視覚障害の等級|1級〜6級の基準と障害者手帳の申請方法

視覚障害の身体障害者手帳は1級から6級まであり、「視力」と「視野」という2つの基準のどちらかに当てはまれば対象になります。身体障害者と聞くと「手や足などの肢体不自由の状態でないと認定されないのでは?」というイメージを持っている人も多いと思いますが、視覚障害の場合の身体障害者手帳の認定の等級も設定されています。
視力が0.5くらい出ていても、視野が狭ければ手帳の対象になることがあります。逆に片方の目が見えなくても、もう片方の矯正視力が良好な場合は、視力の基準では対象外となることがあります。
この記事では、視覚障害の場合の身体障害者手帳の等級ごとの基準と目安、申請の流れ、等級によって変わること、そして混同されやすい障害年金や介護保険との関係を整理します。
視覚障害の認定基準は平成30年7月1日に改正されています。それ以前の解説記事や書籍には「両眼の視力の和」で判定すると書かれていますが、現在は違う計算方法です。古い情報で自己判断しないようご注意ください。
視覚障害の等級は「視力」と「視野」で決まる
視覚障害の等級を決める基準は2系統あります。
この2つは別々に判定され、どちらか一方に当てはまれば等級がつきます。両方に当てはまる必要はありません。なお、視力障害と視野障害の両方が等級表に該当する場合は、障害が重複する場合の取扱いにより、上位の等級に認定されることがあります。視力検査の結果だけを見て「自分は対象外だ」と判断してしまう方がいますが、緑内障や網膜色素変性症のように視野から欠けていく疾患では、視力が保たれているうちに視野の基準で該当することがあります。
平成30年7月1日の改正で変わったこと
厚生労働省の通知(平成30年4月27日 障発0427第2号)により、視覚障害の認定基準が改正され、同年7月1日から適用されています。変更点は次の3つです。
| 項目 | 改正前(平成30年6月まで) | 改正後(平成30年7月から) |
|---|---|---|
| 視力の判定 | 両眼の視力の「和」で判定。たとえば一方0.04・他方0.08なら和は0.12で4級 | 良い方の眼の視力と他方の眼の視力の組み合わせで判定 |
| 視野の測定機器 | ゴールドマン型視野計が基本 | ゴールドマン型視野計に加え、自動視野計でも認定可能 |
| 視野の指標 | 「視能率」「損失率」で算定 | 視能率・損失率は廃止。視野角度と視認点数を用いる |
視力の判定方法が変わったのが大きな点です。和で計算していた時代は、片方の目が極端に悪いと等級が上がりやすい仕組みでしたが、現在は良い方の眼を基準に見ます。
自動視野計が使えるようになったのは、実務上とても大きな変更です。ゴールドマン型視野計は検査者が手で動かす機器で、置いていない眼科も増えていました。現在普及している自動視野計で認定できるようになったため、以前は「測る機械がないので判定できない」と言われた方も、改めて相談する価値があります。
なお、平成30年6月30日までに診断書・意見書が作成されていた場合は、従前の取扱いとされました。すでに手帳をお持ちの方の等級が自動的に変わったわけではありません。
視覚障害の等級の目安|1級から6級
視覚障害に7級はありません。1級から6級までです。
| 等級 | 視力による基準(良い方の眼) | 視野による基準 |
|---|---|---|
| 1級 | 0.01以下 | (視力のみ) |
| 2級 | 0.02〜0.03/0.04かつ他方が手動弁以下 | 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度28度以下/両眼開放視認点数70点以下かつ両眼中心視野視認点数20点以下 |
| 3級 | 0.04〜0.07(2級の2に該当するものを除く)/0.08かつ他方が手動弁以下 | 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下かつ両眼中心視野角度56度以下/両眼開放視認点数70点以下かつ両眼中心視野視認点数40点以下 |
| 4級 | 0.08〜0.1(3級の2に該当するものを除く) | 周辺視野角度の総和が左右眼それぞれ80度以下/両眼開放視認点数70点以下 |
