食べ物を詰まらせて窒息 原因食品は餅の他、パン・粥・菓子
 

窒息の原因食品について消防本部の研究によると、窒息の原因食べ物は、餅、米、パン、粥、あめ、団子、ゼリーなど。

嚥下機能、咽頭・喉頭部のエアウェイ(空気の通り)、嚥下反射、咽頭通過速度、食事前の口腔ケアや準備の必要性などにも着目して窒息予防について考えましょう。

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メリットやリスクも含めてご検討を

窒息の原因と予防の研究と社会問題

10年ほど前になりますが、ミニカップタイプのこんにゃくゼリーや餅を喉に詰まらせて窒息して亡くなる事故が、メディア等でたくさん取り上げられた時期がありました。
少し古いデータになりますが、平成18年~平成20年くらいに食べ物・食品をのどに詰まらせて「窒息」することについて研究が盛んに行われました。
これらの研究は「窒息事故」が多発したことに対して、国民生活センター等の民意が内閣府、厚生労働省、農林水産省などに対して行政的対応を求める等、社会問題となったことで盛り上がりました。
これらの研究と啓発の成果で現在は予備知識が少しずつついてきていますが、いくつかの文献と、学生の時の家庭科の知識から、窒息について再復習してみたいと思います。

平成20年における窒息の原因食品について消防本部の研究より

引用:厚生労働科学研究補助金 総括研究報告 食品による窒息の現状把握と原因分析研究, p5

原因食品の食材または献立名で記載のあった 541例のうち食品成分表によって分類できたのは、432 例であった。
「穀類」が最も多く 211 例で、そのうち「もち」が 77 例、いわゆる「米飯(おにぎりを含む)」61 例、「パン」 47 例、「粥」11 例であった。
次いで「菓子類」62 例「魚介類」37 例、「果実類」 33 例、「肉類」32 例、「いも及びでん粉類」16 例(内しらたき 4 例、こんにゃく 2 例)あった。
「菓子類」のうち 「あめ」22 例「団子」8 例で「ゼリー」 4 例、「カップ入りゼリー」は 8 例であった。
年齢がわかっているもので「もち」「カップ入りゼリー」をみると、「もち」では、「1~4 歳」1 例、「45~64 歳」6 例、「65~79 歳」27 例、「80 歳 以上」31 例の合計 65 例、「カップ入りゼリー」は、「1~4 歳」2 例「65~79 歳」2 例、「80 歳以上」3 例で、いずれも高齢者が乳幼児よりも多かった。
家族などの処置の有無については、「あり」323 例、「なし」381 例であった。 救命救急隊による処置は、「あり」 446 例、「なし」244 例であった。基礎疾患については、「あり」270 例、「なし」198 例、「不明」205 例であった。

高齢者の窒息事故の原因食品として「雑煮の餅」が多い

お年寄りが餅を食べるときに窒息しないための注意点

窒息事例で最も多かった餅は、温度が高いほど軟らかくになります。これは穀物ほとんどに共通ですが、でんぷんには水と熱があると軟らかくなります。
ジャガイモもお米もみんなそうですね。口に入れた時は軟らかいのに、喉のあたりで冷えると硬くなるという性質が窒息にも関わっています。

でんぷんが含まれる食物は、加熱で柔らかくなり、冷えると硬くなり想定外の窒息に

餅などでんぷんが豊富に含まれる食物は、加熱で糊化(こか)して柔らかくなり、冷えると老化(ろうか)して硬くなる性質があります。喉で硬くなったり、冷めして食べると硬くなって噛み切れずに大きなまま喉に運ばれて詰まってしまい窒息するという原因になります。

市販の切り餅は窒息につながる要素がたくさんあります。これには理由があって、市販の安い餅にはもち米の他に「コーンスターチ」などの違う粉類が入ってしまっています。
もち米100%だと、アミロペクチンという粘り成分が豊富なのに対し、別の物質が入ると粘りでなくサラサラやゆるいような口当たりになります。
高齢者もお餅を食べたいという声も多く、最近は高齢者向けに開発された餅やスマイルケア食も販売されています。これらは温度の影響は少なくなっています。

喉に詰まって窒息するリスクのある食べ物

穀物類だと餅、米、パン、粥でも窒息の原因に

実際の窒息の原因食品の食材または献立名の報告を見ると、餅以外でも、パン・お粥まで例があります。

お菓子のあめ、団子、ゼリーも窒息の原因に

窒息の原因には、あめや団子、ゼリーも挙がります。

お菓子類は見た目や食感が大切なため、メーカーもいろいろな製品を出していますが、こんにゃくゼリーでの窒息の一件から注意喚起が啓発されてきました。

食べ物だけが窒息の原因ではなく、食べる人のリスク管理も

窒息の原因となる食べ物をいろいろと取り上げましたが、お粥やパンも窒息して搬送された例は多くあることに気付けます。
窒息する原因には、餅のように噛み損なってごっくんとのんでしまって引っかかるというだけではないのです。

窒息しやすい食べ物は確かに注意が必要ですが、一般的に窒息の例が少ない食べ物でも、口腔内の環境や体調、口腔機能によって窒息するリスクは高まるという点は留意する必要があります。

 

咽頭・喉頭部のエアウェイ(空気の通り)、嚥下反射、咽頭通過速度などにも着目

窒息とは、呼吸が阻害されることによって血中酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が上昇して、脳などの内臓組織に機能障害を起こした状態です。
窒息の原因は食べ物や異物を口入れて喉に詰まらせてしまうことが多いですが、「喉」や「口」の原因も多いにあります。

咽頭・喉頭部のエアウェイ(空気の通り)、嚥下反射、咽頭通過速度などにも着目して食事や口腔機能を観察して窒息や誤嚥を予防しましょう。

窒息のリスクを防ぐために、嚥下機能・口腔機能・口腔内環境の確認を

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高齢者や要介護所では、脊柱の変形やのど周辺の肥厚などにより、普通の人より喉の通り道が狭い方もいます。
お年寄りは、飲み込みの時の嚥下反射速度が低下していたり、お口・舌・のどの筋力が低下して喉を食べ物が通過するのに時間がかかったりします。
日ごろから気を付けてお粥にしていても、詰まる時には詰まってしまうというものです。

これらも合わせて念頭に置いておき、リスクのある食べものをあらかじめ知って、その方の喉に合わせた温度・形・量で食べてもらいたいですね。

窒息予防のために、食事の前に口腔ケアする必要があるケースも

介護施設などでは、口腔機能の低下や、唾液が高粘度になっていてサラサラしていないなど、食事自体が高リスクになっている方もいます。

もしも唾液や口腔内の粘液がサラサラしていないとすると、食べ物を口に含んだ時口の中で引っかかってしまい、その状態で食べ物を押し込んだりすれば窒息します。

このような窒息や誤嚥のケースも多くあります。口腔ケアは食事の後に行うものと考えがちですが、口腔内の状態が悪い方にとっては口腔ケアを食事前に行うことが窒息予防に効果的です。

万が一のときに備えて、どう対応するかみんなで考えておきたいですね。

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