とろみ給茶機・再加熱キャビネットに補助金が使える!介護事業所向け中小企業省力化投資補助金の申請方法と条件

2026年(令和8年)4月30日、厚生労働省から介護保険関係者に向けた事務連絡が発出されました。「中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)」の補助対象業種に介護業が加わり、「飲料ディスペンサー・とろみ給茶機」「再加熱キャビネット・カート」への補助金申請受付が同日より開始されたというものです。
補助率は1/2、補助上限額は最大1,000万円(賃上げ達成時は1,500万円)と、介護事業所にとって決して小さくない額です。
この記事では、どんな施設が対象になるのか、申請期限はいつか、何を準備すればよいかを、公募要領と厚労省事務連絡をもとに解説します。
なお本記事は令和8年4月30日時点の情報をもとにしています。制度の詳細・最新情報は必ず公式の公募要領および中小機構のホームページでご確認ください。
この補助金で何が買えるようになったのか
今回の事務連絡で、介護事業所向けに新たに補助申請が可能になった製品は以下の2カテゴリです。
| 製品カテゴリ | どんな機器か | 主な省力化効果 |
|---|---|---|
| 飲料ディスペンサー・とろみ給茶機 | 水・お茶などを自動供給し、とろみをつけて提供できる機器 | 水分補給の準備・提供にかかる職員の手間を削減 |
| 再加熱キャビネット・カート | 冷蔵配膳した食事を適切な温度に再加熱して提供できる機器 | 食事の温め直しや配膳業務の人手を削減 |
なお、今回以前からすでに介護業での補助申請が可能になっている製品として「清掃ロボット」「配膳ロボット」があります。
補助対象の「とろみ給茶機(PTV-100H2WA1-BR)」の例
実際に補助対象になる製品カタログに登録されているのはとろみ給茶機の場合には、ホシザキ株式会社の2点だけです。2026年4月時点では、ホシザキ株式会社のとろみ給茶機、卓上型とスタンド型のみが補助対象です。こちらの製品を補助金なしで購入する場合、楽天などで販売されている価格は60万円から80万円くらいとなっています。
しかし、今回の補助金はカタログページの販売事業者一覧に掲載されている業者から購入しないと補助対象にならないため、飲料ディスペンサー/とろみ給茶機の場合にはカタログに掲載されている業者はホシザキに関係する会社なので直売でないと補助対象にならないということですね。
補助率は1/2なので、半額分補助されるイメージです。
〈連続注出能力〉
約100杯(90mL/杯、4杯/分注出、注出温度70℃以上、周囲温度30℃、給水温度25℃、タンク内湯温90℃設定時)
〈キャニスター容量〉
約1000mL×3個(とろみ剤×1、パウダー原料×2)
〈定量調節〉
とろみ温茶・とろみ冷茶・とろみ湯・とろみ水共90〜200mL(10mL単位可変) 温茶・冷茶共:90〜200mL(10mL単位可変) お湯・冷水は連続注出
〈濃度調節〉
お茶:20段階可変式 とろみ剤:薄いとろみ15段階可変式、中間のとろみ・濃いとろみ20段階可変式
再加熱キャビネットは複数のメーカーが対象になっています
補助対象となる具体的な製品はカタログに登録されているものに限られます。
カタログに掲載されていない製品・業者は対象外ですので、購入前に必ずカタログで確認してください。
どんな介護事業所が対象になるのか
この補助金は「中小企業等」が対象の制度ですが、介護業では法人の種類によって対象要件が異なります。厚労省事務連絡に記載されている主な事例をそのまま示します。
社会福祉法人の場合(特別養護老人ホームなどを運営)
以下の2点を両方満たすことが条件です。
株式会社の場合(有料老人ホームなどを運営)
- 資本金5,000万円以下
- 従業員数100人以下
「従業員数は申請対象の事業所ごとの人数か」というのはよくある質問ですが、法人全体の人数で判定します。複数の事業所を運営していて合計が基準を超える場合は対象外となります。
社会福祉法人・株式会社以外の法人形態については、公募要領(P.11〜P.13「2-3.補助対象者」)を確認してください。
補助率と補助上限額
| 従業員数(法人全体) | 補助率 | 補助上限額 | 賃上げ達成時の上限額 |
|---|---|---|---|
| 5人以下 | 1/2 | 500万円 | 750万円 |
| 6〜20人以下 | 1/2 | 750万円 | 1,000万円 |
| 21人以上 | 1/2 | 1,000万円 | 1,500万円 |