| 5級 | 0.2かつ他方が0.02以下 | 両眼による視野の2分の1以上が欠けている/両眼中心視野角度56度以下/両眼開放視認点数70点超100点以下/両眼中心視野視認点数40点以下 |
| 6級 | 0.3〜0.6かつ他方が0.02以下 | (視力のみ) |
条文の正確な文言は、身体障害者福祉法施行規則の別表第5号に定められています。この記事は視覚障害に絞って基準の読み方と申請を扱い、全障害種別の条文そのものは別の記事にまとめています。条文をそのまま確認したい方はこちらをご覧ください。



等級と「どんな見え方か」は、一対一で対応しません。同じ4級でも、視力で該当した方と視野で該当した方では、見えている世界がまったく違います。数値は制度上の線引きであって、生活のしづらさの大きさを表すものではありません。
視力による判定|矯正視力で見る
判定に使うのは矯正視力です。屈折異常がある方は、最も適正なレンズを選んだうえでの視力で判定します。つまりメガネやコンタクトレンズをかけた状態の視力が基準になります。裸眼視力が0.01でも、メガネで1.0まで出る場合は、視力の基準には該当しません。ただし、視野の基準で該当する場合があります。ここは問い合わせの多い点です。
細かい取扱いもあります。眼内レンズを入れた眼は裸眼と同等に扱い、屈折異常があれば適正に矯正した視力を採用します。一方、矯正できないものや、医学的にみて矯正に耐えないものは裸眼視力で判定します。
視力は左右の眼を別々に測り、良い方の眼の視力と、他方の眼の視力の2つの数字の組み合わせで等級表に当てはめます。6級の「0.3以上0.6以下かつ他方が0.02以下」のように、2つの条件がセットになっている等級もあります。
視力が0.01より低い場合は、次のように表現されます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 指数弁 | 目の前に出された指の本数がわかる |
| 手動弁 | 目の前で手が動いているのがわかる |
| 光覚弁(明暗弁) | 明るいか暗いかだけがわかる |
| 全盲(視力0) | 光も感じない |
複視で両眼を同時に使えない場合の取扱い
認定基準には、見落とされやすい規定があります。両眼を同時に使えない複視の場合は、非優位眼の視力を0として扱うというものです。
基準で挙げられている例はこうです。両眼とも視力が0.6で、眼筋麻痺によって複視が起きていて、日常生活で片眼を遮らなければならない状態。この場合、一眼の視力を0とみなして6級となります。
ただし、顕性の眼位ずれがあっても両眼複視を自覚しない場合は該当しません。「斜視があるから対象になる」という話ではないのでご注意ください。
視野による判定|2つの測り方
視野の判定は、使う機器によって見る指標が変わります。どちらで測っても構いません。
| 機器 | 測るもの | 使う指標 |
|---|---|---|
| ゴールドマン型視野計 | I/4視標で周辺視野、I/2視標で中心視野 | 周辺視野角度の総和(8方向)、両眼中心視野角度 |
| 自動視野計 | 両眼開放エスターマンテスト(120点)、10-2プログラム(中心10度内を2度間隔で68点) | 両眼開放視認点数、両眼中心視野視認点数 |
注意したいのは、この2つは混ぜられないという点です。視野の判定はどちらか一方の機器で行うこととされており、ゴールドマン型と自動視野計の測定結果を混在させて判定することはできません。自動視野計で信頼性のある測定が難しい場合は、ゴールドマン型視野計で評価することになっています。
ゴールドマン型視野計では、上・内上・内・内下・下・外下・外・外上の8方向の角度を測り、その総和を見ます。この総和が左右眼それぞれ80度以下であれば、それだけで4級に該当します。
両眼中心視野角度は、左右の眼で中心視野角度の総和を求めたうえで、次の式で計算します。
両眼中心視野角度 =(3 × 総和が大きい方の眼の総和 + 総和が小さい方の眼の総和)÷ 4
良い方の眼に3倍の重みをかける計算です。良く見えている側の状態が結果に強く反映されます。
