2021年版 介護職員特定処遇改善加算の算定要件・分配方法まとめ

このページの目次

介護職員の月8万円程度の賃上げとして注目された「介護職員特定処遇改善加算」は、2021年4月の介護報酬改定で内容が変更されました。介護職員は事業所が加算算定するための手続きや事務的なことを行なっていればこの手当てを受け取れますが、分配方法や計画の立て方、処遇改善手当ての支給対象などいろいろ疑問が多く、お金のことなので介護職員からの疑義も生じやすい加算です。分配方法がわからない、特定処遇改善加算の手当てが月8万円ではないが不正しているのではないか、事業者がピンハネしてるんじゃないか、なぜか私は手当てがもらえないなどいろいろな疑問もあると思うので、どんなルールかを紹介します。

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介護職員特定処遇改善加算とは

介護職員特定処遇改善加算とは、令和元年10月の介護報酬改定で、介護職員の確保・定着につなげていくため、処遇改善加算に加え、特定加算を創設し、経験・技能のある介護職員に重点化しつつ、介護職員の処遇改善するために、一定程度他の職種の処遇改善・賃金改善も行えるよう認めた加算・賃金改善の制度です。加算新設当初は、「10年以上の介護福祉士に月8万円の手当てがつく!」と話題になりましたが、どのような職員に手当てを分配するかは各事業者である程度柔軟に設定可能となっています。

サービス別の基本サービス費に各種加算減算を加えた1月当たりの総単位数にサービスごとに設定された加算率を掛け合わせて単位数を算定すします。処遇改善加算は、区分支給限度基準額の算定対象から除外され計算されます。

介護職員処遇改善加算とは、簡単に説明すると介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てるための介護報酬の上乗せ分です。処遇改善加算についてはこちら。

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処遇改善加算のサービス別加算率

サービス別加算率(別紙1表1)で、加算算定対象サービスのサービス別加算率を確認します。

加算算定対象サービス

介護職員等特定処遇改善加算の配分対象と配分方法

一 賃金改善の対象となるグループ

特定加算による賃金改善を行うに当たり、経験・技能のある介護職員を定義した上で、介護サービス事業所等に従事する全ての職員を以下のグループに割り振ること。

a 経験・技能のある介護職員

介護福祉士であって、経験・技能を有する介護職員と認められる者をいう。具体的には、介護福祉士の資格を有するとともに、所属する法人等における勤続年数 10 年以上の介護職員を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の業務や技能等を踏まえ、各事業者の裁量で設定することとする。

b 他の介護職員

経験・技能のある介護職員を除く介護職員をいう。

c その他の職種

介護職員以外の職員をいう。

二 事業所における配分方法

実際の配分に当たっては、一a~cそれぞれにおける平均賃金改善額等について、以下のとおりとすること。この場合、二a~c内での一人ひとりの賃金改善額は、柔軟な設定が可能であること。

a 経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善に要する費用の見込額が月額平均8万円(賃金改善実施期間における平均とする。以下同じ。)以上又は賃金改善後の賃金の見込額が年額440万円以上であること(現に賃金が年額440万円以上の者がいる場合にはこの限りでない。)。ただし、以下の場合など例外的に当該賃金改善が困難な場合は、合理的な説明を求めることとすること。

特定処遇改善加算の事業所における配分方法

・ 小規模事業所等で加算額全体が少額である場合
・ 職員全体の賃金水準が低い事業所などで、直ちに一人の賃金を引き上げることが困難な場合
・ 8万円等の賃金改善を行うに当たり、これまで以上に事業所内の階層・役職やそのための能力や処遇を明確化することが必要になるため、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合

b 当該事業所における経験・技能のある介護職員の賃金改善に要する費用の見込額の平均が、他の介護職員の賃金改善に要する費用の見込額の平均と比較し高いこと。

c 他の介護職員の賃金改善に要する費用の見込額の平均が、その他の職種の賃金改善に要する費用の見込額の2倍以上であること。ただし、その他の職種の平均賃金額が他の介護職員の平均賃金額の見込額を上回らない場合はこの限りでないこと。

d その他の職種の賃金改善後の賃金の見込額が年額 440 万円を上回らないこと(賃金改善前の賃金がすでに年額 440 万円を上回る場合には、当該職員は特定加算による賃金改善の対象とならない)。

