暫定ケアプランとは?本プランへの移行・同意日の記載・担当者会議の有無をわかりやすく解説

暫定ケアプランとは?本プランへの移行・同意日の記載・担当者会議の有無をわかりやすく解説
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暫定ケアプランのポイント 暫定ケアプランの要点を6項目にまとめたビジュアルカード この記事でわかること 暫定ケアプランの基本と本プランへの移行 作成が必要な3つの場面 ① 新規申請中にサービスが必要な場合 ② 区分変更申請中にサービスが必要な場合 ③ 更新申請の結果が有効期間内に出ない場合 一連の業務は原則必要 暫定でもアセスメント〜モニタリングまで必要 更新申請でサービス内容が変わらない場合のみ 省略できる(認定後に速やかに実施) 担当者会議のタイミング 区分変更申請では申請前(状態変化時)に開催 認定結果が出てからでは遅い 算定は申請日に遡るため事前開催が原則 本プラン移行と同意日 内容変更なし→見え消しで移行・再業務不要 本プランの同意日は認定日以降の日付 暫定・本プラン両方を事業所へ交付する 介護区分をまたいだ場合 事前に居宅・包括が連携していれば 引き継ぎ後に一連業務を行ったとみなせる 連携なしは運営基準減算または自己作成扱い 事前説明と自己負担リスク 非該当→全額自己負担の可能性を説明 想定より軽度→一部自己負担の可能性 担当者会議でも利用者・家族に同意を得る 判断に迷ったときは一人で抱え込まず、担当市区町村の介護保険課に確認しましょう carenote.jp | 介護健康福祉のお役立ち通信

要介護認定の申請をしてから結果が出るまでの間に、どうしてもサービスを使わなければならない状況があります。そのときに作るのが暫定ケアプランです。

「暫定プランでも担当者会議は必要なの?」「本プランに移行するときの同意日はいつにするの?」「介護区分が想定と変わってしまったら?」といった疑問は、ケアマネジャーの現場でよく出てきます。本記事では複数自治体の指導資料をもとに、暫定ケアプランの基本から本プラン移行までの流れを整理します。

暫定ケアプランとは

暫定ケアプランとは

暫定ケアプラン(ざんていケアプラン)とは、要介護・要支援認定の申請後、認定結果が確定するまでの間にサービス利用が必要な場合に、介護度を見込んで介護支援専門員(ケアマネジャー)が暫定的に作成するケアプランのことです。略して「暫定プラン」と呼ばれることもあります。

第1表の「認定済・申請中」の「申請中」に○をつけ、要介護状態区分欄には想定する介護度を記入します。第1表の余白に「暫定」と明記しておくとわかりやすくなります。

居宅サービス計画とは?

居宅サービス計画とは、要介護認定を受けた方が自宅で生活を続けながら介護保険サービスを利用するために、ケアマネジャーが作成する計画書のことです。利用者の心身の状況や生活環境、本人・家族の希望をもとにアセスメントを行い、どのサービスをいつ・どのくらい使うかを定めたもので、一般的に「ケアプラン」と呼ばれています。

第1表から第7表までの様式で構成されており、サービス担当者会議での検討を経て利用者の同意を得た上で作成・交付されます。

関連記事:居宅サービス計画書(ケアプラン) 第1表~第7表の様式

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暫定ケアプランが必要になる3つの場面

どの自治体の資料でも共通して挙げられている場面は以下の3つです。

  • 新規申請 認定結果が出るまでの間にサービスを利用する場合
  • 区分変更申請 変更後の認定結果が出るまでの間にサービスを利用する場合
  • 更新申請 更新申請を行ったが、更新前の認定有効期間中に認定結果が確定しない場合

なお事業対象者が認定申請をした場合は新規申請と同様の扱いになります。

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作成前に必ず利用者・家族に説明すること

暫定ケアプランを作成する前に、以下の注意点について利用者と家族に十分説明し同意を得ることが必要です。制度の仕組み上、何とかならないかという意見が多い問題ですが、暫定ケアプランの場合にはこの注意点でトラブルや不備が起きることが多い点なので、どの自治体の資料でも共通して強調されています。

  • 認定結果が非該当になった場合は、介護サービスに要した費用が全額自己負担になる可能性がある
  • 想定していた介護度より低い結果が出た場合は、区分支給限度額を超えた分が自己負担になる可能性がある
  • 認定結果が要介護・要支援のいずれになるか判断できない場合は、居宅介護支援事業所と地域包括支援センターが連携してどちらかが暫定ケアプランを作成すること

