精神障害者保健福祉手帳とは 対象・等級(1級2級3級の違い)・メリット・デメリット

精神障害者保健福祉手帳とは 対象・等級(1級2級3級の違い)・メリット・デメリット
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精神障害者保健福祉手帳の対象や等級(1級・2級・3級の違い)、身体障害者手帳との違い、メリットやデメリットなどについて紹介します。精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。発達障害の場合や、障害年金・手当、2025年4月から始まったJR・新幹線の運賃割引、タクシー割引などについてもあわせて解説します。

身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の違い

身体障害者手帳とは、身体の機能に障害があると認められた方に交付される手帳で、精神障害者保健福祉手帳は一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種の手帳を総称した一般的な呼称です。

身体障害者手帳について詳しくは身体障害者手帳とは 等級や対象、メリット・申請方法、知的障害のある方が対象となる療育手帳について詳しくは療育手帳(愛の手帳・緑の手帳)とはをご参照ください。

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精神障害者保健福祉手帳の対象の障害

精神障害者保健福祉手帳の対象は、何らかの精神障害により、長期にわたり日常生活や社会生活への制約がある方となっています。手帳を受けるためには、その精神障害による初診日から6か月以上経過していることが必要になります。

対象となるのは全ての精神障害で、例としては次のようなものが含まれます。

  • 統合失調症
  • うつ病、そううつ病などの気分障害
  • てんかん
  • 薬物依存症
  • 高次脳機能障害
  • 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
  • そのほかの精神疾患(ストレス関連障害等)

発達障害の場合も対象になる

発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD(注意欠如・多動症)、学習障害など)も、精神障害者保健福祉手帳の対象に含まれます。発達障害のある方の場合、知的障害を伴うときは療育手帳の対象にもなりますが、知的障害を伴わない発達障害の方は、この精神障害者保健福祉手帳が対象となります。発達障害と診断され、初診日から6か月以上が経過していれば、申請が可能です。発達障害により日常生活や就労に困難を抱えている方にとって、各種支援を受けるための大切な証明になります。

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精神障害者保健福祉手帳の等級 1級・2級・3級の違い

精神障害者保健福祉手帳の等級は、1級から3級まであります。数字が小さいほど障害の程度が重く、受けられる支援も手厚くなる傾向があります。それぞれの級の認定基準は以下の通りです。

等級状態(認定基準)
1級精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

1級の状態の目安

1級は、日常生活において他者の援助がなければ生活が成り立たない程度の状態が目安です。入院や在宅を問わず、食事・身辺の清潔保持・金銭管理・通院など、生活のほとんどの場面で常時援助を必要とするような状態が想定されています。3つの等級の中で最も障害の程度が重い区分です。

2級の状態の目安

2級は、必ずしも他者の援助を常に必要とするわけではないものの、日常生活に著しい制限がある状態が目安です。日常生活や社会生活において、状況によっては援助が必要で、単身での生活や就労が難しい、あるいは大きな困難を伴うような状態が想定されています。精神障害者保健福祉手帳の中では、この2級が比較的多い区分とされています。

3級の状態の目安

3級は、日常生活や社会生活に一定の制限はあるものの、3つの等級の中では障害の程度が比較的軽い区分です。日常生活はおおむね自分で送れるものの、ストレスのかかる状況や対人関係、就労の場面などで困難が生じることがあるような状態が目安です。配慮を受けながら働いている方なども含まれます。

等級は、申請時に提出する医師の診断書(または障害年金証書の写し)をもとに、各都道府県・指定都市の判定機関が認定します。同じ病名でも、日常生活や社会生活にどの程度の支障があるかによって等級が変わります。

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精神障害者保健福祉手帳を取得するメリット

精神障害者保健福祉手帳を取得し提示すると、福祉の観点からさまざまなサービスや支援を受けることができます。サービスには、全国どこでも一律に受けられるものと、お住まいの自治体や事業者によって内容が異なるものがあります。

全国一律に行われているサービス

  • NHK受信料の減免
  • 税金の控除・減免
  • 所得税、住民税の控除
  • 相続税の控除
  • 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)
  • 生活福祉資金の貸付
  • 障害者職場適応訓練の実施

