認定介護福祉士の研修や資格の取得方法を徹底解説します。認定介護福祉士は全国に60名ほどいます。
認定介護福祉士養成研修を受講するための要件、受講費用、研修時間や研修内容、試験や認定の仕組み、介護福祉士と認定介護福祉士の違い、給料や待遇など、介護の仕事をしている人ならちょっと気になるところを総まとめしました。
このページの目次
認定介護福祉士とは
各都道府県にある「一般社団法人〇〇県介護福祉士会」などの団体が、「一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構」に「認定介護福祉士養成研修機関」になるための申請を行い、認証されると都道府県の介護福祉士会などが「認定介護福祉士養成研修」を実施し、受講生に各科目の単位を付与できる仕組みになっています。
認定介護福祉士は、一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構という団体が認定する民間資格です。現状では、法律で定められた国家資格や都道府県知事等が認定する公的資格とは違いますのでご注意ください。
fa-arrow-circle-right一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構の公式サイトfa-external-link
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認定介護福祉士と介護福祉士の違い
認定介護福祉士と介護福祉士国家資格には以下のような違いがあります。
認定介護福祉士養成研修を修了し、
一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構が
知識、技術等を認定した介護福祉士
認定介護福祉士と介護福祉士国家資格の資格認定の仕組みの違い
認定介護福祉士の研修の受講資格でもある「介護福祉士」は、社会福祉士及び介護福祉士法第10条第1項の規定により厚生労働大臣が指定した財団法人社会福祉振興・試験センターが試験の実施機関を行っている国家資格です。
介護福祉士は、法律に介護福祉士資格について明記されており、国家行政の長である厚生労働大臣が指定した登録機関(財団法人社会福祉振興・試験センター)が試験を行い、合格者のみがの資格者を登録できる仕組みとなっている国家資格です。
認定介護福祉士は、法律で定められた資格ではありません。また、認定介護福祉士は都道府県知事等が指定に関わる公的資格でもありません。現在は、「一般社団法人 認定介護福祉士 認証・認定機構」が各都道府県の介護福祉士会などを認定研修機関として指定を行い、その研修を修了した方を「認定介護福祉士 認証・認定機構」が審査をして「認定介護福祉士 認定証」を発行しています。
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認定介護福祉士の資格認定の取り方
介護福祉士の実務経験を5年
ファーストステップ研修100時間以上
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を受講
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類を受講
認定介護福祉士養成研修の全過程を修了
認定介護福祉士 認証・認定機構に申請
機構による審査の後、
「認定介護福祉士認定証」が発行される
※ 認定介護福祉士として登録されている人は、5年ごとに更新の手続きが必要とされています。
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認定介護福祉士養成研修の受講要件
認定介護福祉士になるためには、認定介護福祉士養成研修を受講する必要があるのですが、この研修に挑戦するためには要件があります。
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類の受講要件
1【必須】介護福祉士としての実務経験5年以上
2【必須】介護福祉士ファーストステップ研修などを100時間以上を受講
・認定介護福祉士 認証・認定機構が認めた「介護福祉士ファーストステップ研修」などを200時間以上修了すること もしくは
・介護福祉士になってからの研修受講歴が100時間以上あり、レポートを研修実施機関に提出もしくは研修実施機関が行う試験を通して客観的に資質が認められること
3リーダー (ユニットリーダー、サービス提供責任者等)としての実務経験
介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダー (ユニットリーダー、サービス提供責任者等)としての実務経験を有することが望ましいとされています。
4居宅系サービスと施設系サービスの経験者
居宅、居住(施設)系サービス双方での生活支援の経験をもつことが望ましいとされています。
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類の受講要件
1【必須】認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を修了
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類は、認定介護福祉士養成研修Ⅰ類を345時間受講し修了していることが受講条件です。
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認定介護福祉士養成研修の受講費用
認定介護福祉士養成研修の受講費用は、各都道府県府の介護福祉士会(養成機関)により異なりますが、
認定介護福祉士養成研修の全課程を修了するには50万円~80万円くらいの費用がかかります。
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認定介護福祉士養成研修のカリキュラム・単位
認定介護福祉士養成研修は、「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」と「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」で構成されており、全600時間の研修カリキュラムです。
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類 345時間