補助率は一律1/2です。補助額が25万円未満となる申請はできませんので、導入コストが50万円未満の場合は対象外になります。
賃上げ要件について
補助上限額を引き上げるには、補助事業実施期間終了時点で以下の両方を達成する見込みの事業計画が必要です。
賃上げ要件を達成できなかった場合は補助額の減額があります。見込みが立たない場合は無理に賃上げ要件を適用しない方が安全です。
申請期限はいつか
公募要領によれば、令和9年(2027年)3月末頃までの間に補助事業の申請を受け付けることとされています。ただし「頃まで」という表現であり、予算の状況や制度改正によって変わる可能性があります。
また、カタログへの製品登録は公募受付期間終了の半年前程度まで随時受け付けるとされており、登録製品・販売事業者の登録有効期間は令和9年9月末までとなっています。
締め切りが迫ってからでは販売事業者との調整や書類準備が間に合わないことがあります。導入を検討している場合は早めに動くことをおすすめします。
申請の流れ
この補助金は「カタログ注文型」という仕組みで、中小企業等が単独で申請するのではなく、販売事業者と共同で申請する点が特徴です。
注意点として、本事業のホームページから直接申請を開始することはできません。必ず販売事業者から送られる招待メールを経由して申請に進みます。
GビズIDプライムアカウントの取得には時間がかかる場合があるため、まだ持っていない場合は先に取得手続きを進めておきましょう。
申請にあたって必要な条件(事業計画の要件)
採択されるためには、以下の目標を含む事業計画の策定が必要です。
労働生産性は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数」で計算されます。補助事業終了後に毎年報告が必要ですので、導入後の効果測定ができる体制を整えておくことが大切です。
既存の機器の置き換えは対象になるか
すでに同種の機器を持っている施設が、より新しい機器に買い替える場合についての取り扱いは要注意です。
単純な置き換えで省力化効果が得られない場合は原則として補助対象外です。ただし、現在持っていない機能・性能を1点以上新規に備えた製品への置き換えであれば申請可能です。カタログの製品詳細ページで「置き換えが可能か」を確認してください。
2026年4月時点で飲料ディスペンサー/とろみ給茶機のページに掲載されている「とろみ給茶機」と「アイスディスペンサー」は5機種ありますが、置き換えが可能となる機能・性能は「なし」となっていました。
どんな施設が活用しやすいか
実際にどのような介護事業所で活用しやすいか、施設の状況別に整理します。
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設
入所者へのとろみ対応や温度管理された食事提供が日常的に必要な施設です。水分補給の準備に職員が時間を取られているケースや、食事の再加熱に手がかかっているケースでは、とろみ給茶機・再加熱キャビネットの導入効果が見込めます。社会福祉法人・医療法人いずれも要件を満たせば対象になりえます。
有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅
株式会社が運営する有料老人ホームは、資本金5,000万円以下・従業員数100人以下という要件を満たせば対象です。複数施設を展開している法人では従業員数の合算に注意が必要です。
デイサービス(通所介護)
お茶・水分補給の提供業務は通所施設でも日常的な負担です。とろみ対応の利用者が多い施設ではとろみ給茶機の導入が省力化につながる可能性があります。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
少人数の施設が多く、少ない職員で配膳・食事提供を担っているケースでは、再加熱キャビネットの活用で食事提供の手間を減らせる場面があります。
問い合わせ先
介護業の対象化に関する内容は厚生労働省、補助申請の手続きは中小機構(コールセンター)に問い合わせ先が分かれています。
- 介護業の対象化について
厚生労働省老健局高齢者支援課 介護業務効率化・生産性向上推進室
電話:03-5253-1111(内線3876)
メール:kaigoseisansei@mhlw.go.jp - 補助申請の手続きについて
中小企業省力化投資補助事業 コールセンター
電話:0570-099-660(ナビダイヤル)
03-4335-7595(IP電話等からのお問い合わせ)





