QOLとは 看護介護で大切な健康関連QOLの概念と評価項目
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QOLとは

QOLとは、Quality of Lifeの略で、人生の質、生活の質と訳され、一人一人の満足感や幸福度などのことを表した言葉です。

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QOLが求められてきた社会的な背景

QOLが求められてきた社会的な背景としては、みんなが羨むようなものをたくさんもっていたり、お金がたくさんあるという量的な豊かさだけではなく、それに対する満足度や生きがいなどの精神的な面の豊かさを重視することから生まれてきた考え方です。

医療や福祉の中では、ただ生かされているだけ、延命などで寿命が長く生存しているだけ、という状態が果たして幸せなのかなどという問いの中から、一人ひとりの意思決定や個人の尊重が患者や利用者の立場を理解してケアを実践することが欠かせないということで注目されだした概念です。

医療や介護の業界に入るとQOLという言葉は医療や介護の分野特有の言葉かと思うかもしれませんが、社会経済の発展の中で研究されてきたため色々な捉え方があります。

世界に目を向けると、ブータンという国で国民の幸福度を指標にして政治活動を行っていると言うことを耳にしたことがあるかもしれませんが、日本国内でも、下水道の普及率、余暇の時間の使い方、進学率、学校生活など、いろいろな分野でQOLという概念を用いて目的に応じて生活の質などを評価しています。

健康関連QOLとは (医療看護介護などの介入対象)

医療や介護が対象とするQOLは、主に疾病や障害など健康状態に何か問題が生じた方に関する内容の観点からか考えるQOLです。
このように、医療や介護が直接介入してその介入効果を評価できる範囲としてあえて切り分けた概念として「健康関連QOL」と呼び、その人の全体のQOLに対して健康状態がどのような位置、どのような割合を占めているのかなどを理解する手掛かりを探ることが研究され、臨床的にも取り組まれています。

健康とQOLの関係

健康とQOLはとても密接に関連しているということは想像できると思いますが、健康とは単に病気がないだけではありません。世界保健機関(WHO)は、1947年に健康のことを「単に疾病がないということではなく、身体的、心理的、社会的に全体として満足のいく状態にあること」と定義しています

体の健康に意識が向きやすいですが、社会的にも役割や生きがいをもって貢献し、心理的にも豊かで楽しみがある生活を送っていることなども含めて健康と呼びます。

オタワ憲章とヘルスプロモーション

1986年にカナダで健康づくりのためのオタワ憲章という定めの中で「ヘルスプロモーション」という考え方が提唱され「健康は生きることの目的ではなく、生きていくために必要不可欠な資源(手段)であり、最終目標は人々のQOLを高めること」と位置づけました。

この頃から、健康はQOLを高めるための土台の一つという考え方が定着し、健康を大切にしつつ、同時に死が近づいたり、健康を取り戻すことが出来なくなった状態でも、QOLをできるだけ高めていけるように土が大切であると考えられ始めました。

QOLの尺度・評価指標

QOLは概念としてもとても大切なものですが、健康な人と比べて、特定の病気を持っている人やなどの平均的な生活の満足感や生活に対するとらえ方の特徴などを理解していくために、QOLを評価する尺度が開発されています。

QOL評価の項目・評価方法

QOLを評価する尺度はいろいろ開発されていますが、ほとんどのQOL評価尺度に共通しているのは、身体面、心理面、社会面の側面を包括的に捉えていくという点です。

QOLの評価をする時には、評価する目的にはよりますが、継続的に測定しその人やその集団がどのように変化があるか、医療や介護など介入により変化が見られたかなどを追っていくことが多いです。

WHO QOL

WHO QOLは、1994年にWHOが開発した、国際間での比較もできる包括的なQOL尺度です。より使いやすくした評価尺度として、WHO QOL-26という、過去2週間の生活などに対して26問の質問で評価するものなどが世界的に利用されています。

SF-36

SF-36は、アメリカでの大規模な評価研究で開発されたQOLの評価指標で日本でも広く導入されています。

EuroQOL(EQ-5D版)

EuroQOLは、ヨーロッパで開発され、比較的わかりやすい質問項目のため、日本でも用いられています。日本ではEuroQOLのことを、EQ-5D版と呼ぶことがあります。

まとめ

QOLの概念や考え方について紹介してきました。QOLがとても簡単にまとめるとその人が幸せかどうかということです。人の価値観においてでしか、人の幸せはは測れないので、あくまでも主観的な幸福感を少しでも高めるために科学しつつ手がかりを探っていることに過ぎません。

創薬や終末期医療の分野など、例えば特定の病気の末期症状の疼痛の緩和のための薬物療法でQOLが向上するかなどを科学的に調査研究することなどがあります。
治療効果としてアウトカムやベネフィットを患者のQOL向上として求めたりしていますが、通常の介護や看護の場面ではそこまで科学的に考えることまでは求められません。

普段の介護や看護で身近に関わる人が、当事者の置かれている状態や困りごと、不安なことなどを考え、寄り添いながら丁寧に対応していくことがQOL向上に重要です。

健康はQOLを高めるための手段とは言われていますが、同じように本人の気持ちを少しでも安心に導くことや、本人に関わる身近な援助者や家族などがその方を理解して尊重していくことなども、QOLを高める手段です。その人らしさ、支援をする自分にできることを色々な角度から考えて実践していくときに、その方のQOLを評価してみるという試みはきっと手がかりになると思います。

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