担当者会議の場でも、認定結果が想定と異なる介護度が出た場合のサービス利用料等の取り扱いについて、利用者・家族に説明・同意を得ておくと後のトラブルを防げます。

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一連のケアマネジメント業務は暫定でも必要か

暫定ケアプランだからといって、一連のケアマネジメント業務を省略できるわけではありません
通常のケアプラン作成と同様に、以下の業務を行う必要があります。

  1. アセスメント(利用者宅を訪問し、本人・家族に面接して行う)
  2. 居宅サービス計画原案の作成(介護度を見込みで作成)
  3. サービス担当者会議の開催
  4. 計画の説明および同意
  5. 計画の交付(利用者およびサービス事業所へ)
  6. モニタリング

ただし更新申請の場合は例外があります。

利用者の状況からサービス内容に変更がないと判断し、更新前と同一の内容で暫定ケアプランとする場合には、暫定ケアプラン作成時の一連の業務を省略することができます。この場合、認定結果が出たときは速やかに一連の業務を行わなければなりません。

新規申請・区分変更申請では更新申請のような省略はできません。

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サービス担当者会議はいつ開くか

区分変更申請の場合、サービス担当者会議を開くタイミングについて混乱しやすいポイントがあります。

区分変更申請は、利用者の状態がすでに変化しているタイミングで行うものです。居宅介護支援費・各サービスの算定は申請日に遡って区分変更後の単位数で行われます。そのため、区分変更申請前のタイミング(状態が変化した時点)でサービス担当者会議を開催し、暫定プランを策定することが原則です。認定結果が出てから開催するのでは遅いということです。

暫定プランの担当者会議で区分支給限度額の関係から本来より少ないサービス量に抑えていた場合、正式な介護度が出た後のサービス見直しは軽微な変更で対応できる場合があります。

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本プランへの移行の流れ

認定結果が確定した後は、必ず本プランへ移行する必要があります。暫定ケアプランはあくまでも暫定であり、そのままでは請求できません。本プラン移行の方法は結果によって異なります。

想定通りの介護度だった場合

認定結果が暫定ケアプランで見込んでいた介護度と同じで、かつプランの内容を変更する必要もない場合は、改めて一連の業務を行う必要はありません。以下のいずれかの方法で本プランに移行します。

多くの自治体で採用している方法を掲載していますが、自治体の方針によって実務的な部分が異なる可能性はあるのであくまで参考にとどめ実際に行う際には自治体の担当にその地域でのやり方について確認いただくことを強くお勧めします。

方法① 暫定ケアプランをそのまま本プランとして活用する

第1表の「申請中」を見え消しで消して「認定済」に○をつけます。認定日・認定の有効期間・本プランへの移行日・要介護状態区分などを追記または訂正(見え消し)します。追記・訂正した箇所は手書き・赤字などで区別がつくようにしておきます。「暫定」と記載していた余白も見え消しで「確定」にします。この内容について利用者または家族に説明し同意を得て、その旨を支援経過に記録します。

方法② 暫定ケアプランとは別に本プランを新たに作成する

認定日・認定の有効期間等を記載した本プランを改めて作成し、利用者への説明と同意を得ます。

どちらの方法をとっても、暫定ケアプランと本プランの両方をサービス事業所へ交付することが必要です。

想定と異なる介護度(同一区分内)だった場合

例えば要介護3を見込んでいたが認定結果が要介護2だったケースです。

暫定ケアプラン作成時に一連の業務を行っており、サービスの内容を変更しない場合は軽微な変更として取り扱うことができます。暫定ケアプランの変更箇所を見え消しで変更した上で、第1表の余白等および支援経過に軽微な変更として取り扱った理由等を記載します。利用者または家族への説明と同意を得て、支援経過に同意を得た日付・相手方・確認方法(電話、面接等)等を記録します。

サービスの内容を変更する必要がある場合は、軽微な変更として取り扱えるかどうかを確認し、取り扱えない場合は認定結果が出た後、速やかに一連の業務を行います。

介護区分をまたいだ場合(要介護↔要支援)

要介護を想定して居宅介護支援事業所が暫定プランを作成していたが、認定結果が要支援になった場合(またはその逆)は、プランの作成担当者が変わります。

あらかじめ連携が取れていた場合は、引き継ぎを受けた事業所が一連の業務を行ったものとみなすことができ、認定月から運営基準減算を適用することなく算定できます。認定結果が出た後速やかに記録等を引き継ぎ、引継ぎを受けた事業所が本プランを作成します。本プランが作成できたら、速やかに担当者会議を開催して同意を得ます。

