ケアプランの軽微な変更の判断9例 担当者会議の必要性
 

ケアプランの軽微な変更の具体的なケースを用いて、居宅介護支援事業所のケアマネジャーがサービス担当者会議やケアプランの再作成をすべきかの参考資料です。

介護の支援を行う専門員のケアマネジャーは、いろいろなアセスメントのもとケアプランを作成していますが、日々変わる要介護者の生活に合わせてちょこっとケアプランを変更することがあります。どこまでが「軽微」なのかについて、根拠として参照されることが多い【介護保険最新情報Vol.155 「介護保険制度に係る書類・事務手続きの見直し」に関するご意見への対応について平成22年07月30日)】と【介護保険最新情報Vol.959「居宅介護支援等に係る書類・事務手続や業務負担等の取扱いについて」】を中心にまとめてみました。(あくまでも参考資料です。必ず行政や担当部署に確認してください。当サイトは一切責任を負いません。)

ケアプランの軽微な変更の内容について(ケアプランの作成)

ケアプランの軽微な変更に当たる内容として、以下があります。

  1. サービス提供の曜日変更
  2. サービス提供の回数変更
  3. 利用者の住所変更
  4. 事業所の名称変更
  5. 目標期間の延長
  6. 福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが異なる場合
  7. 目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更
  8. 目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合
  9. 担当介護支援専門員の変更

ケアプランの軽微な変更の場合のサービス担当者会議について

「軽微な変更」に該当するものであれば、例えばサービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではないと示されています。

しかし、例えば、ケアマネジャーがサービス事業所へ周知したほうが良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催することを制限するものではなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定されます。

①サービス提供の曜日変更

利用者の体調不良や家族の都合など臨時的、一時的なもので、単なる曜日、日付の変更のような場合には、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

1.サービス提供の曜日変更
Q10. 利用者や家族の都合により、例えば3ヶ月限定など一時的に曜日を変更した際の対応は「軽微な変更」にあたるのか。
A10. 「軽微な変更」に該当する。対応方法は、居宅介護支援経過(5表)に「軽微な変更」とした理由を記載するとともに、必要に応じて居宅サービス計画書(2表)・週間サービス計画書(3表)・サービス利用票(6表)・サービス利用票別表(7表)を修正すること。
なお、居宅サービス計画書(1表)~(3表)の内容は変更しないが、利用者や家族の都合等により緊急に曜日を振り替えた場合などは、担当者と連絡を取り、居宅介護支援経過(5表)に曜日を振り替えた理由を記載するとともに、予定と実績の整合が図られていることを確認し、適切に給付管理を行うこと。(サービス利用票(6表)・サービス利用票別表(7表)を担当者に交付する必要はない。)

②サービス提供の回数変更

同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減のような場合には、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

③利用者の住所変更

利用者の住所変更については、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

④事業所の名称変更

単なる事業所の名称変更には、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

⑤目標期間の延長

単なる目標期間の延長を行なう場合(ケアプラン上の目標設定(課題や期間)を変更する必要性が無く、単に目標設定期間を延長する場合など)については、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

⑥福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが異なる場合

福祉用具の同一種目における機能の変化を伴わない用具の変更については、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

⑦目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更

目標もサービスも変わらない(利用者の状況以外の原因による)単なる事業所変更については、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

事業所変更について札幌市のQ&A

平成28年4月から地域密着型通所介護が新たに加わった対応として、目標が変わらず、利用者の状況以外の原因による「単なる事業所の変更」を行った結果、通所介護から地域密着型通所介護に変更となる場合に限り、軽微な変更として取り扱うことができるものとします(地域密着型通所介護から通所介護に変更となる場合も同様)。

⑧目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合

第一表の総合的な援助の方針や第二表の生活全般の解決すべき課題、目標、サービス種別等が変わらない範囲で、目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合には、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合

