褥瘡リスクアセスメントツールとして、現在医療分野や介護施設などでOHスケール、ブレーデンスケール、褥瘡危険因子評価表(DESIGN)を採用して、危険因子(リスクファクター)の抽出やケアの必要性、エビデンスに基づいた予後予測などを行っています。それぞれの評価表の特徴や評価項目、採点方法をまとめました。
このページの目次
褥瘡リスクアセスメントとは
褥瘡の発生は、寝たきり・不動・拘縮などの運動面の危険因子だけでなく、浮腫や骨突出、栄養状態、衛生状態などを総合的に把握して予防する必要があります。褥瘡リスクアセスメントとは、発生のリスクを評価し、結果に応じた予防ケアを実施することです。褥瘡の危険因子(リスクファクター)の抽出を行ったうえで、エビデンスに基づいたケアを行うことが褥瘡リスクアセスメントの上で重要です。
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褥瘡リスクアセスメントの進め方
褥瘡(じょくそう)ケアのために、エビデンスに沿ってリスク管理していく流れができつつあります。褥瘡におけるリスク管理とは、褥瘡発生の危険因子を評価することから始まります。
そこから予測、選択、効果測定、再評価というPDCAサイクル(看護・介護過程)に繋がっていきます。
その際の評価方法である「リスクアセスメントツール」について、在宅ケアに活かせる褥瘡予防のためのポジショニング―やさしい動きと姿勢のつくり方を参考にして紹介したいと思います。
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「OHスケール」は褥瘡予防対策のアセスメントで使いやすい
1998年に厚生労働省長寿科学総合研究(班長:大浦武彦)において作成されたスケールで、日本の実態に合わせた危険因子が抽出されています。
対象者の個体要因に対し、「危険要因」4項目、「警戒要因」2項目により評価します。OHスケールは危険要因のレベルごとに褥瘡発生率や治癒期間も算出されています。
OHスケールでみる4つの褥瘡の危険要因
OHスケールでは以下の要因に対し、0~3点のスコアを付け、合計点数(危険要因レベル)により褥瘡発生率と治癒期間の目安を求めることができます。
- 自動体位交換能力
- 病的骨突出
- 浮腫
- 関節拘縮
OHスケールでみる2つの警戒要因
- (病的)皮膚湿潤の有無
- 栄養状態の低下の有無
日本人の褥瘡対策を考えるとき、最も分かりやすく核心をついている評価方法がOHスケール
褥瘡対策に携わる時、OHスケール判定|床ずれ・褥瘡予防対策の堀田予防医学・統合医療研究所は読む価値ありです。
大浦 武彦先生、 堀田 由浩先生の本もあります。2013年7月発売。
OHスケールおよび、褥瘡患者のマットレス選択に迷う時、OHスケールによる褥瘡予防・治療・ケア ― エビデンスのあるマットレス・福祉用具の選び方は参考となります。
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「ブレーデンスケール」は世界でも使用頻度が高く、予測妥当性に優れている
アメリカで開発されたブレーデンスケールは、世界でも多く使用される褥瘡評価スケールです。褥瘡発生の危険点について、介護・看護力の違い(日本の病院の場合は14点、施設の場合は17点)により危険点を変えて評価されています。
褥瘡管理加算などの算定のために病院では入院時に採点されることが多いスケールです。施設や在宅でも早い段階にリスクチェックの一環として実施すると効果を発揮します。
ブレーデンスケールでの6つの評価項目
- 知覚の認知(圧迫による不快感に対して適切に対応できるか)
- 皮膚の湿潤
- 活動性(行動の範囲)
- 可動性(体位を変えたり整えたりする能力)
- 栄養状態
- 摩擦とずれ
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褥瘡危険因子評価表(DESIGN-R)
DESIGNは、日本褥瘡学会が開発した褥瘡の重症度と治癒過程を評価するスケールです。2002年に初めて発表され、その後、項目の重みづけや評価基準が見直され、2008年にDESIGN-R®として改定されました。DESIGN-R®は、褥瘡の状態を定量的に評価し、治癒過程を比較するための信頼性の高いツールとして国内外で広く評価されています。2023年には新たに「深部損傷褥瘡(DTI)疑い」と「臨界的定着疑い」が項目に追加され、今後も改定が予定されています。詳細は、日本褥瘡学会の褥瘡評価ツール 改定DESIGN-R 2020のページでご確認ください。
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褥瘡ケアは早期発見が大切!危険要因は頭に入れておいて!
褥瘡の危険因子、知覚の認知、病的骨突出、皮膚の湿潤、活動性(拘縮、体位交換能力)、浮腫、栄養状態、摩擦とずれ という項目が危険因子として各スケールに取り上げられていました。
ケアを行う中で、これらの項目についてスクリーニングしながら接すると早期にリスクに気付けるかもしれません。
褥瘡について調べている方に、こちらの記事も読まれています。
この本は介護、ポジショニング実務に関わる方に価値ある一冊です。
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