
居宅介護支援とは、いわゆる居宅ケアマネの事業所のことです。
介護保険の指定を受けて指定居宅介護支援の事業を行う場合には、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」で定められたルールを守らなければなりません。その基準の内容を噛み砕いて説明いたします。
この内容は、令和6年4月1日施行の「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」を参考にまとめていますが、情報が膨大になってしまうことと言い回しが難しい部分があるので、省略している箇所や、表現を調整している箇所がございます。正しい表記や内容については基準の原文をご確認ください。
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このページの目次
- 指定居宅介護支援の基本方針とは
- 指定居宅介護支援における人員に関する基準
- 指定居宅介護支援事業所における管理者の基準
- 指定居宅介護支援における運営基準(内容説明と同意に関するルール)
- 指定居宅介護支援の具体的な取扱方針(実務要点一覧)
- 法定代理受領サービスに係る報告(第14条)
- 運営規程(第18条)
- 勤務体制の確保(第19条)
- 業務継続計画(BCP)の策定等(第19条の2)
- 感染症の予防・まん延防止措置(第21条の2)
- 掲示義務(第22条)
- 秘密保持(第23条)
- 居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止(第25条)
- 苦情処理(第26条)
- 事故発生時の対応(第27条)
- 虐待の防止(第27条の2)
- 記録の整備(第29条)
- その他
- まとめ
指定居宅介護支援の基本方針とは
指定居宅介護支援は、単にサービスを紹介する仕事ではなく、「利用者の人生と暮らしを支える調整役」としての在り方そのものが法律で定められています。ここでは、その根幹となる基本方針を分かりやすく整理します。
① 住み慣れた自宅での自立した生活を支えることが大前提
指定居宅介護支援は、利用者が要介護状態になった場合でも、可能な限り住み慣れた自宅で生活を続けられるように支援することを目的としています。
その際に重視されるのは、単なる介護の提供ではなく、利用者本人が持っている能力を活かしながら、自立した日常生活を送れるように配慮することです。
つまり、「できないことを代わりにやる」だけでなく、「できることは続けられるよう支える」という視点が基本にあります。
② 利用者の状況に応じたサービスを“選択に基づいて”組み立てる
居宅介護支援は、利用者の心身の状態や生活環境などを踏まえた上で行われます。そして重要なのは、サービスの利用が利用者自身の選択に基づくものであることです。
提供されるのは、医療サービスと福祉サービスの両方を含めた支援であり、それらが一つの事業所に偏るのではなく、多様な事業者の中から選ばれ、総合的かつ効率的に組み合わされるよう配慮しなければなりません。
ケアマネジャーは、その調整役として全体を見渡し、バランスよく支援体制を整える立場にあります。
③ 利用者の意思と人格の尊重、公正中立な支援
指定居宅介護支援を行う事業者は、支援の提供にあたり、常に利用者の意思と人格を尊重し、利用者の立場に立って対応することが求められます。
また、特定のサービスの種類や、特定の事業所ばかりを勧めるなど、不当に偏った支援を行ってはならないとされています。
居宅サービスの選定は、公正中立な立場で行われるべきものであり、事業所の都合ではなく、あくまで利用者にとって適切かどうかが基準になります。
④ 関係機関との連携は事業運営上の義務
居宅介護支援事業者は、単独で完結する存在ではなく、地域のさまざまな機関との連携の中で運営されることが前提となっています。
市町村や地域包括支援センター、老人介護支援センター、他の居宅介護支援事業者、介護予防支援事業者、介護保険施設、さらには障害福祉分野の相談支援事業者など、多職種・多機関との連携に努めることが求められています。
これは、利用者の生活が医療・介護・福祉など複数の領域にまたがっているためであり、切れ目のない支援体制を作るための重要な方針です。
⑤ 人権の擁護と虐待防止のための体制整備
居宅介護支援事業者には、利用者の人権を守り、虐待を防止するための体制を整える責任があります。
単に注意を促すだけでなく、組織として必要な体制を整備し、従業者に対して研修を実施するなど、具体的な取り組みを行わなければなりません。
これは、利用者が弱い立場に置かれやすい介護分野において、権利擁護を事業運営の柱とするという考え方に基づいています。
⑥ 介護保険関連情報を活用した適切で効果的な支援
