通所介護の個別機能訓練計画書 厚生労働省が示した様式例【2021年3月以前】

 

通所介護には、個別機能訓練加算(Ⅰ)・個別機能訓練加算(Ⅱ)という加算があり、機能訓練指導員が中心に個別機能訓練計画書を作成して計画に沿った機能訓練を提供することを評価するものとなっています。

平成27年度介護報酬改定の時に、通所介護およびショートステイの個別機能訓練加算について具体的な指針が示され、その際に個別機能訓練計画書の様式例も添付されました。
なお、ニーズ把握には、興味・関心チェックシートを参考にするとともに、居宅訪問の際のアセスメント項目は、居宅訪問チェックシートを参考に確認することが推奨されています。

 2021年4月に個別機能訓練加算について見直しがあり、算定要件が改められたこととともに、個別機能訓練計画書についても新しい様式が示されました。2021年の個別機能訓練加算・個別機能訓練計画書については以下の記事をご参照ください。

厚生労働省が提示した個別機能訓練加算のガイドラインの紹介

個別機能訓練加算については、(Ⅰ)と(Ⅱ)があり、それぞれの解釈で計画書を作成していることと思いますが、最も安心感のある実務方法が厚生労働省からの通達です。
当サイトの閲覧が最も多いのが「個別機能訓練加算」関連となっており、通所介護で働いている機能訓練指導員の方は情報収集にご苦労されていることとお察ししています。

事務作業面でも業務に自信を持って行っていただけるように、厚生労働省からの通達の内容を抜粋してご紹介します。詳細は、引用元をご確認ください。

通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について

厚生労働省老健局振興課長 平成 27 年3月 27 日
個別機能訓練の実務等について

⑴ 個別機能訓練の体制

ア 個別機能訓練は、機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護 職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師。以下同じ。)、看護職員、介護職員、 生活相談員その他の職の者(以下「機能訓練指導員等」という。)が共同して、利用者ごとにその目標、実施時間、実施方法等を内容とする個別機能訓練計画を作成し行うものである。

イ 管理者は、個別機能訓練計画に関する手順(ニーズ把握・情報収集、アセスメント・評価、計画の作成、説明・同意等)をあらかじめ定める。

⑵ 個別機能訓練の実務

ア 個別機能訓練開始時におけるニーズ把握・情報収集

機能訓練指導員等は、個別機能訓練を行う場合は、利用者の日常生活や人生の過ごし方についてのニーズを把握するとともに、利用者の居宅での生活状況(ADL、 IADL等)を居宅訪問の上で確認するものとする。また、医師からは利用者のこれまでの医療提供の状況について、介護支援専門員からは、居宅サービス計画に基づいて利用者本人や家族の意向、総合的な支援方針、解決すべき課題、長期目標、短期目標、サービス内容などについて情報を得る。 なお、ニーズ把握には、別紙様式1の興味・関心チェックシートを参考にするとともに、居宅訪問の際のアセスメント項目は、別紙様式2の居宅訪問チェックシートを参考に確認する。

イ 個別機能訓練開始時におけるアセスメント・評価、計画の作成、説明・同意等

アで把握した利用者のニーズと居宅での生活状況を参考に、多職種協働でアセスメントとそれに基づく評価を行い、個別機能訓練計画を作成する。個別機能訓練計画は別紙様式3の様式を参考に作成する。なお、通所介護においては、個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって個別機能訓練計画の作成に代えることができる。 また、居宅サービス計画、通所介護計画及び短期入所生活介護計画と連動し、こ れらの計画と整合性が保たれるように個別機能訓練計画を作成することが重要である。通所介護計画書は、別紙様式4を参考に作成する。