自動視野計の場合は、視標サイズIIIによる両眼開放エスターマンテストで両眼開放視認点数が70点以下かどうかを見ます。これだけで4級に該当します。70点を超えて100点以下なら5級です。中心視野視認点数は、10-2プログラムで感度26dB以上の検査点数を数えて算出します。
「両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの」(5級)は、両眼で一点を見つめて測った視野が、生理的限界の面積の2分の1以上欠けている状態です。自動視野計の場合は、両眼開放エスターマンテストで視認点数が100点以下であることで判定します。
視力が出ていても4級になりうる
等級表を見ると、4級には3つの該当パターンがあります。
4級の2と4級の3には、視力の条件が一切ありません。視力が1.0出ていても、視野が狭ければ4級になります。緑内障が進行している方、網膜色素変性症の方、脳血管障害で半盲が残った方などが当てはまることがあります。
この「4級の1か、2・3か」という区別は、あとで出てくるJRの運賃割引の種別に直結します。同じ4級でも受けられる割引が違います。
疾患によって、視力と視野のどちらで該当しやすいかが違う
自分がどちらの基準を見てもらうべきかは、原因となっている疾患によっておおよその傾向があります。眼科での検査の受け方が変わってくるので、整理しておきます。
| 疾患 | 見えにくさの出方 | 該当しやすい基準 |
|---|---|---|
| 緑内障 | 周辺から視野が欠けていく。中心が残るため視力は保たれやすい | 視野 |
| 網膜色素変性症 | 暗いところで見えにくい状態から始まり、視野が狭くなっていく | 視野(進行すると視力も) |
| 脳血管障害による半盲 | 左右どちらかの半分が見えない | 視野 |
| 加齢黄斑変性 | 中心がゆがむ、かすむ。周辺は残る | 視力 |
| 糖尿病網膜症 | 出血や浮腫の場所によって異なる | 視力・視野のいずれも |
| 角膜の疾患 | 全体にかすむ、まぶしい | 視力 |
| 視神経の障害 | かすむ、暗く感じる。視野が欠けることもある | 視力・視野。疾患や障害部位による |
この表は傾向を示したもので、実際の見え方や進行の度合いは一人ひとり違います。視野が欠けていく疾患では、本人が自覚しないうちに相当に狭くなっていることがあります。片方の目が補ってくれるため、両目で見ているあいだは気づきにくいのです。
緑内障や網膜色素変性症で通院している方は、視力の数値だけでなく視野検査の結果も確認してください。視野の記録が残っていれば、認定の判断材料になります。
等級によって何が変わるのか
手帳を取ると受けられるものは多岐にわたりますが、すべてが等級で決まるわけではありません。等級で決まるもの、等級とは別の判定で決まるものを分けて押さえておくと混乱しません。
1級・2級は税制上の「特別障害者」になる
所得税・住民税の障害者控除は、手帳1級・2級が「特別障害者」、3級から6級が「障害者」という区分です。控除額が変わります。
| 区分 | 対象 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|---|
| 障害者 | 3級〜6級 | 27万円 | 26万円 |
| 特別障害者 | 1級・2級 | 40万円 | 30万円 |
| 同居特別障害者 | 特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族が、納税者またはその配偶者・生計を一にする親族と常に同居している場合 | 75万円 | 53万円 |
同居特別障害者の75万円・53万円は、扶養している側が受ける控除です。本人が家族と同居しているというだけで、本人の控除額が75万円になるわけではありません。
判定の時点は、所得税がその年の12月31日、住民税が前年の12月31日の現況です。手帳がまだ交付されていなくても、適用を受けられる場合があります。所得税では、申告書等を提出する時点で手帳の交付を申請中であるか、交付を受けるための医師の診断書を持っていて、かつ判定時点で明らかに交付を受けられる程度の障害があると認められる場合は、障害者控除の対象になります(国税庁タックスアンサーNo.1186)。申請が年をまたぎそうな場合は、税務署に相談してみてください。