地域・事業者により行われることがあるサービスや割引

  • 公共料金等の割引
  • 鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
  • 携帯電話料金の割引
  • 上下水道料金の割引
  • 心身障害者医療費助成
  • 公共施設の入場料等の割引
  • 手当の支給など
  • 福祉手当
  • 通所交通費の助成
  • 軽自動車税の減免
  • 公営住宅の優先入居

ディズニーリゾートを利用の場合、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳(愛の手帳、緑の手帳)、被爆者健康手帳、戦傷病者手帳、障害福祉サービス受給者証のいずれかを提示することで障がいのある方向けの1デーパスポートを利用することができます。

参考:1デーパスポート(障がいのある方向け)について ディズニーリゾート

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交通機関の割引 JR・新幹線・私鉄・バス・タクシー・飛行機

精神障害者保健福祉手帳で受けられる割引の中でも、交通機関の運賃割引は利用機会が多く、関心の高いものです。2025年(令和7年)4月から大きな変化がありましたので、最新の情報を整理します。

2025年4月からJR・新幹線の運賃割引が開始

これまで身体障害者手帳・療育手帳が対象だったJRの運賃割引が、2025年4月1日から精神障害者保健福祉手帳の所持者にも適用されるようになりました。長年待ち望まれていた制度で、新幹線を含む長距離移動の負担軽減につながる大きな変更です。

JRの運賃割引を受けるには、いくつかの条件があります。

  • 精神障害者保健福祉手帳の裏面に「旅客鉄道株式会社等旅客運賃減額」の記載があること
  • 手帳に「第一種」または「第二種」の区分が表記されていること
  • 手帳に顔写真が貼付されていること

区分は等級と連動しており、1級の方は「第一種」、2級・3級の方は「第二種」となります。2025年4月以前に交付された手帳で区分の記載がない場合は、お住まいの自治体の窓口でシールの貼付やスタンプの押印などの手続きが必要です。顔写真がない手帳の場合は、再交付申請(写真あり)を行う必要があります。

JRの割引内容(運賃5割引)

JRの精神障害者割引は、運賃が一律5割引です。利用のしかたによって、割引が適用される条件が異なります。

利用のしかた割引の内容
本人が単独で利用第一種・第二種いずれも、片道の営業キロが100kmを超える普通乗車券が5割引
第一種の方+介護者1名普通乗車券・回数乗車券・普通急行券・定期乗車券(小児定期を除く)が5割引
12歳未満の第二種の方+介護者1名定期乗車券(小児定期を除く)が5割引

本人が一人で利用する場合は「片道100kmを超える」場合に限られる点に注意が必要です。なお、2025年4月からはJR東日本エリア・PASMOエリアなどで「障がい者用Suica」「障がい者用PASMO」といったICカードによる割引サービスも拡充されています。

私鉄・バス・タクシー・飛行機の割引

JR以外の交通機関でも、精神障害者保健福祉手帳による割引を受けられる場合があります。ただし、割引の対象・割引率・介護者の扱いなどは事業者によって大きく異なります。

  • 私鉄 多くの私鉄では以前から精神障害者保健福祉手帳での割引を実施しています。割引率や条件は各社で異なります
  • 路線バス 多くの事業者で運賃割引(半額など)を実施しています。手帳の提示が必要です
  • タクシー 手帳の提示で運賃が1割引になる事業者が多くあります。地域によっては福祉タクシー券が支給されることもあります
  • 飛行機(航空旅客運賃割引) 国内線で、精神障害者保健福祉手帳を持つ方を対象とした割引運賃を設定している航空会社があります

いずれも事業者ごとに内容が異なるため、利用前に各交通事業者の窓口やホームページで最新の割引内容を確認することをおすすめします。

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障害年金や手当との関係

精神障害者保健福祉手帳とよく混同されるのが、障害年金や各種手当です。これらは別の制度であり、手帳を持っているかどうかと、年金・手当を受給できるかどうかは、直接連動していません。

