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介護福祉士とは
介護福祉士は、1987年(昭和62年)、福祉の専門資格を定めた「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定され、日本で初めて介護専門職として国家資格となりました。介護福祉士は介護職員の資格として重宝される唯一の国家資格です。介護福祉士の業務については、社会福祉士及び介護福祉士法 第2条第2項で定義されています。
介護福祉士の定義
介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障があるものにつき心身の状況に応じた介護を行い、並びにそのもの及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とするものをいう
社会福祉士及び介護福祉士法 第2条第2項
介護福祉士に求められる仕事の変化
社会福祉及び介護福祉士法は2007年に法律の一部を改正しており、改正前は「入浴、排泄、食事その他介護」 という形で介護内容が具体的に明示されていましたが、法律改正後は「心身の状況に応じた介護」という表現になり一人ひとりの状況に応じて適切な対応をする専門職であるということが強調された形になっています。
また法律で定義されているように、介護福祉士は介護が必要な方やその家族に対して介護に関する指導を行うことも業務としており、それに値する知識や力量がなければならないと規定されています。
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介護福祉士の倫理
倫理とは、善いことや悪いこと、正しいことを正しくないこと、こういう場合にはこうするべきであるという、人の内面的な規範(ルール、指針)のことです。
介護の仕事に従事する人の倫理としては、より良いケアのあり方を考える姿勢のことや、ケアされる人の立場に立った場合にどう感じるか、介護の仕事をする者としてどのような行動がより善いのかを考えることが求められています。
介護の仕事では利用者の生命や生活に直接関わる仕事であり、認知症や疾病があってもその人らしい暮らしを実現すること、利用者の尊厳を保つことなど、高い職業倫理、人間性が問われる仕事となっています。
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介護福祉士の仕事上の義務や禁止事項
介護福祉士は国家資格であるため業務を行う際の義務や禁止事項についても、社会福祉士及び介護福祉士法の第4章で定められています。
例えば、 介護福祉士は担当する個人の尊厳を保持しそのものの立場に立って誠実に業務を行わなければならないこと(誠実義務)、業務上知り得た秘密を漏らしてはならないこと(秘密保持義務)、福祉サービスや保健医療サービスなどをが適切に提供されるように連携をしなければならないことなどが義務として課せられています。
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介護福祉士の資格の取得方法・受験資格
介護福祉士の資格を取得するための方法は3種類あり、受験資格を得るための学習カリキュラムが異なっています。
3年以上の介護等の業務に関する実務経験、実務研修修了後に試験を受験
介護福祉士の資格の取得方法として、最も多いのが、2年以上の介護を仕事の実務経験を経た後に、国家試験に合格して資格を取得する方法です。
介護職員実務者研修を受けていない場合には、実務経験だけでは介護福祉士の受験資格は得られないので「実務者研修(6月以上/450時間)」を修了することが必要です。
介護福祉士養成施設(履修期間2年以上、1,850時間)後に試験を受験
介護福祉士の養成施設で2年、1,850時間学ぶことで介護福祉士の受験資格が得られます。
この講座は、離職者訓練の対象にもなっているため、離職した状態で職業訓練として制度を利用して学ぶ場合には費用助成されますので、離職中の方や、退職を考えている方は、ハローワークなどに職業訓練制度について確認してみると良いでしょう。また、介護福祉士人材は国家的にも不足が課題となっており、介護福祉士養成施設で学ぶための学費を助成する制度(介護福祉士等修学資金貸付制度)や、学費を都道府県等が貸し出しして、一定期間介護福祉士として就労すると返還不要となる制度などもありますので、事前に社会福祉協議会に問い合わせて学費の助成について確認することをお勧めします。
また、介護の仕事をしながら介護福祉士資格取得を目指す場合には、資格取得のための学費が無料になる派遣会社もありますので、こちらの登録もお勧めです。働きながら資格を取得するためのノウハウも教えてもらえるので、安心して仕事と資格取得の学習を両立できると思います。
福祉系高校で単位を取得して試験を受験
数は多くありませんが、高校の中には普通科だけでなく、福祉に関する学科を設置している場合があります。これらの学科では高等教育での一般的にな学習と並行して、介護福祉士の養成施設と同様の内容を学べる単位がカリキュラムに組み込まれており、その単位を取得できると介護福祉士の受験資格が得られます。
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介護福祉士の資格取得に向けた研修は補助金を利用できる場合も多い!