JRの運賃割引は「第1種・第2種」で分かれる
ここが視覚障害でとくに分かりにくいところです。JRの割引は等級そのものではなく、第1種と第2種という区分で決まります。視覚障害の区分は次のとおりです。
| 区分 | 視覚障害で該当する等級 |
|---|---|
| 第1種身体障害者 | 1級・2級・3級、および4級の1(視力の良い方の眼の視力が0.08以上0.1以下のもの) |
| 第2種身体障害者 | 4級の2・4級の3、5級、6級 |
つまり同じ4級でも、視力で認定された方は第1種、視野で認定された方は第2種になります。
この違いは実際の使い勝手に直結します。
| 乗車券の種類 | 第1種 | 第2種 |
|---|---|---|
| 普通乗車券 | 単独でも介護者とともにでも割引(本人が単独の場合は営業キロ100km超の区間に限る) | 単独で乗車する場合に割引(営業キロ100km超の区間に限る) |
| 定期乗車券 | 介護者とともに乗車する場合に割引 | 12才未満の方が介護者とともに乗車する場合に、同行する介護者の定期券が割引(本人の小児定期旅客運賃は割引対象外) |
| 普通回数乗車券・普通急行券 | 介護者とともに乗車する場合に割引 | 対象外 |
割引率は5割です。ただし小児の定期旅客運賃は割引の対象外とされています。第1種は介護者1人も同じ割引を受けられるのが大きな違いで、付き添いの方がいる前提の移動では負担が変わってきます。介護者は身体障害者1人に対して1人までです。
自分がどちらに該当するかは、手帳の「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」欄の記載で判別します。手帳を開いてこの欄を確認してください。1種か2種が書かれています。
バス、私鉄、航空、タクシー、有料道路、NHK受信料などの割引や減免は、それぞれ独自の基準で運用されています。JRの第1種・第2種がそのまま適用されるわけではありません。利用する事業者の案内で確認してください。
等級を問わず対象になるものもある
「等級が低いから何も使えない」と思われがちですが、等級に関係なく対象になるものもあります。代表的なのがNHKの放送受信料です。
視覚障害で身体障害者手帳を持っている方が世帯主で受信契約者であれば、等級を問わず受信料が半額免除になります。6級でも対象です。また、手帳を持つ方が世帯にいて世帯構成員全員が住民税非課税であれば、全額免除になります。
申請は、市区町村の窓口で証明を受けてからNHKに申請書を提出する流れが一般的です。手続きの窓口や必要書類は自治体によって異なるので、障害福祉担当課で確認してください。
そのほか、公共施設の入場料減免なども、等級ではなく手帳の所持で判断されることが多い項目です。自治体独自の制度もあるため、交付のときに案内一式を受け取っておくと取りこぼしが減ります。
なお、点字郵便物や特定録音物等郵便物の郵送料については、手帳の所持そのものではなく、内容物の種類や、日本郵便が指定した施設との発受であることなどの要件によって扱いが決まります。手帳があれば録音図書を一律に無料で送れる、というものではありません。利用を考えている方は、日本郵便の案内と、送付先の施設が指定を受けているかを確認してください。
等級とは別の判定で決まるもの
混同が多いのがこの3つです。いずれも手帳の等級では決まりません。
| 制度 | 何で決まるか |
|---|---|
| 同行援護(外出の支援) | 同行援護アセスメント調査票による判定。障害支援区分の認定は不要 |
| 障害年金 | 国民年金・厚生年金の障害等級。手帳の等級とは別の基準・別の制度 |
| 介護保険サービス | 要介護認定。65歳以上(または特定疾病に該当する40歳以上)が対象 |
とくに障害年金は、手帳の等級をそのまま読み替えることはできません。手帳と障害年金は別の制度で、別々に申請し、別々に審査されます。年金では、障害の程度に加えて、初診日や保険料の納付状況などの要件も確認されます。詳しくは年金事務所にご相談ください。