居宅介護支援の提供にあたっては、介護保険等に関する各種情報など、必要な情報を活用しながら、支援を適切かつ有効に行うよう努めることも求められています。
これは、経験や勘だけに頼るのではなく、制度上の情報やデータも活かしながら、より質の高いケアマネジメントを行うことを意味しています。
指定居宅介護支援における人員に関する基準
指定居宅介護支援事業所は、適切なケアマネジメントを行うために、法律で定められた人員配置基準を満たさなければなりません。これは事業所の規模や利用者数に応じて、必要な介護支援専門員(ケアマネジャー)の人数を確保するためのルールです。
① 各事業所に常勤のケアマネジャーを必ず配置する
指定居宅介護支援事業者は、事業所ごとに、指定居宅介護支援を実際に提供する介護支援専門員を配置しなければなりません。
しかもそのうち少なくとも1人は常勤であることが必要です。
つまり、どんなに小規模な事業所であっても、「常勤のケアマネジャーが不在」という状態は認められていません。事業所単位で、責任を持って継続的に支援できる体制を確保することが前提となっています。
② ケアマネ1人が担当できる利用者数の基準
ケアマネジャーの必要人数は、利用者数に応じて決まります。基本的な考え方は、「利用者44人ごとにケアマネ1人」です。
ここでいう利用者数には、指定居宅介護支援の利用者だけでなく、同じ事業所で指定介護予防支援を行っている場合、その利用者も含まれます。ただし、介護予防支援の利用者はそのまま1人として数えるのではなく、「3分の1」として換算されます。
つまり、居宅介護支援の利用者数に、介護予防支援の利用者数の3分の1を加えた人数を基準にし、その合計が44人増えるごとに、ケアマネジャーを1人追加する必要があります。
この仕組みは、介護予防支援が比較的業務負担が軽いことを考慮した換算方法といえます。
③ 情報処理システムと事務職員を配置している場合の特例
通常は「44人ごとに1人」ですが、一定の条件を満たしている事業所には特例があります。
国民健康保険中央会が運用・管理する、居宅サービス計画情報などを共有できる情報処理システムを利用し、さらに事務職員を配置している事業所については、基準が緩和されます。
この場合、ケアマネジャー1人あたりが担当できる利用者数は「49人ごとに1人」となります。
これは、ITシステムの活用や事務職員による業務補助によって、ケアマネジャーの負担軽減が図られていることを前提とした特例です。ただし、単に人数を増やせばよいという趣旨ではなく、業務の質が確保されていることが前提にあります。
指定居宅介護支援事業所における管理者の基準
指定居宅介護支援事業所では、事業の適切な運営とケアマネジメントの質を確保するために、管理者の配置についても明確な基準が定められています。管理者は単なる名義上の責任者ではなく、事業所全体の運営を統括する重要な存在です。
① 事業所ごとに常勤の管理者を配置する義務
指定居宅介護支援事業者は、事業所ごとに常勤の管理者を置かなければなりません。
つまり、複数の事業所を運営している場合でも、それぞれの事業所に責任者となる管理者を配置することが必要です。
「常勤」であることが求められているのは、日々の業務や職員の指導、利用者対応などに継続的に関与できる体制を確保するためです。
② 原則は「主任介護支援専門員」が管理者
管理者は、原則として主任介護支援専門員でなければなりません。
主任介護支援専門員は、一定の実務経験や研修を経て専門性を高めた立場であり、ケアマネジャーの指導・助言や事業所全体の質の向上を担う役割が期待されています。
ただし、主任介護支援専門員の確保が著しく困難であるなど、やむを得ない事情がある場合には、主任でない介護支援専門員を管理者とすることも認められています。
この場合でも、あくまで例外的な取扱いであり、本来は主任介護支援専門員が担うべき職務であるという位置づけです。
③ 管理者は原則「専従」だが、一定の兼務は可能
管理者は原則として、その職務に専ら従事する、いわゆる「専従」であることが求められています。これは、事業所運営の責任が大きく、管理業務に十分な時間を割く必要があるためです。
ただし、次のような場合には兼務が認められています。
・管理者がその事業所の介護支援専門員としての業務も行う場合。
・他の事業所の職務に従事する場合、その場合でも、当該居宅介護支援事業所の管理に支障がないことが前提。
つまり、形式上の兼務が認められていても、「管理が十分に機能していること」が実質的な条件になります。
指定居宅介護支援における運営基準(内容説明と同意に関するルール)
指定居宅介護支援は、利用者の生活に深く関わる支援であるため、サービス開始前の説明と同意の手続きが厳格に定められています。これは、利用者が内容を理解し、自分の意思でサービスを選択できるようにするための仕組みです。