ウ 利用者又は家族への説明と同意

個別機能訓練計画の内容については、利用者又はその家族に分かりやすく説明を行い、同意を得る。その際、個別機能訓練計画の写しを交付することとする。

エ 個別機能訓練の実施

機能訓練指導員等は、個別機能訓練計画に沿った機能訓練を実施する。

オ アからエまでの課程は3か月ごとに1回以上、個別機能訓練計画の進捗状況等に応じ、利用者やその家族の同意を得た上で、訓練内容の見直し等を行う。なお、利用者の心身の状態変化等により、必要と認められる場合は速やかに見直すこととする。

 

引用:通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について[PDF形式:752KB]平成27年度介護報酬改定について, 厚生労働省

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個別機能訓練計画書 厚労省のテンプレート書式

厚生労働省が平成27年に提示した「通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について」では、参考様式が4種類示されました。

その4種類のひな形は以下です。

厚生労働省が提示した個別機能訓練加算に関する4種類の様式例

  • 個別機能訓練計画書 ・・・機能訓練の目標、実施時間、実施方法などを記載
  • 興味・関心チェックシート ・・・利用者の日常生活や人生の過ごし方についてのニーズを把握
  • 居宅訪問チェックシート ・・・利用者の居宅での生活状況(ADL、 IADL等)を居宅訪問の上で確認
  • 通所介護計画書 ・・・個別機能訓練計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載することも可

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引用:通所介護及び短期入所生活介護における個別機能訓練加算に関する事務処理手順例及び様式例の提示について[PDF形式:752KB]平成27年度介護報酬改定について, 厚生労働省

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通所介護で本来の個別機能訓練加算のコンセプトに合致させる難しさ

介護保険事業は、本来は利用者や国家・地域の抱えるニーズに応えていることが評価されるべきではありますが、サービスを提供する過程や実績を客観的に確認するために、事務作業としっかりと記録や書類の整備などが求められてしまいます。

通所介護はその中でも日帰りという事業形態なので、介護施設に入所するタイプのサービスなどよりも記録等が多種にわたる傾向があります。また、通所介護に求められる役割も利用者や地域ごとに多種多様です。

機能訓練は本来は自立支援に直通する取り組みでありニーズには個別性があるはずですが、パッケージ化された運動サービスを提供する事業者が多い現状があります。

マシントレーニングなどによる心身機能の向上は自立支援の一助になっていることは確かですが、介護はフィットネスクラブではないので、機能訓練を行うためには在宅生活上もしくは将来にわたり望む生活のニーズの把握を行ったうえで行う必要があります。

利用者側はフィットネスクラブ感覚や娯楽感覚で通所介護を利用したいと考えているかもしれませんし、紹介したケアマネジャーも機能訓練や個別機能訓練加算の意味や仕組みがどのようなものか理解していない場合も多いことでしょう。

施設側の運営に都合の良い計画で本人が同意したからと言って、本当に保険対象のサービスとしての提供ができているわけではありません。実際に、個別機能訓練加算の手続きや訓練内容などが不適切であると実地指導などで強い指摘を受けるケースも見られています。

在宅生活をしている要介護者のニーズは変わらないという声をよく聞きますが、ご利用者の生活上のニーズはいろいろあり、機能訓練内容やアプローチ方法、目標の優先度はかわっていきます。

個別機能訓練加算の手続きは非常に複雑なものですが、一人一人の個別性のあるケアに向けて取り組み、定期的にご利用者の自宅という生活の場に立ち返り見直ししながら取り組むことを強制したという点はなかなか面白いと思います。

高齢者の生活機能の変化はわずかかもしれません。しかし、そのわずかな変化に気付けるアセスメント能力と、一人一人の生活に合わせた実践方法を提案・実践していくために機能訓練指導員がおり、加算という形で報酬が出ていることをみんなで再認識していきたいですね!

 

姉妹サイトの「機能訓練指導員ネットワーク」の「個別機能訓練加算の書類業務 計画書・チェックシート・実施記録」でも厚生労働省の示したテンプレート・ひな形と使用方法を紹介していますのでご確認ください。

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