座位保持で重要な筋肉・筋力とは

座位保持に必要な要素とは?座位保持とは座っている姿勢を保つことを意味しますが、病気や加齢に伴い座位姿勢を保持することが困難となり、寝たきりになってしまう場合も少なくはありません。姿勢を保持するためには筋肉が大切なのは間違いではありませんが、座っている姿勢を保持するには、実は筋肉以外にも複数の要因が関与しています。
今回は座位保持に必要な要素やトレーニング、環境整備も含めて理学療法士として解説していきたいと思います。

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座位保持とは

座位保持とは、介護保険の認定調査の項目にもなっているADLの一つとして「背もたれがない状態での座位の状態を 10 分間程度保持できるかどうかの能力」を指す場合や、「臥床状態が長かった方などが椅子や車いすなどで腰掛け座位姿勢で安全にいることができる状態」を指す場合などがあります。詳しくは以下の記事で介護保険の認定調査の項目としての座位保持について紹介しています。

座位保持で重要な筋肉・筋力とは?

座位保持で重要な筋肉・筋力とは

座位姿勢を保つために主に作用する筋肉は体幹の支持性を高める筋肉群で、主には脊柱起立筋(背筋)、腹直筋、腹横筋、内外腹斜筋(腹筋)が挙げられます。
座位姿勢の際には骨盤が後傾位となりやすく、脊柱起立筋が腰椎を前彎させ体幹を正中位(真っ直ぐ)に保つために働きます。
一方の腹筋群は腹腔と呼ばれる横隔膜と腹筋群、骨盤で構成される空間の内圧を高め、体幹の支持性を高めるために働きます。
これら2つの筋群は拮抗筋としても作用しており、どちらか片方の筋力が低下してしまうとバランスが崩れ姿勢に悪影響を与えてしまいます。

また、座位保持というと骨盤は体幹に注目が行きがちですが、実際には頭部も使いバランスをとるため、頸部の筋力も大切とります。

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座位保持に必要な可動域は?

では次に座位保持に必要な関節の可動域について説明していきます。
座位姿勢で注意すべき点は骨盤の傾斜になります。特に骨盤の後傾が強い場合には腰部への負担や場合によっては仙骨座りとなりやすいことがあります。

この骨盤を後傾にしないようにするには、背筋群や腹筋群に加えハムストリングスと呼ばれる股関節周囲筋の可動性が大切になります。
特に加齢に伴い短縮しやすく腰痛や座骨神経痛などの要因にもなるのですが、ご自身で身体を動かせない場合においては非常に短縮しやすい筋肉の為注意が必要です。

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座位保持訓練とは?

座位保持訓練の目的は、正しい姿勢を保ち関節や筋肉に負担なく座って過ごせることを目的としています。長時間座位で過ごす機会が多い場合などでは、不良姿勢は円背や拘縮に繋がり、嚥下機能や呼吸にも影響を及ぼしてしまいます。また正しい座位姿勢を保持することは、立ち上がり動作を円滑に行うためにも必要です。

座位保持訓練の注意点と実際

座位保持には筋力や可動域が大切ということを紹介してきましたが、座位保持訓練としては、リスク管理の上での実践的な座位の訓練が行われます。
筋力や可動域という点はわかりやすいですが、実際に座位が不安定になっているケースとしては、脳血管障害後遺症や、長期期間の臥床後など様々な既往歴を持っています。

筋力や脳機能としての平衡機能障害や循環機能障害・失調症状などにも配慮して計画的に訓練を実施していきます。

座位保持訓練の目標設定とQOL

座位保持訓練と分類すると座る練習のみに着眼してしまい本当の目標を見失ってしまうかもしれません。例え要介護状態になっても、一時的に座っていることができなくなっても、その方の生活を全体的に把握して、アセスメントして、無理なく効果的な計画を立てて座っていられるよう進めていくことが大切です。

また、座っていることと合わせて、座って食事する、座って趣味活動をするなど、目的や価値の高い活動に繋がっていくことがご本人のQOLの向上にもよいことです。

座位保持訓練の効果

適切な座位を保持するためには原因に対するトレーニングや治療が必要となりますが、座位姿勢を長く保持することができれば離床機会を確保できるようになります。
離床機会を確保することは拘縮や褥瘡など寝たきりにより生じやすい症状を予防する事に非常に効果的です。
また視点の高さが変わることにより認知機能に対して刺激が入ることも有用とされています。

座位保持訓練にリハビリメニューの例

座位保持訓練の具体的なリハビリメニューですが、まずは両足の裏を床に接地した状態で体幹をまっすぐに保持できることを目標としていきます。その後足がついていない状態で体幹をまっすぐに保持、それができるようになれば体幹を前後や左右に動かした状態から元の姿勢に戻す訓練を実施していきます。
個別のストレッチや筋力トレーニングなども併用することでより効果的なので、ぜひ評価も含めて一度試してみてはいかがでしょうか。

座位保持装置とは

ではご自身の身体機能で座位姿勢を保持ができない場合にはどのように対応していくのでしょうか?
具体的には座位保持装置と呼ばれる補助装置を活用して良肢位を保持するようにしていきます。
具体的には車椅子やシートクッション、フレームやヘッドレストなど座位保持が困難な場合に生理機能の向上や拘縮の予防や矯正および日常生活動作の改善等を目的にして導入される用具のことを意味します。
座位保持装置の対象となるのは脊髄損傷や脳血管疾患、小児麻痺や寝たきりの方など幅広く対象となっています。

車椅子での座位保持と座位姿勢の注意点

一般的に用いられることが多いのは、車椅子で普通型やリクライニング型の車椅子が使用されますが座位姿勢を保持する際の注意点としては仙骨座りにならない配慮が必要です。
また円背など元々の姿勢変形が強い場合などでは、安楽な姿勢を保持することができず却って拘縮や筋緊張の亢進を強めてしまう場合があるため注意が必要です。

座位保持のクッションの選び方

座位保持クッションの選び方ですが、骨盤が後傾位の場合には前方へ身体がずれやすく仙骨座りや車椅子からの転落へつながるケースも見られます。
そのような場合にはクッションの前方が隆起しているタイプを選択するのも一つの方法です。また座位姿勢においては、圧が分散されているとは限らないため、褥瘡等への注意も必要です。除圧タイプなど利用される方の生活や身体機能へ配慮したクッション選びを心掛けるようにしましょう。

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