① 重要事項の説明と同意が必須
サービスを始める前に、事業者は利用申込者や家族に対し、運営規程の概要など、サービス選択に関係する重要事項を文書で交付し、説明しなければなりません。そのうえで、サービス開始について利用者本人の同意を得ることが必要です。
つまり、契約前に「何をする事業所なのか」「どんな仕組みなのか」を明確に伝え、理解と納得を得ることが前提になります。
② ケアプランは利用者本位であることの説明
事業者は、居宅サービス計画が基本方針と利用者の希望に基づいて作られるものであることを説明しなければなりません。さらに、利用者は複数のサービス事業者を紹介してもらうよう求めることができる、という点についても理解を得る必要があります。
これは、特定の事業所に誘導されるのではなく、利用者の選択権が保障されていることを明確にするための規定です。
③ サービス利用の偏り状況についての説明努力
事業所は、過去6か月間に作成したケアプランの中で、訪問介護や通所介護、福祉用具貸与などがどの程度位置付けられているか、また同一事業者によるサービス提供がどのくらいの割合を占めているかについて、利用者や家族に説明し、理解を得るよう努めることとされています。
これは、ケアプランが特定の事業所やサービスに偏っていないかを透明化するための仕組みです。
④ 入院時の連絡体制の説明
利用者が入院することになった場合には、担当ケアマネジャーの氏名や連絡先を医療機関に伝えるよう、あらかじめ利用者や家族に求める必要があります。
これは、医療と介護の連携を円滑にし、退院後の生活支援につなげるための重要なルールです。
⑤ 重要事項の説明は電子的な方法でも可能
重要事項の説明文書は、本人や家族の希望と承諾があれば、紙ではなく電子的な方法で提供することも認められています。メール送信やオンライン閲覧、電子記録媒体の交付などがこれにあたります。
ただし、利用者側が文書として出力できる形式であることが必要で、事前に方法や形式について説明し、同意を得なければなりません。また、後から紙での交付を希望された場合には、電子提供はできなくなります。
指定居宅介護支援の具体的な取扱方針(実務要点一覧)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 管理体制 | 管理者はケアプラン作成業務を介護支援専門員に担当させる |
| 利用者対応 | 懇切丁寧に支援し、方法や内容をわかりやすく説明 |
| 身体拘束 | 原則禁止。実施時は内容・理由・時間・状況を記録 |
| ケアプランの基本 | 自立支援を目的に、継続的・計画的にサービスを組む |
| 地域資源活用 | 医療・福祉・地域サービスも含めて検討 |
| 情報提供 | 利用者が選択できるよう事業所情報や料金を提示 |
| アセスメント | 利用者宅訪問+本人・家族面接で課題把握 |
| プラン原案 | 目標・内容・利用料・注意点を記載して作成 |
| 担当者会議 | 原案作成時に開催し、専門職の意見を求める(オンライン可) |
| 同意手続き | 保険対象区分を説明し文書同意を得る |
| プラン交付 | 利用者と各サービス事業者に交付 |
| 各事業所計画 | 訪問介護計画など個別計画の提出を求める |
| モニタリング | 月1回以上面接・記録。条件付きでオンライン可 |
| 認定更新時 | 更新・区分変更時は担当者会議で見直し検討 |
| 在宅困難時 | 施設紹介など必要な支援を行う |
| 退院・退所支援 | 在宅移行前にプラン作成し調整 |
| 訪問介護回数多 | 基準超過時は理由記載+市町村届出 |
| 医療サービス | 主治医意見を確認し、プランを医師へ交付 |
| ショートステイ | 原則、有効期間の半数超えないよう配慮 |
| 福祉用具 | 必要性検討と理由記載、継続時も再評価 |
| 被保険者証記載 | 認定審査会意見などがあれば内容に沿って作成 |
| 要支援移行 | 介護予防支援事業者へ情報提供し連携 |
| 予防支援委託 | 業務量を考慮し居宅支援業務に支障が出ない体制 |
| 行政協力 | 市町村等から求めがあれば資料提供等に協力 |
法定代理受領サービスに係る報告(第14条)
ケアプランに載せた保険給付対象サービスの内容を、毎月、保険者側へ報告する義務についてです。
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 毎月の報告義務 | 事業者は毎月、法定代理受領サービスに関する情報を提出する義務がある |
| 提出先 | 原則は市町村。審査・支払事務を委託している場合は国保連合会へ提出 |
| 対象サービス | ケアプランに位置付けた「法定代理受領サービス」(保険給付が利用者に代わり事業者へ支払われるサービス) |
