労働基準法では、賃金、労働時間、時間外労働や残業の割増賃金、休憩時間、休日や有給、健康診断などのルールがありますのでポイントを紹介します。労働基準法の内容は法律で義務付けられていますので、雇う人も雇われる人も労働基準法や関連法令を知り、適切な環境・働き方、待遇が得られるようにしましょう。
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労働基準法に違反すると罰則も
労働基準法は、正社員、アルバイトなどの名称を問わず全ての労働者に適用され、法律で決められたルールなので、違反すると従業員を雇用する使用者(会社・事業主)に対して労働基準監督署から調査が入り、悪質な場合には罰則を与えられることもあります。
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労働条件の明示
雇入れの際に、賃金や労働時間など法定の事項を書面の交付により明示する必要があります。(労働基準法第15条第1項、労働基準法施⾏規則第5条)
必ず明示しなければならないこと
- 契約期間に関すること
- 期間の定めがある契約を更新する場合の基準に関すること
- 就業場所、従事する業務に関すること
- 始業・終業時刻、休憩、休日などに関すること
- 賃⾦の決定⽅法、⽀払時期などに関すること
- 退職に関すること(解雇の事由を含む)
- 昇給に関すること
定めをした場合に明示しなければならないこと
- 退職手当に関すること
- 賞与などに関すること
- 食費、作業用品などの負担に関すること
- 安全衛生に関すること
- 職業訓練に関すること
- 災害補償などに関すること
- 表彰や制裁に関すること
- 休職に関すること
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労働時間・休日
法定労働時間は 1 日 8 時間、1 週 40 時間です。(10人未満の商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業は44時間)(労働基準法第32条、第40条)
法定休日は1週 1 日または 4 週につき 4 日です。(労働基準法第35条)
この労働時間の上限を超えてまたは休日に働かせるには、あらかじめ労使協定(36協定・サブロク協定)を結び、所轄労働基準監督署に届け出る必要があります(労働基準法第36条)
36協定で定めることのできる時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間(対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制の対象労働者は、月42時間・年320時間)です。
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年次有給休暇
雇い入れの日(試用期間含む)から6か月間継続勤務し、全所定労働日の8割以上出勤した労働者には年次有給休暇が与えられます。パートやアルバイトでも働く時間に応じて有給休暇は付与されます。
また、年次有給休暇が10日以上付与される労働者については、年5日の年休を取得させることが使用者の義務となります(労働基準法第39条)
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時間外労働・休日労働
時間外労働や休日労働を行わせる場合は、その上限時間を、あらかじめ、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署に届け出る必要があります。
また、時間外労働、休日労働、深夜労働(午後10時から午前5時)を⾏わせた場合には、割増賃⾦を⽀払わなければなりません(労働基準法第37条)
時間外労働 | 25%増以上 (1か月60時間を超える時間外労働については5割以上) |
休日労働 | 35%増以上 |
深夜労働 | 25%増以上 |
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賃金
最低賃金の適用を受ける労働者に対しては、都道府県ごとに定められた最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。
賃⾦は通貨で、直接労働者に、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて⽀払わなければなりません(労働基準法第24条)
賃金支払いの5原則
通貨払い | 賃金は通貨で支払う必要がある。現物支給は禁止されれている。両同社の度王位などがあれば銀行振り込みは可能。 |
直接払い | 労働者本人に直接支払う必要がある。(労働者の代理人や親権者等への支払いは不可) |
全額払い | 賃金は全額を支払う必要があります。所得税など法令に定めがあるものや、労使協定で定めたもの以外は控除できない。 |
毎月1回払い | 毎月少なくとも1回は賃金を支払わなければならない。(賞与等は除く) |
一定期日払い | 毎月何日に支払われるか、周期的に到来する支払い期日を定めなければならない。(賞与等は除く) |
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休憩
1日の労働時間が6時間を超える場合には休憩45分以上、労働時間が8時間を超える場合には休憩1時間以上を、勤務時間の途中で与えなければなりません(労働基準法第34条)
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健康診断
雇入れ時とその後1年以内ごとに1回、法定の項目について、定期健康診断を行う必要があります。(労働安全衛生法第66条)
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労災保険・雇用保険
労働者を1人でも雇用する事業主は労働保険(労災保険と雇用保険)に加入
しなければなりません。 業務上・通勤途上での災害に健康保険は使えません。
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就業規則
常時10人以上の労働者を使用している場合は、就業規則を作成し、労働者代表の意⾒書を添えて、所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。
また、就業規則を変更した場合も同様です。(労働基準法第89条、第90条)
就業規則は、作業場の⾒やすい場所に掲示するなどの方法により労働者に周知しなければなりません。
解雇
やむを得ず、労働者を解雇する場合、30日以上前に予告するか、解雇予
告手当(平均賃⾦の30日分以上)を⽀払わなければなりません。(労働基準法第20条)
また、業務上の傷病や産前産後による休業期間及びその後30日間は、原則として解雇できません。(労働基準法第19条)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合、無効となります。(労働契約法第16条)
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