ケアマネ更新研修は廃止される?2026年法改正と新たな義務研修を解説

ケアマネ更新研修は廃止される?2026年法改正と新たな義務研修を解説
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「ケアマネ更新研修は廃止されるの?」という疑問が広がっている

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格制度をめぐって、長年にわたり現場から強い不満が寄せられてきたのが、5年ごとの更新制度と、それに紐づく更新研修の負担です。

現役のケアマネからは、「日中は訪問・モニタリング・給付管理で手一杯なのに、研修のために何日も業務を空けなければならない」「費用や時間の負担が重い」「小規模事業所では受講調整そのものが大きな負担になる」といった声が上がり続けてきました。

また、ケアマネ試験に合格したものの、実務研修や更新研修の負担を考えると実務に就く決断ができない、いわゆる「潜在ケアマネ」の存在も、人材確保の観点から大きな課題となっています。

2026年の法改正では、ケアマネの更新制度・有効期間は廃止される方向です。ただし、ここで注意したいのは、研修そのものが完全になくなるわけではないという点です。

この記事では、2026年5月22日の衆議院厚生労働委員会での答弁内容をもとに、ケアマネ更新研修は本当に廃止されるのか、新たな義務研修とは何か、現役ケアマネや試験合格後未実務の方にどのような影響があるのかを整理します。

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現行の更新制度では何が問題とされてきたのか

ケアマネの更新制度は、介護支援専門員証に有効期間を設け、一定期間ごとに研修を受講・修了しなければ実務に従事できなくなる仕組みです。

現行制度では、更新にあたって法定研修の受講が必要とされており、研修時間は受講歴や実務経験、主任介護支援専門員であるかどうかによって異なります。

  • 初回更新に関係する専門研修課程Ⅰなどでは長時間の受講が必要
  • 2回目以降の更新でも一定時間の研修が必要
  • 主任介護支援専門員についても更新研修が課されている

特に初回更新では研修時間が長く、通常業務を続けながら受講することは、現場のケアマネにとって大きな負担でした。

さらに、研修を受講できなかった場合に資格の有効期間が切れ、実務に従事できなくなるという仕組みは、育児・介護・体調不良・災害・利用者対応など、やむを得ない事情を抱える人にとっても厳しい制度でした。

そのため、現場では「更新研修さえなければ続けられるのに」「専門職として学び続ける必要は理解できるが、制度が重すぎる」という声が広がってきました。

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2026年法改正で何が変わるのか

2026年5月22日の衆議院厚生労働委員会では、介護支援専門員の更新制度と研修のあり方について質疑が行われました。

厚生労働省側の答弁では、今回の法案において、ケアマネの更新制度の廃止と、それに伴う更新研修の見直しが盛り込まれていることが説明されています。

更新制度・有効期間は廃止される方向

大きな変更点は、介護支援専門員証の有効期間や、5年ごとの更新制度が廃止される方向であることです。

これまでのように、更新研修を受講できなかったことによって直ちに資格の有効期間が切れ、実務に従事できなくなるという仕組みは見直されます。

国会答弁でも、更新制度の廃止に伴い、これまでのように研修未受講によって直ちに資格が失われることはなくなる旨が説明されています。

これは、現役ケアマネにとっても、更新切れやブランクがある方にとっても、大きな制度変更といえます。

ただし研修の受講義務は残る

一方で、更新制度が廃止されるからといって、研修を受けなくてもよくなるわけではありません。

新制度では、ケアマネに対して研修受講の義務を課す方向で制度設計が進められています。

答弁では、ケアマネを雇用する事業者に対して、研修受講機会の確保に必要な措置を講じる義務を設けることが説明されました。

また、正当な理由なく研修を受講していない場合には、都道府県が事業者を通じて受講を促し、それでも受講しない場合には本人に対して受講命令を出す仕組みが想定されています

