要介護状態の利用者の食事の場面を見ると、食事をするのには不適切な姿勢で覚醒も悪く飲み込みも良くない状態となっているシーンを目にすることがあります。介護の場面で食事について考える時には食形態や口腔機能などの観点で誤嚥の予防を考えがちになりますが、食事の時こそポジショニング・姿勢調整が重要です。この記事では食事の際の基本姿勢とポジショニングの種類、どのような調整をするとどのような効果が期待できるのかなどをまとめていきます。
このページの目次
食事の際の基本姿勢
食事を食べる際の基本的な姿勢は座位です。椅子に座って食事をとる場合と、床に座って食事をとる場合があります。
病院や介護施設、在宅介護の現場などの場合には状態に応じてベッド上や車椅子上で食べる事を余儀なくされることもあります。
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ポジショニングの定義
ポジショニングについての定義は以下のように示されています。
日本看護技術学会では「対象者の状態に合わせた体位や姿勢(ポジション)の工夫や完了すること」と定義されています。
摂食・嚥下リハビリテーション分野では「摂食・嚥下障害患者の代償介入法」と整理されています。
看護介入分類では「生理的安寧・心理的安寧を促進するために、患者又は身体部分を熟考のうえ位置付けること」と定義されています。
食事をする時のポジショニングは栄養状態や全身状態、生活の質を左右するとても重要なポイントになります。
ポジショニングの意味についてまとめると、「ポジショニングとは、自分で食事が安全に出来なくなった人に対して適切な姿勢調整を行い、食事の自立や誤嚥の予防をを流して豊かな食生活につなげていくこと」とまとめられるのではないでしょうか。
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ポジショニングの必要性
ポジショニングは食事ができなくなった人に対して姿勢の調整をすることで食生活の向上につなげていくことが目的・意味合いになるということを述べましたが、もしポジショニングという概念なしに、その利用者のありのままの姿勢で食事が口に運ばれる状態だった場合には、口腔から咽頭への食べ物の流れが乱れることや、摂食嚥下機能の低下を招き誤嚥性肺炎を起こす要因となります。このようなことを防ぐためにポジショニングが必要です。
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ポジショニング時の体幹角度
ポジショニングを行う際には材で姿勢を調整していくこともありますが、座位が不安定な場合などには臥位やリクライニング位で調整を行います。
リクライニング位でギャッジアップ30°では、自分で食事の目視をすることが難しいため、基本的には食事介助を行うことが前提の姿勢となります。
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食事の際のポジショニングの分類
食事の際のポジショニングは、大きく分けると3つで、ポジショニングがあります頸部を屈曲姿勢に保つポジショニング、気道と食道の位置関係から誤嚥を防ぐリクライニング姿勢、基本的な食事の姿勢である座位姿勢を保持するためのポジショニングがあります。
頚部を屈曲姿勢に保つポジショニング
頭頸部を屈曲させた状態は、嚥下反射が起きやすくなるメリットがあります。頭頸部が屈曲していることで、頸部の前面の筋群がゆるみ、飲み込みの際に咽頭が持ち上がりやすくなります。頸部が伸展していると、気道に食べ物が入り込み誤嚥を起こしやすい位置関係になりますが、そのようなリスクを下げることができます。
気道と食道の位置関係から誤嚥を防ぐリクライニング姿勢
リクライニング姿勢の場合にも、気道と食道の位置関係で気道が上にあり、食道が下になるので気管に食べ物が入り込む誤嚥を防ぐ効果があります。
基本的な食事の姿勢である座位姿勢を保持するためのポジショニング
基本的な食事の姿勢である西姿勢を保持するようにポジショニングした場合、嚥下のための筋肉がより働きやすい安定した状態になります。長期臥床により座位姿勢を保つための筋力が低下している場合は、麻痺により座位姿勢を保つ機能が低下している場合など原因は様々です。
高齢者に多い仙骨座り姿勢 だと誤嚥をする可能性が高くなります。人の体の特性によって対応は若干変わりますが、基本的には仙骨座りを避けられるように姿勢調整することが望ましいかと思います。
リクライニング姿勢などの本来の食事の姿勢と違う形で食事をとる時と比べると、食べ物を視認でき、食欲も湧きやすいです。また他の姿勢は逆流を起こしやすいのに対し基本的な食事の姿勢である材質を保持するようにポジショニングした場合には逆流を起こしにくい点もメリットとなります。
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食事だけでなく水分摂取や口腔ケアでもポジショニングを
安定して姿勢が保持できない人や、嚥下がうまくいかない人に対してポジショニングが重要です。
食事の時のポジショニングが注目されやすいですが、同じように水分を摂取するときや口腔ケアを行うときも唾液や水分の誤嚥リスクがあるので適切なポジショニングをすることを心がけましょう。
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