区分変更とは?介護保険の介護度変更の申請のやり方・理由の例文

区分変更とは?介護保険の介護度変更の申請のやり方・理由の例文
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介護保険の要介護認定には有効期間があり、次の更新まで基本的に介護度は変わりません。しかし介護度が変わるのを待たずに、今すぐ見直してほしい状況が出てくることがあります。骨折で急に動けなくなった、認知症が進んで夜間対応が必要になったなど、現在の介護度では対応できないくらい状態が変化したときに使うのが「区分変更申請」です。

この記事では、区分変更申請とは何か、どんなときに申請するのか、手続きの流れ・必要書類・申請書の理由欄の書き方まで、ケアマネジャーや家族が実際に使える情報としてまとめます。

区分変更とは

区分変更(区分変更申請)とは、要介護・要支援認定の有効期間中に心身の状態が著しく変化した場合に、更新時期を待たずに介護度の見直しを市区町村に申請する手続きです。正式名称は「要介護認定・要支援認定区分変更申請」といいます。

介護保険のサービス量や使えるサービスの種類は要介護度によって決まっており、区分支給限度額も介護度ごとに異なります。現在の介護度では必要なサービスが足りなくなった場合や、状態が改善して介護度を下げる必要がある場合に、区分変更によって現状に合った介護度を取得し直します。

更新申請との違い

更新申請は認定有効期間の終了に合わせて申請するものです。一方、区分変更申請は有効期間の途中でいつでも申請できます。ただし手続きの流れは基本的に新規・更新申請と同じで、認定調査・主治医意見書・審査判定のすべてが行われます。

区分変更後の認定有効期間は原則6か月・最長12か月となり、更新認定の最長48か月より短い点に注意が必要です。

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区分変更申請が必要なタイミング

以下のような状況で区分変更を検討します。

介護度を上げる(状態悪化)

  • 転倒・骨折などにより日常生活上の介助が必要な場面が急増した
  • 脳梗塞や心疾患などで入院し、退院後に以前より身体機能が低下した
  • 認知症が進行し、徘徊・夜間の見守り・排泄介助が必要になった
  • パーキンソン病やALSなど進行性疾患の悪化で介護量が増えた
  • 急激な体重減少・食事量の低下で全身状態が衰弱した
  • 現在の区分支給限度額ではサービスが不足し、必要な介護が受けられない

介護度を下げる(状態改善)

  • リハビリの効果で身体機能が回復し、介護の必要性が減った
  • 病状が落ち着き、現在の認定より低い介護度の方が実態に合っている

申請前にケアマネジャーに相談する

区分変更申請をすると認定調査が行われ、必ずしも希望通りの介護度になるとは限りません。

想定より低い結果が出ることもありますし、現在の介護度のままになる場合もあります。自分から介護度を希望して区分変更をしてもらうわけではありませんので、介護サービスをすでに利用中の場合は、変更申請をする前に担当ケアマネジャーとよく相談して、本当に必要かどうかを確認してから進めましょう。

また、ケアマネジャーや介護サービス事業者側としては、認定の有効期間の範囲内は同じ介護度だと思っているので、介護報酬の請求などもその介護度に合わせた内容で行っています。いつの間にか介護度が変わっていたり、または介護度が変わる可能性がある場合も含めて、違った介護度で介護報酬の請求を行ってしまうと、単位数が違ってしまって再度調整して請求をし直すことになってしまったり、複雑な処理が必要になります。

区分変更申請を行う際にはケアマネジャーに相談するだけでなく、実際に申請を行う前に現在利用中の介護サービス事業者にも区分変更申請を行うということを伝えておくようにしましょう。

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区分変更申請の流れ

  1. 担当ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに相談する
  2. 市区町村の介護保険担当窓口に「要介護認定・要支援認定区分変更申請書」を提出する
  3. 市区町村が主治医に意見書の作成を依頼する
  4. 認定調査員が自宅・施設・入院先を訪問して認定調査を行う
  5. コンピューターによる一次判定が行われる
  6. 介護認定審査会による二次判定が行われる
  7. 市区町村から認定結果が通知される
  8. 新しい介護度でケアプランを見直す

申請から認定結果の通知まで原則30日以内とされていますが、実際には1〜2か月程度かかることも多いです。申請中もサービスを継続する必要があるため、暫定ケアプランを活用することが一般的です。

