国家試験「救急救命士」とは?医師の指示で行う特定行為
 

「国家試験「救急救命士」になるには?医師の指示で行う特定行為」というテーマに沿って、救急救命士という責任ある職業への道のりと、その重要な役割について探求します。救急救命士は、緊急医療の最前線で活躍する専門家です。彼らは、医師の指示のもとで特定の医療行為を行い、多くの場合、患者の生命を救うための最初の対応者となります。この記事では、救急救命士になるために必要な国家試験の概要、救急救命士が行う特定行為の範囲、そしてその職業に求められるスキルと責任について詳しく解説します。救急救命士を目指す方々にとって、この道のりは挑戦に満ちたものですが、社会にとって不可欠な役割を担う重要な職業への第一歩となるでしょう。

救急救命士とは

救急救命士は、現場や救急車内で傷病者を救護する職業です。彼らは「病院前救護(プレホスピタルケア)」を担当し、重度の傷病者に対して適切な応急処置や救急救命処置を施します。この職業に従事するためには、国家資格が必要です。

救急救命士になるために

救急救命士になるためには、国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。2022年3月31日時点での免許登録者数は約6万6,899人で、ほとんどが消防署で勤務しています。消防署以外にも、病院や民間救急、海上保安庁、自衛隊などでの勤務が可能です。

救急救命処置の特定行為とは

救急救命士が行う「特定行為」は、医師の具体的な指示を受けて行う救急救命処置です。これには、心肺停止状態の傷病者への乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液、器具を用いた気道確保、アドレナリンの投与などが含まれます。2014年の救急救命士法施行規則の改正により、心肺機能停止前の傷病者に対する特定行為も認められています。

救急救命士が行うことができる「特定行為」の一覧表

特定行為の種類 対象となる状態 説明
医療器具を用いた気道確保 心肺機能停止状態の患者 心肺機能停止状態にある患者への気道確保
心肺機能停止状態にある患者への輸液 心肺機能停止状態の患者 必要な輸液処置を行う
心臓機能停止状態にある患者への薬剤(エピネフリン)投与 心臓機能停止状態の患者 心臓機能停止状態の患者にエピネフリンを投与
低血糖発作患者へのブドウ糖溶液の投与 低血糖発作の患者 低血糖状態の患者にブドウ糖溶液を投与
心肺機能停止前の患者への静脈路確保と輸液 心肺機能停止前の患者 心肺機能停止前の緊急状態にある患者への静脈路確保と輸液処置

救急救命士は、これらの特定行為に加えて、医師の包括的な指示に基づいて、小児科、産婦人科、精神科領域の処置、心電計や血圧計、聴診器の使用、吸引器を用いた異物の除去、酸素吸入器を用いた酸素投与なども行うことができます。これらの処置は、救急救命士の専門的な訓練と経験に基づいて、医師の指示のもとで行われます。

また、一般人でも行える処置として、自動式除細動器を用いた除細動、胸骨圧迫、圧迫止血なども救急救命士によって行われることがあります。これらは緊急時の基本的な救命措置として、救急救命士だけでなく、一般の人々にも広く知られている技術です。

救急救命士が行えないこと

診療の主体としての行為

救急救命士は、医師ではないため、診療の主体としての行為はできません。彼らの役割は、あくまで診療の「補助」に限られます。

医師の具体的な指示なしの医療行為

救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、救急救命処置を行うことが法律で禁じられています。これには、特定行為に関する処置も含まれます。

救急用自動車以外の場所での業務実施

原則として、救急救命士の業務を行える場所は「救急車の中」に限られます。ただし、病院や診療所への搬送のために重度傷病者を救急車に乗せるまでの間、または重度傷病者が病院や診療所に到着し入院するまでの間において、救急救命処置を行うことが必要と認められる場合はこの限りではありません。

救急救命士として働く時の注意点

法律に基づく制限の理解

救急救命士が行える処置は、救急救命士法によって厳格に規定されています。実際には医療行為の中でも医師の指示のもと行っても良い特定行為と、救急救命士が行ってはいけないことが示されており、法律の範囲内でのみ行動することが求められます。

緊急時の判断基準

緊急時においても、救急救命士は医師の指示に従う必要があります。

救急救命士の資格を持っているからと言って自己判断での医療行為は許されません。

教育と訓練の重要性

救急救命士は、定められた教育と訓練を受け、その範囲内でのみ処置を行うことが重要です。これにより、法律違反や医療ミスを防ぐことができます。

救急救命士の役割は、緊急時における患者の生命を守るために非常に重要ですが、その活動は法律によって厳しく規制されています。これらの制限を理解し、遵守することが、救急救命士にとって不可欠です。

救急救命士の役割と働き方

救急救命士は、主に救急車内や現場で救護を行います。彼らの役割は、医療機関に搬送するまでの間、傷病者に対して必要な救急救命処置を施すことです。勤務形態は多様で、消防署では24時間勤務が基本ですが、病院や民間救急などでは異なる場合があります。

まとめ

救急救命士は、高度な専門知識と技術を持ち、緊急時に傷病者の命を救う重要な役割を担っています。国家資格を取得し、特定行為を行う資格を得ることで、彼らは医師の指示のもとで救急救命処置を行うことができます。救急救命士の需要は高齢化社会の進展とともに増加しており、今後もこの職業の重要性は高まることが予想されます。