障害年金は別の制度

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)は、年金制度に基づく給付であり、精神障害者保健福祉手帳とは審査の基準も窓口も異なります。手帳が3級だから障害年金も3級になる、というように等級が一致するわけではありません。手帳を持っていなくても障害年金を受給できる場合がありますし、逆に手帳を持っていても障害年金の対象にならない場合もあります。それぞれ別に申請・審査が行われます。

ただし、障害年金を受給している場合は、その年金証書の写しを提出することで、手帳申請時の診断書を省略できる場合があります(年金の等級と手帳の等級が同じになるとは限りません)。

特別障害者手当などの手当

重度の障害により日常生活で常時特別の介護を必要とする方には、特別障害者手当などの手当制度があります。これも手帳の有無だけで決まるものではなく、別途定められた要件に基づいて支給されます。

手当について詳しくは特別障害者手当とは 対象・金額・所得制限・申請方法をご参照ください。

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精神障害者保健福祉手帳のデメリット

精神障害者保健福祉手帳の交付を受けることのデメリットとしては、自分が障害者であると認められることによる精神的な負担などが挙げられます。これはデメリットともメリットともどちらにも取れることですが、例えば、精神障害者保健福祉手帳を持っている場合、就職をする時に障害者雇用枠で雇用され、事業所に課せられている障害者雇用率を満たすための一人としてカウントされる形になることがあります。障害に配慮してもらえると考えることができる一方で、障害という枠により待遇などに悩むこともあるかと思います。

精神障害者保健福祉手帳を持っている場合、生命保険に加入できないことや、住宅ローンの団体信用生命保険の審査に通らないなどのデメリットも考えられますが、これらは手帳の有無ではなく、精神疾患の診断を受けた事実や治療についてを申告するものなので、手帳を交付されているからといって不利になるというわけではありません

たくさんの保険の中には精神疾患の診断を受けた場合でも入ることができる保険もあるため、専門家に相談してみることも良いかもしれません。なお、手帳は必ず提示しなければいけないというわけではないので、メリットのある場面で利用できると良いのではないでしょうか。

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申請方法と必要なもの

精神障害者保健福祉手帳の申請は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で行います。申請に必要なものは主に以下の通りです。

  • 申請書(窓口またはホームページで入手)
  • 医師の診断書(精神障害に関わる初診日から6か月以上経過した時点のもの)、または障害年金証書の写し等
  • 本人の顔写真(縦4cm×横3cm)
  • マイナンバーがわかるもの、本人確認書類

申請から交付までは、判定や事務手続きのため、おおむね1〜2か月程度かかります。診断書ではなく障害年金証書の写しで申請する場合は、年金の対象となっている精神障害と同じ障害で申請する必要があります。

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精神障害者保健福祉手帳の有効期間

精神障害者保健福祉手帳の有効期限は、交付日から2年が経過する日の属する月の末日となっています。

2年ごとに、診断書または年金証書等の写しを添えて、更新の手続きを行い、障害等級に定める精神障害の状態にあることについて、都道府県知事の認定を受けなければなりません。更新の申請は、有効期限の3か月前から行うことができます。症状の変化によっては、更新時に等級が変わることもあります。

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まとめ

精神障害者保健福祉手帳について紹介しました。精神障害者保健福祉手帳は、身体障害者手帳、療育手帳とともに、障害者手帳の一つとなっており、交付を受けて提示することでサービスや支援を受けることができます。等級は1級・2級・3級があり、日常生活や社会生活への支障の程度によって認定されます。

2025年4月からはJR・新幹線の運賃割引も始まり、発達障害のある方も含めて、手帳を活用できる場面はさらに広がっています。手当や障害年金は手帳とは別の制度ですが、あわせて確認することで受けられる支援の全体像が見えてきます。

手帳を交付された場合に必ず提示しなければいけないものではありませんし、障害が軽減すれば手帳を返還することや、更新手続きを行わないこともできます。提示する場面では勇気がいることもあるかもしれませんが、メリットがある場面で使用して、健康の維持、社会生活の継続に役立てられると良いですね。

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