補装具や日常生活用具の給付は、品目ごとに対象となる障害の程度が定められています。日常生活用具は市区町村の事業なので、品目や基準額に地域差があります。
身体障害者手帳の申請の流れ
申請の窓口は、お住まいの市区町村の障害福祉担当課です。順番を間違えると二度手間になるので、流れを確認しておいてください。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1 | 市区町村の障害福祉担当課で申請書と診断書・意見書の様式を受け取る。指定医の一覧もここで確認できる |
| 2 | 指定医を受診し、受け取った様式に診断書・意見書を書いてもらう |
| 3 | 診断書・意見書、申請書、写真、マイナンバーのわかるものを窓口に提出 |
| 4 | 都道府県等で審査。判定が難しい場合は審査会にかかる |
| 5 | 手帳が交付される。おおむね1か月から2か月程度かかることが多い |
診断書は「指定医」でなければ書けない
手帳の診断書・意見書を作成できるのは、身体障害者福祉法第15条に基づいて都道府県知事などが指定した医師(指定医)に限られます。眼科医であれば誰でも書けるわけではありません。
かかりつけの眼科医が指定医でない場合は、指定医のいる医療機関を紹介してもらう必要があります。先に様式をもらって窓口で指定医の一覧を確認しておくと、通院の無駄が減ります。
診断書の作成には費用がかかります。自治体が助成している場合もあるので、申請の時点で窓口に確認しておいてください。
いつ申請できるか
手帳は、障害の状態がある程度固定したと判断された段階で交付されます。手術直後や急性期で、今後の見通しが立たない時期には認定が難しいことがあります。
ただし「完全に治療が終わるまで待つ必要はありません」。進行性の疾患であっても、その時点の状態で基準に該当すれば認定されます。進行が見込まれる場合は、あとで等級変更を申請できます。いつ申請できるかの判断は指定医が行うので、受診時に相談してください。
等級が変わったとき・再認定
視覚障害は進行することがあるため、手帳を取ったあとの手続きも押さえておきたいところです。
| 場面 | 手続き |
|---|---|
| 障害が重くなった | 等級変更の申請。あらためて指定医の診断書・意見書が必要 |
| 再認定の指定がある | 交付時に再認定の時期が指定されている場合、その時期に再度診断を受ける |
| 別の障害が加わった | 障害追加の申請。複数の障害がある場合は合計で等級が決まることがある |
| 氏名・住所が変わった | 記載事項変更の届出 |
| 手帳をなくした | 再交付の申請 |
等級が上がると、障害者控除の区分やJRの種別が変わることがあります。見えにくさが増したと感じたら、まず眼科で検査を受けてください。
手帳制度そのもののしくみ(他の障害種別の対象、交付後の変更、取得のメリットとデメリット、特別障害者手当など)は、視覚障害に限らない全般の記事で扱っています。

視覚障害で手帳を持っている人は何人いるか
厚生労働省の「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」(令和4年12月1日現在、令和6年5月31日公表)によると、在宅の身体障害者手帳所持者は推計4,159千人で、障害種別の内訳は次のとおりです。
| 障害種別 | 令和4年 | 平成28年 |
|---|---|---|
| 視覚障害 | 273千人(6.6%) | 312千人(7.3%) |
| 聴覚・言語障害 | 379千人(9.1%) | 341千人(8.0%) |
| 肢体不自由 | 1,581千人(38.0%) | 1,931千人(45.0%) |
| 内部障害 | 1,365千人(32.8%) | 1,241千人(28.9%) |
| 不詳 | 562千人(13.5%) | 462千人(10.8%) |
| 総数 | 4,159千人 | 4,287千人 |
視覚障害は前回調査から39千人減っています。ただしこれは視覚障害のある方が減ったことを意味するとは限りません。この調査は在宅の方を対象とした訪問調査による推計値で、不詳が13.5%に増えていることも割合に影響します。