賃金改善計画の記載

特定加算を取得しようとする介護サービス事業者等は、算定基準第4号の2イ⑵に定める介護職員等特定処遇改善計画書を、次の一から六までに掲げる事項について、別紙様式2-1及び別紙様式2-3により作成すること。

一 特定加算の見込額(別紙様式2-1の2⑵⑤)3⑴①一の規定を準用する。

二 賃金改善の見込額(別紙様式2-1の2⑵⑥)各介護サービス事業者等において賃金改善実施期間における賃金改善に要する見込額(当該賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分を含むことができる。)の総額(aの額からbの額を差し引いた額をいう。)とし、一の額を上回る額でなければならない。

a 特定加算を取得し実施される賃金の改善見込額を加えた賃金の総額(処遇改善加算を取得し実施される賃金改善額を除く。)

b 前年度の賃金の総額

特定加算を取得する前年の1月から 12 月までの 12 か月間の賃金の総額(処遇改善加算等を取得し実施される賃金改善額及び各介護サービス事業者等の独自の賃金改善額を除く。)。なお、これにより難い合理的な理由がある場合には、他の適切な方法により前年度の賃金の総額を推定するものとする。

介護職員処遇改善計画書・介護職員等特定処遇改善計画書

グループ毎の平均賃金改善額(別紙様式2-1の2⑵⑦)

各介護サービス事業者等において賃金改善実施期間における賃金改善に要する見込額のグループ毎の平均額(aの額をb及び六の賃金改善実施期間で除して算出した額)をいう。

a 一の特定加算の見込額

b 前年度の一月当たり常勤換算職員数(小数点第2位以下切り捨て)
(原則として、当該計画書を提出した前月の常勤換算職員数をいう。ただし、その他の職種については、常勤換算方法のほか、実人数による算出も可能とする。)

前年度のグループ毎の平均賃金額(月額)

特定加算を取得する前年度のグループ毎の平均賃金額(月額)(a の額をbで除した額)をいう。(実績報告書においてグループ毎の平均賃金改善額を確認するために用いるもの。)

a 前年度の賃金の総額

加算を取得する前年の1月から 12 月までの 12 か月間の賃金の総額(処遇改善加算等を取得し実施される賃金改善額及び各介護サービス事業者等の独自の賃金改善額を除く。)。

b 前年度の常勤換算職員数(小数点第2位以下切り捨て)

加算を取得する前年の1月から 12 月までの 12 か月間の常勤換算職員数(その他の職種については、常勤換算方法のほか、実人数による算出も可能。)

「経験・技能のある介護職員」のうち、月額8万円の改善又は改善後の賃金が年額 440 万円以上となった者の見込数

賃金改善実施期間(別紙様式2-1の2⑵⑧)

3⑴①三の規定を準用する。

賃金改善を行う賃金項目及び方法(別紙様式2-1の2⑶)

賃金改善を行う賃金項目(増額若しくは新設した又はする予定である給与の項目の種類(基本給、手当、賞与等)等)、賃金改善の実施時期や対象職員、平均賃金改善見込額をいい、当該事項について可能な限り具体的に記載すること。なお、「経験・技能のある介護職員」の基準設定の考え方については、必ず記載すること。また、処遇改善加算等の他に、各介護サービス事業者等の独自の賃金改善を行っている場合には、その内容を記載すること。
賃金改善を行う賃金項目及び方法

賃金改善以外の要件に係る記載

取得する特定加算の区分に応じ、次に掲げる要件について、加算の算定要件に応じて、介護職員等特定処遇改善計画書に記載すること。

職場環境等要件(別紙様式2-1の4)

届出の計画に係る計画の期間中に実施する処遇改善(賃金改善を除く。)の内容を全ての職員に周知していること。この処遇改善については、複数の取組を行うこととし、別紙1表4の「入職促進に向けた取組」、「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」、「両立支援・多様な働き方の推進」、「腰痛を含む心身の健康管理」、「生産性の向上のための業務改善の取組」、「やりがい・働きがいの醸成」の区分ごとに1以上の取組を行うこと。なお、令和3年度においては、6の区分から3の区分を選択し、それぞれで一以上の取組を行うこと。処遇改善加算と特定加算において、異なる取組を行うことまでを求めるものではないこと。