| 報告内容 | ケアプランに組み込まれている該当サービスの情報を記載した文書 |
| 基準該当サービス | 基準該当居宅サービスに関する特例居宅介護サービス費の支給事務に必要な情報も提出対象 |
| 実務の意味 | これは給付管理・請求管理の根拠となる報告業務であり、ケアマネ業務の事務的義務の一つ |
運営規程(第18条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 作成義務 | 事業所ごとに「運営規程」を定めておく必要がある |
| 目的・方針 | 事業の目的と運営方針を明確にする |
| 職員体制 | 職種、人数、業務内容を規定する |
| 営業情報 | 営業日と営業時間を明示する |
| サービス内容 | 提供方法、内容、利用料やその他費用を定める |
| 実施地域 | 通常サービスを提供する地域を明確にする |
| 虐待防止 | 虐待防止の体制や措置を規定に含める |
| その他重要事項 | 事業運営上、重要とされる事項を定める |
勤務体制の確保(第19条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 勤務体制の整備 | 事業所ごとにケアマネ等の勤務体制を明確に定めておく必要がある |
| 業務担当 | 居宅介護支援業務は原則その事業所の介護支援専門員が担当する(補助業務は例外) |
| 研修の確保 | ケアマネの資質向上のため、研修機会を確保する義務がある |
| ハラスメント対策 | セクハラ・パワハラなど就業環境を害する行為を防止する方針や体制整備が必要 |
業務継続計画(BCP)の策定等(第19条の2)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 計画の策定 | 感染症や災害時でも支援を継続するための「業務継続計画(BCP)」を作成する義務がある |
| 計画に基づく対応 | 計画を作るだけでなく、その内容に沿って実際の対策を講じる必要がある |
| 職員への周知 | ケアマネにBCPの内容を周知することが必要 |
| 研修・訓練 | BCPに関する研修や訓練を定期的に実施する義務がある |
| 定期見直し | 計画は定期的に見直し、必要に応じて更新する |
感染症の予防・まん延防止措置(第21条の2)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 委員会の設置 | 感染症対策を検討する委員会を設置し、概ね6か月に1回以上開催(オンライン可) |
| 職員への周知 | 委員会の検討結果をケアマネへ周知徹底する |
| 指針の整備 | 感染症予防・まん延防止のための事業所指針を作成しておく |
| 研修の実施 | ケアマネ向けに感染症対策の研修を定期実施 |
| 訓練の実施 | 実際の対応を想定した訓練も定期的に行う |
掲示義務(第22条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 事業所内掲示 | 見やすい場所に重要事項を掲示する義務がある |
| 掲示内容 | 運営規程の概要、ケアマネの勤務体制、その他利用者の選択に役立つ情報 |
| 書面備付でも可 | 書面を備え付け、関係者が自由に閲覧できる状態なら掲示に代えることができる |
| ウェブ掲載 | 原則として重要事項は事業所のウェブサイトにも掲載が必要 |
秘密保持(第23条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 守秘義務 | ケアマネ等は業務で知った利用者・家族の秘密を漏らしてはならない |
| 退職後も対象 | 退職後の職員が秘密を漏らさないよう事業者が対策を講じる義務がある |
| 個人情報の同意 | サービス担当者会議などで利用者情報を使う場合は事前に文書同意が必要 |
| 家族情報の扱い | 家族の情報を使う場合も、その家族本人の同意が必要 |
居宅サービス事業者等からの利益収受の禁止(第25条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 管理者の禁止行為 | 管理者はケアマネに対し、特定事業所のサービスを入れるよう指示してはならない |
| ケアマネの禁止行為 | ケアマネは利用者に対し、特定事業所の利用を強制・誘導してはならない |
| 利益供与の禁止 | 特定事業所を使わせる見返りに金品や利益を受け取ってはならない |
| 規定の趣旨 | ケアプランの中立性・公正性を守るためのルール |
苦情処理(第26条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 苦情対応義務 | 利用者・家族からの苦情に迅速かつ適切に対応する義務がある |