同じ調査では、心身の状態についての設問で「眼鏡を使用しても見えにくいといった苦労」があると答えた人が38.7%(多少苦労する30.2%、とても苦労する6.4%、全く出来ない2.1%)にのぼります。ただしこの分母は、在宅の障害児・者等を対象とした調査の回答者です。視覚障害以外の障害や難病のある方も含まれるため、一般人口における見えにくさの割合や、手帳の対象外である方の割合を示すものではありません。
身体障害者手帳以外にも視覚障害の生活の捉え方・手段は様々
この記事を読んでいる方は、視覚障害があって身体障害者手帳を取得するとどのようなメリットがあるのかや、どんな認定を受けられるのかといったことを調べておられたと思います。身体障害者手帳の等級を認定されることによるメリットも多々ありますが、そこに固執しすぎず、幅広い情報収集が役立つと思います。視覚障害の支援や生活上の困りごとやそれを助ける道具、視覚障害者への支援の制度なども様々あります。



視覚障害の等級についてよくある質問
視力だけで見ると、良い方の眼が0.3以上0.6以下で、かつ他方の眼が0.02以下であれば6級に該当します。他方の眼も見えている場合は、視力では対象外です。ただし視野が狭ければ、視野の基準で4級や5級に該当することがあります。視野検査を受けていなければ、眼科で相談してみてください。
もう片方の眼の視力次第です。6級の基準は「良い方の眼が0.3以上0.6以下かつ他方が0.02以下」なので、残った眼の矯正視力が0.6以下であれば該当する可能性があります。残った眼が0.7以上であれば、視力では対象外です。視野に欠けがある場合は、視野の基準で該当することもあります。
矯正視力です。屈折異常がある方は、最も適正なレンズを選んだうえでの視力で判定します。メガネやコンタクトレンズで視力が出る場合は、その数値が基準になります。
違います。身体障害者手帳の等級と、障害年金の障害等級は別の制度の別の基準です。それぞれ別に申請し、別に審査されます。手帳の等級がそのまま年金の等級になることはないので、年金については年金事務所や市区町村の年金担当窓口にご相談ください。
介護保険は年齢(原則65歳以上)と要介護認定で決まる制度で、手帳の等級とは無関係です。要介護認定を受ければ介護保険サービスを利用できます。65歳未満の方は障害福祉サービスが中心になります。両方の対象になる場合、内容が重なるサービスは介護保険が優先されますが、同行援護のように障害福祉にしかないサービスは併せて利用できます。詳しくは市区町村の窓口でご確認ください。
平成30年6月以前に判断された場合は、相談し直す価値があります。視力の判定方法が変わり、視野は自動視野計でも認定できるようになりました。とくに「視野を測る機械がないので判定できない」と言われた経験がある方は、現在普及している自動視野計で認定可能です。
手帳を持っていること自体が、勤務先や周囲に自動的に知られる仕組みはありません。心理的な抵抗を感じる方はいますが、制度上の不利益は基本的にありません。診断書の費用がかかる点と、申請の手間がかかる点が実務上の負担です。使える制度を知るためにも、まず窓口で話を聞いてみることをおすすめします。
まとめ
視覚障害の等級は、視力と視野のどちらか一方に当てはまれば認定されます。視力検査の結果だけで諦めないことが、この記事でいちばんお伝えしたい点です。視野の基準には視力の条件がないものがあり、視力が1.0出ていても4級になることがあります。
判定方法は平成30年7月1日に変わりました。視力は良い方の眼を基準に見るようになり、視野は自動視野計でも認定できるようになっています。それより前に判断された方は、改めて眼科で相談してみてください。
そして、等級で決まるものと決まらないものを分けて考えてください。障害者控除とJRの運賃割引は等級で変わりますが、同行援護、障害年金、介護保険は別の判定です。等級が低いからといって、使える制度がないわけではありません。まずは市区町村の障害福祉担当課で、申請書と診断書の様式、そして指定医の一覧を受け取るところから始めるのが確実です。
参考資料

