立位姿勢・座位姿勢の正しい姿勢・良い姿勢をイラスト付きで解説

高齢者になっても良い姿勢を保ちたいという人が多いですが、正しい姿勢・良い立位姿勢・座位姿勢とはどのように評価したら良いのか、良い姿勢を保つためには何が必要なのかについて理学療法士の視点から紹介していきたいと思います。

正しい姿勢・良い姿勢とは

立位姿勢、座位姿勢には「ニュートラルポジション」といういわゆる良い姿勢があり、この姿勢を保つことで重力に対して最も効率良く身体を支えることができると言われています。

ニュートラルポジションには指標があり、この指標が一直線になる様にすることで確認することができます。

良い姿勢には武道や作法として求められる良い姿勢や、その他文化的な影響で良い姿勢といわれる姿勢は異なってきますので、この記事では体への負担が少ない姿勢という意味での良い姿勢を紹介していることをご留意ください。

安定した立位姿勢(理想的なアライメント)

安定した立位姿勢であるニュートラルポジション(立っているときに負担が少なくバランスが良い状態)について、医学用語とそれが大体どの位置かを括弧書きで書きます。

ニュートラルポジションは、理想的な姿勢ともいわれ、一列に並ぶという意味でこの観点で姿勢をみることを「姿勢のアライメント」とも呼ばれます。

この立位姿勢を自然と保てるような状態が、重力に対して最も効率良く身体を支えることができる良い姿勢と言われています。

(疾患や怪我の後などの場合には、その体の状態に対応したその人なりのベストな姿勢があるので、あくまでも健常者にとっての理想的な姿勢です。)

 

  • 頭:耳孔(耳の穴)
  • 肩:肩峰(肩の一番外側)
  • 股関節:大転子(お尻横側の骨の出っ張り)
  • 膝関節:膝関節中心のやや前方
  • 足首:外果前方(足の外くるぶしの5cm前)
立位姿勢でのニュートラルポジション

 

このような立位姿勢では良い姿勢を保つためには抗重力筋と言われる重力に逆らって体を垂直に保っているために必要な筋肉群のはたらきが重要です。抗重力筋にはどんな筋肉があるか、抗重力筋が弱ってしまうとどのようなことが起きるかなどについてはこちらの記事で紹介しています。

抗重力筋が弱ると、背中が丸まった猫背姿勢の円背(えんぱい)になったり、腰椎が過度に前弯してぽっこりおなかに見える姿勢になったりします。

座位姿勢でのニュートラルポジション

端座位や腰掛け座位で座っている姿勢でのニュートラルポジションは、基本的には立っている姿勢と同じです。足は曲がっているため耳〜股関節までが一直線になっていれば良い姿勢と言われています。

  • 頭:耳孔(耳の穴)
  • 肩:肩峰(肩の一番外側)
  • 股関節:大転子(お尻横側の骨の出っ張り)

こちらで紹介した座位姿勢は、端座位(椅子などに腰掛けた座位姿勢)の理想的なアライメントでした。

高齢者や普段足を組んだり姿勢を保つための筋力が落ちやすい姿勢などをとっていると体をまっすぐに座るにもすぐに疲労してしまいますし、その状態が続くと体の柔軟性が失われて変形や関節可動域制限が起きやすくなります。

悪い座位姿勢の代表的な姿勢である仙骨座りにもなりやすいです。

いろいろな座位姿勢の種類

座位姿勢には色々な種類があるので、必ずしも頭、肩、股関節の位置が並んだアライメントが良い姿勢というわけではありません。その姿勢の種類に合わせて重心の位置や体を支える規定面、体の可動域などに特徴があるので、普段過ごす中では一人一人に合わせて楽で体の変形などが生じにくいような姿勢をとりましょう。

正しい姿勢・良い姿勢を保つには

良い姿勢を保つには柔軟性と抗重力筋が大切

良い姿勢を保つためには、足・腰椎・胸椎・肩甲帯・頸部まで柔軟性があること、そして姿勢を保つために抗重力筋を中心とした筋力がしっかりと発揮されることが大切です。

抗重力筋には身体の各部位が重心からずれた時に補正する役割がありますので、ニュートラルポジションを取れるだけの体のしなやかさがあり、かつ抗重力筋の筋肉が一定量で維持され、自分の体の位置や関節の具合などを知覚する機能やバランス機能なども働いていることが必要です。

正しい「良い姿勢」の知識とイメージが大切

良い姿勢がどんな姿勢であるかという自己イメージも重要で、極端に胸を張った姿勢が良い姿勢だと勘違いしている場合など、この記事で紹介したようなポジションになることが理想的だということを無意識的に刷り込まれていないとなかなか理想的なニュートラルポジションの姿勢を保つということは難しいです。姿勢は精神的なものも影響するので、落ち込んでいたり、疲れていたりすると下向きになりやすく背中が丸まりやすいです。呼吸の状態も姿勢に影響を与えるため、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の方など呼吸が浅くなる方は少しでも呼吸を楽にするために前かがみ姿勢を取りやすい傾向があります。

一時的に良い姿勢を作るならば、姿勢矯正グッズも有効

良い姿勢を保つためには根本原因を解決することが重要ですが、一時的に姿勢を改善するだけであれば姿勢改善のためのベルトや整体など姿勢が悪くなっている部分を外力でよく見せるという方法も有効です。中長期的に良い姿勢にするためには骨格系の柔軟性や姿勢維持のための抗重力筋の強化が重要になってきます。

良い立位姿勢・座位姿勢のまとめ

体への負担が少ない良い立位姿勢についてニュートラルポジションや、良いアライメントという観点から紹介をしてきました。この記事で紹介した良い姿勢というのはあくまでも健常者の良い姿勢であり、股関節のケガをしてしまった後や、呼吸器疾患を抱えている人など、その人が過ごしやすく、その人なりに負担が少ない姿勢というのもあります。

特に高齢者の方の場合には何かしらの基礎疾患をお持ちの方もいますので、全ての人に良いアライメントの立位姿勢などを強要するべきではないと考えます。あくまでも良い姿勢の参考として目安の一つにしていただけますと良いかと思います。

また、立位姿勢きれいにするだけでなく、生活上では立位姿勢のバランスを保つことも重要です。立位バランスについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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