立位保持が困難な原因 自立支援の立ち上がり・立位の介助方法

立位保持が困難な原因と対策、自立支援の観点での立ち上がり・立位の介助方法、リハビリの方法について紹介します。

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立位保持が困難な原因とは

立位保持が困難な原因は、様々考えられます。よくある立位保持が困難な理由を紹介します。

痛みが原因の場合

まずは痛みがある場合ですが、関節が変形していて、軟骨がすり減ったところに荷重がかかったり、筋力が少なすぎて、一部の筋肉に負担がかかりすぎたりしてしまう場合に、痛みが生じてしまいます。痛みがある状態で立位保持することは大変困難です。毎回、動作をするたびに痛みを感じるため、やる気も無くなってきてしまいます。このように痛みが原因の場合には、痛みが原因で立位を避け続けていることで活動量が低下してさらに介護が必要な状態になるという悪循環に陥る可能性があるので、痛み止めや鎮痛剤、補装具で痛みを軽減するなど医師に相談して医療的なアプローチも選択肢になります。

股関節や膝の可動域制限が原因の場合

股関節や膝などが伸びづらくなっていると、背中を丸めるような姿勢になりやすいため、後ろ重心になりやすくなります。後ろ重心は立ち上がりにかなりのエネルギーを必要としますし、後ろにバランスが崩れやすいため、立位保持が困難になる場合があります。

筋力低下が原因の場合

全身的に筋力が落ちてきてしまった高齢者や、脳梗塞などで麻痺がある場合は、筋力が原因で立位保持が困難になっています。ただ筋力が弱い場合は、日々の介助方法の工夫などで、利用者様に筋力を使っていただき、筋力を改善できる可能性があります。栄養状態も影響してくるので、色々な条件を整える必要があります。

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自立支援の観点での立位保持の介助について

介護施設などに入所してしまうと、リハビリを行う機会や体を動かす機会が減ります。なので、日々の生活の中で、体を使っていくことが重要になります。このことを「生活リハビリ」と呼んだりします。

「運動しましょう」というだけだとなかなかやる気が出ないと思いますが、その方にとって必要な動きとして移乗動作やトイレ動作など、目的を持って行動する時の方が、やる気や必要性を感じてもらえると思います。動作の時には、過剰に介助しないように、ご利用者の体の能力を見極めて、介助量を決定していきます。そのご利用者の体の能力を多く使うことを考えて、できるだけ使っていただく視点をもつことが自立支援の観点での介護を行う上では重要です。

特に介護施設に入所されている方は、自宅では生活ができないほど、体が弱っている人が多いです。そのため、動作が遅くなってしまったり、何回か動作に失敗したりするかもしれません。転倒につながるような失敗は避けなければなりませんが、時間をかけて見守れる状況でしたら、あえて介助を最小限にして、うまく行きそうな方法を提案したり、介護チームでご利用者の能力を最大限活用できるよう、ご利用者の移行も確認しながら介助方法を統一し、ケアプランや介護計画も明確にして方針を決めていくことなども重要だと思います。

自立支援の観点での立位保持の介助について

立位保持が困難な場合の移乗の介助の方法の例

自立支援のためには、立ち上がり動作の途中まででも良いので、自分で動作を行なって頂くことが必要です。自分で動作を行って頂く意外にも、手すりを掴むとどうか、介助方法を変えるとどうかなど、いろいろと試行錯誤が必要になります。ただの移乗動作にならないように、一度立ち上がり練習をしていただき、それから移乗動作を行うという方法もあります。ただの移乗介助ではなく、リハビリ的な意味合いが含まれてきますので、自立支援に役立ちます。

最終的にどうしても立位保持が困難な場合には、移乗動作を助けてくれるトランスファーボードなどの介護用品を使用して、立位になることなく動作が自立できないか考えることも必要な場合もあります。

立位保持が困難な場合のトイレ介助の方法の例

立位保持が少しでもできる場合は、動作を区切って細かく座っていただきながら、トイレ動作を行うと自立支援につながります。立ち上がろうと筋力を使うタイミングが多いと、よりリハビリになります。
車椅子のアームサポートを跳ね上げられるタイプに変えて立ち上がりに必要な負担を減らすなど、福祉用具の面からその方の動きにあった環境や道具を整備するという工夫も大切です。
また、どうしても立位が難しい場合は、2人介助でトイレ動作を行うという方法もあります。一人が立位保持を補助し、もう一人がズボン、パンツの上げ下げなどを操作するという場合もあります。
立位保持が困難な場合のトイレ介助の方法の例

立位保持が困難な場合のリハビリ方法

立位困難な場合のリハビリは、座った姿勢での筋力強化や動作練習を行なって行きます。立つことができなくても、座り姿勢ができるだけでも立派なリハビリになります。背もたれ無しでも座っていられる場合は、背もたれ無しでの座り姿勢を維持するだけでも上半身の筋力を多く使うことになります。

また、立てない理由が痛みであれば、その痛みを取ることを優先します。どうしてもリハビリで取り除くことができない痛みであれば、痛みが出ないような動作を提案していきます。体の能力的に、これから立位ができそうな方であれば、ベッド上でお尻の筋肉や、ももの筋肉など、立ち上がりに必要な筋トレをしていきます。また、前かがみが出来なくても立ち上がりが出来なくなりますので、前かがみになる練習も必要になります。

まとめ

一度低下してしまった立位保持の能力をあげることは大変です。日々の関わり方で、利用者さんの立ち上がりや立位保持の能力は変わってきます。少しでも体の能力を使って頂くようにするのも、介護者側の技術です。介護を行うときには、介護過程というPDCAサイクルが重視されていますので、評価、計画、実施、チェックを繰り返してよりよい介護方法を探っていきましょう。

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