民間救急車とは?料金相場や119番の公的救急車との違いなどを解説!
 

「救急車を呼ぶほどではないけれど、普通の車では移動が難しい…」そんな時に役立つのが民間救急車です。しかし、具体的にどのようなサービスなのか、料金はどのくらいかかるのか、公的な救急車と何が違うのか、多くの人が疑問を持っていることでしょう。この記事では、民間救急車の基本的な情報から料金相場、公的救急車との違いまでを詳しく解説します。

民間救急車とは

民間救急車は、公的な救急車とは異なり、緊急性が高くない場合の患者の転院や退院、社会福祉施設への送迎などを主な業務としています。これらのサービスは、患者やその家族の要望に基づいて行われ、所要時間と搬送距離に応じた料金が発生します。車両は、所轄消防署からの認定を受けたもので、認定マークのシールが貼られています。

民間救急とは?(患者等搬送事業者)
民間救急とは、転院や入退院、通院などの緊急性がない場合に搬送を行う民間の搬送事業者です。
当コールセンターが案内する民間救急事業者は、すべて東京消防庁の認定を受けており、乗務員は応急手当に関する講習を修了し、車両には一定の装備や資器材を備えています。

民間救急には、「寝台自動車」「寝台・車いす兼用車」と「車いす専用車」があります。

東京民間救急コールセンター | 公益財団法人 東京防災救急協会

119番で呼ぶ公的な救急車と民間救急車の違い

119番で呼ぶ公的な救急車

119番で呼ぶ公的な救急車

民間救急車

民間救急車とは

公的な救急車は、119番の通報を受けて緊急性の高い疾患や外傷を持つ患者を迅速に最寄りの医療機関へ搬送することを主な目的としています。これに対して、民間救急車は、緊急性が低い患者の移動をサポートするサービスを提供しています。

民間救急車の認定基準

少し細かい内容になりますが、民間救急車のことを行政的には「患者等搬送用自動車」と呼び、以下のような基準が示されています。地域によって若干基準については違いがある場合があります。

第1 認定基準関係(条例第2条第2項第5号、条例第14条第6項、規則第4条、告示第2条)
消防総監は、患者等搬送事業者(以下「事業者」という。)に対し、認定基準に適合していることの認定を行います。
認定基準とは、次のとおりです。
次のいずれかの国土交通大臣の許可書若しくは免許状又は登録証を取得していること。
⑴ 一般貸切旅客自動車運送事業(道路運送法第三条第一号ロ)
⑵ 一般乗用旅客自動車運送事業(道路運送法第三条第一号ハ)
⑶ 特定旅客自動車運送事業(道路運送法第三条第二号)
⑷ 自家用有償旅客運送(道路運送法第七十八条第二号)
患者等搬送乗務員適任証の交付を受けている乗務員がいること。

医師、助産師、保健師、看護師、救急救命士、准看護師、医学士、看護学士その他患者等搬送乗務員基礎講習を修了した者と同等以上の知識及び技術を有するものとして消防総監が認める者は、特例適任申請書により適任証の交付を受けることができる。

患者等搬送用自動車が定められた構造及び設備を有していること。

患者等搬送用自動車の構造及び設備は次のとおりです。
⑴ 患者等搬送用自動車には、サイレン及び赤色灯の装備を有しないこと。
ア 患者等搬送用自動車は、サイレン及び赤色灯の装備はできません。
イ 青色灯については、光度が300カンデラ以下であり、かつ、点滅及び増減がないものであれば、道路運送車両法及びこれに基づく道路運送車両の保安基準に適合します。
⑵ 患者等を収容する部分は、ストレッチャー又は車椅子を1台以上収容できる容積が あり、かつ、乗務員が業務を行うために必要な広さを有すること。
「乗務員が業務を行うための必要な広さ」とは、患者等の継続観察及び症状の悪化 時に応急手当ができるだけの広さとします。
⑶ ストレッチャー及び車椅子を使用した状態で車体に固定できる構造であり、かつ、 ストレッチャーは、患者等固定用ベルトを有すること。
患者等固定用ベルトの本数は、2本以上が望ましいといえます。
⑷ 換気及び冷暖房の装置を有すること。
換気装置とは、患者等の収容スペース設置の換気扇を示しますが、患者等の収容ス ペースに開口部(窓)があれば換気装置があるものとみなします。 冷暖房装置とは、車両のエアコン等をいいます。
⑸ 無線機その他の緊急連絡に必要な機器を有すること。
「その他の緊急連絡に必要な機器」には、携帯電話、自動車電話等を含みます。

