トランスファーとは 移乗動作・介護での移乗介助のポイント

 

看護・介護現場で「トランスファー(移乗)」は、残存機能を活かした介助方法や、全介助の移乗介助など、よく話題になるADLの一つです。

トランスファーの意味

トランスファーとは、元々は英語表記で「transfer」と表し、直訳すると「転送」の意味を持ちますが、看護や介護の現場においては、トランスファーと言えば、車椅子やベッド間における「移乗(いじょう)」を意味します。略して「トランス」と呼ばれ、日常生活動作(ADL)のひとつとして認識されています。
今回は「トランスファー(以下:移乗)」における実際の注意点と移乗の方法について分かりやすく説明していきますね。

日常生活動作(ADL)の「移乗動作」の考え方

移乗動作について、介護と切り離して考えると、一般的には以下のようにサラッと座り換え動作を行うと思います。
健常者ならば、腰を移すことは難なく行える動きです。介護や看護で移乗動作というと「持ち上げる介護」や「スーパートランスファー」などの介護者優先の介助方法を想像してしまいますが、原則、介護される側も介護する側にも負担の少ない移乗動作というものはごく普通の動きに沿っているというポイントは押さえておきましょう!

日常生活動作(ADL)の「移乗動作」の正常な方法の図

移乗介助の3つのポイント

皆さんは現場で移乗を行う際にどのようなことに気を付けていますか?介護現場においては、まずは次にお伝えするポイントを心掛けてください。

1介護を受ける方(移乗)の安全を確保する
2介護する側の負担を軽減する

この2つを基本とします。リハビリの現場などではこれらに加え自立支援の観点から以下を意識します。

3できることはできるだけ本人にしてもらう

移乗動作の基本ポイント ベッドや車椅子の環境設定・環境整備

では実際に移乗を行う際にどのような点に注意するべきでしょうか?
今回はベッドと車椅子の場合においての注意点についてお伝えしていきますね。

ベッドの高さは車椅子の座面と同じに

まず車椅子からベッドへ移乗を行う場合ですが、「ベッドの高さ」に気をつけます。調整できる場合は車椅子の座面と同じ、もしくはそれ以下までベッドの高さを調整します。反対に車椅子からベッドへ移乗する場合は座面よりベッドを高くした状態で行い、できるだけ介助者が持ち上げる負担なく介助できる環境を作る事がポイントです。

車椅子の位置はできるだけ近づける

「車椅子の位置」ですがベッドに対して車椅子の側面が15度~30度、実際にはできるだけ移乗先の車椅子の位置を近づけることが大事で、移動距離を短くしましょう。

車椅子のアームレスト(肘置き)が外れるもしくは跳ね上がる場合は必ず外しておくことで、介助者の負担も軽減できます。加えて車椅子のフットレスト(足置き)が外れるタイプの場合も先に外しておくことで、介護される側の足がぶつかったりすることも防げますね。高齢者の場合は皮膚が脆弱していることが多く、簡単に表皮剥離になってしまうので覚えておくとよいでしょう。意外にあるのが車椅子のブレーキのかけ忘れですのでして、必ず移乗前には車椅子のブレーキを忘れないでくださいね。

移乗介助の方法

移乗介助の基本方法

では今度は介助する際のポイントについてお伝えしていきます。

お尻の位置

ベッド、車椅子どちらの場合も移動する距離を短くするため、ベッドの場合には車椅子の近くへ車椅子に座った状態では浅く腰けてもらうように「お尻の位置」にも注意が必要です。

前傾姿勢(お辞儀)と重心移動

介助者が相手を抱える際には、まず相手に「前傾姿勢(お辞儀)」をとってもらい重心を前方へ移動させます。そうすることでお互いの身体も密着した状態になりますね。

相手の膝が曲がっているか、足の位置の確認

ご自身が立ち上がる際の身体の動きを想像してみてください。
膝が伸びていて足が遠くの位置にあると、私達でも立ち上がるのに努力を要しますので、相手の膝が曲がっていて足が自然と床について踏ん張れる位置にあることも確認しましょう。

自分の前腕と手のひらで挟み込み相手の身体を前方へ誘導

難しい「相手を支える位置」ですが、脇の下を手で持つことは避けましょう。
一点に圧が集中して介助される側が痛いことや麻痺がある場合は脱臼を招く恐れがあるので注意が必要です。正しい方法としては自分の前腕と手のひらで挟み込み相手の身体を前方へ誘導し立ち上がりを介助しましょう。立ち上がる際には相手との意思疎通を図るために掛け声をかけることも大切ですね。

介助者の足を間に入れる場合と両膝ロックする場合

介助者の足の位置ですが、相手の足の間に入れる場合介助者が前後に動きやすく、相手も自分の力も活かしながら重心を前後に移動しやすいというメリットがあります。

相手の膝を挟んで両膝ロックする場合は、相手の足の力が弱い場合に生じやすい膝折れを防ぐといったメリットがあります。

片麻痺・下肢手術後のリハビリ的な移乗動作の基本ポイント

今回は片麻痺、下肢の手術後について少しお伝えしたいと思います。
まず車椅子の位置ですがベッド、車椅子どちらから移乗する際も車椅子の位置は健側(麻痺、および手術をしていない足)に置くようにしましょう。
麻痺側に置くと立ち上がった後、身体を足を軸にして回転することが難しくバランスを崩しやすくなるためです。
移乗動作の環境、介助編に加え相手にような病気や既往歴かを知っておくことで一つ上の移乗介助を行うことができます。ぜひ情報収集する習慣を大切にしてください。

まとめ

トランスファーとは移乗を意味し、実際にはいくつもの注意点があります。
介護現場ではまず安全および介護側の負担を軽減することを意識し移乗介助を行うようにしましょう。

介護する側の負担軽減では、相手の体格が大柄な場合は1人で介助しない、福祉機器を活用するなどの方法もあります。
もし職場に理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職がいる場合は移乗介助について相談するのも良いでしょう。必要に応じてシミュレーションを行う事も望ましいですね。
安全に移乗介助を行うためにも、環境や介助方法に注意しお互いに負担のならない移乗介助を目指しましょう。

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