これまで定義されてきた健康の意味とこれからの健康についての考え方について、WHOの定義や厚生労働省の研究などと、私見を交えてお伝えしていきたいと思います。
平均寿命の延長により、近年人生100年時代や健康寿命という言葉を目にする機会が増えてきていますね。人生100年時代を生きていく上で、私達につきまとう不安や悩みの代表に「健康」をどのように維持していくのかということがあります。その不安や悩みを示すように私たちの周りには「健康」と名のつく言葉や商品が多く存在しています。長く生きていくという事はこれまで以上に健康に向き合う必要があるのではないかと思います。
この機会に健康という言葉について、ご自身にとってどのような意味を持つか振り返ってみるのもいいかもしれないですね。
健康の定義とは
私たちが非常によく使う「健康」の定義についてご存知でしょうか?
世界保健機構(以下:WHO)の憲章の健康の定義
健康の定義としては世界保健機構(以下:WHO)の憲章では「健康とは、完全な 肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。 到達しうる最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の一つである」と定義されています。
WHOの健康の定義においては、私たちが健康に対してイメージしやすい「心と身体」についてのみだけではなく、社会的側面においても良好な状態でないと健康とは呼べないという意味も含まれています。社会的側面とは経済的、コミュニティなど個々人によって意味するものは異なりますが、どのような状態でも余裕を持てると考えると分かりやすいかもしれません。
日本での健康の定義
日本では、厚生労働省などが中心に健康に関する研究や施策を進めていますが、健康の定義については主にWHOの健康の定義を用いています。
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日本における健康への取り組みは健康寿命がテーマ
厚生労働省による健康に関するテーマとしては平成26年の厚生労働白書より、「いかに健康で過ごすことのできる期間を長く保つか」、「健康長寿社会の実現」への取り組みとして予防医学に重点が置かれています。
主にはり生活習慣病などの疾病にならないための身体作り、すべきでないこと、公衆衛生など「健康意識の向上」及び「健康を維持できる環境」の提供を主眼に施策がなされている印象を受けます。健康診断による疾病の早期発見や、人間ドック、予防接種、健康増進活動などいろいろな取り組みがなされていますね。
また、日本全体として、近年のストレス社会を反映し、心の健康(メンタルヘルス)も課題となっています。こころの健康(メンタルヘルス)には、個人の資質や能力の他に、身体状況、社会経済状況、住居や職場の環境、対人関係など、多くの要因が影響します。
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個人における健康感
健康観とは、それぞれの人が持っている健康に関する価値観・価値基準のことです。小太りくらいの方が健康に感じる人もいれば、やせ細っている方が健康に感じる人もいるように、人によって健康についての判断基準は違っています。
健康ブームとともに最近ではスポーツジムなどで身体を鍛える方や有機野菜、無添加食品など自身の身体の下となる食事に対する個々人の知識や意識向上がみられていますね。
またマインドフルネスやメンタルヘルスなど精神面においての著書も多くみられるようになっており、表面上では健康度合いを測ることも難しいかもしれません。介護や医療の分野でも「QOL(人生の質)」を考えるとき、心身の健康に左右されずに本人の望む生活を…という形で、広い意味の健康を意識しています。
個人にとっての健康感とはその方の感じる「幸福度合い」との相関が強いのではないかと思われます。
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健康についてのまとめ
健康とは身体的、精神的、社会的な面のいずれもが良好な状態であることが大切です。私たちは健康という言葉に関して「疾病」や「障害」、「怪我」など表面上に見えやすいものを意識しやすいかもしれません。
あくまでも私見ではありますが健康とは「その人に与えられた特権であり資産的側面を持つもの」と考えると面白いのではないでしょうか。貨幣経済で暮らす私たちは、労働により得た収入を貯蓄、もしくは投資、消費などに回しますが、健康に関しても食事や運動、また環境の為への投資など資産に対する扱いと似通った部分もありますね。与えられた特権をどのような取り組みで維持していくかを考えることは一人一人によって価値観が違いますが、これからの時代を過ごしていく上で、あなたの生活に照らし合わせて再度「健康」について省みてみてはいかがでしょうか。
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