介護福祉士の配置等要件(別紙様式2-1の2⑵③)

サービス提供体制強化加算の(Ⅰ)又は(Ⅱ)の区分(訪問介護にあっては特定事業所加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)、特定施設入居者生活介護等にあってはサービス提供体制強化加算(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)又は入居継続支援加算(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)、地域密着型通所介護(療養通所介護費を算定する場合)にあってはサービス提供体制強化加算(Ⅲ)イ又は(Ⅲ)ロ、介護老人福祉施設等にあってはサービス提供体制強化加算(Ⅰ)若しくは(Ⅱ)又は日常生活継続支援加算)の届出を行っていること。

処遇改善加算要件(別紙様式2-1の2⑵②)

処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までのいずれかを届出を行っていること(特定加算と同時に処遇改善加算にかかる計画書の届出を行っている場合を含む。)。

見える化要件(別紙様式2-1の5)

特定加算に基づく取組について、ホームページへの掲載等により公表していること。具体的には、介護サービスの情報公表制度を活用し、特定加算の取得状況を報告し、賃金以外の処遇改善に関する具体的な取組内容を記載すること。当該制度における報告の対象となっていない場合等には、各事業者のホームページを活用する等、外部から見える形で公表すること。なお、当該要件については、令和3年度は算定要件とはされない。

職場環境等要件について 処遇改善加算

介護職員特定処遇改善加算の算定要件

加算を取得するに当たっては、取得する処遇改善加算の区分に応じた要件を満たすこと。

イ 特定加算(Ⅰ)については、介護福祉士の配置等要件、処遇改善加算要件、職場環境等要件及び見える化要件の全てを満たすこと。

ロ 特定加算(Ⅱ)については、処遇改善加算要件、職場環境等要件及び見える化要件の全てを満たすこと。

実績報告書等の作成

介護職員等特定処遇改善加算の実績報告書

特定加算を取得した介護サービス事業者等は、算定基準第4号の二イ⑷の規定に基づき、各事業年度における最終の加算の支払いがあった月の翌々月の末日までに、都道府県知事等に対して、別紙様式3-1及び3-2の介護職員等特定処遇改善実績報告書を提出し、2年間保存することとする。

一 特定加算の総額(別紙様式3-1の2①)

二 賃金改善所要額(別紙様式3-1の2②)

各介護サービス事業所等において、賃金改善実施期間における賃金改善に要した費用(当該賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分に充当した場合は、その額を含む。)の総額(aの額からbの額を差し引いた額をいう。)であって、一の額以上の額を記載する。

a 職員に支給した賃金の総額(処遇改善加算を取得し実施される賃金改善額を除く。)

b 前年度の賃金の総額(3⑵②二bの額)

三 グループ毎の平均賃金改善額(別紙様式3-1の2③)

各介護サービス事業者等において賃金改善実施期間における賃金改善に要するグループ毎の平均額(aの額をbで除したもの。)からcの額を差し引いたものをいう。

a 各グループにおける、職員に支給した賃金の総額(処遇改善加算を取得し実施される賃金改善額を除く。)

b 当該グループの対象人数(原則として常勤換算方法によるものとする。ただし、その他の職種については、常勤換算方法のほか、実人数による算出も可能とする。)

c 前年度のグループ毎の平均賃金額(月額)(3⑵②四の額)

四 「経験・技能のある介護職員」のうち、月額8万円の改善又は改善後の賃金が年額 440 万円以上となった者の数(当該者を設定できない場合はその理由)(別紙様式3-1の2④)

五 職場環境等要件に基づいて実施した取組(別紙様式3-1の2⑤)

 

届出内容を証明する資料の保管及び提示

処遇改善加算等を取得しようとする介護サービス事業者等は、計画書の提出に当たり、計画書のチェックリストを確認するとともに、記載内容の根拠となる資料及び以下の書類を適切に保管し、都道府県知事等から求めがあった場合には速やかに提示しなければならない。

イ 労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)第 89 条に規定する就業規則(賃金・退職手当・臨時の賃金等に関する規程、3⑴②のうちキャリアパス要件Ⅰに係る任用要件及び賃金体系に関する規程、3⑴②のうちキャリアパス要件Ⅲに係る昇給の仕組みに関する規程を就業規則と別に作成している場合には、それらの規程を含む。以下「就業規則等」という。)

