抗重力筋とは 高齢者が筋力低下を防ぎ良い立位姿勢を保つ知識
 

抗重力筋は、人が重力に逆らって立位姿勢などを保つときに欠かせない生きていく上で重要な筋肉の総称です。抗重力筋を鍛えることで姿勢改善や怪我の予防など幅広く健康になれます。また、近年の研究で「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンという脳内ホルモンとも関係していることが示され、高齢者になってもシャキッと元気な生活を続けるためにも抗重力筋を知り、筋力低下を防ぎよい姿勢で生活できるようにしましょう。このページでは抗重力筋について詳しく解説していきます。

抗重力筋とは

抗重力筋とは1つの筋肉のことではなく、重力に対して姿勢を保つために働く筋肉をまとめて言ったものです。
抗重力筋は、身体の前と後ろについており、お互いに引っ張り合いながらバランスを取って姿勢を保ついます。
寝ている時には働きませんが、座ったり立ったりしている時は、姿勢を保つために常に働いています。
そのため抗重力筋の働きが弱くなることで姿勢が悪くなりやすく、特定の場所に負担が集中することで腰や膝などに痛みが出たり、転倒のリスクが高まることにも繋がります。

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抗重力筋の筋肉の種類

抗重力筋は身体の前と後ろにそれぞれありますが、具体的な筋肉の種類はこちらです。

抗重力筋の筋肉の種類

身体の前側にある抗重力筋

  • 胸鎖乳突筋
  • 腹横筋
  • 腸腰筋
  • 大腿四頭筋
  • 前脛骨筋

身体の後ろ側にある抗重力筋

  • 僧帽筋
  • 脊柱起立筋
  • 大臀筋
  • ハムストリング
  • 下腿三頭筋
  • 後脛骨筋

 

これら抗重力筋は前後でバランスを取りながら姿勢を保っています。

高齢者が抗重力筋を鍛える必要性

抗重力筋は寝ている以外の日常生活で常に働いているため、生活をする上で非常に重要な筋肉です。

加齢とともに筋力は徐々に低下していくと言われており、特に60歳以降は1年につき1%ずつ筋量が減少し、その影響を特に受けやすいのが抗重力筋と言われています。

抗重力筋を鍛えることで良い姿勢を保ちやすくなる

抗重力筋は重力に逆らって立位姿勢や座位姿勢を保持するときに重要な筋肉のことです。

良い姿勢とはどんな姿勢であるかについては、立位姿勢のニュートラルポジション(理想的なアライメント)と言われている立位姿勢を見るときのポイントがありますのでこちらの記事で紹介しています。

抗重力筋の筋力低下が起きるとどうなるか

抗重力筋が弱くなると、重力に逆らって立位を保つときに力が発揮できず、重力に負けて姿勢が悪くなったり、バランスを崩しやすくなります。

姿勢が悪くなると、その影響で身体に歪みが出ることで節々の痛みが出たり、バランス反応が悪くなることで転倒のリスクが高まります。

そのため高齢者が抗重力筋を鍛えることは、節々の痛みや転倒による骨折などの障害を事前に予防することに繋がるため非常に重要と言えます。

抗重力筋とセロトニンの関係

抗重力筋は脳内ホルモンのセロトニンとも深い関係があり、セロトニンの分泌が減ると抗重力筋の筋緊張が低下して弱りやすく、栄養バランスの良い食事や歩行運動などで抗重力筋を鍛えるとセロトニン分泌も増えるということがわかってきました。

参考:セロトニン分泌に影響を及ぼす生活習慣と環境,小西正良, 吉田愛実,Journal of Osaka Kawasaki Rehabilitation University Vol.5. 2011. pp.11-20

セロトニンとは

セロトニンとは「幸せホルモン」とも言われており、ストレスを減らし、人間の身体を理想的な状態に保つために重要な役割があります。
また、セロトニンには抗重力筋が働きやすくなるといった効果もあります。
逆にセロトニンが不足することで抗重力筋の働きも弱くなるため、トロンとした顔つき、猫背、歩き方も弱々しくなり、全体的に元気のないような印象になります。

セロトニンを増やすためには

セロトニンを増やすためにはいくつかの方法があります。

日光を浴びる

太陽の光を浴びたり明るい環境にいることでセロトニンが分泌しやすくなると言われています。

リズム運動をする

ウォーキング、ジョギング、サイクリング、スイミング、ダンスなどのリズミカルな運動もセロトニンの分泌を促すと言われています。
ある研究ではジョギングをすることでうつ病の薬と同様の効果があるという結果も出ています。

まとめ

抗重力筋の働きやその必要性、ホルモンとの関係を解説しました。抗重力筋は姿勢を保つために大切で、弱ると姿勢が悪くなり特定の部位に負担がかかり痛んだり、転倒のリスクが高まったり、胸郭の動きが悪くなり呼吸が浅くなったり、背中が丸まり食事の姿勢も悪くなり誤嚥のリスクが上がるなど、特に中年~高齢者になって問題が顕著になりやすいです。

抗重力筋について正しく理解し、適切に対応できるようにしていきましょう。

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