リハビリテーションって?その人が当たり前に持っていたこと・当たり前だった生活を営むことの復権、加齢や障害により生じてしまった苦痛からの開放で、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)に直結する概念です。
リハビリという言葉をよく耳にしますが、本当の意味を聞いた人は少ないと思います。
現代では、リハビリについて幅広い解釈がなされており、リハビリの専門職としては困惑していますが、ここで一つ覚えていただき共通認識ができたらと思います。
理学療法士や作業療法士の仕事については、理学療法士(PT)と作業療法士(OT)の仕事の違い 就職 年収 将来性で紹介しています。
また、よりQOLを意識している作業療法士の職能団体の考え方も参考になります。詳しくは「作業療法の定義を改定 作業療法士の考える「作業」とは何か」の記事で。

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リハビリテーションとは

リハビリテーションについては様々な意見がありますが、「その人が当たり前に持っていたこと・当たり前だった生活を営むことの復権、加齢や障害により生じてしまった苦痛からの開放」のようなものととらえています。
加齢や障害にともなって、行えることが少なくなっていきます。
その原因は、 身体の問題かもしれませんし 精神的な面の問題かもしれませんし 環境の問題かもしれませんし 社会的な面の問題かもしれません。
4つの捉え方を紹介しました。
環境が変われば、体が原因だと思っていた苦痛が取り除かれるかもしれないです。
孤独などの社会的な問題が解決したら、意欲などの精神的な面が改善するかもしれないです。
このように、対象者の全体像をみて、その人らしさを取り戻していくことが本当のリハビリです。

リハビリでのQOL(クオリティ・オブ・ライフ;生活の質)の捉え方

前項で4つの捉え方を紹介しました。
この分け方はWHOが提唱する、世界共通のQOLの捉え方の一つです。
よく福祉関係で言われることですが、その人らしさを取り戻していくことがQOL(クオリティ・オブ・ライフ;生活の質)向上につながります。
私たちは、そのヒントを身体や心や社会や環境、その人の背景などから見つけ出すために、常に「情報収集」と「アセスメント」をしていきます。
理学療法士はこのわけ方をしたときに、特に身体の問題を主として対応することが多い専門職です。
身体面を中心に捉えますが、目指すところは「その人がイキイキと」というところに繋がっています。
高齢者の介護や医療では、廃用症候群という言葉をよく聞きます。運動不足=廃用症候群だと思われがちですが、頭や心や体などすべて活用できていない要素は衰退する可能性があります。
リハビリテーションでは、病期や怪我があるとその疾病に注意が行き、大切なQOLを見失う可能性もあります。そのために、ICF評価などその人の生活の全体から課題を探していくことが取り入れられています。例えば「廃用症候群を防ぐために ICFで問題点を見つけ、介護予防しよう」の記事で紹介しています。

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リハビリにおける問題解決の流れ

最近は業務を円滑に進める手法の一つとしてPDCAサイクルが流行っていますが、似たプロセスでリハビリ業界や介護業界でも取り組まれています。

情報収集 (入居前の生活、入居前のADL、本人・家族の要望、病歴・服薬、趣味・嗜好、今後の方針など)

検査・測定・観察・ヒアリング (「変だな?」という気付きや仮説から、それを立証するデータをとっていく。)

アセスメント[評価] (情報や観察などのデータを元に、いい所や改善したい所などを整理していく)

問題点の抽出 (対象者が苦痛の少ない状態になることを邪魔しているものを挙げ、優先順位をつける)

目標設定・考察 (邪魔している障害を障害でなくすることでどうなるか、なくせるのか)

プラン・プログラム立案 (プロとしてどのように関わっていくのか)

再評価

介護では「介護過程(介護プロセス)」を重視傾向

問題点である事柄について向上や修正ができる見込みが立つかを「アセスメント(評価)」します。
可能性が低いときは、別のポイントへのアプローチはどうかと、その人がその人らしくあるためにを行います。
本人や家族のニーズ、客観的・主観的なデータをもとに、その人の欲求や活動の制限に影響していて、かつ、変化したらそれが満たされる可能性が大きいものから順に優先順位をつけて問題点としていきます。
問題点を解決して、どう改善させるかの時期と目標を立て、実際にプランやプログラムを実行していきます。
これらのことを繰り返していきます。
詳しくは「 介護職員のPDCAサイクル『介護過程(介護プロセス)』6つの手順 」で紹介しています。

リハビリテーションも介護職も、その他の仕事をする人もみんなプロセスが大事!

医療業界では特に、エビデンスとプロセスが重視されています。
何を根拠にその行為を行うのか、その選択肢をあげた上でどのような理由でその方法をセレクトしたのか、それは現実的なのか…ということです。
更にそれは本人が望んでいるニーズ、家族や社会的ニーズに合致しているのかという点の考えていきます。
何よりも本人がその選択を理解し、リスクや期間なども含めて本当に望んでいるのかという点は常に確認していく必要があります。

QOLは自己イメージに対して、自分がどれくらい到達しているか

QOLについていろいろな理論が唱えられていますが、最もシンプルに考えると「自分の100点満点の理想に対してどれくらい合致しているか」ということです。
人によっては、毎日飯が食えるだけで幸せという人もいますし、高級車を乗りまわしているのが幸せという人もいます。
これらは個人差があり、更に時期によっても変わります。大津波が起きてすべて失ったら、どんなに裕福な生活をしていた人もご飯を食べて幸せを感じるかもしれません。
つまり、同じ人だとしても、QOLの感じ方は常に変化するということです。
WHOのQOL評価指標のひとつに「QOL26」というスケールがあります。これでは評価対象を2週間前までの生活としています。
(26問の質問でできています。26問でQOLを評価するということでかなり抽象的な質問です。)

QOL26評価表の詳しいことはこちらの書籍で

リハビリテーションの目標は常に変化する

リハビリテーションをするときの目標というのも、理想やその時点でのイメージによって変わるわけです。
リハビリテーションは復権だと冒頭で紹介しましたが、「どこに戻るのか」ということについては日々変わるのです。
それが人間の生活に関わる仕事のプロとしての楽しさであり、距離感や関わる深さの調整の難しいところです。
本人の理想をぼんやりとつかみながら、それに対してどのようなお手伝いができるのかということが自立支援であり、リハビリテーションの仕事だと思います。
ただし、リハビリテーションは「戻る場所」がある時にしか効力がない概念です。
戻る場合はリハビリテーションですが、先天的な疾患など、今までに経験が無い状態を目指す時には、呼び方は「チャレンジド」や「美容」だったりします。

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