あらかじめ連携を取っていなかった場合は運営基準減算または自己作成(セルフケアプラン)扱いになります。要介護・要支援のどちらになるか判断できない場合は、必ず居宅介護支援事業所地域包括支援センターが事前に連携しておくことが重要です。

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同意日・作成日の書き方

日付の取り扱いはミスが起きやすいポイントです。豊後大野市のケアプラン問合せ集資料にある事例をもとに整理します。

場面日付
暫定プランの同意日実際に利用者に説明して同意を得た日(担当者会議開催日等)
本プランの作成・同意日認定日以降の日付
本プランの期間開始日暫定プランの開始日に遡ることが可能
死亡後に家族が署名する場合実際に家族が記入した日付(例「○○○○死亡のため子が署名 長男△△△△」と付記)

本プランの第2表の「サービス利用開始日」は、認定申請日まで遡っても、認定結果日のいずれにしても構いません。ただし本プランを認定有効期間開始日やサービス利用開始日に遡って作成する場合は、暫定ケアプランの確定作業(見え消し訂正等)が不要になりますが、本ケアプラン作成日からとする場合は暫定ケアプランの確定作業が必要になります。

同意日や書類作成のタイミングについては疑問が多い点ですが、このサイトではあくまでも考え方の情報を提供をしているものであり個別ケースのお問い合わせをいただいても応じることはできません。また、個々の自治体の資料を確認し作成していますが、実際に業務上確認する場合には自分が所属している保険者(自治体)にご確認ください。

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認定が出る前に利用者が死亡した場合

暫定プランのままでは請求できないため、本プランへの移行が必要です。本人が亡くなっているため本人から同意を得ることはできませんが、家族等の代行により同意を得て本プランとします。担当者会議を開く必要はありませんが、関係事業所へ本プランを交付します。支援経過記録にも適切に記録を残してください。

なお、看取り期において病院等を退院・退所する者で医師が回復の見込みがないと診断した利用者について、介護支援専門員が必要なケアマネジメント業務を行ったものの利用者の死亡により利用実績がない場合でも、居宅介護支援の基本報酬の算定が可能です。算定要件としては、モニタリング等の必要なケアマネジメント業務を行い給付管理票の作成等の書類整備をしていること、および書類等を事業所において適切に管理していることが必要です。

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居宅サービス計画作成依頼届出書の提出タイミング

要介護を想定する場合は認定申請と同時に居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書を市区町村に提出することが原則です。要介護・要支援のいずれになるか判断できない場合は、認定結果が出てから提出しても差し支えないとしている自治体もあります。

提出がないまま認定結果が要介護となった場合は速やかに届け出ること、提出月以前は国保連合会を通じての請求はできず償還払いになる可能性があります。特段の事情がある場合は市区町村介護保険課に申し出るようにしてください。

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運営基準減算が適用される主な場面

暫定ケアプランに関連して運営基準減算が問題になりやすい場面を整理します。

  • 利用者の居宅を訪問し本人に面接せずにアセスメントを行った場合
  • サービス担当者会議を開催しなかった場合(やむを得ない理由がある場合は照会等で代替可)
  • 居宅サービス計画の原案について文書による同意を得ずに交付した場合
  • 介護区分をまたいだ際に事前に連携を取らず、単独でケアマネジメントを行った場合

運営基準減算に該当すると当該者の基本単位数の5割が減算され、減算状態が2か月以上続くと2か月目以降は所定単位数が算定されなくなります。

運営基準減算とは

居宅介護支援事業所では、必ず行わなくてはならない指定された運営基準がありますが、遵守していない場合に介護報酬が減額されるペナルティのような減算です。

まとめ

暫定ケアプランのポイントを整理します。

  • 新規・区分変更・更新申請(有効期間内に結果が出ない場合)の3場面で作成する
  • 暫定でも一連のケアマネジメント業務は原則必要。更新申請でサービス内容に変更がない場合のみ省略可
  • 担当者会議は区分変更申請前(状態変化のタイミング)で開催するのが原則
  • 認定結果が想定通りで内容変更なし→改めての一連業務は不要。見え消し等で本プランに移行
  • 同一区分内で介護度が異なった→軽微な変更として扱える場合あり
  • 介護区分をまたいだ→事前に居宅・包括が連携していることが条件。連携なしは運営基準減算
  • 本プランの同意日は認定日以降。暫定プランと本プランの両方をサービス事業所に交付する
  • 認定前に死亡した場合も本プランへの移行が必要。家族代行で同意を得る

暫定ケアプランの細かい取り扱いは自治体によって若干異なる場合があります。判断に迷うときは担当の市区町村介護保険課に確認するようにしてください。

参考資料

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