ロ 労働保険に加入していることが確認できる書類(労働保険関係成立届、労働保険概算・確定保険料申告書等)

都道府県知事等への届出

処遇改善加算等の届出

処遇改善加算等を取得しようとする介護サービス事業者等は、処遇改善加算等を取得する月の前々月の末日までに、介護サービス事業所等ごとに、当該介護サービス事業所等の所在する都道府県知事等(当該介護サービス事業所等の指定等権者が都道府県知事である場合は都道府県知事とし、当該介護サービス事業所等の指定等権者が市町村長(特別区長を含む。以下同じ。)である場合は市町村長とする。以下同じ。)に提出するものとする。

複数の介護サービス事業所等を有する介護サービス事業者等の特例

別紙様式2-2又は2-3に含まれる介護サービス事業者等の指定権者である都道府県知事等に、別紙様式2-1から2-3を届け出なければならない。

介護職員処遇改善実績報告書・介護職員等特定処遇改善実績報告書 介護職員処遇改善実績報告書・介護職員等特定処遇改善実績報告書

都道府県知事等への変更等の届出

変更の届出

介護サービス事業者等は、処遇改善加算等を取得する際に提出した計画書に変更(次の①から⑥までのいずれかに該当する場合に限る。)があった場合には、次の①から⑥までに定める事項を記載した変更の届出を行う。

① 会社法(平成 17 年法律第 86 号)の規定による吸収合併、新設合併等により、計画書の作成単位が変更となる場合は、当該事実発生までの賃金改善の実績及び承継後の賃金改善に関する内容

② 複数の介護サービス事業所等について一括して申請を行う事業者において、当該申請に関係する介護サービス事業所等に増減(新規指定、廃止等の事由による。)があった場合
・ 処遇改善加算については、別紙様式2-1の2⑴及び別紙様式2-2
・ 特定加算については、別紙様式2-1の2⑵及び別紙様式2-3

③ 就業規則を改正(介護職員の処遇に関する内容に限る。)した場合は、当該改正の概要

④ キャリアパス要件等に関する適合状況に変更(該当する処遇改善加算の区分に変更が生じる場合又は処遇改善加算(Ⅲ)若しくは処遇改善加算

(Ⅳ)を算定している場合におけるキャリアパス要件Ⅰ、キャリアパス要件Ⅱ及び職場環境等要件の要件間の変更が生じる場合に限る。)があった場合は、介護職員処遇改善計画書における賃金改善計画、キャリアパス要件等の変更に係る部分の内容

⑤ 介護福祉士の配置等要件に関する適合状況に変更があり、該当する加算の区分に変更が生じる場合は、介護職員等特定処遇改善計画書における賃金改善計画、介護福祉士の配置等要件の変更に係る部分の内容

なお、喀痰吸引を必要とする利用者の割合についての要件等を満たせないことにより、入居継続支援加算や日常生活継続支援加算を算定できない状況が常態化し、3か月以上継続した場合には、変更の届出を行うこと。

⑥ 別紙様式2-1の2⑴④ⅱ)、2⑵⑥ⅱ)、⑦ⅳの額に変更がある場合
(上記①から⑤までのいずれかに該当する場合及び7⑵に該当する場合を除く。)

特別事情届出書

事業の継続を図るために、職員の賃金水準(加算による賃金改善分を除く。以下この7において同じ。)を引き下げた上で賃金改善を行う場合には、以下の①から④までの事項を記載した別紙様式4の特別な事情に係る届出書(以下「特別事情届出書」という。)を届け出ること。なお、年度を超えて介護職員の賃金を引き下げることとなった場合は、次年度の処遇改善加
算等を取得するために必要な届出を行う際に、特別事情届出書を再度提出する必要がある。

① 処遇改善加算等を取得している介護サービス事業所等の法人の収支(介護事業による収支に限る。)について、サービス利用者数の大幅な減少等により経営が悪化し、一定期間にわたって収支が赤字である、資金繰りに支障が生じる等の状況にあることを示す内容

② 介護職員(特定加算を取得し、その他の職種を賃金改善の対象としている介護サービス事業所等については、その他の職種の職員を含む。(以下この7において同じ。))の賃金水準の引き下げの内容