Q38. 通所介護で個別機能訓練しか行っておらず、入浴は実施していない方から、新たに「可能であるなら入浴もしたい」という希望が出たため、サービス内容を変更し、入浴を追加しようと考えている。既存の居宅サービス計画の内容から考えて、課題や目標を変更するほどの影響はないと判断できる場合は「軽微な変更」にあたるのか。

A38. 利用者の希望によるもので、変更するサービス内容が本体サービスに付帯するものと考えられる場合には、「軽微な変更」に該当すると考えられる。例えば、質問のように通所介護で入浴を追加する場合、入浴設備を有している通所介護事業所であれば、入浴介助は、通所介護事業所が提供する必要な日常生活上の世話のうち、基本的に提供されるサービスの1つであると考えられるため、居宅サービス計画書(2表)に「入浴介助」と追加をするなどして利用者の希望による「軽微な変更」として取り扱って差し支えない。
ただし、利用者の状況等から優先すべき新たな解決すべき課題として「衛生管理」や「清潔の保持」などがあると判断し、課題解決のために、入浴介助を追加して提供する場合は、「軽微な変更」として取り扱うのではなく、再度、一連の手順を行い居宅サービス計画を変更することが妥当と考える。

⑨担当介護支援専門員の変更

契約している居宅介護支援事業所における担当介護支援専門員の変更(但し、新しい担当者が利用者はじめ各サービス担当者と面識を有していること。)のような場合には、「軽微な変更」に該当するものがあると考えられる。

ケアプランの軽微な変更の際の修正方法・同意・記録手順

「単に目標期間の延長」としてよいかどうかは、目標期間満了後に計画の評価を行い、目標が達成できなかったにもかかわらず、目標を変更せず期間のみを延長する判断をした理由を記録しておく必要があります。

  1. 計画期間満了後に短期目標についての評価を行います。
  2. 期間のみの延長を判断した場合、第 2 表「居宅サービス計画書」の短期目標の有効期間と個別サービスの期間を見え消しで訂正し、新たに設定した有効期間を追記し、利用者または家族に説明して同意を得たうえで、余白部分等に同意をいただきます。
  3. サービス担当者への連絡し、個別援助計画の再作成を依頼します。
  4. 第 5 表「居宅介護支援経過」に、目標を変更せず期間のみを延長する判断をした理由、利用者または家族に説明した旨を記録します。

ケアプランの軽微な変更の場合のサービス担当者会議開催の必要性

ケアプランの内容に変更がある場合には、原則サービス担当者会議の開催が必要。
ケアプランの軽微な変更についてはサービス担当者会議は実施の必要はないが、実施をしてもよく、もし実施しない場合は照会などでサービス事業者から意見を求めるなどを行う。

サービス利用回数の増減によるサービス担当者会議の必要性

単なるサービス利用回数の増減(同一事業所における週1回程度のサービス利用回数の増減など)については、「軽微な変更」に該当する場合もあるものと考えられ、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
しかしながら、例えばケアマネジャーサービス事業所へ周知した方が良いと判断されるような場合などについて、サービス担当者会議を開催する事を制限するものでなく、その開催にあたっては、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。

ケアプランの軽微な変更に関するサービス担当者会議の全事業所招集の必要性

ケアプランの「軽微な変更」に該当するものであれば、サービス担当者会議の開催など、必ずしも実施しなければならないものではない。
ただし、サービス担当者会議を開催する必要がある場合には、必ずしもケアプランに関わるすべての事業所を招集する必要はなく、基準の解釈通知に定めているように、やむを得ない理由がある場合として照会等により意見を求めることが想定される。

ここで、上記に記載した事を簡単にまとめます。
ケアプランの変更は、原則①~⑨であれば、「軽微な変更」として認めるという事。

「軽微な変更」として認められたという事は、

老企第29号
(居宅サービス計画書記載要領)
本様式は、当初の介護サービス計画原案を作成する際に記載し、その後、介護サービス計画の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。

に該当します。

変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記→同一用紙に継続して記載することができるということです。作り変えないで追記の形も許容できるようです。

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