の審査判定の結果に基づいて認定を行い、その結果を保険者に通知します。
申請の際に市区町村が預かっていた介護保険被保険者証に、「要介護状態区分」「介護認定審査会の意見が付されている場合はその意見」を記載して返還します。審査の結果要介護状態にも要支援状態にも該当しないという決定をした場合には、被保険者にその結果と理由を通知します。
もしも市区町村の認定に関する決定に不服がある場合は、都道府県に設置された介護保険審査会に対して審査請求をすることができます。
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申請から要介護度決定までにかかる期間
市区町村による要介護度の認定は原則として申請があった日から30日以内に行われると決められています。ただし調査に日時を要するなど特別な理由がある場合は延期されることもあり、30日以上かかる場合には申請日から30日以内に保険者にその理由と認定までの見込み期間を通知することとなっています。
もしも市区町村から何の通知もなく30日以内に結果が出ない場合には、申請が却下されたとみなして再審査請求をすることができます。
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要介護認定の効力
要介護認定の効力は、要介護認定の申請をした日にさかのぼり、申請のあった日からのサービス利用が介護保険給付の対象となります。この期間にケアマネジャーが暫定的な居宅サービス計画などを作成することにより、申請から認定までの間も現物給付(1割〜3割負担)でサービスを受けることができます。
要介護申請前に介護保険サービスを受けた場合には原則給付の対象にはなりませんが、緊急やむを得ない理由が必要と認めれば特例居宅介護サービス費などとして償還払いでサービスを受けることができます。
負担割合については、介護保険負担割合証で別途定められています。
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認定有効期間
初めて介護保険の認定を受けるための申請をして、介護度の認定が出た場合、有効期間は要介護・要支援状態の継続見込み期間と対応し、原則として初回の認定有効期間は6か月間です。介護認定審査会の意見に基づき、町村は特別に認める場合には新規認定でも3ヶ月から12ヶ月の範囲で設定することができます。
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要介護度に応じた区分支給限度額
区分支給限度基準額とは、介護保険から給付される一か月あたりの上限額のことです。介護保険被保険者(ご利用者)は、ケアマネジャーが居宅サービス計画等を通して、必要な介護保険サービスを適正に取り入れ、要介護区分ごとに以下の単位数に相当する金額の給付を受けられます。
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まとめ
要介護認定の仕組みについて解説をしました。介護度がどのように決められていくのか、要介護認定を受けるための申請をした人がどれぐらいの期間で認定され、人体が確定するまでの期間どのように対応すれば良いかなとも参考になれば幸いです。
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