 

東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><患者等搬送事業者認定表示制度><申請手続き等のご案内>

民間救急車に積載していないといけない必須の物品・機材

こちらも東京消防庁による内容ですが、患者等搬送用自動車には次のような資機材を積載していることが必須となっています。

患者等搬送用自動車には、次の資器材を積載していること。(必須資器材です。)

分         類 品        名
呼吸循環管理資器材 ポケットマスク
バッグマスク
創傷保護用資器材 三角巾
包帯
ガーゼ
ばんそうこう
タオル
保温・搬送資器材 担架
まくら
敷物
保温用毛布
消毒用資器材 噴霧消毒器
エタノール消毒薬
次亜塩素酸ナトリウム
塩化ベンザルコニウム
クレゾール石鹸
その他の資器材 体温計
はさみ
ピンセット
手袋
マスク
膿盆汚物入れ
備考

  1. 車椅子専用車両について、バッグマスク、まくら、敷物、ピンセットの積載は、各事業者の任意とする。
  2. 自動体外式除細動器(AED)及び積載する資器材個数は、各事業者の任意とする。

東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><患者等搬送事業者認定表示制度><申請手続き等のご案内>

民間救急車はサイレンを鳴らすことはできない?

東京消防庁によると、民間救急車と一般的に呼ばれる患者等搬送用自動車にはサイレンおよび赤色灯の装備はできないと示されています。そのため民間救急車はサイレンを鳴らすことや一般の道路交通法を超えた走行はできません。

一方、青色灯については、光度が300カンデラ以下であり、かつ、点滅及び増減がないものであれば、道路運送車両法及びこれに基づく道路運送車両の保安基準に適合するので一定の光度以下の青いランプは可能となっています。

患者等搬送用自動車が定められた構造及び設備を有していること。

患者等搬送用自動車の構造及び設備は次のとおりです。
⑴ 患者等搬送用自動車には、サイレン及び赤色灯の装備を有しないこと。
患者等搬送用自動車は、サイレン及び赤色灯の装備はできません
イ 青色灯については、光度が300カンデラ以下であり、かつ、点滅及び増減がないものであれば、道路運送車両法及びこれに基づく道路運送車両の保安基準に適合します。
⑵ 患者等を収容する部分は、ストレッチャー又は車椅子を1台以上収容できる容積が あり、かつ、乗務員が業務を行うために必要な広さを有すること。
「乗務員が業務を行うための必要な広さ」とは、患者等の継続観察及び症状の悪化 時に応急手当ができるだけの広さとします。
⑶ ストレッチャー及び車椅子を使用した状態で車体に固定できる構造であり、かつ、 ストレッチャーは、患者等固定用ベルトを有すること。
患者等固定用ベルトの本数は、2本以上が望ましいといえます。
⑷ 換気及び冷暖房の装置を有すること。
換気装置とは、患者等の収容スペース設置の換気扇を示しますが、患者等の収容ス ペースに開口部(窓)があれば換気装置があるものとみなします。 冷暖房装置とは、車両のエアコン等をいいます。
⑸ 無線機その他の緊急連絡に必要な機器を有すること。
「その他の緊急連絡に必要な機器」には、携帯電話、自動車電話等を含みます。

東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><患者等搬送事業者認定表示制度><申請手続き等のご案内>

介護タクシーと民間救急車の違い

介護タクシーとは、高齢者や障がい者などの移動支援を行うタクシーのことをいいます。民間救急車については紹介してきたように積載しないといけない設備や条件が決められています。介護タクシーはその基準に比べると緩和された内容になっています。

また、介護保険サービスとしてタクシーのような役割を果たすものは「通院等乗降介助」というサービスがあり、定期的な通院などの場合には介護保険適用で移動ができる場合があります。

民間救急車には救急隊や看護師は同乗する?

