就労移行支援とは?対象やサービス内容、報酬などを徹底解説
 

現在、日本でも障害があっても社会に参加し、お金を得てもらおうという政策が進んでいます。しかし一般企業が障害者を雇用するには厳しく、また労働条件が合わず就職を断念する障害者が大半を占めます。

日本では障害があっても働いて収入を得る施設が存在し、それらは就労移行支援施設・または就労継続支援事業A型・B型と言われています。今回は就労移行支援事業所について、活動内容・1日の流れなどを紹介します。

就労移行支援事業所とは(旧・授産施設)

授産施設とは、障害または家庭などの事情で就職が難しい人に対して、自立と生活の安定のため技術・能力の習得を目的とした施設です。2006年(平成17年)に施行された障害者自立支援法(2018年(平成30年)の障害者総合支援法に改正)により、授産施設は就労移行支援と就労継続支援事業所(A型・B型)に変更されました

就労移行支援事業所の対象

就労移行支援事業所は、一般就労等を希望し、知識・能力の向上、実習、職場探し等を通じ、適性に合った職場への就労等が見込まれる65歳未満の障害者で、企業等への就労を希望する人が対象です。

就労移行支援事業所のサービス内容

就労移行支援事業所では、一般就労等への移行に向けて、事業所内や企業における作業や実習、適性に合った職場探し、就労後の職場定着のための支援等が実施されます。標準利用期間は2年とされています。

就労移行支援事業所の事業所数・利用者数(令和3年時点)

厚生労働省・国保連のデータによると、令和3年時点の就労移行支援事業所の事業所数は全国に3,006事業所あると示されています。また、利用者数は34,645人 となっています。(参考:障害者の就労支援について, 社会保障審議会障害者部会 第113回, R3.6.28)

就労移行支援事業所での活動内容

就労移行支援事業所では、一般企業での就職を目標とし、必要な知識・技術を身に付けるとともに求職活動・施設・職員による職場開拓などのサポートをします。

過程は3段階に分かれており、入所から利用期間前期は就職に必要な知識・体力・集中力などを身に付けたり、ビジネスマナー・職場見学などより一般企業に触れる機会を提供します。そのため、就労移行支援の施設は就職を目指した訓練機関であるため、労働に対する賃金は発生しません。

具体的な作業内容はパソコンを使ったイラストソフトなどを使ったデザイン作成、ワード・エクセルなどの事務作業、商品のピッキング作業のように実際の仕事で活かせる内容を身に付けることができます。

タイピング練習・郵便物・書類の仕分けなどを中心に学び、訓練をする中でその人に対する課題・目標を見つけます。また利用者の得手不得手・障害によりできないことなどを知り、希望する職種とすり合わせ、実際に就職できるよう探ります。

就労移行支援事業者への報酬・売上

就労移行支援事業者への報酬は、就職後6か月以上定着率が何割であるかにより、就職後6月以上定着した割合が高いほど高い基本報酬が高くなるという報酬体系になっています。これらは各自治体から訓練給付金という形で事業所に給付され、例えば就職後6か月以上定着する人が5割を超える事業所では、1人の利用者が1日通うごとに、約1万円が報酬として支払われています。

就労移行支援事業者はこの「訓練給付金」が財源となり運営されています。

就労移行支援事業所での工賃は原則無い

就労移行支援事業所では、就労移行のための訓練を受けるサービスとして位置づけられているため、原則としては工賃は発生しませんが、事業所によっては仕事への対価を得ることへの充実感や金銭管理の訓練等の目的で利用者に工賃を支払っている場合もあります。

工賃は事業所の収益から必要経費を差し引いた純利益から支払われますが、施設の主な作業内容は内職に準ずるものが多いため、施設全体の収益はかなり少ないです。特に利用者の多くは重度の障害を持っており、出来る作業が限られる上利用者が多いため、純粋に利益から工賃を支払うことが難しい状況です。

就労移行支援事業所は利用期間は原則2年

また就労移行支援事業所は利用期間も2年と決められており、2年経っても就職につながらない場合は1年間の延長もしくは利用期間をリセットして、もう一度申請する方法があります。ただし1年間の延長は「就職の見込みがある」と市町村が認めることが必須となっています。

では、就労移行支援施設での1日の流れを紹介しましょう。

ある就労移行支援(授産施設)の1日の流れの例

就労移行支援施設と一般企業の大きな違いは、出社時間及び勤務時間の長さです。一般企業の労働時間は一日8時間というところが多く、9時から17時までの勤務を基本としています。一方就労移行支援事業所には細かく決まっていないため、事業所によって勤務時間はまちまちです。その中で多いのは9時から16時まで、一般企業と比べ始業・終業時間が1時間ずつ短い6時間設定です。

また事業所によっては5分から10分程度の休憩時間を取っていることもあるため、一般企業に比べると少し優しいスケジュールになっています。
朝が苦手な人・午後になると判断力が鈍るなど障害・体質や通院など人によって訓練を受けるなどを考慮し、同じ作業所でも出社時間・退社時間が違うところもあります。ここでは6時間と4時間のスケジュールを紹介します。

4時間勤務のスケジュールの例

11:00~14:00 出社・ビジネストレーニング
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 現場実習
16:00~17:00 事業所にて北区準備・終礼
17:00 帰宅

6時間勤務のスケジュール

9:00 出社・準備
10:00 朝礼・清掃
10:30 マナー・講習・相談
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 現場実習
16:00~17:00 事業所にて北区準備・終礼
17:00 帰宅

一般就労への移行者数・移行率の推移

就労系障害福祉サービスから一般就労への移行者数は、毎年増加しており、令和元年では初めて2万人を超える数の障害者が一般企業へ就職を実現しました。サービス利用終了者に占める一般就労への移行者の割合(移行率)を見ると、就労移行支援の移行率は5割を超えています

就労移行支援サービス利用終了者に占める一般就労への移行者割合の推移障害者の就労支援について, 社会保障審議会障害者部会 第113回, R3.6.28

就労移行支援の問題点 一般就労への移行という役割を適切に

就労移行支援という事業は、障害を抱えている人が一般就労への移行をする際のトレーニングや一般就労の環境に慣れて適応していくために大切な役割を担っており、実際に就労移行支援を利用した人の約半数が一般就労につながっています。

一方で、就労移行支援の事業は、収入源である訓練給付金の単価も比較的に高いので、就労移行の必要がある利用者を確保できれば他の介護や障害の事業よりも手間は少なく安定したビジネスになりやすいという点が指摘されています。

また、標準利用期間は2年までと決まっていますが、本来は一般就労を早期に実現できる方が理想的です。しかし、ビジネスの観点からは、2年まで利用できるならば2年間通ってもらえればずっと訓練給付金がもらえるので、通い続けてもらうことに精を出すという悪徳な事業者もいます。このあたりの問題点を解消して、適切に一般就労への支援をするという形が実現できるとよいですね。

 

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