119番の無料の救急車の真実、救急車を呼ぶ基準、救急業務とは

 

突然の事故や病気の際、私たちの命を救ってくれる119番の救急車。しかし、実際に救急車を呼ぶべき状況とはどのようなものなのでしょうか。また、救急車はどのようにして行政サービスとして提供されているのか。この記事では、救急業務の背景や、救急車を呼ぶ際の基準について詳しく解説します。

行政サービスである救急車・救急業務の基礎知識

119番で呼ぶ公的な救急車

119番の電話番号で救急車を呼ぶことができますが、この救急車で救急業務を行い、病院に搬送したり、応急手当をしたりするということは、消防法で定められた行政サービスとして成り立っています。

救急業務の位置づけの歴史

  • 昭和38年:救急業務の法制化(消防法第2条第9項)
  • 昭和61年:疾病等による傷病者の搬送と救急隊員による応急処置を明記(消防法第2条第9項)
  • 平成 3年:救急救命士法が制定
  • 平成21年:消防の任務及び消防法の目的に傷病者の搬送を適切に行うことを明記(消防組織法第1条、消防法第1条)

救急業務とは(定義)

消防法(第2条第9項)では、救急業務について以下のように定義されています。

  • 緊急に 搬送する必要があるものを、救急隊によって、医療機関等に搬送すること
  • 傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間において、緊急やむを得ないものとして、応急の手当を行うことを含む。

救急隊員とは(定義)

消防法施行令で救急隊員は救急業務を行う消防職員のことで、以下のように定義されています。

  • 救急隊員は、次の各号のいずれかに該当する消防職員をもつて充てるようにしなければならない。
  • 救急業務に関する講習で総務省令で定めるものの課程を修了した者
  • 救急業務に関し前号に掲げる者と同等以上の学識経験を有する者として総務省令で定める者

救急隊員とは(定義)

救急救命士とは(定義)

救急救命士法(第2条)では、救急救命士について以下のように定義されています。

「救急救命士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示の下に、救急救命処置を行うことを業とする者をいう。

「救急救命処置」とは、その症状が著しく悪化するおそれがあり、又はその生命が危険な状態にある傷病者(「重度傷病者」)が病院又は診療所に搬送されるまでの間に、(中略)、症状の著しい悪化を防止し、又はその生命の危険を回避するために緊急に必要なものをいう。

救急救命士法 第2条

全国の救急業務実施体制(令和4年4月1日現在)

消防庁が発表した資料によると現在全国で行われている救急業務の実施体制は以下のようになっています。平成24年の時点と比較すると救急隊員や救急車の数は増えています。また全国には市町村が1,719ありますが、その中の1,690の市町村に救急業務実施体制があり98.3%のカバー率となっています。

項目 令和4年の数 平成24年の数 増加率
救急隊数 5,328隊 4,965隊 7.3%増
救急隊員数 65,853人 59,847人 10.0%増
救急救命士資格者数 42,475人 27,827人 52.6%増
運用救急救命士数 29,389人 22,118人 32.9%増
救急自動車数 6,549台 6,054台 8.2%増

令和5年4月25日(火)消防庁 救急企画室 は地方財政審議会 説明資料「救急行政の現状と課題」

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救急車を呼ぶ基準

救急車は、緊急の際に利用すべきものです。以下のような症状の場合、迷わず119番に通報することが推奨されています。

救急車を呼びましょう
  • 突然の激しい頭痛や高熱
  • 顔半分が動きにくい、または、しびれる
  • 突然の激痛や息切れ、呼吸困難
  • 胸の中央が締め付けられるような痛みが続く
  • 突然の激しい腹痛や血を吐く
  • 突然、片方の腕や足に力が入らなくなる
救急車を呼ぶ基準

その他救急車を呼ぶ基準に迷う場合には、
「救急安心センター事業(♯7119)」を活用しましょう!

救急安心センター事業(♯7119)とは?