民間救急車には、消防署から「患者等搬送乗務員適任証」を受けた者が乗務します。この「患者等搬送乗務員適任証」を受けるための条件としては、看護師などの資格を持っているということは必須ではないため、看護師や救急救命士などの資格を持っていない人のケースが多いです。救急救命士や医師、看護師、准看護師も、適任証を取得すれば乗務することが可能です。もし民間救急車の利用を依頼する際に看護師に同乗してもらう場合には、「患者等搬送乗務員適任証」を持っている看護師が同乗するということで別途料金になるケースが多いかと思います。

通常、寝台用の車両での業務では、2名以上の乗務員が同乗して業務を行います。

民間救急車の料金相場

民間救急車の料金は、運賃加算料金(患者の状態や使用する資器材に応じて変動、)で構成されます。

加算料金には、看護料、介護料、その他の設備使用料、深夜割増料金、有料道路料金などが含まれる場合があります。

寝台自動車適用認可運賃(東京23区・武蔵野市・三鷹市の場合)の例

民間救急車の利用料金の相場として一例を紹介します。これは、東京23区・武蔵野市・三鷹市の場合のものであり、他の地域では異なる可能性があります。

時間・距離 料金(税抜)
30分、7.5km 3,700円
+30分、+7.5km +3,100円
1時間、15.0km 6,800円
1時間30分、22.5km 9,900円
2時間、30.0km 13,000円
3時間、45.0km 19,200円

※運賃には消費税が加算されます。
※運賃は、国土交通省関東運輸局が定める基準により、加算、地域によって異なる可能性があります。

具体的な料金やサービス内容については、利用を検討する際には、事業者に直接確認をしてください。

民間救急車の料金は誰が払う?

民間救急車の料金は、基本的に利用者やその家族が負担します。基本的には全額自費です。

民間救急車の料金の助成金や費用免除はある?

障害者手帳や介護保険の要介護認定を受けている場合などを条件として、自治体によっては費用の助成をしている場合などもあります。

介護施設や老人ホームへの送迎については自家輸送で無料のこともある

民間救急車を利用するケースとして病院から老人ホームに移動する場合などが想定されますが、施設によっては「自家輸送」として、お金を取らずにただお客さんをお迎えに行くという形で無料で移動できる場合もあります。

通所介護の送迎には二種免許は必要?
通所介護の送迎は、送迎そのものを業としてるわけではなく、自家輸送であるため二種免許は通常必要ありません。第一種普通自動車運転免許があれば可能です。

通所介護の送迎業務の内容と送迎業務が嫌だというスタッフの意見

 

民間救急車に関するよくある質問・疑問

民間救急車はどのような場面で特に役立つのでしょうか?

民間救急車は以下のような場面で特に役立ちます。

  • 救急車を呼ぶほどの緊急性はないが、通常の車やタクシーでは不安や困難がある場合。例えば、身体が不自由でありながら旅行に行きたい、または冠婚葬祭に出席したい場合など。
  • 病院への転院や退院、病院からの施設への移動。
  • 希望する病院への長距離搬送や、医療機関だけでなく、ふるさとに住む両親を近くに呼ぶときや、プライベートイベントなど。
民間救急車の料金はどのように決定されるのでしょうか?

民間救急車の料金は以下の要因によって決定されます。

  • 地域の運輸局ごとの認可に基づく料金。
  • 発着先や車両の大きさ、乗車定員数。
  • サービス内容や車両の仕様、搭載資器材による差異。
  • 加算料金として、介護料金、深夜割増料金、有料道路料金などが考慮される場合もあります。
民間救急車のサービスを利用する際の注意点は何でしょうか?

民間救急車のサービスを利用する際の注意点は以下のようなものがあります。

  • 民間救急車は緊急走行ができないため、緊急を要する場合は消防署の救急車を要請する必要があります。
  • サービス内容や搭載資機材などは事業所ごとに異なるため、利用前に事業者に直接確認することが推奨されます。
  • 民間救急業者を選ぶ際には、消防署の「患者等搬送用自動車」の認定基準だけでなく、その他のサービス内容や評判なども考慮することが重要です。

まとめ

民間救急車は、緊急性が高くない場合の患者の移動をサポートするサービスを提供しています。公的な救急車とは異なり、料金が発生するものの、様々な場面での移動をサポートしてくれる頼りになる存在です。利用を検討する際は、事前に料金やサービス内容を確認し、適切なサービスを選ぶことが大切です。

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