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暫定ケアプランと区分変更

区分変更申請中は認定結果がまだ出ていないため、新しい介護度を見込んだ暫定ケアプランを作成してサービスを継続します。区分変更の効力は申請日にさかのぼるため、申請後に認定が確定すれば申請日から新しい介護度でのサービス利用が介護保険給付の対象となります。

ただし見込んでいた介護度より低い結果が出た場合、区分支給限度額を超えた分は全額自己負担となります。申請前に利用者・家族へ自己負担リスクについて説明し同意を得ておくことが重要です。

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申請に必要な書類

自治体によって多少異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。

  • 要介護認定・要支援認定区分変更申請書(窓口またはホームページからダウンロード)
  • 介護保険被保険者証
  • 申請者の身分証明書(マイナンバーカード・運転免許証等)
  • 40〜64歳の第2号被保険者の場合は健康保険の資格確認書類

介護保険 要介護認定・要支援認定区分変更申請書のひな型フォーマット

介護保険 要介護認定・要支援認定区分変更申請書のひな型フォーマット

引用:要介護認定等の実施について(平成21年9月30日付老発第0930第5号厚生労働省老健局長通知、最終改正令和7年11月20日)

主治医意見書は市区町村が主治医に直接依頼しますので、申請者が用意する必要はありません。申請書には主治医の氏名・医療機関名・連絡先を記入します。

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申請書の「申請理由」欄の書き方と例文

区分変更申請書には、状態変化の理由を記載する欄があります。「どのような変化が」「いつ」「どのように起きたか」を具体的に書くことで、認定調査員や審査会が状況を把握しやすくなります。以下は代表的な状況別の例文です。

例文1 骨折・入院後の機能低下

令和○年○月に自宅内で転倒し、大腿骨頸部骨折と診断され入院した。手術を受けたが歩行が困難となり、自宅内移動・排泄・入浴等の日常生活動作全般に常時介助が必要な状態となっている。現行の要介護度ではサービス量が不足しており、適切な介護を提供するために区分変更を申請する。

例文2 認知症の進行

令和○年○月頃より認知症の症状が急速に進行し、夜間の徘徊・不穏が頻繁になった。また排泄や食事においても常時見守りおよび一部介助が必要な場面が増加しており、現行の介護度では必要なサービスを確保することが困難な状況となっている。

例文3 脳梗塞・入院後の状態変化

令和○年○月に脳梗塞を発症し入院した。治療・リハビリを経て退院したが、右半身に麻痺が残り、移動・移乗・整容・排泄・入浴等の動作において以前より大幅に介助量が増加している。現行の介護度では対応できるサービスの範囲を超えているため、区分変更を申請する。

例文4 進行性疾患の悪化

パーキンソン病の症状が令和○年○月頃より悪化し、歩行時の転倒リスクが高まっている。外出時はもとより、自宅内でも常時見守りおよび介助が必要な場面が増えており、現行の介護度ではサービスが不足している状況のため、区分変更を申請する。

例文5 状態改善による介護度の引き下げ

入院中のリハビリにより身体機能が改善し、退院後は自力での歩行や日常生活動作が一部可能となった。現在の認定区分は実際の介護の必要度より高い状態となっているため、実態に合った介護度への変更を申請する。

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区分変更の結果に納得できない場合

区分変更後の認定結果に不服がある場合は、都道府県の介護保険審査会への審査請求または再度の区分変更申請が可能です。詳しくは要介護認定の不服申立てをご参照ください。

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まとめ

区分変更申請のポイントを整理します。

  • 認定有効期間中に心身の状態が著しく変化した場合に、更新を待たずに申請できる
  • 骨折・脳卒中・認知症進行など状態の悪化でも、リハビリによる改善でも申請できる
  • 手続きは新規申請と同じで、認定調査・主治医意見書・審査判定が行われる
  • 区分変更後の有効期間は原則6か月・最長12か月
  • 申請中は暫定ケアプランで対応し、自己負担リスクを利用者・家族に事前説明する
  • 希望通りの結果にならない場合もあるため、申請前にケアマネジャーとよく相談する

状態変化に気づいたらまずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談することが、スムーズな区分変更につながります。

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