腸活・菌活のために良いこと 排便に導く腸内環境を整える方法

 

話題の「腸活」「菌活」について、腸の働きや整腸剤、腸活のポイントなどを薬剤師のoyasuさんに紹介してもらいました。
プロバイオティクスで腸内フローラを整えることや、温腸活、腸もみなど、いろいろな腸活テクニックが話題になっています。この記事では、腸活のポイントとして、テクニックに必要な腸や腸内環境の知識を紹介します。
高齢者は胃腸の運動が低下しており、食事量も少ないことから慢性的に便秘していることが多いです。
高齢の患者様では、お通じの薬を飲んでらっしゃる方が多いのではないでしょうか?近年、腸の重要性や腸内細菌について注目されています。食べ物は、口から入っていき、食道、胃、小腸、大腸、肛門と通っていきます。人の消化管は、一本の管でつながっています。消化管は、食べ物以外にも水、細菌、ウイルス、薬などさまざまなものが通過していきます。腸は、通過したもののなかから体に有益なものを選んで消化しながら、吸収し、有害なものは排除するという高度で優れた働きを持っています。

人の体も腸からできる どんな動物も腸はある

人の発生でも、受精後第3週頃で胚葉ができ、内胚葉でできた袋から前腸と後腸という腸から最初にできます。その後に脳が形成されていきます。
脳が無い動物はいますが、腸が無い動物は存在しません。このことからも生命にとって腸がいかに重要な器官であるかがわかると思います。また、腸は「第二の脳」ともいわれ、多くの神経細胞に覆われています。腸は、これらの神経細胞の働きにより脳の信号が無くても動くことができる数少ない器官の一つです。旅行の日におなかが痛くなる。試験の日に下痢するなどの経験ありませんか?

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空腹な状態を作ることは腸をきれいにする第一歩

腸は、不安や緊張などのストレスに敏感に反応します。腸と脳は自律神経でつながっています。脳がストレスを感じると、自律神経につたわり、腸の運動に異変が起こります。腸は大きく小腸と大腸に分かれます。小腸は、消化液と食べ物を混ぜ合わせて、分解消化し、小腸粘膜から栄養を吸収します。空腹を感じたときにおなかが鳴るのは、小腸の働きの音です。この小腸に食べ物が入っていない状態というのが、非常に大切です。その空腹時の小腸の運動で腸を掃除します。空腹にすることによって腸がきれいになっていくんですね。
だから、出来るだけ空腹時間を長くすることが腸をきれいにする第一歩になります。また、小腸の掃除が不十分で食べ物のカスが残っていると、食べ物が腐敗し、腸内細菌が悪化し腹痛につながっていきます。

食べ物が排出されるまで1~3日 小腸の通過には2~8時間

大腸は、小腸から送られてきた食べ物から水分を吸収し便を作っていきます。食べ物が排出されるまでには、24時間~72時間かかりますが、消化吸収をする小腸を通過するのは、2~8時間で、大半は大腸にとどまっています。

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菌活で腸内細菌100兆個を整える方法 善玉菌と悪玉菌と日和見菌

腸の腸内細菌により食べ物は便になって行きます。腸内には100兆個の細菌が生息しているといわれます。腸内細菌は、その作用によって健康に有益に働く《善玉菌》、健康に有害な《悪玉菌》、善玉にも悪玉にも変化する《日和見菌》の3つに分類されます。これらの細菌が互いに密接に係わり合いバランスを取りながら生息しています。

腸内の善玉菌の種類と作用

腸内の善玉菌は、乳酸菌、ビフィズス菌などで、腸の運動をよくする、免疫を高める、ビタミンを合成する。消化、吸収をよくするなどの作用があります。

腸内の悪玉菌の種類と作用

腸内の悪玉菌は、大腸菌(有害株)、ブドウ球菌、ウェルシュ菌などで、腸内を腐敗させる、毒素や発ガン物質をつくる、ガスを発生させるなどの作用があります。おなかが張ったり、ガスがよくたまる状況ありませんか?この場合、糖類、小麦、ナッツ類、乳製品などの取りすぎが原因かもしれません。腸内細菌によりガスが発生するのですが、これらの食べ物を発酵させすぎて起こるのです。おなかの張りやガス、それに伴う腹痛などあれば、それらの食べ物を控えるようにしてください。

腸内の日和見菌の種類と働き

腸内の日和見菌は、バクテロイデス、大腸菌(無毒株)、連鎖球菌などです。健康な時はおとなしくしてますが、抵抗力が低下するとなど、何らかのきっかけで悪い働きをする腸内細菌です。

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腸活の方法のポイント

腸活 運動 歩行やおなかの刺激

お腹(腸)を動かす腸を動かす事は大切です。高齢者は特に胃腸機能が低下しているので意識して動かしていく必要があります。そのためには歩きましょう。1日中座ってたり寝ていたりするも腸の運動も低下します。もし、歩く事がむずかしいのであれば、物理的にお腹をさすってあげるのもよいと思います。

腸活 白湯を飲む

胃腸の冷えは、消化器機能を低下させます。特に夏場ははクーラーで身体が冷えたりや冷たいものを飲んだり、アイスなど冷たいものを食べたりする機会が多くなります。寝る前に腸は特に働きます。寝る前に毎日白湯を飲んでください。便秘、冷えがひどい患者さんであれば、朝起きてすぐの1日2回でも良いと思います。

腸活 水分を十分とり便を軟らかく

硬い、コロコロとした便は、水分不足の証拠です。便が硬くなると栓になって詰まるので便秘になります。高齢者は水分貯蔵出来ないですし、喉の渇きを感じにくくなってます。また水分を取るとトイレの回数が多くなるので嫌がる患者さんも多いですが、頑張って取るようにしてください。

食事(食物繊維と腸活食品)を積極的にとる

腸活のための食物繊維と腸活食品
高齢者は、食事量が減ってきます。便は、食べ物が原料です。特に食物繊維をとらないと便の量が増えないので取るようにしましょう。ゴボウ、さつまいも、大豆食品が良いと思います。また、腸活食品のヨーグルトや発酵食品(味噌、キムチ、納豆など)も食べるようにしましょう。

プロバイオティクスとプレバイオティクス

特に乳酸菌の生育を助けるオリゴ糖は効果的で、腸内細菌を整えるプロバイオティクスと合わせて、腸内細菌のエサになるプレバイオティクスとして注目されています。以下の記事「腸内環境・細菌バランス改善、免疫に善玉菌とオリゴ糖が良い理由、効果」では、オリゴ糖と善玉菌の関係についても詳しく紹介しています。

腸活 整腸剤(高機能のヨーグルト)の服用

下剤にはプルセニドやヨーデル、センノシドなど色々ありますが、これら下剤の前に整腸剤を飲んでみると良いと思います。整腸剤は、高機能のヨーグルトのイメージで良いと思います。整腸剤(ビオフェルミン、ラックビー、ビオスリー、ミヤBMなど)色々あります。どの整腸剤が人の体内の腸内細菌に合うかは試して見ないとわからないので、色々服用して試してみてください。
下剤・整腸剤の種類や作用について詳しくは「高齢者の便秘でよく処方・服用される下剤の特徴をまとめ」で。

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腸活の基本は生活習慣と食事

最後にまとめますと、腸を健康に保つ腸活のためには、ストレスをため過ぎないことと、便秘にならないように対策することが大切です。
便の問題はデリケートですが、動物の生命活動の中で最も大切です。この記事で紹介した腸活の知識と腸活の方法を参考に、健全な排泄について考えてみてください。

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