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類は、介護福祉士養成課程では学ばない新たな知識(医療、リハビリ、福祉用具と住環境、認知症、心理・社会的支援等)を修得し、他職種との連携・協働を含めた認定介護福祉士としての十分な介護実践力を身につけます。利用者の尊厳の保持や自立支援等における考え方にたった介護過程の展開を、介護職の小チーム(ユニット等、5~10名の介護職によるサービス提供チーム)のリーダーに対して指導するために必要な知識を獲得する内容となっています。
領域名 | 科目名 | 単位 | 時間 | 形態 |
---|---|---|---|---|
認定介護福祉士養成研修導入 | 認定介護福祉士概論 | 1 | 15(7) | 講義・演習 |
医療に関する領域 | 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅰ | 2 | 30(30) | 講義 |
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅱ | 2 | 30(15) | 講義・演習 | |
リハビリテーションに関する領域 | 生活支援のための運動学 | 2 | 10(10) | 講義 |
生活支援のためのリハビリテーションの知識 | 20(8) | 講義・演習 | ||
自立に向けた生活をするための支援の実践 | 2 | 30(8) | 講義・演習 | |
福祉用具と住環境に関する領域 | 福祉用具と住環境 | 2 | 30(0) | 講義・演習 |
認知症に関する領域 | 認知症のある人への生活支援・連携 | 2 | 30(15) | 講義・演習 |
心理・社会的支援の領域 | 心理的支援の知識技術 | 2 | 30(15) | 講義・演習 |
地域生活の継続と家族支援 | 2 | 30(15) | 講義・演習 | |
生活支援・介護過程に関する領域 | 認定介護福祉士としての介護実践の視点 | 2 | 30(0) | 講義・演習 |
個別介護計画作成と記録の演習 | 2 | 30(0) | 講義・演習 | |
自職場事例を用いた演習 | 1 | 30(20) | 演習・講義 |
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類 255時間
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類は、認定介護福祉士養成研修Ⅰ類で学んだ知識をもって、根拠に基づく自立に向けた介護実践の指導をする力を獲得する内容となっています。認定介護福祉士に必要な指導力や判断力、考える力、根拠をつくりだす力、創意工夫する力等の基本的知識に基づいた応用力を身につけます。
サービス管理に必要なツールを整理、改善し、それらから根拠を導きだし、その根拠に基づいた指導をする力を獲得できます。生活支援の視点から、地域の介護力を高める力を獲得する。 介護サービスという特性のもと、チーム運営、サービス管理、人材育成等について必要な専門的な理論に基づき、チーム、 サービス、人材マネジメントを実践し、利用者を中心とした地域づくり(地域マネジメント)に展開できる力を獲得できます。
領域名 | 科目名 | 単位 | 時間 | 形態 |
---|---|---|---|---|
医療に関する領域 | 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅲ | 2 | 30(15) | 講義・演習 |
心理・社会的支援の領域 | 地域に対するプログラムの企画 | 2 | 30(15) | 講義・演習 |
マネジメントに関する領域 | 介護サービスの特性と求められるリーダーシップ、人的資源の管理 | 1 | 15(7) | 講義・演習 |
チームマネジメント | 2 | 30(15) | 講義・演習 | |
介護業務の標準化と質の管理 | 2 | 30(15) | 講義・演習 | |
法令理解と組織運営 | 1 | 15(7) | 講義・演習 | |
介護分野の人材育成と学習支援 | 1 | 15(7) | 講義・演習 | |
自立に向けた介護実践の指導領域 | 応用的生活支援の展開と指導 | 2 | 60(40) | 演習・講義 |
地域における介護実践の展開 | 2 | 30(0) | 講義・演習 |
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認定介護福祉士の給料・年収や資格手当
認定介護福祉士は全国に60名ほどしかいません。(2020年9月時点)
そのため、認定介護福祉士になることで給料や年収にどのように反映されているかは確認ができません。
認定介護福祉士は資格手当のような形としてどのように評価されていくのかはわかりませんが、認定介護福祉士の養成研修を受けることで介護のリーダーとしてのマネジメント力や実践力が身につくため、役職についたり、スーパーバイザーのような指導的な立場として活躍できる可能性は広がります。
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介護福祉士の次の資格は、認定介護福祉士と介護支援専門員、どっち?
介護福祉士の生涯学習・キャリアパスとして、認定介護福祉士を作ろうという動きは平成23年ごろからの長い歴史があります。
現状では国家機関が後援をしている状況ではなく、全国の介護福祉士会などが連携して認定の仕組みを作っている状況です。
認定介護福祉士は国家資格や公的資格ではありませんが、民間資格だからと意味がないというわけではありません。介護の現場で活躍したい、介護の中のリーダー的な存在として仲間と協力してご利用者に高度なサービスを提供したいなどの動機があれば役立つ研修であり、客観的にも説得力のある認定です。
介護支援専門員資格(ケアマネジャー)は、都道府県が認定する公的資格です。介護支援専門員資格(ケアマネジャー)の仕事は、ご利用者の心身機能や置かれている状況などに合わせて、介護保険サービスや地域資源を上手に動員して生活を支えるというケアマネジメントです。
認定介護福祉士と介護支援専門員は似ています。
・直接ご利用者にケアをする分野でリーダーになりたい場合には認定介護福祉士。
・ケアマネジメントを通して全体の管理をしながらご利用者の生活を支えたい場合には介護支援専門員。
このようなキャリアの選択になるのではないかと思います。
ケアマネジャーの転職は、ケアマネ専門の転職サイトを利用しよう
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