さらに、この命令にも従わない場合には、一定期間の業務従事禁止処分が行われる可能性もあります

つまり、「更新制は廃止されるが、継続的な研修義務は残る」というのが、今回の制度改正の重要なポイントです。

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研修負担はどこまで軽くなるのか

現場にとって最も気になるのは、「研修が義務として残るなら、結局どの程度の負担になるのか」という点です。

国会答弁では、研修負担を軽減する方向性として、いくつかの見直しが示されています。

国による統一教材の作成

これまでケアマネ研修は、都道府県ごとに実施方法や教材に違いがあり、地域差が課題となっていました。

新制度では、国が統一的な教材を作成し、研修内容の標準化を進める方向が示されています。

これにより、都道府県ごとのばらつきを抑え、全国どこでも一定水準の研修を受けられる体制づくりが期待されます。

オンライン・オンデマンド受講の推進

集合研修だけでなく、オンラインやオンデマンドによる受講を進める方向も示されています。

これが実現すれば、仕事や家庭の都合に合わせて受講しやすくなり、これまでのように何日も業務を空けて研修会場に通う負担は大きく軽減される可能性があります。

研修時間の縮減

研修時間については、今後の省令等で正式に決まることになります。

一部報道では、年間6〜7時間程度、5年間で30〜35時間程度とする案も伝えられています。仮にこの方向で制度化されれば、現行制度と比べて大幅な負担軽減になります。

ただし、現時点では正式決定ではないため、今後示される省令・通知・ガイドラインの内容を確認する必要があります。

分割受講の仕組み

新制度では、一定期間内に必要な研修を分割して受講できる仕組みも検討されています。

これにより、育児・介護・体調不良・利用者対応などで一時的に受講が難しい場合でも、柔軟に研修を積み上げられる可能性があります。

現場から見れば、研修の有無だけでなく、「いつ、どのように受けられるのか」が実質的な負担感を大きく左右します。

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現役ケアマネ・更新切れ・試験合格者への影響

今回の制度改正は、ケアマネの立場によって受け止め方が変わります。

現役ケアマネへの影響

現役ケアマネにとっては、5年ごとの更新制度が廃止されることで、「更新できなければ実務に就けない」という不安は軽減されます。

一方で、研修受講義務は残るため、今後も継続的な学習は求められます。

重要なのは、研修がどれだけ実務に役立つ内容になり、どれだけ受講しやすい仕組みになるかです。

更新切れ・ブランクがある方への影響

すでに更新切れやブランクがある方にとっては、資格失効や再研修の扱いがどう整理されるのかが大きな関心事です。

更新制度廃止後は、これまでのような「有効期間切れ」という考え方は見直される方向ですが、実務復帰にあたってどの研修が必要になるのかは、今後の制度設計を確認する必要があります。

特に、長期間実務から離れていた方については、研修義務や復帰時の取り扱いが別途整理される可能性があります。

ケアマネ試験合格後、実務研修を受けていない方への影響

ケアマネ試験に合格したものの、実務研修を受けていない方については注意が必要です。

今回見直されるのは、主に登録後の更新制度や法定研修のあり方です。試験合格後に資格登録するための実務研修については、引き続き必要になると考えられます。

そのため、「更新研修が見直されるなら、実務研修も不要になる」と考えるのは早計です。

ただし、登録後の研修負担が軽減されれば、これまで実務に就くことをためらっていた試験合格者にとって、ケアマネとして働き始める心理的ハードルは下がる可能性があります。

主任介護支援専門員への影響

主任介護支援専門員についても、更新研修の負担は大きな課題でした。

今回の制度改正が主任介護支援専門員の更新研修や資格維持にどのように影響するかは、今後の詳細な制度設計を確認する必要があります。

居宅介護支援事業所の管理者要件とも関係するため、主任ケアマネ制度については、通常の介護支援専門員以上に慎重な確認が必要です。

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日本介護支援専門員協会の立場をどう見るか

ケアマネ更新研修の見直しを考えるうえで、職能団体である日本介護支援専門員協会の立場も重要です。

同協会は、更新制度の見直しや研修負担の軽減について、現場の声を踏まえた要望を行ってきました。一方で、専門職としての質を維持・向上するためには、継続的な学習機会そのものは必要であるという立場もあります。