③ 当該法人の経営及び介護職員の賃金水準の改善の見込み

④ 介護職員の賃金水準を引き下げることについて適切に労使の合意を得ていること等の必要な手続きに関して、労使の合意の時期及び方法 等

特別事情届出書

処遇改善加算等の停止

都道府県知事等は、処遇改善加算等を取得する介護サービス事業者等が⑴又は⑵に該当する場合は、既に支給された処遇改善加算等の一部若しくは全部を不正受給として返還させること又は処遇改善加算等を取り消すことができる。

なお、複数の介護サービス事業所等を有する介護サービス事業者等(法人である場合に限る。)であって一括して計画書を作成している場合、当該介護サービス事業所等の指定権者間において協議し、必要に応じて監査等を連携して実施すること。指定権者間の協議に当たっては、都道府県が調整をすることが望ましい。

⑴ 処遇改善加算等の算定額に相当する賃金改善が行われていない、賃金水準の引き下げを行いながら7⑵の特別事情届出書の届出が行われていない等、算定要件を満たさない場合

⑵ 虚偽又は不正の手段により加算を受けた場合

処遇改善加算等の取得要件の周知・確認等について

都道府県等は、処遇改善加算等を算定している介護サービス事業所等が処遇改善加算等の取得要件を満たすことについて確認するとともに、適切な運用に努められたい。

⑴ 賃金改善方法の周知について

処遇改善加算等の届出を行った事業所は、当該事業所における賃金改善を行う方法等について計画書を用いて職員に周知するとともに、就業規則等の内容についても職員に周知すること。また、介護職員から処遇改善加算等に係る賃金改善に関する照会があった場合は、当該職員についての賃金改善の内容について、書面を用いるなど分かりやすく回答すること。

⑵ 介護職員処遇改善計画書等について

都道府県等が介護サービス事業者等から計画書を受け取る際は処遇改善加算等の「見込額」と「賃金改善の見込額」を、実績報告書を受け取る際は処遇改善加算等の「加算総額」と「賃金改善所要額」を比較し、必ず「賃金改善の見込額」や「賃金改善所要額」が上回っていることを確認すること。
特定加算については、グループごとの「平均賃金改善額」についても、同様に確認すること。

⑶ 労働法規の順守について

処遇改善加算等の目的や、算定基準第4号イ⑸を踏まえ、労働基準法等を遵守すること。

処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)の廃止について

処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)は令和3年3月 31 日で廃止

処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)は令和3年3月 31 日で廃止する。ただし、令和3年3月 31 日時点で算定している事業所については、令和4年3月 31 日まで算定できるものとする。都道府県等におかれては、処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)を算定している介護サービス事業者等に対しては、「介護職員処遇改善加算の取得促進支援事業」等を活用することにより、当該事業者が、より上位の区分(処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までをいう。)の加算を算定できるように、積極的な働きかけを実施されたい。

その他

介護分野の文書に係る負担軽減に関する取組について

「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」における議論や中間取りまとめの趣旨を踏まえ、処遇改善加算等の様式の取扱いについては以下の通りとすること。

① 別紙様式は、原則として、都道府県等において変更を加えないこと。

② 計画書及び実績報告書の内容を証明する資料は、介護サービス事業者等が適切に保管していることを確認し、都道府県等からの求めがあった場合には速やかに提出することを要件として、届出時に全ての介護サービス事業者等から一律に添付を求めてはならないこと。

③ 別紙様式について押印は要しないこと。

処遇改善加算等の取得促進について

介護サービス事業者等における処遇改善加算等の新規取得や、より上位の区分の取得に向けた支援を行う「介護職員処遇改善加算の取得促進支援事業」を適宜活用されたい。また、国が当該事業を行うに当たっては、協力を御願いしたい。

介護事業所に対する雇用管理の改善に係る相談・援助支援について

介護労働者が職場に定着し、安心して働き続けるようにするためには、雇用管理の改善等は重要であることから、(公財)介護労働安定センターでは事業主に対する雇用管理の改善等に関する相談・援助を実施している。処遇改善加算取得につながる就業規則や賃金規程の作成等の相談・援助も行っていることから適宜案内されたい。なお、介護サービス事業者等に対する集団指導の場において、(公財)介護労働安定センターから雇用管理改善に向けた支援策の説明等を行うことも可能であることを申し添える。

