ICD-10は、科学的介護情報システム「LIFE」で既往歴・病名の項目で使用されます。
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ICF-10とは
ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)とは、日本が加盟している世界保健機関(WHO)において定められた分類であり、正式名称は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」といい、世界中で異なる時点で集計された死因や疾病のデータの記録、分析、比較を行うために国際的に統一した基準で設けられた疾病分類です。
最新の分類は、ICDの第10回目の改訂版として、1990年の第43回世界保健総会において採択されたものであり、ICD-10(1990年版)と呼ばれています。
ICDは、アルファベットと数字によって表される分類項目から構成されており、基本分類の項目数は約 14,000 項目となっています。なお、分類項目は、3桁分類(アルファベット1文字+数字2文字)と、より詳細な分類である4桁分類(アルファベット1文字+数字3文字)のコードからなっています。
<例>
章分類 | 3桁分類 | 4桁分類 |
新生物<腫瘍>(第Ⅱ章) | 胃の悪性新生物<腫瘍> | 噴門 |
C00-D48 | C16 | C16.0 |
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ICDは統計分類であり診断名とは限らない
ICDは統計分類であり医学用語集ではありません。 診断名の修飾語や部位によってICDコードは変わります。ICD-10の分類で正確なコード付けを行うためには医学的な知識とともに、病理学敵的な観点など幅広い知識経験が必要になり、素人では困難です。詳しくは厚生労働省が作成した以下の資料などで確認できます。
fa-arrow-circle-rightICDのABC 国際疾病分類(ICD-10(2013年版)準拠)の有効活用を目指して~疾病、傷害及び死因の統計分類のよりよい理解のために~ (令和3年度版・厚生労働省)
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ICD-10は「疾病、傷害及び死因の統計分類」「死因統計」「疾病統計」などで利用される
日本では、人口動態統計における死因統計では、明治32(1899)年からICDを活用して統計を作成しています。ICD-10(2013年版)は日本では、平成28年1月1日からの適用され「疾病、傷害及び死因の統計分類」「死因統計」「疾病統計」などに利用され始めました。
ICD-10は、世界や日本で、疾患による死因や疾患から生じる健康度や予後などの研究に用いられています。そのために、ICD-10の基本分類とその包含用語と除外用語などのルールに沿ってカルテ病名のコード化を行うことなどが行われています。
現在、日本では、WHOによるICD-10のままの改正の勧告であるICD-10(2013年版)に準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」を作成し、統計法に基づく統計調査に使用されるほか、医学的分類として医療機関における診療録の管理等に活用されています。
2021年介護報酬改定から本格運用される科学的介護情報システム「LIFE」でも、病名などの登録にあたりICD-10による分類が使われます。
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ICD-10の分類の構成(基本分類表)
現行の ICD-10 は、22 の章から構成されており、それぞれの章は、3桁分類と、さらに詳細な4桁分類によって構成されています。3桁分類項目は、約 2,000、4桁分類項目は、約12,000 です。
- 第1章 感染症及び寄生虫症(A00-B99)
- 第2章 新生物<腫瘍>(C00-D48)
- 第3章 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害(D50-D89)
- 第4章 内分泌、栄養及び代謝疾患(E00-E90)
- 第5章 精神及び行動の障害(F00-F99)
- 第6章 神経系の疾患(G00-G99)
- 第7章 眼及び付属器の疾患(H00-H59)
- 第8章 耳及び乳様突起の疾患(H60-H95)
- 第9章 循環器系の疾患(I00-I99)
- 第10章 呼吸器系の疾患(J00-J99)
- 第11章 消化器系の疾患(K00-K93)
- 第12章 皮膚及び皮下組織の疾患(L00-L99)
- 第13章 筋骨格系及び結合組織の疾患(M00-M99)
- 第14章 腎尿路生殖器系の疾患(N00-N99)
- 第15章 妊娠、分娩及び産じょく<褥>(O00-O99)
- 第16章 周産期に発生した病態(P00-P96)
- 第17章 先天奇形、変形及び染色体異常(Q00-Q99)
- 第18章 症状、徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの(R00-R99)
- 第19章 損傷、中毒及びその他の外因の影響(S00-T98)
- 第20章 傷病及び死亡の外因(V01-Y98)
- 第21章 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用(Z00-Z99)
- 第22章 特殊目的用コード(U00-U99)
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疾病統計におけるICDの活用
疾病統計におけるICDの活用の代表的なものとして、患者調査があげられます。患者調査は、厚生労働省が3年に1度実施している調査で、医療機関を利用する患者について、その疾病の状況等を明らかにすることを目的としています。同調査における調査事項のうち傷病は最も重要であり、この事項は医師の診断した傷病名から調査票に主要な傷病名が1つ転記されます。
その傷病名をICDの基本分類に変換し、性、年齢、地域、医療機関の種類別等の推計患者数、受療率等について、集計、分析が行われています。
集計にあたっては、基本分類表並びに疾病分類表(大分類、中分類、小分類)という分類体系で行っています。
「狭心症」を分類する場合の分類コードの例
「狭心症」を、大分類、中分類、小分類で示すと以下のようなコードになります。
分類名 | 集計される分類コード |
大分類「循環器系の疾患」 | I00-I99 |
中分類「虚血性心疾患」 | I20-I25 |
小分類「狭心症」 | I20 |
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科学的介護情報システム「LIFE」の病名・既往歴でのICD-10活用の問題点
データを集め、科学的・統計的に処理して傾向や根拠を見つけ出すときに重要なことは、一定のルールと基準が示されていることです。
ICD-10は、世界共通の国際疾病分類ですが、診断を行う医師・カルテ病名やレセプトがある医療機関や電子カルテなどの情報と介護の分野は離れており情報共有が難しい状況にあるため、現場レベルでのICD-10の正確なデータ集めはハードルが高そうです。また、ICD-10による分類はあくまでも統計用の分類であるため、医師の診断名がそのままICD-10に置き換えられるわけではなくコーディングするときにコードを補正する細かなルールがあります。科学的介護情報システム「LIFE」でICD-10が取り入れられましたが、医療機関の個人のカルテやレセプト情報にあるICD-10による疾病分類と、介護を受ける個人の情報を国家的に紐づけていくことなしには、正確な統計はとれず、科学的介護の根底になる元データの信憑性が保てないと懸念されます。
科学的介護情報システム(LIFE)の情報
科学的介護推進体制加算のLIFE提出
個別機能訓練加算(Ⅱ)のLIFE提出
LIFEとうまく付き合うために
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