高齢化に伴い、メディカルフーズ(病態食)や介護食品であるスマイルケア食・ユニバーサルデザインフードの販売の拡大が進んでいます。

介護で重要な栄養摂取と誤嚥予防、自立支援のために、農林水産省が中心となって新しい介護食品「スマイルケア食」、日本介護食品協議会が進める「ユニバーサルデザインフード」などの規格化が行われています。

スマイルケア食では農林水産省で食形態・咀嚼能力・嚥下能力について区分し、スマイルケア食識別マーク(青、黄、赤マーク)の整備、許諾を得た企業・その商品の紹介などを行っています。

ユニバーサルデザインフードは、日本介護食品協議会で商品の基準を「かたさ」や「粘度」の規格で4つの区分と「とろみ調整」という表示で統一しており、シンプルでわかりやすいです。

高齢者・要介護者で課題となる栄養摂取ですが、「摂食嚥下のメカニズム 5段階に分けて観察・評価して誤嚥予防」で紹介している内容や、医師、管理栄養士、言語聴覚士などの専門家の意見も聞きながら安全で効果的な食事ができるようにしましょう!

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介護食品(スマイルケア食)と食形態の選び方【農林水産省公式】


スマイルケア食を推奨しているのは、厚生労働省かと思いきや、農林水産省です。
スマイルケア食を管轄するのは農林水産省の「食料産業局食品製造課」、『新しい介護食品(スマイルケア食)』という特集サイトを作りアピールしてくれています。

スマイルケア食の選び方

引用:スマイルケア食(新しい介護食品)農林水産省

スマイルケア食の分類とマーク、食形態・咀嚼能力・嚥下機能

農林水産省ウェブサイト「新しい介護食品(スマイルケア食)」を参考に食形態・咀嚼能力・嚥下機能をまとめます。

スマイルケア食 青マーク:噛むこと・飲み込むことに問題はないものの、健康維持上栄養補給を必要とする方向けの食品

スマイルケア食 黄マーク:噛むことに問題がある方向けの食品

スマイルケア食 赤マーク:飲み込むことに問題がある方向けの食品

分類とマーク食形態などかむ力(咀嚼能力)飲み込む力(嚥下機能)

介護予防のための食品

栄養状態に配慮した食品問題なし問題なし

弱い力でかめる食品

かたさ・ばらけやすさ・はりつきやすさなどのないもので、弱い力でかめる程度のもの
(例:焼き豆腐程度の硬さの食品)
やや弱いやや弱い

歯ぐきでつぶせる食品

かたさ・ばらけやすさ・はりつきやすさなどのないもので、歯ぐきでつぶせる程度のやわらかさのもの
(例:もめん豆腐程度の硬さの食品)
弱いやや弱い

舌でつぶせる食品

形はあるが、舌で簡単に押しつぶせるもの、水分が少なめのおかゆなど
(例:絹ごし豆腐程度の硬さの食品)
とても弱い弱い

ペースト状の食品

スプーンですくって食べることができるもの。口の中で簡単にまとまって、飲み込めるもの
(例:ペースト状のおかゆなど)
とても弱いとても弱い

ムース状の食品

均質で、付着性や凝集性、硬さ、離水に配慮したゼリー・プリン・ムース状のもの。少量をスプーンですくってそのまま飲み込めるもの
(例:おもゆゼリー、おかゆのゼリーなど)
とても弱いとても弱い

ゼリー状の食品

均質で、付着性や凝集性、硬さに配慮したゼリー。離水が少なく、スライス上にすくうことができるものとても弱いとても弱い

そのまま飲み込める食品

そのままの見込めるものとても弱いとても弱い

 

スマイルケア食の表記の商品例を挙げると、「日清オイリオのプロキュアZ」などです。ちなみに「日清オイリオのプロキュアZ」は栄養状態に配慮してエネルギー・たんぱく質を一定量以上含んだ食品として青マークになっています。