| 記録義務 | 受け付けた苦情の内容や対応状況を記録する必要がある |
| 市町村調査への協力 | 市町村の調査・照会に応じ、指導や助言を受けた場合は改善する |
| 改善報告 | 市町村から求めがあれば改善内容を報告する |
| 国保連への援助 | サービス事業所への苦情を国保連に申し立てる際、利用者を支援する |
| 国保連調査への協力 | 国保連の調査や指導にも協力し、改善が必要なら対応する |
| 国保連への報告 | 国保連から求めがあれば改善内容を報告する |
事故発生時の対応(第27条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 連絡義務 | 事故発生時は速やかに市町村と家族へ連絡する |
| 必要な対応 | 状況に応じた必要な措置を講じる義務がある |
| 記録義務 | 事故の状況と対応内容を記録しなければならない |
| 損害賠償 | 賠償責任が生じた場合は速やかに賠償を行う |
虐待の防止(第27条の2)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 委員会の開催 | 虐待防止対策を検討する委員会を定期開催(オンライン可) |
| 職員への周知 | 委員会の結果をケアマネへ周知徹底する |
| 指針の整備 | 虐待防止に関する事業所指針を作成する |
| 研修の実施 | ケアマネ向けに虐待防止研修を定期実施 |
| 担当者の設置 | これらの対策を実施する責任担当者を置く |
記録の整備(第29条)
| 項目 | 実務でのポイント |
|---|---|
| 事業所記録 | 職員、設備、備品、会計に関する記録を整備する義務がある |
| 保存期間 | 居宅介護支援に関する記録は「完結日から2年間」保存 |
| 連絡調整記録 | サービス事業者との連絡調整の記録が必要 |
| 居宅介護支援台帳 | 利用者ごとに居宅介護支援台帳を作成する |
| ケアプラン(居宅サービス計画) | 作成した居宅サービス計画を保存 |
| アセスメント(課題分析) | アセスメントの結果記録を保存 |
| 担当者会議 | サービス担当者会議の記録を保存 |
| モニタリング | 毎月の実施状況確認の記録を保存 |
| 身体拘束記録 | 身体拘束を行った場合の詳細記録を保存 |
| 市町村通知記録 | 市町村への通知に関する記録を保存 |
| 苦情記録 | 苦情内容と対応の記録を保存 |
| 事故記録 | 事故状況と対応内容の記録を保存 |
その他
提供拒否の禁止
事業者は、正当な理由がない限り、居宅介護支援の提供を断ってはならない。
サービス提供が難しい場合の対応
自事業所で適切な支援が難しいと判断した場合は、他の居宅介護支援事業者の紹介など、必要な対応を行う義務がある。
受給資格などの確認
支援開始時には被保険者証を確認し、被保険者資格、要介護認定の有無、認定の有効期間を確認する。
要介護認定申請の援助
利用者の意思を踏まえ、要介護認定の申請手続きに協力する義務がある。
認定未申請者には申請状況を確認し、未申請なら速やかに申請できるよう援助する。
更新申請は有効期限満了の30日前までに行われるよう支援する。
身分証の携行
ケアマネジャーには身分証を携行させ、初回訪問時や求めがあった場合は提示するよう指導しなければならない。
利用料の取扱い
利用者から受け取る利用料は、保険給付額との間に不合理な差が生じないようにする。
通常の事業実施地域外への訪問時は交通費の徴収が可能。
その場合は事前に内容と費用を説明し、同意を得る必要がある。
提供証明書の交付
利用料を受け取った場合は、金額などを記載した「居宅介護支援提供証明書」を利用者へ交付しなければならない。
まとめ
居宅介護支援は、単なる「ケアプラン作成業務」ではなく、法律に基づいて厳格なルールのもとで運営される専門事業です。そこでは、利用者が住み慣れた自宅で自立した生活を続けられるよう支援することが最も大きな目的として位置付けられています。
そのために事業所には、人員配置、管理体制、運営規程の整備、説明義務、記録義務、苦情対応、事故対応、虐待防止、感染症対策、業務継続計画の策定など、多岐にわたる責任が課されています。これらは単なる形式的な決まりではなく、ケアマネジメントの中立性や利用者の権利、そして支援の質を守るための仕組みです。
特に重要なのは、ケアマネジャーが利用者本位・公正中立の立場で支援を行うこと、そしてその過程をアセスメント・会議・同意・モニタリング・記録という形で根拠づけていくことです。居宅介護支援の実務は、この法的枠組みの上に成り立っています。
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