♯7119は市民の安全を確保するための重要なサービスです。
突然のケガや病気に見舞われた際、救急車を呼ぶべきか、直ちに病院に向かうべきかの判断が難しい場面があります。
そのような状況で、専門家の意見やアドバイスが求められるときに利用できるのが、救急安心センター事業(♯7119)の電話相談サービスです。
こちらのセンターでは、医師や看護師、専門の相談員が電話を受け、病状やケガの具体的な症状を確認した上で、救急車の要否や適切な医療機関の案内を行ってくれます。

 

「すぐに病院に行った方がよいか」や「救急車を呼ぶべきか」、悩んだりためらわれた時は、

救急安心センター事業(♯7119)に電話してください!

「体調が悪いけど、どこの病院に行ったらいいか」といった相談に対しても、受診可能な医療機関を紹介してくれます。

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公的な行政サービスとしての救急車の費用

日本では、救急車の運用は行政サービスの一部として提供されており、その費用は税金で賄われています。そのため、原則として救急車の利用は無料です。具体的には、救急車が1回出動するのに必要な費用は、どこまでを諸経費と判断するかは難しいですが、一説によると、諸経費込みでおよそ4万5千円とされています。

あくまでも救急車が1回出動するという一時的なことに関する費用と考えられるため、救急車・物品・設備の点検や維持費、消防隊員や救急救命士の確保、各種待機やバックアップ体制、救急救命に関する活動や啓発、日々の訓練などなど、救急車で救急救命をするという行政サービスを維持することには、実際にはもっとたくさんの費用と関わる人たちの努力や貢献があり成り立っていると考えられます。

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救急車の適正利用

近年、救急車が安易に利用されるケースが増えています。虫刺されや薬の切れ、待ち時間を避けたいという理由で救急車を呼ぶ人が増えているため、救急車の適正利用についての啓発が求められています。救急車の有料化を検討する声もある中、適正な利用を心がけることが重要です。

救急車の不適用利用の例

救急車の不適切な利用例について、以下のような例があります。

軽微な理由での通報

「蚊に刺されたからきて」
「歯が痛いから」
「海水浴で日焼けしてヒリヒリする」
「蚊に刺されて痒い」
「病院に電話をかけてもつながらない」

救急車をタクシー代わりに利用

  • 搬送途中に「コンビに寄れ」と要求するケース
  • 入院のために「タクシー代わり」に救急車を呼ぶケース
  • 「足が痛いので、家まで運んで」との通報

故意の不適切な通報

  • 「しんどい。救急車を呼んでほしい」と通報し、救急車が到着すると「帰れ、アホ」と暴言を吐くケース
  • 病院の待ち時間を短縮するために、一度帰宅し、その後救急車を呼ぶケース

その他の不適切な利用例

  • 「包丁で指を切った」「歯が痛い」との通報の後、救急車が到着すると入院の準備をして自宅前で待機しているケース

 

救急車の不適切な利用や呼び出しに関しては信じられないような事例ですが実際に起きていてかなり課題感がある問題になっていますね。

 

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救急車利用マニュアル(総務省消防庁)を活用しましょう

総務省消防庁は、これらの不適切な利用が増えている背景として、救急車の正しい利用方法を知らない人がいることや、核家族化が進んでいることを挙げています。また、救急車の利用者に対して「救急車利用者マニュアル」の活用を推奨しています。

研修にも使える公的なマニュアルはこちら 救急車利用マニュアル A guide for ambulance services 総務省消防庁

これらの不適切な利用例を見ると、救急車の本来の役割や重要性を理解していない人が多いことが伺えます。救急車は緊急時に迅速に対応するためのものであり、不適切な利用は他の緊急を要する患者の命を危険にさらす可能性があります。正しい利用方法を知り、適切に活用することが求められます。

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救急でない時に病人や要介護者を運んで★土岐は民間救急車

民間救急車は、公的な救急車とは異なり、緊急性が高くない場合の患者の転院や退院、社会福祉施設への送迎などを主な業務としています。これらのサービスは、患者やその家族の要望に基づいて行われ、所要時間と搬送距離に応じた料金が発生します。車両は、所轄消防署からの認定を受けたもので、認定マークのシールが貼られています。

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まとめ

救急車は命を救うための重要なサービスです。適切な状況での利用を心がけ、緊急時に迅速に対応できるようにしましょう。また、費用についての心配は不要であり、必要な場面での利用をためらわないようにしましょう。

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