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介護福祉士の資格の勉強方法
重要!介護福祉士の勉強方法については、基本は講座で学んだことをしっかりと覚えることです。
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介護福祉士国家試験の受験者数と合格率
介護福祉士国家試験の受験者数は、毎年8万人〜9万人くらいです。
合格者は例年5万人〜6万人くらいですので、合格率は70%くらいとなっています。
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介護福祉士の試験問題の範囲と過去問
介護福祉士の試験問題は、以下の範囲に分けられます。
- 人間の尊厳と自立
- 人間関係とコミュニケーション
- 社会の理解
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 生活支援技術
- 介護過程
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- こころとからだのしくみ
- 医療的ケア
- 総合問題
実際に試験に望む前には、過去問集と解説が書かれている書籍を1冊は購入して一巡した方が良いですが、どんな試験問題なのか確認したい場合には「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験過去の試験問題」で確認できます。
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介護福祉士国家試験対策は過去問にあり
介護福祉士の国家資格を取るためには、国家試験に合格しなければなりません。
例えば介護現場で働きながら介護福祉士の資格取得を目指すこともあると思います。介護福祉士国家資格には、受験資格を得るためには必ず研修を受けて修了していないといけないという特徴があります。つまり、試験に出ることの大半は、スクールや実務者研修などで学んでおり、教材も揃っているわけです。
介護福祉士の試験の合格率は7割ほどですので、試験問題の傾向をつかめれば、あとは実務者研修等で学んだことを見直せば受かる可能性が高いです。
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介護福祉士の資格取得で年収や時給もアップします!
介護福祉士の資格を持っていると、資格を持っていない人と比べると年収や時給に違いは出てきます。無資格の介護職員と比較すれば年収も時給もアップしますし、もしも安い賃金の場合には介護福祉士の有資格者の求人はたくさんあるので条件のよいところへの転職で年収をアップさせるということもしやすくなります。
介護施設や介護保険サービスを運営している事業者は、介護福祉士の資格を持っている人が一定数いるとサービス提供体制強化加算という介護報酬の上乗せなど、介護報酬からの売り上げの上でも質の高いサービスを提供している事業所として優遇される仕組みがあります。介護福祉士の有資格者が介護業務に従事していることが事業者の売り上げを高めてくれる一因にもなっているので、当然資格手当で時給や年収にも評価が上乗せされる可能性が高まります。
介護の仕事を今後もするならば、介護福祉士の資格をとるべき!
介護福祉士の資格を取る上で学んできたカリキュラムの中では、介護を行う上で必要なご利用者の状態把握の能力や、状態に合わせて支援の計画を立てて実践し、再度評価を行いより良いケアを組み立てていくと言う介護過程(介護プロセス)の能力などに長けています。
「資格があるかないかだけでは食品の価値は判断できないので介護福祉士の資格は無意味だ」という意見もありますが、無資格の介護職員と比べると基礎知識も介護観も異なってきますし、近年重要視されている認知症の利用者への対応、自立支援の介護や医療面などに配慮が必要なご利用者の介護、看取りを前提としたケアなど、さまざまな面で論理的な思考をもとにリーダーシップを発揮できる資質があります。資格を持っていてもやる気がなかったり雑な仕事をしてしまう方ももちろんいますが、介護福祉士の受験資格を得るための教育カリキュラムの中で1800時間も学んできている人と体系的な学習をしていない人と比較すれば、努力して一定の知識・技術を持っている介護福祉士有資格者の方があらゆる面で役立ちます。
介護福祉士の将来性・需要の変化
今後も介護の仕事を続けていくならば、介護福祉士の資格を取得するべきです。高齢社会の日本では介護の仕事をする職員はまだまだ不足していくという推計が出ています。2040年度には約280万人の介護職員が必要になる水系ですが、今のままだと約69万人の人材不足が生じます。世の中需要と供給で市場価値が決まりますので、需要が旺盛な介護業界での国家資格所有者の将来性は明るいです。
国としても介護の仕事に従事している人の処遇を改善するということを勧めていますが、介護の仕事をしているすべての人を無条件に処遇改善するわけではなく、資格を取得し専門性の高い仕事をしている人に対して高い評価をするという方向性で対策が取られていくことが予測されます。介護福祉士を取得していることが高い処遇を受けられる条件になります。
介護の仕事は誰にでもできる仕事だという意見もありますが、専門性を保ち、気をする根拠や最適なケアについて常に考え、結果を振り返りながら仕事をしていけるという人が増えることが介護の仕事の処遇の改善や社会的地位の向上に繋がることと考えます。エッセンシャルワーカーの重要性が注目されている今こそ、介護福祉士が活躍してアピールするチャンスです。
ケアマネジャーの転職は、ケアマネ専門の転職サイトを利用しよう
ケアマネジャーの転職はケアマネ専門の転職サイトの利用が安心です。自分で求人を探したり、人づてに紹介してもらったりする場合、本心では希望している条件をいろいろ我慢してしまいがちになります。転職サイトを挟むことで、希望に合う職場を見つけてもらい、見学・面接対策・条件調整なども行ってもらえるので、希望理由や面接対策で悩んだりすることも減ります。新人ケアマネも、ベテランのケアマネも専門の転職サイトの方がケアマネの求人情報を多く持っています。
居宅介護支援事業所では人手不足状態、ケアマネージャー、主任ケアマネージャー資格を有する人の求人が増えています。多くの転職サイトは介護の仕事のおまけのような感じでケアマネの転職支援をしていますが、ケア求人PECORI
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