骨折の疑い 転倒事故・急変は事故報告と初動対応が大切
 

訪問介護でご利用者の家を訪れた時、介護業務中、リハビリテーション中のなど、転倒事故や急変に遭遇することもあり、自己判断せず対応・報告・連絡が必要です。
事故に関しては、介護者に過失があるかないかに関わらず、報告をしなかったことが問題になってしまうこともあり、リスク管理についていくつかに分けてご紹介します。
骨折の症状は多種多様でレントゲンを撮影してからでないと骨折の診断をできません。複雑骨折(解放骨折)は1秒でも早く救急車を。その他の骨折疑いも迅速対応が必要です。

急変で救急車を呼ぶべきケース

緊急な場合とは

  • 意識障害(意識がない、もうろうとしている等)
  • 事故(交通事故・高所からの転落等)
  • 激痛(頭、胸、背中、腹等)
  • 顔、手、足のしびれ、まひ、けいれん等
  • 広範囲なやけど
  • 大量の出血を伴うけが等
  • 飲み込み(喉に詰まらせ呼吸が苦しい、毒物等の飲み込み等)

引用:救急車の利用のしかた - 上越メディカルナビ

 「骨折」のような症状を発見した時の対応

一般的に骨折は、骨折している部分が出血や組織が傷つけられることによって腫れることが多いと言われます。
骨には骨膜という皮があり、この部分に痛覚の神経が集中しているため、骨折部が動くと痛みが生じます。
しかし、少ししかいたがっていなくても骨折していることはしばしばありますので、程度に関わらず連絡、相談、報告しましょう。
報告や救急車にどの辺の怪我なのかを的確に伝えるために、介護・医療で覚えておくべき主要な骨の名前を図で紹介で骨の位置と名前を覚えておくと良いと思います。

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骨折疑いで救急車を呼ぶ場合の手順と救急車到着までの準備

救急車が到着するまでに実施してほしいこと

① 119番通報時に、応急手当の指示があった場合は、指示に従い実施する。
② 人手があれば、救急車の案内に出る。
③ 普段飲んでいる薬やお薬手帳・診察券・母子手帳・保険証を用意できればする。

救急車が到着したら救急隊員に伝えてほしいこと

① 事故や具合が悪くなった状況。(いつ頃から、どのようになったか)
② 救急隊が到着するまでに変化した状態と、実施した応急手当の内容。
③ 持病飲んでいる薬かかりつけ病院医師の指示等。
引用:救急車の利用のしかた - 上越メディカルナビ

「腫脹」「疼痛」「変形」は骨折が有るものとして対応

骨折に対する応急手当とは、二次的な損傷の防止と苦痛を和らげるために、固定を行い、安静を保ちます。
患部の晴れ(患部の抹消の腫れ)、疼痛、変形の症状が見られるときは骨折している前提で大事をとって行動した方が賢明です。
症状がないからと軽くみて、翌日などに骨折が発覚するなどすると大きな問題になることがあります。

大腿骨頸部骨折内側骨折や片麻痺の麻痺側などは、症状が出ないことも

腫脹や変形という症状は、骨折の場所により外からでは分からないこともしばしばあります。
また、高齢者や片麻痺の麻痺側などの骨折では、痛みもほとんどない場合もあります。感覚や知覚が鈍麻している場合や、認知症などでも痛みがわからないということもあります。
痛みは主観なので客観的判断が難しいものです。痛みなどの感覚や知覚を感じるメカニズムについては、感覚・知覚・認知の意味の違いと種類 神経の伝わり方と脳処理をご参考にどうぞ。
しかし、訪問サービスの場合は決められた時間のサービスを提供してスタッフが帰った後は利用者が一人になる場合もあります。
ケアマネジャーや家族などに相談し、一度受診をするか、場合によっては救急車を呼んでしまったほうが後々後悔しないで済むかもしれません。

解放骨折(複雑骨折)は緊急を要する骨折、すぐに救急車を

複雑骨折と聞くと、骨がぐちゃぐちゃになっている骨折をイメージする方も多いと思いますが、「複雑骨折」とは皮膚損傷が認められたもののことを言います。
解放創(骨が飛び出た傷)は、直接身体の深い位置にばい菌が入ってしまうので、感染が成立すると命に関わる事態になります。

出血を伴う解放骨折と感染症 デブリドマンの実施とゴールデンタイム

感染症が成立するには 1.bacteria(細菌の存在) 2.wound(局所状態) 3.host (全身状態)の3つの要素が必要です。
感染症を回避するための治療原則とは、①.初期治療時の洗浄とデブリドマン ②.骨折 などの損傷部の安定化 ③.早期の軟部組織修復です。
初期治療時の洗浄とデブリドマン(創面清掃)を安全に実施できる時間は決まっており、「ゴールデンタイム」といわれる受傷後6時間から8時間以内の処置のためにすぐに救急車を呼びます。

医師のような判断はいらない 恥ずかしがらずに救急車を

医療・介護の専門家だという意識があると、経験上これくらいなら大丈夫と思ってしまうことが有ると思います。
高齢者などでは、そもそも体力や感覚などが低下しているので、あまり変化がなくても体の中では大変なことになっていることもあります。
「バイタルチェックで問題がないから様子を見ましょう」で済まさずに、全身状態、普段との違い、あらゆる可能性を疑ってかかった方が良いです。
本人からの訴えやサインを過信せずに、嫌な予感がしたら病院にお連れするか救急車を呼びましょう。
救急車を呼んで何もなかった時も「心配になってしまいすみませんでした」で済みます。
万が一、重大な病変が生じていた時には、絶対に後悔しますので、救急車を遠慮しないというのが私の気持ちです。

救急の時には119番通報して救急車を呼びましょう。

救急車を呼ぶべきか、それとも病院に直接向かうべきか。多くの人がこのような緊急時の判断に迷った場合には、救急安心センターの電話相談サービス「#7119」を利用しましょう。

介護保険施設・介護サービスでの事故は市町村への事故報告を忘れずに

介護保険サービスや介護保険施設では、サービスの提供により事故が発生した場合には速やかに市町村や利用者の家族などに連絡を行うことと、必要な措置を講じることが決められています。詳しくは以下の事故報告書の記事で紹介しています。

急変・事故・災害に備えて、個人情報の記載された救急医療情報キットを用意

訪問サービス提供時の場合には、訪問中のスタッフが最もその状態が分かる人間になります。

ケアマネジャーなどに提案して、安心シート(救急医療情報シート)などに、個人情報、既往歴・主治医などを整理してみんなが分かる場所に保管しておきましょう。

安心シート(救急医療情報)があると、既往歴や手術歴、緊急連絡先などがすぐにわかり、いざというときに必ず役に立ちます。救急車を呼び、救急医療情報キットやお薬手帳を分かる場所に出してできる応急処置をしながら待ちましょう

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