介護職員特定処遇改善加算のよくある疑問

特定処遇改善加算の手当てが月8万円ではないが不正しているのではないか

特定処遇改善加算は、介護のリーダー的な人の給与を年収440万円以上にすることを目指し、そのために月8万円程度の賃上げにつなげる処遇改善手当てをつけるものですが、この処遇改善加算の元になるお金は、介護施設・介護保険サービスの売り上げ単位数に応じて変わります。サービスごとに異なりますが、加算率は1%〜最も高い訪問介護で6%程度なので、月に600万円の売り上げの事業所だとしたら、特定処遇改善加算で事業所に給付されるのは6万円〜36万円くらいです。この額を事業所で計画した方法で各職員に分配します。

このように、事業規模が小さい事業所やベテランが多い場合、色々な職種に手当てとして分配する場合などには金属10年だからといって絶対に8万円が保証されるような仕組みにはもともとなっていません。不正を疑う前に、分配方法や事業所の売り上げを確認することを行なった方が賢明です。

介護職員処遇改善加算は事業者がピンハネできる?

処遇改善加算については、加算全額を従業員に分配しなければならないものになっており、ピンハネは厳禁です。コンプライアンスを遵守するほとんどの事業者はこのことを理解していますが、ごく一部の事業者で処遇改善加算の趣旨やルールを理解せずに分配を怠っていることも見受けられるようです。ただし、処遇改善加算では事業者は賃金の改善などの計画を立てて、実績報告を求めるものなので、どこかで必ず発覚しますし、処遇改善加算の分配方法やキャリアアップの仕組みなどを従業員に開示して説明することもこの加算を算定する条件になっているので、ちゃんと説明を求めましょう。特に、特定処遇改善加算については、配分方法について色々な職種に事業所で柔軟に設定できるので、ピンハネではなく事業所で決めたルールで配分している場合もありますので、不信感がある場合にはどんなルールで特定処遇改善加算を職員に分配しているか確かめましょう。

介護職員特定処遇改善加算の手当てがもらえないことはある?

介護職員特定処遇改善加算の手当ては、賃金改善前の賃金がすでに年額 440 万円を上回る場合には、当該職員は特定加算による賃金改善の対象とならないこととなっています。

過去の介護職員処遇改善加算の内容の変更点

平成27年度の介護報酬改定では、事業主が介護職員の資質向上や雇用管理の改善をより一層推進し、介護職員が積極的に資質向上やキャリア形成を行うことができる労働環境を整備するとともに、介護職員自身が研修等を積極的に活用することにより、介護職員の社会的・経済的な評価が高まっていく好循環を生み出していくことが重要であることを踏まえ、事業主の取組がより一層促進されるよう処遇改善加算を拡充されました。

平成29年度の介護報酬改定では、介護人材の職場定着の必要性、介護福祉士に期待される役割の増大、介護サービス事業者等による昇給や評価を含む賃金制度の整備・運用状況などを踏まえ、事業者による、昇給と結びついた形でのキャリアアップの仕組みの構築を促すため、更なる処遇改善加算の拡充が行われました。

平成30年度の介護報酬改定では、処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)を廃止するとともに、処遇改善加算の対象となるサービスに、介護医療院サービス(及び介護医療院が行う(介護予防)短期入所療養介護)を加えることとが行われました。

令和元年10月の介護報酬改定においては、介護職員の確保・定着につなげていくため、処遇改善加算に加え、特定加算を創設し、経験・技能のある介護職員に重点化しつつ、介護職員の更なる処遇改善という趣旨を損なわない程度において、一定程度他の職種の処遇改善も行うことができる柔軟な運用を認めることとし、更なる処遇改善を行われました。

令和3年度の介護報酬改定においては、処遇改善加算(Ⅳ)及び(Ⅴ)については、一年間の経過措置期間を設定し廃止するとともに、介護職員特定処遇改善加算については、平均の賃金改善額の配分について、介護職員間の配分ルールを見直すこととされました。あわせて、職場環境等要件について、介護事業者による職場環境改善の取組をより実効性が高いものとする観点から見直しが行われました。

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