ここで整理しておきたいのは、「更新制度の廃止」と「法定研修そのものの完全廃止」は、必ずしも同じ議論ではないという点です。

各都道府県のケアマネ協会は、これまで法定研修の実施に関わり、研修運営の中で専門職教育を担ってきました。研修事業は、協会活動の一部として一定の役割を果たしてきた側面もあります。

そのため、協会側としては「更新制による過度な負担は見直すべきだが、専門職として学び続ける仕組みは必要」という立場になりやすい構造があります。

現場からは、「更新制度という名前がなくなっても、実質的には義務研修が続くのではないか」という不安の声もあります。

この不安を解消するためには、新しい研修制度が本当に現場の負担を軽減し、実務に役立つ内容へ変わるかどうかが重要です。

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「研修があるから専門職」か「研修が重すぎて専門職が減る」か

ケアマネ研修をめぐる議論の難しさは、「専門職としての質の確保」と「人材確保・現場負担の軽減」がぶつかりやすい点にあります。

行政や職能団体の立場から見れば、介護保険制度は頻繁に改正され、医療・介護・福祉の連携も複雑化しているため、ケアマネが継続的に学び続けることは必要です。

一方で現場では、研修の時間・費用・日程調整が重すぎることで、ケアマネとして働き続けること自体が難しくなっている現実があります。

研修によって専門性を高めることは大切ですが、研修負担によってケアマネが現場から離れてしまえば、制度の目的そのものが揺らいでしまいます。

今回の制度改正は、この二つの課題に対して、「更新制は廃止しつつ、研修はより軽く、受けやすく、実務に役立つものへ変える」という方向を目指していると考えられます。

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今回の制度改正で期待されること

今回の見直しによって期待されるのは、単に更新研修という言葉がなくなることではありません。

本当に重要なのは、ケアマネが専門職として学び続けながらも、過度な負担によって現場を離れなくて済む制度に変わることです。

具体的には、次のような変化が期待されます。

  • 資格失効への不安が軽減される
  • 研修時間や費用負担が軽くなる
  • オンライン・オンデマンド受講により働きながら学びやすくなる
  • 潜在ケアマネが現場復帰しやすくなる
  • ケアマネの人材確保につながる

ただし、これらは今後の制度設計が適切に行われた場合の期待です。

研修が義務として残る以上、時間数・内容・費用・受講方法・未受講時の対応がどう定められるかによって、現場の受け止めは大きく変わります。

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まとめ 更新制は廃止へ、ただし研修義務の中身が重要

  • 2026年法改正では、ケアマネの5年更新制度・有効期間は廃止される方向です。
  • これまでのように、研修未受講によって直ちに資格が失われる仕組みは見直されます。
  • ただし、研修そのものが完全になくなるわけではなく、新たに研修受講義務が設けられる方向です。
  • 正当な理由なく研修を受講しない場合、受講命令や業務従事禁止処分の対象となる可能性があります。
  • 国による統一教材、オンライン・オンデマンド受講、分割受講、研修時間の縮減などが検討されています。
  • 現役ケアマネ、更新切れの方、試験合格後未実務の方、主任ケアマネでは影響が異なるため、今後の省令・ガイドラインの確認が必要です。

ケアマネ更新制度の見直しは、現場にとって大きな前進です。しかし、制度の核心は「更新制がなくなるか」だけではなく、「新たな研修義務がどの程度の負担になるのか」にあります。

ここまでの議論を見てくると、更新のタイミングや強制度に少しだけゆとりが出る方向ではあるものの、研修を受けないと業務停止という意見も出ていることから、更新制がなくなると本当に言える状況になるのかは不明確です。

名前だけが変わるのか、それとも本当に現場が働き続けやすい制度に変わるのか。今後示される省令・通知・ガイドラインの内容を、引き続き慎重に確認していく必要があります。

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