
令和6年介護報酬改定において、居宅介護支援費(Ⅱ)の算定要件に「ケアプランデータ連携システム(ケアプー)の利用」が明記されました。他にも同等のシステムがある中で、厚生労働省が強引に後から作ったプラプランデータ連携システムに無理やり統一する流れにはいろいろな批判があったためか、2024年10月頃からケアプランデータ連携システムと同等の機能を有すると確認された場合には居宅介護支援費(Ⅱ)の算定要件を満たす取扱にする方針にし、2025年2月にカナミッククラウドサービスを第1号として認定しました。
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居宅介護支援費の仕組み
居宅介護支援費には、居宅介護支援費(Ⅰ)・居宅介護支援費(Ⅱ)があり、さらに介護支援専門員1人当たりの取扱件数が45件以上の部分については、単位数が低い(ⅱ)(ⅲ)を算定するという「逓減制」の仕組みが取られています。
居宅介護支援費(Ⅱ)の算定要件
居宅介護支援費(Ⅱ)については、以下の場合に算定できることとなっています。
- 公益社団法人国民健康保険中央会が運用及び管理を行う指定居宅介護支援事業者及び指定居宅サービス事業者等の使用に係る電子計算機と接続された居宅サービス計画の情報の共有等のための情報処理システムの利用(ケアプランデータ連携システム)
- 事務職員の配置を行っている
介護支援専門員1人当たりの取扱件数が50件以上である場合、
50件以上60件未満の部分については(ⅱ)
60件以上の部分については(ⅲ) を算定する
居宅介護支援費(Ⅱ)の単位数
| 要介護区分 | 2021年4月改定 | 2024年4月改定 | |
|---|---|---|---|
| 居宅介護支援費(ⅰ) 旧)取扱件数45未満 新)取扱件数50未満 |
要介護1 要介護2 |
1,076単位 | 1,086単位 |
| 要介護3 要介護4 要介護5 |
1,398単位 | 1,411単位 | |
| 居宅介護支援費(ⅱ)
旧)45件以上60件未満の部分 |
要介護1 要介護2 |
522単位 | 527単位 |
| 要介護3 要介護4 要介護5 |
677単位 | 683単位 | |
| 居宅介護支援費(ⅲ)
60件以上の部分 |
要介護1 要介護2 |
313単位 | 316単位 |
| 要介護3 要介護4 要介護5 |
406単位 | 410単位 |
ケアプランデータ連携システムと同等の機能を有すると確認されたシステム一覧
厚生労働省は2025年になり居宅介護支援費に係るシステム評価検討会で居宅介護支援費Ⅱの算定要件対応システムの確認をして認めるかどうかの審査をはじめ、最初はカナミッククラウドサービスだけが認定された状態となりました。2025年10月になり、サービス提供ベンダー向けに、「居宅介護支援費Ⅱの算定要件対応システムの確認申請について」の連絡を出し、2026年1月現在では4つのシステムがケアプランデータ連携システムと同等の機能とセキュリティを有するシステムとして認められた状態です。
審査結果
居宅介護支援費に係るシステム評価検討会における審査の結果、「ケアプランデータ連携システムと同等の機能とセキュリティを有するシステムとして認める」とされたシステムは以下のとおりです。カナミッククラウドサービス(株式会社カナミックネットワーク)
ケアプランデータ連携サービス(株式会社富士通四国インフォテック)
「でん伝虫」データ連携サービス(株式会社コンダクト)
まめネット ケアプラン交換サービス(特定非営利活動法人 しまね医療情報ネットワーク協会)引用:居宅介護支援費に係るシステムの公募について、厚生労働省(2026年1月27日引用)
まとめ
居宅介護支援費(Ⅱ)は、単に件数が多い事業所向けの区分というだけではなく、ICT活用によって業務効率化と情報連携を進めている事業所を評価する仕組みとして位置付けられています。令和6年改定では、ケアプランデータ連携システムの利用が算定要件として明確に示されたことで、ケアマネジメント業務とデータ連携は切り離せないものとなりました。
一方で、現場では既存の業務支援システムを活用している事業所も多く、特定のシステムに一律に統一することへの懸念もありました。その流れを受け、厚生労働省は「ケアプランデータ連携システムと同等の機能・セキュリティを有するシステム」であれば算定要件を満たすという整理を行い、複数の民間システムが認定されています。これにより、事業所は自らの運用や環境に合ったシステムを選択しながら、制度上の要件を満たす道が開かれた形です。
居宅介護支援費(Ⅱ)を算定するためには、件数管理や事務職員配置だけでなく、「情報連携を前提とした業務体制が整っているか」という視点が今後ますます重要になります。制度の要件を正しく理解し、自事業所に合った形で対応していくことが、これからの居宅介護支援事業所運営の鍵と言えるでしょう。