スマイルケア食 日清オイリオのプロキュアZ

スマイルケア食について詳しくは、『新しい介護食品(スマイルケア食)』のサイトをご覧ください。

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ユニバーサルデザインフードの区分(日本介護食品協議会)

日本介護食品協議会では、消費者の皆様が分かりやすいように、ユニバーサルデザインフードの商品の基準を「かたさ」や「粘度」の規格で4つの区分と「とろみ調整」という表示で統一しています。

ユニバーサルデザインフードの選び方

ユニバーサルデザインフードの選び方

引用;ユニバーサルデザインフードとは - 日本介護食品協議会

ユニバーサルデザインフード 区分1: かたいものや大きいものはやや食べづらいが、普通に飲み込める。

ユニバーサルデザインフード 区分2: かたいものや大きいものは食べづらく、ものによっては飲み込みづらいことがある。

ユニバーサルデザインフード 区分3: 細かくまたはやわらかければ食べられるが、水やお茶が飲み込みづらいことがある。

ユニバーサルデザインフード 区分4: 固形物は小さくても食べづらく、水やお茶が飲み込みづらい。

 

ユニバーサルデザインフードの表記の商品例を挙げると、ドラッグストアなどでもよく見かけるようになった 「キユーピー やさしい献立 おじや 鶏ごぼう 160g×6個 【区分1:容易にかめる】」 などです。

ユニバーサルデザインフード キユーピー やさしい献立 おじや 鶏ごぼう

ユニバーサルデザイン食の詳しいパッケージや規格、とろみ調整食品などについては、日本介護食品協議会のサイトをご覧ください。

食事は食べるだけじゃない、世界に誇れる日本食、日本の介護食

「食べることは生きること」「世界に誇れる介護食を作りたい」そんな思いから、いろいろな介護食が生まれています。
高栄養にしても美味しく食べられる食品、咀嚼が難しい状態でもしっかりと味と食感が楽しめる食品、飲み込むのが大変でもするりと飲み込める食品…
食事は栄養摂取だけのものではなく、もし介護を受ける状態でもとても尊く、人のQOL(人生の潤い)にも大きく関わる時間です。

おいしい食事に関与する5大要素 咀嚼嚥下に課題があってもできること

食事のおいしさに関与するさまざまな要因には、化学的要因・物理的要因・生理的要因・心理的要因・文化的要因と言われます。

  • 食事のおいしさの化学的要因とは、舌触りなど感覚で感じられるものです。しょっぱい、あまい、ピリ辛、のどごし…
  • 食事のおいしさの物理的要因とは、シャキシャキ、コリコリ、じゅわっ…などの硬さ・食感・温度、など…
  • 食事のおいしさの生理的要因とは、空腹感、疲労感、健康状態…みたいなタイミング的なもの。
  • 食事のおいしさの心理的要因とは、見た目、色彩、香り、連想、環境など。
  • 食事のおいしさの文化的要因とは、気候、風土、歴史、宗教、食習慣など。

調理とは様々な要因から美味しさを変化させることです。
咀嚼や嚥下機能が低下していて普通食が食べにくい方でも、これらの食事のおいしさに関わる要因について少しでも向上できないかを考えていくことも良い介護につながると思います。

スマイルケア食・ユニバーサルデザインフードを活用して介護でもおいしさを

介護食品というできあいも在宅場面などでは必要ですが、もし施設で介護食品を利用するときには、調理師・栄養士と協働でよりよい食事を作っていきたいですね!

また、ここで紹介したスマイルケア食・ユニバーサルデザインフードをうまく活用できるように、どこに売っているか、どんな区分なのかをご利用になる人にお伝え出来るといいかもしれないですね!

関連する内容になりますが、「飲みにくい薬・錠剤の対処法 剤形・数・内服頻度を見直そう」では、嚥下機能に課題がある方など、薬の飲み込みがうまくできないケースではどうすると良いかを薬剤師さんに解説していただきましたのでご参考にどうぞ!

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