【速習】介護の仕事でのリスクマネジメント・事故予防
 

介護の仕事で役立つリスクマネジメント・事故予防について研修のような形でポイントを整理しました。介護現場では事故が起きる可能性があり、どんなリスクがあるかをヒヤリ・ハット報告などから抽出してリスクアセスメントしたり、重大な事故を予防するためにリスクをコントロールしたり、結果を示しリスクコントロールすることなどが重要です。実際の仕事の場面で、自分を守るため、ご利用者を守るために役立つ内容になっていると思いますので、読んで考えてみてください。

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リスクマネジメントとは

リスクマネジメントとは、これから起きるかもしれない事故に対して事前に対応しておこうという予防活動です。緊急の事態が発生する前・後の全ての時期を扱う言葉として国際的にも使用されている用語です。似ている言葉に「危機管理」という言葉がありますが、意味に違いがありますので使う時に気をつけましょう。

危機管理(Crisis Management)

JIS Q2001「リスクマネジメントシステム構築のための指針(経済産業省、日本規格協会)」によると、危機管理(Crisis Management)とは、事故後の対策に主体を置いたもので、すでに起きてしまった事故や事件に対して、そこから受ける損害・被害・後遺症を最小にしようという事後対策のことを言います。

リスクマネジメントに関連する用語の定義

安全のことについて定義している「ISO/IEC GUIDE 51:2014」では、リスクマネジメントに関連する用語について以下のように定義されています。

  • 安全(safety):許容不可能なリスクがないこと。
  • リスク(risk):危害の発生確率及びその危害の度合いの組み合わせ。
  • 許容可能なリスク(tolerable risk):現在の社会の価値観に基づいて、与えられた状況下で、受け入れられるリスクのレベル。
  • 残留リスク(residual risk):リスク低減方策が講じられた後にも残っているリスク。

介護事故と労働災害

介護の仕事で起きる事故のうち介護職員に起きたことは労働災害(労災)で、利用者に起きたことは介護事故と言います。介護職員の行動に起因してご利用者が事故に遭うこともあります。また、1つの事故でもご利用者も介護職員も被災する場合も考えられます。介護現場では、介護職員の安全も、ご利用者の安全も確保するという視点が重要です。

事故予防

事故は「安全でない状態(不安全状態)」と「安全でない行動(不安全行動)」が重なった時に起こります。

不安全状態と不安全行動

「安全でない状態(不安全状態)」と「安全でない行動(不安全行動)」が重なった時に事故が起きる

不安全状態とは「条件によってはリスクが高い状態」です。

不安全行動とは「条件によってはリスクが高い行動」です。

事故が起きる条件の事例

例えば、「水をこぼして床が濡れている状態」で「ご利用者が気付かずに杖でその場を歩いてる」ということが重なったとします。通常の杖での歩行であれば転倒することがないご利用者でも、床が濡れている状態に気付かないというということが重なってしまい転倒事故が起きてしまいます。

この事例では、床が水で濡れている状態という安全でない状態をなくしていれば、ご利用者の転倒は未然に防げる可能性が高くなります。

ヒヤリ・ハット

ヒヤリ・ハットとは、仕事中に、ヒヤッとしたこと、ハッとしたことなどのことをいいます。安全でない状態、安全でない行動を把握するために「ヒヤリ・ハット」の報告をして、働いている職員の危険感受性を高め、安全教育や事故対策が行われています。このようにヒヤリ・ハットとして危険を事前に察知し共有・対策するということは、安全でない状態、安全でない行動が重なって事故になることを防ぐために有意義なことです。ヒヤッとしたこと、ハッとしたことなど、不安全なことを認識し、職場内の危険感受性を高めていくことは、ヒューマンエラー(人的要因による想定外のミス)を防ぐことにもつながります。

ハインリッヒの事故予防の原則(1:29:300の法則)

事故(accident)が起きた場合、人は傷害を負ったり怪我をしたりすることになります。アメリカの損害保険会社の安全技師であったH.W.ハインリッヒは「事故予防の原則(ハインリッヒの1:29:300の法則)」を発表し、データとしても経験則としても納得感の高い内容であったため、医療や介護、工業や産業などの分野で幅広く教育に利用されています。

ハインリッヒの事故予防の原則(1:29:300の法則)

同一の人間に類似したaccidentが330回起きるとき、そのうち300回は傷害を伴わず(no injury)、29回には軽い傷害(minor injury)、1回には重い傷害(major injury)を伴う。そしてinjuryの有無・重軽にかかわらず。すべてのaccidentの背景に、おそらく数千に達すると思われるだけの不安全行動と不安全状態が存在する。
不安全行動と不安全状態をなくせば、accidentもinjuryもなくせる。

H.W.Heinrich, Dan Petersen, Nestor Roos: Industrial accident Prevention ; a safety management approach 5th ed(1980))

リスクアセスメントとリスクマネジメント

リスクの大きさや優先順位を立てて対策していくために、リスクアセスメントとリスクマネジメントのやり方を紹介します。

リスクアセスメントとは

リスクは、被害(危害)の発生確率と大きさを掛け合わせたもので表すことができます。リスクの大きいものほど優先課題と位置付けて対処します。ハザード(危害の原因)を特定し、そのリスクを評価することがリスクアセスメントです。リスクアセスメントを行う際には、以下のような式でリスクの大きさを表すことができるため、事例ごとにリスクをポイント化して優先度をつけたり、リスクの

リスクの大きさ(R)=危害の発生確率(P)×危害の大きさ(S)

リスクマネジメントとは

危険で有害なことを発生させないことはできませんが、小さくすることはできます。受容・対処できる程度にリスクを小さくすることがリスクマネジメントです。

リスクマネジメントの手順・やり方

リスクマネジメントの実際の手順・やり方としては以下のような形になります。

  1. ヒヤリ・ハットやパトロールで危険をリストアップする
  2. 事例ごとにリスクを評価する(リスクアセスメント)
  3. 評価結果から、リスクの大きさ・優先度順に、作業環境や作業方法の改善対策を実施する(リスクコントロール)
  4. 結果・効果などを示し、職員やご利用者などに周知する(リスクコミュニケーション)

適切なリスクマネジメントから介護事故防止へつなげる

このようなリスクアセスメント・リスクマネジメントを行い、また起きてしまった事故の事故報告書の検証などを積み重ねていくことで各事業所で介護事故防止に繋げる為の対策が作られていると思います。

適切にリスクマネジメントを行っていくと、その施設特有の不安全な状態などが特定され、そのリスクの大きさで優先度をつけ、設備を変更したり、体制を調整するといった対策ができます。

介護事故防止対応マニュアル

7種類の事故(転倒事故・転落事故、誤飲・異食事故、誤嚥、誤薬、離設・徘徊・行方不明、感染症、送迎中の交通事故・急変)について、事故の原因や事故対応策の例をまとめて紹介します。

介護事故の種類と対策方法

介護の仕事で特に起きやすくリスクマネジメントすべきな事故は以下のようなものです。各ページで、事故の特徴やリスク把握方法、対策、事例などを紹介していますので参考になれば幸いです。